いつまでもベンチャー気質を忘れない。そんな熱意を追い風に ―― アドウェイズ 遠藤氏・山田氏インタビュー

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アドウェイズ 山田氏 遠藤氏

Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.04

第一線で活躍しているクリエイター達のリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイター達の熱意や考え方を、ぜひ、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。

2001年の設立以来、国内最大級のインターネット広告代理店として、モバイルアフィリエイト(成果報酬型)広告をメインに成長を続けてきたアドウェイズ。単なる広告を売るだけの代理店ではなく、自社開発の広告運用プラットフォームを複数有し、AI運用型の広告総合支援システムの開発にも注力するなど、こうしたアドテクノロジーを強みとしている。そして、PCからモバイル、スマートフォン向け広告サービスと、様々なデバイスにおいて、変化するインターネット広告市場にあわせた新サービスを次々に打ち出し、成功を収めてきた。

現在、同社ではスマートフォンが一般に普及するのと同時に、クリエイティブ部門を強化している。この部門には、約70名のクリエイターが活躍しているが、日本有数のインターネット広告代理店のディレクター・デザイナーとは、どんな役割を担っているのだろうか。今回は、現役マネージャの遠藤由依氏と山田純氏に話をうかがった。

デザイナーのポテンシャルを最大限引き出すディレクション力

アドウェイズ ロゴ ── 各ディビジョンの業務内容とデザイナーの役割について教えてください。

山田氏:当社の営業部にはゲームと非ゲーム分野があり、ゲームデザインディビジョンはその名前の通りゲーム系クライアントの広告制作を行うディビジョンです。ディレクターが6名、バナーデザイナー8名、動画デザイナー5名の体制で、主にスマートフォン向けの広告を制作しています。

遠藤氏:私が統括しているクリエイティブディビジョンは、グラフィックデザイナー、広告デザイナー、動画デザイナー、UI・UXデザイナー、クリエイティブディレクター、フロントエンドエンジニアの6ユニットに分かれていて、各ユニット5〜10名、ディビジョン全体でクリエイターが約50名在籍しています。

山田の部署が制作する以外の非ゲーム分野の広告だけでなく、クライアント企業のWebサイトに動画の制作、自社広告システムのサービスページや管理画面のデザイン、自社Webサイト・採用ページ・広報ツールといったブランディングに関わるデザインまで、社内で発生するデザイン周りは、すべて受け持つという感じですね。

山田氏:ディレクターは、営業担当や運用担当と、クライアントからの要望や訴求ポイント、ターゲットといった大枠の内容を話し合い、案件に応じてデザイナーをアサインします。クライアントからゲームの素材を提供され、音声やプレイ動画なども交え、ゲームの魅力を分かりやすくユーザーに伝えられる広告を作っていくわけですが、当社では広告内に入れるキャッチコピーもデザイナーが担当することもあります。

僕がディレクターをやっていた時も、デザイナーに訴求軸や制作する背景は伝えるものの、それほど細かい指示は出していませんでした。「広告効果が高いこのキャラクターを全面に出して」「人気の声優さん推しの広告で」といった具合です。そこからデザイナーが、一番表現しやすいキャッチコピーを考え、構図や色合い、テイストを自分で決めて作る。ディレクターがすべて指示する流れだと、クリエイターの表現を邪魔してしまう恐れもありますから。

遠藤氏:当ディビジョンも、仕事の流れは基本同じ。ただ、クライアントが、コスメやファッション、健康食品、ゲーム以外のアプリといったものまで、制作物もWebからグラフィックまで多岐に渡ります。

まず、私が営業やエンジニアやディレクターと案件の概略を話し合い、、プロダクトの内容をデザイナーに伝える。もう一人ディレクターを立てて、運用の検証をしながらデザイン制作することもありますし、営業やエンジニア発信のプロダクトの場合は、各部署のスタッフがプロデューサーとして立ち、必要に応じて、フロントエンドエンジニアやUI・UXデザイナーをアサインします。大規模なプロジェクトであれば、私がアートディレクターの立場で、クオリティを管理することもあります。

アドウェイズにおけるディレクターとデザイナーとは

アドウェイズ 山田氏 ── アドウェイズのディレクター・デザイナーに求められるスキルとは?

