多様化するWebマーケティングの今後を考える。転職市場においてWebマーケターに求められる人材像とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

キャリアアドバイザー 宮本早織Webマーケティングというと、求人サイト等でよく目にするかと思いますが、SEOやSEM、アクセス解析などをイメージする方も多いのではないのでしょうか。しかし、私たち転職コンサルタントが日々、皆さまの転職をサポートする中で感じることは、Webマーケティングの役割は、業種によっても、企業によっても様々で、一言では語ることが難しく、近年、より一層、その役割の多様化が進んでいるということ。

そこで今回は、そもそもWebマーケティングとは?というテーマから、転職市場において今後Webマーケッターが期待されているものとは?というテーマまで、幅広くお話できればと思います。

Webマーケティングとは?Webマーケティングの定義とは?

Webマーケティングとは そもそも、Webマーケティングという職業は、どんな意味で使われているのでしょうか?IT用語辞典eWordsでは、このように記してあります。

Webマーケティングとは?

WebサイトやWeb技術を応用したマーケティング手法。企業の事業内容によって内容は多岐にわたるため一概には言えないが、Web広告による自社のWebサイトや商品の告知宣伝、Webサイトで展開する商取引活動(いわゆる電子商取引)、Webサイトを窓口とした顧客との継続的な双方向の情報交換、消費者参加型の商品企画イベントの開催、また、事業内容に関連する市場調査やマーケティングリサーチにWebサイトやWeb技術を応用することなどがWebマーケティングに含まれる。

消費者への自社ブランドの印象付けや、顧客ロイヤルティの獲得、リピータ確保などに効果が高く、うまく使いこなせば他メディアより低いコストで極めて効果の高いマーケティング効果を得ることができる。ただし、Webそのものと同じようにWebマーケティングも間口は広いが奥は深く、バナー広告を出稿する程度の単純なマーケティングは簡単にできるが、効率的に高い効果を得るためには、高度なノウハウが必要とされる。

IT用語辞典eWords参照(2014.7.10時点)

上記を見てみると、まさにWebマーケッターがより広い範囲にわたって、使用されていることがわかると思います。現に、私たち転職コンサルタントが、企業に「Webマーケッターに求めるスキルとは何ですか?」という質問をする際に、よく耳にする答えは、「リスティングなどのSEMの他にも、SEOを考慮したサイト制作などのノウハウから、事業の広報・宣伝活動、新規顧客獲得のためのキャンペーン企画、さらには市場調査までお願いしたい」という広義に渡って求めているのが現状です。

Webマーケッターに求められる対応力と柔軟性

以前までは、Webマーケティングの技術それ自体が、斬新な手法として重宝されましたが、次々と新しいWebサービスが生み出される現在では、さらにその枠を超えた高度な活用スキルまで、Webマーケッターは求められています。

例えば、今まではリスティングの運用専任として担当者を立てていた企業も、現在は、アドネットワーク広告やDSP、動画広告などの企画・運用スキルまで求めています。また、Webマーケッターと言っても、最終的なゴールは事業の成果向上であることに間違いはありません。コンバージョンをより効率的に獲得するためには、システムと連携したWebサイトの構築やクリエイティブ面での知識も、より一層必要となってきます。今後は、事業の成果をゴールとして、Webデザイナーやシステム担当者などの他分野にも、具体的に提案、指示できるWebマーケッターが、企業からは求められてくるでしょう。

まさにWeb技術が猛スピードで進歩する中、Webマーケッターに必要なスキルとは、一つの分野に特化したスキルだけでなく、幅広い知識と高度なノウハウを吸収しながら対応できる柔軟性なのかもしれません。

それでは、そんな幅広いWebマーケティングの中で、最近のトレンドを掘り下げてみたいと思います。

Webマーケティングのトレンドを見る

Webマーケティング トレンド Webマーケッターに限らず、WebディレクターなどのWeb制作やWeb企画などに関わる方々は、「AIDMA」「AISAS」などのマーケティング理論をご存知だと思います。これらのような、広く普及している理論は、これからもマーケティングの根本となっていくでしょう。ではその上で、最近のトレンドという視点で考えると、どのようなマーケティング手法があるのでしょうか?

企業が求めるWebマーケッターとは?

運用のみをこなすWebマーケッターは、転職市場において価値を見出しにくいことは、先述の通りです。それぞれを深くは言及しませんが、現在のトレンドとして、以下のようなマーケティング手法の活用スキルを持った人材を企業は求めているのではないでしょうか?

