未経験からの挑戦!動画広告で消費者の心を動かす「スクリプター」とは ―― AIGATE 小澤綾子氏インタビュー
Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.40
第一線で活躍しているクリエイターたちのリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイターたちの熱意や考え方を、ぜひ、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。
企画・製造・販売までを一貫して行うD2C(Direct to Consumer)企業を中心に、経営戦略の立案から広告・コールセンターオペレーションの請負、事業の買収や売却に関するアドバイザリーまで、幅広い支援で顧客企業の成長を支援しているAIGATE株式会社。2019年10月からはD2C企業のYouTube広告の企画や運用支援サービスを立ち上げ、急速に事業拡大を続けている。
その特徴は、Webビジネスで成功するために必須重要と言われている、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)のノウハウが自社にあること。そして、広告業界の経験がなかった人材も活躍していること。同社で働くことの魅力や仕事の面白さはどこにあるのか。動画広告事業でマネジャーとして活躍する小澤綾子氏に話を聞いた。
プロフィール紹介
小澤 綾子氏
DX事業部アドバタイジングオペレーション部
新卒でイベント企画を扱う企業に入社し、アプリ開発のディレクターを務めたあと、2018年にAIGATEに入社。動画広告事業「MOVE(ムーブ)」チームの立ち上げに携わり、現在はマネジャーとして活躍中。
5年後10年後の「私」のビジョンを見つけたい
―― AIGATEに入社した経緯を教えてください。
小澤氏:前職はイベント企画とアプリ開発を軸に、「街コン」など出会いを企画する業種で勤めていました。アプリ開発のディレクターを担当していましたが、街コンのイベント集客や当日の司会といった運営もやっていましたね。仕事自体は好きだったのですが、キャリアのロールモデルとなるような上長や先輩がいないことが悩みでした。このままでは5年後10年後の自分がどうなっているのかビジョンが見えないので、新しいことに挑戦したいという思いから転職を決意しました。
転職にあたり、未経験ながら営業職を探すことにしました。営業スキルを身につければ、今後どの職種に就こうとも役立つだろう、と考えたからです。転職サイトを使って何社か面接を受ける中、「未経験でも大丈夫」というキャッチコピーに惹かれAIGATEでの営業職として面接に臨んだのですが、代表からは「広告の仕事に興味はないか」と打診されました。履歴書に書いた「Web解析士」の資格がたまたま代表の目に留まったようです。前職で取得した資格がこんな形で評価されるとは思っていませんでしたが、せっかくなら挑戦してみたいと思い、入社を決意しました。
―― 転職活動で他にも企業を受けた中、AIGATEに入社した決め手はどこにあったのでしょうか。
小澤氏:面接の雰囲気によるところが大きいですね。担当者それぞれの人柄がよく、社員一人ひとりの人生を気にかけてくれる会社だと感じました。まさに5年後10年後といった今後の自分のキャリアについて悩んでいたところでしたから。
入社後は広告事業部に配属されましたが、入社前後での社風に対するギャップも特にありませんでした。ベンチャーということもあり、上層部との風通しが非常にいい会社だと思います。「こういう福利厚生があったらいい」など、会社のことをなんでも話せる関係なので、役職関係なく、社員が積極的に会社をよい方向に変えていけることにも魅力を感じています。
ゼロから立ち上げた動画広告事業が、3ヵ月で売上1億円を達成
―― 現在担当されている仕事について教えてください。
小澤氏:動画広告事業の「MOVE」というチームでマネジャーを務めています。動画広告事業自体は2019年10月に立ち上げたもので、YouTubeの動画広告の企画を担当しています。
また、単に“(商品が)売れる広告”を企画するだけではなく、その先もクライアントが利益を最大化できるような施策を考えています。たとえば、今よりもコストをもっと抑え、効果を生むためにはどうするべきだろう?広告から見込み顧客を獲得した後、彼らはどんなことをすれば商品を購入してくれるんだろう?と考え、アドバイスをするといったコンサルティングも行っていますね。
―― 新規事業の立ち上げから、どのようなことを意識されて業務に臨まれていましたか。
小澤氏:立ち上げ当時は上長含めメンバーが3人だけでしたので、毎日目まぐるしく過ごしていました。すべてがゼロベースの中、「どうすれば質の高い作品を効率よく作れるか」をひたすら考えていました。当初は制作フローが整っておらず、ひとつの動画を作るのに1ヵ月弱もかかっていたんです。
何らかの不具合が出るたびにフローを見直し、また試して、不具合があって……とPDCAを回し続けました。印象的で今も覚えているのが、先輩からの「モグラ叩きの電源を抜け」という言葉。目の前のモグラを叩いているだけでは、本当の問題が解決したことにはならないということですね。小手先の解決ではなく、根本となる問題こそ考えねばならないと。フロー見直しのために、動画を1から作り直すこともありました。
施策を繰り返すうちに徐々に成果も生まれ、立ち上げから3ヵ月で売上が1億円を超えました。当時は3人だったメンバーも今は25人まで増えています。立ち上げから今までは正直あっという間で、人生で一番濃縮された時間だったのではと思います。
