ワークライフバランスを大切にすることは、社員だけでなく、会社にとっても利益をもたらす

どれほど仕事が好きだとしても、個人のプライベートな時間は確保したいと思う人は多いと思います。仕事のパフォーマンスを上げるためにも、ワークライフバランスを重視することは大切です。そのため、転職を考える時も、ワークライフバランスがしっかりととれる環境にあるかをきちんと確認する方も多いのではないでしょうか?

ここではワークライフバランスのとれた企業とはどんな企業か、またそれを求める社員(クリエイター)について考えます。

会社にとってもワークライフバランスは重要なテーマ

実は、ワークライフバランスを大切にすることは、社員にとってばかりではなく、会社にとっても利益をもたらします。例えば、女性が妊娠・出産後も働きやすい職場環境であれば、女性はライフイベントによって退職を迫られることがなくなり、結果的に離職率の低下につながります。これは、企業にとっては、大変に重要なこと。

また利益率の高い企業ほど、ワークライフバランスを重視し、女性起用が進んでいるといった現実もあります。上記の点から離職率が低くなることで、長期的、かつ安定的な人材育成を実現でき、社内ノウハウの流失を防ぐことができている、というのがその理由と思われます。優秀な人材の確保、ノウハウの蓄積、安定企業としてのブランディングなど、ワークライフバランスを重要視することは、企業の利益向上に直接的に関係してくるのです。

仕事と生活(プライベート)の両立を果たす企業とはどのような企業?

イメージ通りかもしれませんが、やはり、大手と呼ばれ社員数の多い大規模な企業は、福利厚生が充実しており、ワークライフバランスがとりやすい傾向にあります。小規模のベンチャー企業などの中には、新しい試みとして多様な働き方を実現する取り組みをしている会社も増え、社員が働き続けやすい風土を作ることに尽力していますが、大規模な企業よりは、まだ充実度が低い傾向にあります。

下図のように、会社規模と有給休暇取得率いう観点から見ると、そこの傾向が表れているでしょう。1000人以上規模の企業は、有給休暇の取得率が55.6%なのに対して、30〜99人規模の企業は42.2%と、10%以上の差があることがわかります。

企業規模別の年次有給休暇取得率

内閣府男女共同参画局広報誌「共同参画」2015年3・4月号

もちろん、会社規模や有給休暇取得率だけでは、ワークライフバランスの充実を計ることはできませんが、大きな傾向としてはとらえることができるのではないでしょうか。

他方、Web職・ゲーム業界に目を向けると、他職種と比べて雇用形態の多様性というのが、ワークライフバランスをとるための一つの方法として特徴です。皆さまもご存知の通り、クリエイターは、派遣や契約社員、業務委託、フリーランスといった形態で働いていることが多い傾向にあります。これらの雇用形態は、正社員と比較して、手当や保険、制度などの福利厚生の充実度に差はあるものの、比較的ワークライフバランスがとりやすい働き方であり、非正規雇用であるこれらの雇用形態を、自ら希望するクリエイターも少なくありません。

しかし、技術はあるが自分のライフスタイルと合致する企業がどうしても見つからず、不本意なまま、非正規雇用で就業しているクリエイターがいることも事実です。現在、一般的に激務といわれているWeb職やゲーム業界ですが、一部の会社などでは、すでにワークライフバランスを考えた制度の変革を試みているところもあります。これらのように、Web職・ゲーム業界の会社は、企業規模に関係なく、今後もワークライフバランスを積極的に取り入れていくことを求められていくでしょう。そして、これらの流れは、様々なライフスタイルを持つWeb・ゲームクリエイターにとっての大きな後押しとなるでしょう。

社員がワークライフバランスを重視する時、忘れてはならないこと

ワークライフバランスを重視する時に忘れてはいけないのは、社員と企業の関係です。ワークライフバランスをきちんとサポートしてくれる会社というのは、「自分の会社に貢献してくれる社員に対して、生活をサポートする」という考えを持っています。

しかし、それは、社員が企業にとって利益に貢献できる人材であることが前提です。会社は利益の向上を目指す組織ですから、当たり前の話ではありますが、「仕事に対するやる気はないが、会社にはワークライフバランスを求める」というのは、一方的な要求でしかありません。まずは自分の業務を果たし、会社に貢献すること、その対価としての会社からのサポートという認識が大切です。

マイナビクリエイターは、Web職・ゲーム業界で働く能力のある(努力を続ける)クリエイターが、最適な職場環境で働き、正当な評価を受けるようにしていくことが、業界の成長につながると思っています。企業とクリエイターが、健全、かつ建設的な関係を築けるように、これからも「人材」という視点から転職支援に貢献していきたいと考えています。

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