ポートフォリオとキャリアを考える - ポートフォリオの作成を通して自身の成長へ

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キャリアアドバイザー S.Miyamotoクリエイターが転職活動をする際、企業へのアピールに必要になってくる応募書類は何か?こちらのページをご覧になっている方々はもうご存知だとは思いますが、「履歴書」「職務経歴書」、そしてクリエイティブ職ならではの「ポートフォリオ」です。特にWebデザイナーの方々は、これまでの職歴や実績だけでなく、ポートフォリオ自体の質により、大きく結果が左右されることが多々あります。

今回は、Webクリエイターの転職に必要不可欠なポートフォリオについて、いくつかの角度からお話できればと思います。

ポートフォリオはいつ作るの?

ポートフォリオは、クリエイターにとって、重要なアピールのツールである一方、作成に大変労力を費やすのもの。私たち転職コンサルタントは、多くのWebクリエイターの転職活動をサポートさせていただいていますが、カウンセリングの際、「まだポートフォリオを作成していない」という方と出会うことも少なくありません。学生時代とは異なり、社会人になってからは日々の業務で忙しく、ポートフォリオ作成のための時間を取れないというのが現実かと思います。

「ポートフォリオの大切さはわかっている。でもなかなか着手できない...」まさに、これが皆さまの本音ではないでしょうか?

チャンスの時に準備できているかが重要なポイント

ポートフォリオをいつから作り始めるか、ずばり、それは「今」からです。特にポートフォリオをこれまで作成した経験の無い方は、「今すぐ」にでも着手していただくのが望ましいと思います。

突然起こる自分の環境変化に備える

将来設計、キャリア設計を考える際、「○○年にはこれをしたい、△△年にはあれをしたい...」とプランし、動いていくことと思いますが、残念ながら実際には、その通りにいかないことが多いでしょう。例えば、自分の意に反して担当するプロジェクトが突然打ち切りになってしまったり、会社の都合で業務範囲が希望とはかけ離れたものとなったり、さらには、家族の事情で働き方を変えなくてはいけなくなったりなど…。長く社会人として経験を積めば積むほど、このような突然の出来事には遭遇するものです。キャリアを形成していく上で「転職」という手段は間違いなく選択肢の一つとなり得ますが、自分にとって、より良いキャリアを進むためには、そのための準備を日頃から行っていくことが、重要な鍵となってくるでしょう。

企業側の採用するタイミングは想定できない

また、Webクリエイターの方々の中には「○○に関わる仕事がしたい」「××という会社で仕事をしてみたい」という具体的な希望を持っている方も多いかと思いますが、その希望に沿った求人募集が常にあるものではありません。企業は、事業の規模を拡大する時や、プロジェクトメンバーに欠員が出た時など、求人を募集するタイミングは様々です。しかし、転職を考えている側にとって、それは想定不可能なもの。だからこそ、チャンスが巡って来た時にすぐ動ける状態になっているかどうかがポイントになり、そのために、ポートフォリオを「今」から作っておくことが非常に大切になってきます。

補足ですが、ポートフォリオの中で、自分の成果物であるWebサイトのURLを記載するケースがあると思います。この際に、URLの記載だけでは、いくら過去に素晴らしいものを作っていたとしても、公開が終了してしまったWebサイトであれば、実際に企業側に見てもらうことができません。また、面接の際、これまでの担当実績を見せようとしたところ、いざという時にサイトが公開終了になっていたというのでは話になりません。だからこそ、成果物のファイルをレンタルサーバー上にアップしたり、ローカル環境に保存するなどの方法で、常に最新の状態でポートフォリオを閲覧できるようにしておくことが大切です。

ポートフォリオを俯瞰する事で自分が見えてくる。

実際にポートフォリオを作り始めて感じることは「そもそもどのような構成にしたら良いか」という点があると思います。これまでの成果物を順番に並べるだけでは味気ない。学生時代に取り組んでいた作品も並べてみる。友人の結婚式に頼まれて作成したものや、スクール時代に作ってみたものを並べてみる。それぞれに多く引き出しはあるかと思いますが、単に全てを載せているだけではつながりが見えてきません。

それでは、どのような基準をもって作成していけば良いのでしょうか?

ポートフォリオを構成する上での基準は「見る人への自己紹介」

ポートフォリオを構成する上での基準は一つ。「見る人への自己紹介」という点です。自分はこういう人材です、という点を意識して掲載するものを選んでいくと、改めて自分自身がこういった人材であるという部分が見えてきます。

また、「自分ではこう見せたいけど、この分野に限っては経験が薄いし、仕事でもなかなか担当することができない」という部分が見つかったら、自分でその分野の制作に取り組んでみて、ポートフォリオに載せることをお勧めします。業務で作ったものではないから、全く評価されないということはありません。時間や手間をかけて丁寧に作成されたものであれば、企業は正当に評価します。また、Webクリエイターの方にとってはよくあることだと思いますが、「実際に仕事ですぐ使うわけではないが、新しい技術を試してみたい」という際にも大きなきっかけとなるでしょう。

このように業務外でも成果物を作ることによって自分の見せ方を工夫できるのが他の職種と違ったクリエイティブ職の強みと言えます。実際に成果物を一定以上のクオリティーで作り上げるには根気が必要となってくるため、明確な目標がないと頓挫することもあるかと思います。その際には自分のポートフォリオを改めて見つめると、「こう見せたい!」という気持ちが徐々に浮かんでくると思います。ポートフォリオとして公開するという目標を立てて取り組むことでのモチベーションを維持していければ、現職においても、転職先においても、きっと役に立つでしょう。

