さまざまなクリエイターと向き合ってトータルなゲーム作りに挑むシステム系プランナーの魅力 ―― アトラス 伊東大輝氏インタビュー

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Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.37

第一線で活躍しているクリエイターたちのリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイターたちの熱意や考え方を、是非、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。

株式会社アトラスには「システム系プランナー」というポジションのクリエイターが存在する。具体的な仕事内容としては、ゲームルールの起案や仕様の作成、ゲームデータの作成などを担う。

ゲームクリエイターの中にあって、このシステム系プランナーにはデザイナーやプログラマーのような専門領域におけるスキルが求められているわけではない。他職種、他業界からの転職が多いのもこのシステム系プランナーの特徴と言えるだろう。それではシステム系プランナーにはどのような素養が求められ、実際にアトラスでどのように活躍しているのか。自身も他業界、他職種からの転職を果たしているチーフプランナーの伊東氏に聞いてみた。

ゲーム業界はまったくの未経験。企画力とシステムに関する知識を武器に単身アトラスに乗り込んだ

―― アトラスに入社したきっかけを教えてください。

伊東氏:一番の理由は、やはりゲームが好きだったからと言うしかありません。中でもRPGが大好きで、子どもの頃から遊んでいた『真・女神転生』や『ペルソナ』を作っているアトラスで仕事ができればと考えたんです。前職ではビジネスフォンの技術者をしており、プログラミングや仕様書作成などをしていたので、システムについての知識はある程度身に付けていました。

ただ、キャリアを活かせるかということよりも、ゲーム作りがやりたいという気持ちが強く、単身この業界に乗り込みました。もともとプログラミングそのものよりも仕様を考えたりするのが好きだったので、アトラスのシステム系プランナーという仕事に興味を持ちました。

―― アトラスで働いてみて、前職と違うところはどのような部分でしょうか?

伊東氏:大きく違うと感じる部分は、自分や周囲の新しいアイデアによって、できあがるものがどんどん変わっていくことです。前職では、お客様が毎日使う電話機をさまざまな環境でも正確に動く製品として作りあげるのが仕事でした。一方アトラスでのゲーム作りでは、どうやってユーザーを楽しませられるかが一番大切で、「もっと面白いこと」を絶えず探し続け、今あるものの形を変えてでも実現していくのが仕事なのです。

厳しい意見の中にこそ活路が!システム系プランナーに必要な「まとめる力」

―― システム系プランナーの仕事を具体的に教えてください。

伊東氏:プロデューサーやディレクターから、企画としてのゲームの概要が起案書としてできあがってきます。システム系プランナーはこれを受けて、それぞれが担当するパート(イベントやフィールド)に分けた概要から仕様へと作り込んでいきます。この仕様を作成する段階で、シナリオ系プランナーやデザイナー、プログラマーとよく話し合って、数値なども含めた最終的な仕様に落とし込んでいきます。

そしてシナリオ、デザイン、プログラムを1つにして、パート単位でゲームを作る作業に入っていきます。自らのアイデアと皆のアイデアをまとめ上げながら、主体的に動いてどこにでも関わっていけるポジションです。

―― アトラスでのゲーム作りに何か特徴はありますか?

伊東氏:とにかく1人の意見でゲームを作らないところです。たとえば、ゲームがある程度動くようになると、すべてのパートに対して職種に関わりなく感想をグループラインに書き込むことができます。肯定的な意見ならそのまま進めればいいわけですが、あがってくる感想の多くはいい意味で批判的なものが多いです。これにどう対応するかがゲームをよりよくするためのキモです。私も正直に言うとはじめはこの対応が辛かったですね。しかし、ゲームを動かしてみて、自分とは違う感想を持つ人がいるということを知るのは貴重な機会です。厳しい指摘があるからこそゲーム作りがよい方向に向かっていくことを私はここで経験的に学びました。

今では厳しい意見が出てくるとゲームがもっと面白くなる可能性を感じて、逆にやりがいを感じるようになりました。そんな意見の背景には自分と同じように「もっと面白いゲームにしたい」というアトラス共通の思いがあることを感じるからです。客観的な意見を受けて自分たちがゲームをどう変えられるか。パートメンバーの仕事とさまざまな意見を“まとめる力”が肝心なのです。

ゲーム開発のまっただ中にある充実感。いずれは自身の起案するタイトルにも挑戦!

―― この仕事で感じるやりがいは何でしょうか?

伊東氏:ゲーム開発の現場では、シナリオやグラフィックなどからわかる世界観を大事にしながら、ゲームとして体感できる面白さを提供するためにどうやってユーザーに楽しんでもらえるかを考え、デザイナーやプログラマーと共有して一緒に作り上げていきます。その過程で周りの人が自分のアイデアに乗ってくれたときは非常にやりがいを感じます。ゲームが好きだからゲームを考えるのも面白い。システム系プランナーはまさにそんな仕事だと思います。開発を終えて、自分の作ったパートに対してユーザーからの反響が大きかったときの喜びは例えられません。

―― キャリアアップや成長の実感はありますか?

伊東氏:私はこれまで『真・女神転生』シリーズ、『ペルソナ』シリーズなどアトラスで11タイトルのプランナーを経験しています。タイトルごとに違った挑戦がありますので、アトラスで経験を積めば、自分のやれることが広がっていくのが実感できると思います。たとえば、ゲーム上の日常やダンジョンを作るフィールドプランナーを経験したり、イベントシステムなどを作るイベントプランナーを経験したり、UI・コープのシステムも担当しました。同じシステム系プランナーの仕事でもやれることは多彩で、自分の引き出しをどんどん増やしていけることに喜びも感じますね。

―― これから目標とされることは何でしょうか?

伊東氏:自分で起案するタイトルを作ることです。私はこれまでディレクターの領分の仕事も経験したことがありますが、それをさらに進めて起案からゲーム全体のクリエイティブまでをやってみたいと思っています。システム系プランナーからディレクターになることももちろん可能ですので、システム系プランナーの強みを生かしてもっともっと面白いゲーム作りを追求していきたいです。

―― アトラスでシステム系プランナーに挑戦したいと考える転職志望者にメッセージをお願いします。

伊東氏:社内はいつも企画募集中で、職種を問わず誰もがゲームの起案者になれるチャンスがあります。ディレクター、プロデューサーなどのプロダクションのリーダーメンバーが企画をしっかり審査してくれて、フィードバックもあります。アトラスのゲームが好きで、ゲーム作りに本気で取り組みたい人には最高の環境ではないでしょうか。働く環境もどんどんよくなっていて、時間の使い方が自由なのもクリエイターにとってありがたいです。

システム系プランナーは人を巻き込む自発的な行動力といろいろな意見を統合する力、そしてゲーム作りに対する強い思いとこだわりが必要です。アトラスで共にゲーム作りをしたい人は、積極的なご応募をお待ちしています。

インタビューを終えて

アトラスのゲーム作りにおいてシステム系プランナーは現場の進行役。さまざまな職種のメンバーといかに連携をとれるかが、プロジェクトをスムーズに進めるうえで鍵となってくる。伊東氏のインタビューでは自身の担当するパートに対する強い責任感とゲーム作りへのこだわりを感じた。

あらゆる職種のクリエイターが自由な意見を発言しながら完成に向かうアトラスのゲーム。その完成度は、土台となる仕様の質によって大きく左右される。この「ゲームの土台」を作り上げ、意見を受け止められる器になることがシステム系プランナーの仕事のやりがいであり難しさなのである。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

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