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、近年、注目されるようになりましたが、決して新しい手法ではありません。ただ、Webにおいてのコンテンツマーケティングは、効果が現れるまでに時間が早く、企業はこの手法を一刻も早く取り入れようとしています。手法を具体的に言えば、見込客や既存顧客にとって役立つコンテンツを提供して広めていくことで、最終的に自社の利益につながる行動を起こさせるというものです。わかりやすい例で言えば、ブログなどを用いて、ユーザにとって有益な情報をユーザの心理状態に合わせて提供していくことによって、最終的にはコンバージョンに結びつけるという「ユーザを育てていく」手法です。マス広告のような、固定の情報を幅広くターゲットに提供することよりも、検索エンジンからユーザに「見つけてもらう」根気強い取り組みと情報発信の継続が必要です。

ソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアの世界では、自分の興味の対象などの貴重な情報をユーザー自身が「自発的」に公開しています。これらを分析し、自社の製品やサービスにより興味を持ってくれそうな顧客に効率的にアプローチする手法です。また、上記で紹介したブログ等と連動し、自社サイトに流入させることも目的としてソーシャルメディアを活用することも多いでしょう。現状では、全ての企業がソーシャルメディアを最適に活用できているわけではなく、その重要性に気付くことも少ないことから、通常の業務と平行し、ソーシャルメディアの運用を行うことが多いようです。決して、楽な役割ではありませんが、ソーシャルメディアの活用を事業の成果に結びつけることができるならば、企業はその人材に価値を見出すでしょう。

モバイルデバイスへの対応

これに関しては必須と言えるでしょう。2011年はスマートフォン元年と呼ばれたほど、著しくスマートフォンやタブレット端末からのアクセスは増加の一途をたどっています、ECサイトに関してはPCから利用するユーザーよりもタブレットからのユーザーの方が購買単価が高いといったことも現在では珍しくありません。モバイルデバイスからのアクセスに最適化されたWebサイト構築のノウハウを持つことはWebマーケッターとしても、今後ますます必要不可欠となってくるでしょう。

高いデザイン力とユーザビリティ

現在、自社でWebサイトを持ち、常に情報発信のできるオウンドメディアを持つことは、当たり前になっています。いかにユーザが直感的に操作できるか、というデザイン力やUIの設計力は、間違いなくこれからのニーズになってくるでしょう。ユーザが、自社の商品やサービスを認知していない状況から、最終的に比較検討し、コンバージョンに至る、その過程を構築する中で、必ず避けて通れないスキルとなるでしょう。

※Web系制作会社において求人数が増加しています!

近年ますます、制作会社のWebマーケティングのポジションが増加しています。大手制作会社では、マーケティングを専門とする大部隊ができており、仕事内容が細分化されていることもしばしばあります。 例えば、Webサイトの効果検証を通しての企画提案やクライアントのビジネスの戦略プランニングを行う【コンサルタント】や、Webプロモーションの企画立案をする【プランナー】、SEOを専門に扱う【SEOディレクター】、Google AnalyticsやSiteCatalyst等を使用してアクセス解析データやソーシャル解析データを活用した【ウェブアナリスト】、クライアントの大規模データの統計解析・データマイニングにより、マーケティング施策を行う【データアナリスト】等。

企業ごとに名称や業務の幅は違えど、上記のポジションは必要不可欠です。今後もWeb系制作会社およびネット広告代理店での求人数の増加は見込まれていくでしょう。

Webマーケティングを必要とするポジションは大きく2つ

Webマーケティング ポジション

他社の活用・実践を支援する立場のポジション

Webコンサルティング企業、ネット系広告代理店、Web制作会社等

これらのポジションでは、WebプロデューサーやWebディレクターという立場で、Webマーケティングのノウハウを必要とし、多角的な観点からクライアントのビジネスニーズを理解し、マーケティング戦略の立案からWebサイトの構築・運営、オンラインプロモーションの提案および制作など、最適なマーケティングソリューションを提案することが求められます。よって、Webマーケターとしてのウェブ解析だけに留まらず、Web制作に関するディレクション、デザイン・仕様のクオリティ向上プロジェクトの進行管理も必要とされる場合があります。

※おまけ

最近は大手ネット広告代理店や大手Webコンサルティング会社などで、Webアナリストを専任として募集するケースが増えてきています。

Webアナリストの仕事はWebマスターやWebマーケターよりもさらに専門性が高く、統計学などの高度な解析技術に基づいているのが特徴です。Webアナリストは、高いレベルのExcel操作スキルが必要です。基本的な機能が使いこなせるのは前提で、マクロやVBAなどの専門的な技術が使えなければなりません。他にも、ロジカルに物事を考える能力、顧客にわりやすくプレゼンできるコミュニケーション能力なども必須となってくるでしょう。