山田氏:ディレクターは、自ら手を動かすというよりは、コミュニケーションがメインになります。営業担当や運用担当と相談し、案件に最適な人材をアサインして、スムーズに進むようにディレクションしていく役割です。とはいえデザイナーが制作したものを「こうしたほうがもっと良くなりそう」というように、表現の幅を広げるためのアドバイスをするので、デザイナーが使うソフトを熟知していないと、指示を出せない。そのため、デザインとソフトの知識は必要になりますね。

デザイナーは、ディレクターと違い、もっとクリエイター気質が強い。そして、ゲームデザインディビジョンのデザイナーは、基本的にゲームやアニメ、マンガ好きです。担当者を決める場合にも、アニメとコラボレーションしたゲームなら、そのアニメに詳しいデザイナーを選びます。このゲームの広告を“誰”に対して見せるか――ゲーム好きなら、その“誰”を自分に投影できる。どういう表現なら、ユーザーに刺さるかというのが感覚で分かっているので、デザイナー本人がカッコイイというデザインがマッチしたりするわけです。ゲームデザインディビジョンのデザイナーのポリシーは、ゲーム開発会社の中にいるデザイナーの一人として広告を表現すること。開発者の一人としてデザインをやっている自負があるんですよね。

遠藤氏:キャッチコピーも全体の構成も、デザイナーが考えることもあるので、オペレーターのように、言われたものを作るだけのデザイナーは、当社では正直厳しい。でも、クリエイティブディビジョンでは仕事が広域に渡るため、さすがに全部できる人はいません。そのためにユニットを専門分野に細分化し、 DTPやロゴデザインであればグラフィックデザイナーが、複雑な設計が必要であればUI・UXデザイナー、スクリプトなどの動きがついたコーディングが必要となればフロントエンドエンジニアがそれぞれ担当しています。

Webは、技術やトレンドがすぐに変わるので、それをいち早く察知して、チャレンジできることがクリエイティブディレクターには必須ですね。流行りモノが好きだったり、人と話すのが好きだったり、アクティブに何にでも興味を持つ人が適任ですね!

一方デザイナーは、多少コミュニケーションが苦手でも、作ることをこよなく愛し、三度の飯よりもPhotoshopが好きみたいな人。Web系の広告はPhotoshopが使えれば問題ありませんが、グラフィックの経験しかない場合は、入社後にコーディングは覚えてもらうようにしています。

デザイナーと信頼関係を構築するために心がけていること

アドウェイズ 遠藤氏 ── マネージャになるまでの経歴を教えてください。

山田氏:全くWeb系の知識がないまま、新卒で入社して、広告の運用担当を2年ほど経験しました。もともと現在遠藤がいる、クリエイティブディビジョンがデザイン部署として入社当初からあり、アフィリエイト広告のLP制作をメインでやっていましたが、スマートフォンの普及に伴い、広告バナーの差し替え頻度が尋常じゃないくらい増加。それまでは、1つの広告で1、2本作ればよかったのが、一度に数10本の広告を回していく必要性が出てきたため、運用部署内に新しくデザイン部署を発足することとなりました。これが現在のゲームデザインディビジョンの原点で、当時はデザイナー1名だったところからスマホ広告の成長と共に現在の20名に3年間で成長していきました。

当時の役職者の中で、一番Photoshopに触れたことがあるという理由で、僕がマネジメントをすることに(笑)。特にゲーム好きでもなかったため、ゲームもデザインの知識についても、すべてそこから勉強しました。

アドネットワーク広告が一気に加速した時に、代理店として他社と差別化を図るために重要になるのが、運用の技術やクリエイティブ力。これを外注してしまうと、クライアントはどの代理店と契約しても変わらなくなってしまうため、自社のクリエイティブ力が当社のサービスに付加価値を付けるファクターになると考え、優秀なデザイナーを多数採用するようになりました。

遠藤氏:私の場合は、新卒入社から2年間は営業担当で、その後、ジョブローテーション制度を活用してクリエイティブディビジョンに異動しました。学生時代に写真を学んでいたのでPhotoshopは使えましたが、他のソフトは全然使えませんでした。先輩に、特別カリキュラムを組んでもらい、Illustratorやhtmlコーディングを覚えて3年くらいデザイナーとして実績を積み、一昨年前にユニットマネージャに。最初は10名ほどだったクリエイティブディビジョンも、ここ2年で50名まで一気に増えてユニットが6つに増え、昨年からディビジョンマネージャを任されています。