また、客観的に自分のポートフォリオを見て自分に足りないところを認識した時、これからの業務の担当範囲を広げられるよう、積極的になって社内で手を挙げてみるというのも選択肢の一つです。今すぐ転職をしないという場合でもポートフォリオを完成させるという目標を持つことで自分のキャリアを見直す良い機会とすることができます。

ブログはやる気をアピールするツールになる。

ここまでWebクリエイターの転職に最も重要なツール「ポートフォリオ」について述べてきました。しかし、ポートフォリオだけでは、どうしてもアピールしきれない点がいくつかあります。それは、転職先の業界へ興味や熱意、最新の技術にアンテナを張っている敏感さ、または、日頃から最新の技術を習得しスキルアップしている向上心などについては、どうしても成果物を集めたポートフォリオだけでは、なかなかアピールすることが難しいでしょう。 それでは、どのようにそれらを企業側にアピールしていけば良いのでしょうか?

日々の努力は、日々のアウトプットから

転職先の業界に興味があることや、最新の技術にアンテナを張っていることをアピールするためには、どうしたら良いか?面接で直接アピールするのも良いでしょう。また、資格を取得することによって、その分野についての知識・やる気をアピールするというのも一つの手でしょう。しかし、応募企業の担当者が該当資格に知識が無い場合は全く評価されないかもしれません。

そこで、私がお勧めしたいのは、情報収集やスキルアップの過程をアウトプットするための「ブログ」を作成することです。そして、成果物を収集したポートフォリオにもそのURLを載せ、いつでも閲覧できるようブログへの導線を作ることです。

ブログというと、一時期流行った使い方で「日常の私生活を綴っていくもの」というイメージを持たれている方もいるかと思います。今回お勧めするものは、以前のそれではなく、あくまでも「アウトプットのまとめ帳」としての役割を果たすものです。

例えば、技術セミナーに参加した際に、内容を書き出すだけでなく、付随して調べたことや考察したことをまとめてみるのも一つの方法です。その他にもニュース記事や技術書についての考察をまとめたり、ポートフォリオの作成のために取り組んだ新しい技術の試行錯誤の過程をまとめていくのも良いと思います。そうすることによって興味を持ってくれた企業側に、さらなるアピールをすることができるでしょう。「日頃からスキルアップのために勉強してるんだな」と…。

「アウトプット用である」ことと「続けていく」ことを意識する

また、ブログを書く側として意識するポイントとして大切なことは、「アウトプット用のブログである」と「続けていく」ことの2点です。ともすると漫然と聞き流してしまうこともあるセミナーも、ブログでアウトプットすることを意識すれば、吸収率も格段に上がってくることでしょう。これに関しては技術書や雑誌、ニュース記事のチェックについても同じことが言えます。まとめることは手間がかかることではありますが、ある程度時間が経ってから、以前に一度まとめたものを後から自身で読んでみることにより「どのくらい知識がついたのか」を自分自身で把握することにもつながります。後に学んだ知識の気付きによって、以前の記事での考え方を自身で改めることもできるでしょう。

以上のように、形としてアピールすることが難しいものは「記事」という成果物にして、自身のやる気やスキルアップに対してどのような姿勢で取り組んでいるのかをアウトプットしていくことをおすすめします。ブログも活かし方によっては、ポートフォリオを構成する重要なコンテンツの1つと十分なり得るのです。

余談ですが、このブログを作成する際に、できれば制約の多い既存のサービスではなく自身でドメインを取得したり、レンタルサーバーにCMSを導入して、そちらへ記事を記載していくことがいいでしょう。デザイナーの方であれば特にブログであってもポートフォリオの一部になりますので、デザインを考えることは必須です。制作にはタッチしないというディレクターの方であっても、自分の考え方をまとめるブログなので見せ方にはこだわってテンプレートを選んで頂きたいと思います。

また、自身でブログを作成するだけでなく、興味のある企業の代表の方や社員の方が書かれているブログにも目を通すといいでしょう。会社の方針だったり取り組みであったり、企業研究をする際に非常に役立つ貴重な情報源の一つです。

まとめ

ポートフォリオの作成方法については様々な参考書や参考になるサイトがあり、情報を得ることができますが、いざ自分のものを作ろうとするとどうすればいいか戸惑ってしまうこともあるかと思います。それでもまずは並べるだけでもいいから作り始めてみること、そして常にアップデートしていくことで、見えてくるものがあるはずです。

これまでのキャリアと照らし合わせて考えることで、自分という人材がどのような人材かを改めて認識することができたり、今後なりたい人材像やキャリアプランを見据えた時に今後どういうことに取り組むべきかということがポートフォリオの見せ方を考えることによって明瞭になってくる部分があると思います。時間をかければかけるほど、より良いキャリアを考えるために有効な自分だけのツールになりますので、転職を考えていない方であってもまずは「作る」ということから取り組んでいただければと思います。

この記事を書いた人

キャリアアドバイザー 宮本 早織

マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーとして、Web職・ゲーム業界はもちろんのこと、紙系クリエイティブ職なども含むクリエイター全般の転職を支援している。

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