ポートフォリオの目次が持つ役割とその書き方
転職活動において、応募企業に提出するポートフォリオは、そこに掲載する作品の内容が何よりも重要です。しかし、その内容と同じくらい重要なのが、ポートフォリオ全体の「読みやすさ」という点。これがなければ、せっかくの素晴らしい内容の実績も、正しく伝わらない可能性が出てきます。これは非常にもったいないこと。
では、その読みやすいポートフォリオを作成するためにはどうしたらいいのか?そのために大きな鍵となるのが、今回ご紹介するポートフォリオの冒頭部分「目次」ページの書き方です。意外に見落としがちですが(実際、目次を作らない人が多い)、よく考えられた目次は、採用担当者の目を引き、評価をぐっと高めることができます。
ポートフォリオの内容を最大限に企業に伝えるために、目次の持つ役割やその書き方について改めて確認していきましょう。
目次
そもそもなぜポートフォリオに読みやすさが求められるのか?
ポートフォリオに読みやすさが必要になる2つの理由
- デザイン能力を評価しやすくするため
- 採用担当者や面接官の負担を軽減するため
冒頭で書いた通り、ポートフォリオは、中に掲載されている作品の内容(クオリティー)はもちろん大切ですが、ポートフォリオ自体のデザイン性も1つの作品になります。つまり、読みやすいポートフォリオをデザインする能力を持つということは、それだけ「受け手の求める要素に合わせて全体をプロデュース(デザイン)できる証明」にもなり得るため、評価がしやすくなります。
また、面接官や採用担当者は、連日、たくさんの応募者のポートフォリオに目を通します。そのため、少しでも読みづらいと感じるポートフォリオに良い印象を抱くはずがなく、見る側の負担を大きくさせます。一方、読みやすいポートフォリオを作ることができれば、それらの負担を軽減するだけでなく、他の応募者のポートフォリオと比較検討するという点でも、大きなプラスとなり得るでしょう。
では、ポートフォリオを読みやすくする目次とはどんな目次?
では、その読みやすさを生み出すために、どのように目次を作成すれば良いのでしょうか。目次の役割を理解し、2つのポイントを押さえましょう。
ポートフォリオに何が入っているのか、一目でわかるようにしよう
目次を作る上で大切なのは、そのポートフォリオに「どんな作品が入っているのかが一目で分かる」ことです。何事でも最初に大枠を掴むことで、全体のイメージが理解しやすくなりますが、目次もその役割を果たします。
面接官はポートフォリオを手にした時、まず最初に、目次に目を通し、中にどんな作品が掲載されているかという点や、作品数などの全体ボリュームを確認します。単に、掲載作品の各タイトルを羅列するだけでなく、サムネイル画像を付けたりと、読み手が中身をイメージしやすいように工夫すると良いでしょう。
ポートフォリオの作成者が何を伝えたいのか、一目でわかるようにしよう
また、読みやすいポートフォリオの基準において、「作成者の意図が分かりやすい」という点も大切です。どんな作品が掲載されているのか、だけではなく、その作品を見せて作成者は何を伝えたいのか、というところまで目次ページで表現するのがベターです。
基本的に、ポートフォリオは、志望する企業の傾向ごとに合わせて作成しますが、「自分はこのような作品を作れるため、御社でこのような力を発揮できる」という意図が伝わることで、採用担当者はあなたが実際にどのような働きをするかがイメージしやすくなります。
後述の参考イメージ画像でも紹介していますが、Webデザイナーであれば、制作実績をカテゴリーごとにグループ分けし、サイズに差をつけて掲載することで、得意分野の方向性を伝えるのも方法の一つと言えます。
Check!
目次はあくまで内容に沿って作成するものです。目次を見て意図が伝わりにくいと感じた場合は、一度構成そのものを考え直してみるのも大切です。章の分け方や、作品のボリューム、並べ方など、目次の時点できちんと意図が伝わるように繰り返しブラッシュアップしていきましょう。
具体的にどのようなレイアウトが良いのか?
視覚的に伝わるデザインを目指す - 良い目次と一般的な目次を参考に比較しよう
目次が大切だといっても、ただ作品名を載せるだけでは意味がないことは上記の説明の通りです。では、ポートフォリオの目次を、より読みやすくするために、具体的にどんなデザイン、レイアウトにすれば良いのでしょうか。良い目次と一般的な目次を例に比較してみましょう。
上が良いレイアウト、下が一般的な目次です。一般的な目次に対して、より良い目次は、視覚的にポートフォリオの内容を表現していることがわかると思います。
上記のように、テキストだけで伝えるのではなく、サムネイル画像やアイコンをつけるなどといった視覚的に見て分かる工夫をすることも私達マイナビクリエイターは推奨しています。このように直感的にわかりやすい目次を作成することで、採用担当者は、あなたのデザイン能力を理解しやすく、高く評価するでしょう。
見る人への配慮やマナーを第一に考えよう
目次を一言で言えば、「見る人への配慮やマナーを第一に考えるもの」と言えるのではないでしょうか。逆に悪い目次は、作成者に「最低限の配慮をする能力もない」というマイナスの印象を与えてしまう可能性があると言えます。
また、目次の時点で誤字や脱字があると、その時点で採用担当者はポートフォリオの中身を最後まで見る気が失せてしまいます。特に、書類選考の段階でポートフォリオを企業に提出する場合、直接口頭でその作品内容を補足説明することができません。そのため、目次によって分かりやすい印象を与えることは、その後の選考に進んでいく上でもとても重要になってくるでしょう。
簡単ではありますが、以下、ポートフォリオの目次を作成する上での注意ポイントのまとめです。Web・ゲーム系には様々な職種があると思いますが、全てに共通することだと思います。
良い目次とは
- 章ごとに分かれている
- ページ数が横に記載されている
- 誤字・脱字がない
- 目次に記載されているタイトルと内容がきちんと一致している
- 目次を見ただけで作成者のポリシーや伝えたいことが分かる
良くない目次とは
- ただ作品名が羅列されているだけ
- ページ数が記載されていない、もしくは見づらい
- 誤字・脱字がある
- 目次に記載されているタイトルと内容が一致していない
- 散漫としていて作成者の意図が分からない
まとめ - キャリアアドバイザーからの一言コメント
繰り返しになってしまいますが、伝わりやすいポートフォリオの基準は「どのような作品が載せられているのか」「作成者がどのような意図で作成したのか」が、一目で分かるかどうかです。ポートフォリオを最後まで見なくても、目次があれば最初にどのような作品集なのかがわかる、これが理想です。
意外と見落としがちな点ですが、とても大切な役割をもっている目次。今回紹介した目次作成のポイントを参考にしながら、伝わりやすいポートフォリオの目次をぜひ作ってみてください。