自社で実施する立場のポジション

事業会社やメーカーのWeb担当者、広報担当者等

自社のサービスや商品に関する強み、弱み、機会、業界トレンド、競合他社、ステークホルダー等を掌握し、その成果向上に必要なマーケティング要件を的確に当てはめていく能力が必要です。そして、その要件を広告代理店や制作会社に対して正確に定義できるリーダーシップと知識、経験が大切になってくるでしょう。また、既存のWeb広告に縛られることなく、ユーザ目線に立ち、常に最先端の知識やノウハウを身につけていく向上心も重要なポイントになってきます。

Webマーケティング職へのキャリアパス

Webマーケティング キャリアパス それでは、Webマーケッターとしてのキャリアを進むには、どのようなパターンがあるのでしょうか?Webマーケティングを専門に教育を行っている機関は、この日本では、そう多くはないのが現状です。ゆえに、未経験から実践へと、Webマーケッターへと進む道もあります。日々、転職コンサルタントを行う中で、わかりやすく大きく3つに分類してみました。

未経験者のからのキャリアチェンジ

まず、制作会社、代理店においては、未経験の方を採用するケースがあります。効果分析・レポーティング等のサポート業務からキャリアをスタートし、プランナー、コンサルタントへステップアップすることがしばしばあります。ただ、採用の際、面接等で企業は、Webマーケティングや業界に対しての高い興味関心だけではなく、何らかの数値分析や数字管理の経験や、論理的な思考、Webリテラシーの高さ、コミュニケーション力を求めてくるでしょう。

エンジニアからのキャリアチェンジ

エンジニアとしての経験がある方は、Webマーケッターとして非常に大切な動的な解析設計(例えば、解析用のトラッキングコードを静的に埋め込むだけではない場合等)という分野でその技術を発揮できる可能性があります。出稿している広告の効果測定やユーザの行動を分析するアクセス解析など、一朝一夕では身につくことないスキルは、エンジニアとしての思考を十分に活用できるでしょう。

Webデザイナー・Webディレクターからのキャリアチェンジ

昨今、Webデザイナーは、マーケティングの視点を持ち、コンバージョンを生むためのPDCAサイクルを回す力が必要となっています。Webディレクターについてもクライアントの要望をヒアリングし、マーケティングや販促活動をする上で、Webをどのように活用し、プロモーションしていくかを企画提案する能力が必要になります。そのようなマーケティング思考を持ち合わせた企画・制作・管理の経験を活かし、その延長上として、専門的にWebマーケティング領域のキャリアを積むことが可能でしょう。

まとめ

ここまで述べたように、今後のWebマーケティングは、ますます「1つの分野のみならず、多角的にWeb技術を駆使し、事業の成果向上に直接的に寄与するもの」という役割となっていくでしょう。SEMの運用からスタートしたキャリアも、システム周辺まで担当を広げたり、逆にWebサイトの制作が専門だった方も、各事業に最適なあらゆるマーケティング手法を取り入れていかなければなりません。ただ、知識やノウハウの蓄積スピードは、どうしても職場等の環境によって左右されがちです。しかし、常に広い視野を持ち、常に情報収集を怠らなければ、今の自分に何が足りなくて何が必要なのか、見えてくることもあるでしょう。

Webマーケティング 職域の多角化 これだけ進歩し、これからも進歩していくだろうWeb技術を、すべて一人で身につけることは、決して効率的ではありませんが、企業は常に、一つの分野に固執せず幅広い視野を持ち合わせた向上心のある人材を求めています。私自身、転職コンサルタントとして、日々Webマーケッターの方とお会いしていますが、これからもWeb業界の発展のために、そのような人材のサポートをさせていただければと思っています。

この記事を書いた人

キャリアアドバイザー 宮本 早織

マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーとして、Web職・ゲーム業界はもちろんのこと、紙系クリエイティブ職なども含むクリエイター全般の転職を支援している。

サービスに関するお問い合わせ
0120-410-470 マイナビクリエイター事務局 受付時間 9:15〜17:45

サービスに関してご不明な点がありましたら、マイナビクリエイター事務局までご連絡ください。

Facebookページ - マイナビクリエイター編集部
Web・ゲームクリエイターにとって、少し得した気分になるティップス(情報)を配信しています。

カテゴリー
タグ
人気ブログ記事
最新ブログ記事
おすすめ記事コンテンツ
初めての方へ
企業の皆さまへ
ソーシャルメディア
TOPへ戻る