制作志向のデザイナーもいますが、私は、人と話したり、アイデアを出すことが得意。デザイン技術を学んでいるときから、最終的にディレクターを目指していましたし、「デザインのスキルは、私の“武器”になる」という考え方をもっていました。Webやデザインの知識がないディクレタ―が、デザイナーから信頼されるだろうか、という不安があったので、そのためにも最低限のWeb制作の知識は身に付けようと。

山田氏:確かにそうですね。僕も最初はデザインに関しては全くのシロウトでしたから、そのシロウトにあれこれデザインについて言われることに、「最初、いい気分はしなかった」と後からデザイナーに言われました(笑)。僕には運用経験があったので、デザインよりは、その検証や広告効果、訴求といった視点から話をするよう心がけていました。

クリエイターの感性を底上げするアドウェイズならではの制度

アドウェイズ 山田氏 遠藤氏 シンボル前 ── アドウェイズだからできることを教えてください。

遠藤氏:「いつまでもベンチャー気質を忘れない」のが当社の良さでもあり、若い人にもどんどんと仕事を任せていく会社。新規事業の立ち上げに入社2年目で抜擢されたり、3年目でチームリーダを任せられたり。若いうちから責任を負う仕事ができるからこそ、成長も早いと思います。

他に面白い試みを挙げるとすると、クリエイティブディビジョンでは、デザインセミナーや美術館に行く制度があります(費用は会社負担)。クリエイターとして感性を磨こうという思いが込められています。他にも、外部のデザインコンペの応募も推奨しています。

山田氏:ゲームデザインディビジョンではさすがに美術館はないですが――。最近ではVRを広告に活用するために、mayaを使ったCG制作ができるスタッフを抜擢して、丸々1カ月間はその技術を習得するためだけの時間にしました。ただVRの技術は習得できても、それを2Dの広告でどう表現するかは、まだ試行錯誤。そのための時間も環境も用意して、開発を進めています。 会社全体だと、やっぱり嬉しいのは「岡村屋」ですね。ゲリラ開催なのですが、20時くらいに炊き出しのように夜食が無料で配られます。カレーとか、牛丼とか。毎回行列が出来て、10分くらいですぐ売り切れます。

「好き」が、仕事のモチベーションへとつながる

アドウェイズ 遠藤氏 ロゴ ── マネージャとして、どんなディレクター・デザイナーと働きたいですか?

遠藤氏:自分の強みや、武器を持っている人。Webのすべてを網羅するのは大変でも、これだけは負けないというスキルがあれば、アピールポイントになりますし、50名もデザイナーがいるクリエイティブディビジョンでは、色や特長がないと埋もれてしまいますから。

山田氏:そう、当ディビジョンには、フォントを見ただけでフォント名が分かるという人もいますし、ゲームやアニメのマニアも多い。実際、ゲームやアニメが好きだから入社したデザイナーがほとんどで、大手ゲーム会社の広告を自ら手がけられることが、仕事のモチベーションになっているようです。

あとは、会社を大きくしていこうという想いを共感できることも大事。せっかく一緒の会社で働けるのですから、会社のビジョンに共感してほしいですね。周囲にいろいろな技術を持った人がいるので、その環境を活かして吸収できる人、自ら成長していける人が合います。

インタビューを終えて

「Beyond Everything Internet 〜インターネットの全てを越えていく〜」

日本最大級のインターネット広告代理店としてのアドウェイズのビジョンは、かなり壮大だ。だが現実としてすでに、インターネットテクノロジーを駆使して国境や文化を越え、世界12カ国でインターネット広告事業を展開をしており、アジア全域では、エリア最大級のスマートフォンアフィリエイトネットワークを構築している。

そして同時に、2001年の創業以来、成長し続ける同社は、現場のクリエイターにとっても刺激的な環境であるようだ。デザインを追求したいタイプ、ディレクションしていきたいタイプ、どちらも活躍が可能であり、何よりも、デザイン制作という1点だけでなく、広告の運用や効果といったところまで視野を広げ、デザインする意味と手ごたえを感じながら働けるのは、アドウェイズならでは。今後もWeb業界にイノベーションという希望の明りを灯し続けてくれることを願わずにはいられない。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。

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