企画・演出・ディレクションもこなす「スクリプター」という仕事
―― 立ち上げから現在まで、小澤さんの組織内の役回りはどう変わったのでしょうか。
小澤氏:当初は「スクリプター」として動画制作に携わっていました。スクリプターは、営業から渡された案件を元に企画や演出を考え、シナリオに落とし込み、チームメンバーにイメージを伝えて進行管理も行う、動画制作の核となる役割です。現在はメンバーが増え、自分はマネジャーとしてスクリプターの採用や教育を担当しています。
―― スクリプターの仕事の面白さは、どんなところにあるでしょうか。
小澤氏:世の中の反応をダイレクトに感じられるところでしょうか。YouTubeの広告運用では、自分が制作に携わった動画を何人が見て、そのうち何人がクリックし、何人が購入に至ったかまでリアルタイムで知ることができます。すぐに成果が出なかったとしても、原因の分析から改善策を考えることもできるのです。たとえば、最初の10秒で動画が飛ばされていることがわかったら、その10秒をどう変えるか検討する。改善後にぐっと数字が向上すると単純に嬉しいですし、手を加えることでよい方向に導けることにやりがいを感じます。
―― マネジャーとして、人材育成で意識されていることはありますか。
小澤氏:スクリプターはほぼ未経験者で構成されていて、彼らのバックグラウンドもアパレルや小説家、幼稚園の先生など多種多様です。広告業界の経験がないことがほとんどのため、最初の1〜2ヵ月は広告業界について勉強する時間にあてています。そこから徐々にシナリオの練習をはじめ、早い人であれば入社3ヵ月ほどで軌道に乗り始めますね。私も未経験で入社した身ですので、彼らと接するときは「あのときの自分だったらどう思うだろう」と、初心に返ることを忘れないように気をつけています。メンバーが成果を出したときは素直に嬉しいし、やりがいも感じますね。
一段一段ステップを踏めば、花開くことができるはず
―― 小澤さんの今後の目標について教えてください。
小澤氏:マネジャーの立場として、変化を乗りこなすチームを作りたいと思っています。変化の激しい広告業界では、YouTube広告ですら今後どうなるかわかりません。いかなる変化にも柔軟に対応できる、しなやかで強いチームとなるよう、育成やスキルアップに取り組んでいきます。
―― 事業拡大に伴い新しいメンバーを迎えるにあたって、どんな人と一緒に働きたいと考えていますか?
小澤氏:愚直にコツコツと頑張れる人と一緒に働きたいです。特に未経験の仕事であれば、インプットとアウトプットを繰り返してスキルと経験を身につけるしかありません。そこで怠けたり、無理して一気に駆け上がろうとしてもうまくいかない。素直に確実に、一段一段階段を上っていける人が最後に成果を出すと考えています。
スキルとしては、文章が好きな人。あとは、日頃からアンテナを張って、流行っているものや情報など、世の中の流れを敏感にキャッチアップできる人なら、楽しく仕事に取り組めるのではないかと思います。ブログ運営等でアフィリエイトの経験がある人なら大歓迎ですね。
―― 最後に転職を考えている方へのメッセージをお願いします。
小澤氏:自分が転職を考えていたときを思い返すと、自分に何ができるかよくわからず、本当に自信がありませんでした。特別なスキルもなければ、何かに秀でていたわけでもない。新しいことに挑戦したいと思いつつも、やっぱり不安でいっぱいだったんです。それでも、AIGATEに入社してからすごく自信がついたと感じます。仕事の出来って、プライベートに影響しますからね。経験を積むごとに、どんどん自信がついて、ひとつの仕事をやり終えるたびにとても充実した気持ちになります。コツコツ頑張れば絶対に花を咲かせることができるので、未経験だからといって不安な人、自信がない人こそ飛び込んでもらえたらと思います。
経営者が描くDX事業部の展望
広告を入り口に、その先のクライアントの成長に共に歩む
竹尾 昌大氏
AIGATE株式会社 代表取締役社長
DX事業部としては、動画広告事業で築いたマーケティングノウハウを活かし、D2C企業の売上を10倍に引き上げるような、グロースコンサルティングに本格的に取り組んでいく予定です。あらゆる角度からデータを分析してクライアントのことを深く理解し、コスト削減や売り上げ向上につなげる。そんな事業への変革を目指しています。
現在DX事業部では、広告事業を展開していますが、その働き方については部署や肩書きにとらわれて自らの仕事領域を限定したり、指示に従うだけではよくないと思っています。もっと仕事の全体を見渡し、「自分の仕事は全体のこの部分を担当している」という視点を忘れずにいてほしいですね。また、自分たちが作った広告がクライアントに対してどのような効果を生むか、意識することが大切です。マクロの視点を持ちつつ、ミクロの業務に取り組める方と一緒に働いていければと思います。
インタビューを終えて
動画広告事業チームの平均年齢は26〜27歳と若く、自ら仕事にコミットメントしている社員が多いという。インタビューからも、多様な人材を受け入れ、一丸となって成長していこうとするエネルギーを感じることができた。
YouTubeやSNSをはじめ、ネットで動画広告を目にしない日はない。動画広告市場の成長が期待される中、内製化された制作フローで企画・演出・広告運用などに携われるAIGATEは、未経験から広告業界に携わりたい人や、動画広告のスキルセットを身につけたい人にとって魅力的な環境に映るに違いない。