【例文あり】自己PRで責任感をアピールするには?転職希望者向けにポイントを解説
転職の応募書類や面接では、必ずといっていいほど自己PRが求められます。面接官の評価に繋がる自己PRは応募する職種によって少しずつ異なりますが、その中でも「責任感」はあらゆる職種で評価されやすい強みの1つです。
この記事では、企業が転職希望者の「責任感」を評価する理由や、転職希望者が自己PRで責任感をアピールする際の注意点、Web/ゲーム業界の職種別例文をご紹介します。
目次
企業が「責任感」を評価する理由
なぜ企業は採用応募者の「責任感」を評価するのでしょうか。それは、企業が社員に対して、できるだけ長くその会社に勤め、成果を出し続けてくれることを願うからです。そのために、与えられた仕事をただこなすだけでなく、自分の仕事や組織に対する責任を自覚し、自分のやるべきことを主体的に考え、行動することができる人材を求めています。
以下、企業が中途採用において応募者の「責任感」を重視する理由を、詳しく見ていきましょう。
途中で仕事を投げ出したりしないか
企業が応募者の「責任感」を評価する理由の1つめは、仕事を最後までやる切る人材かどうかを判断するためです。
企業が社員に望むのは、採用した人材が組織の中で成長し、長期にわたって安定的に成果を出し続けてくれることです。せっかくコストをかけて採用・教育した社員がすぐ辞めてしまったら、会社にとって大きな損失となります。また、ちゃんと後任への引継ぎもしないまま担当業務を投げ出されてしまったりしたら、その後のフォローに大きな労力がかかるうえに、顧客からの信頼失墜や、チームメンバーのモチベーション低下などにも繋がりかねません。
そのため、採用する人材の責任感が強いかどうかは、企業にとって非常に重要なのです。
業務に主体的に取り組めるかどうか
もう1つの理由は、応募者が入社後に自分の担当する業務を自分事としてとらえ、主体的に取り組めそうかどうかを判断するためです。
入社してから年数が経っても、細かく指示しなければ動けないような「待ち」の姿勢でいられては、組織の生産性は上がりません。また、自分の仕事がうまくいかない原因をすべて会社や顧客、上司や同僚のせいにするなど他責指向の強いメンバーがいると、職場の雰囲気も悪くなってしまいます。
会社側は、採用時の自己PRなどを通して、これまで仕事に当事者意識を持って能動的に取り組んでいたかどうかを知ることで、入社後に仕事の成果を出せそうな人材かを判断するのです。
入社後、管理職などのポジションに向いているかどうか
3つ目の理由は、採用する人材が将来的に管理職など職場のリーダーとなるポジションに向いているかどうかを判断するためです。
管理職など職場のリーダーは、会社の目標や計画を自分事としてとらえ、その中で自分のチームがどのような役割を果たすべきか理解してチームを動かしていく必要があります。もし、会社や仕事に対する責任感がなく自分の利益ばかり考えるような人や、チームに割り振られた目標をただメンバーに丸投げするような人がリーダーになってしまったら、会社にとっても、そのリーダーのもとで働くメンバーにとっても不幸なことです。
将来的にリーダーとして活躍できる人材を採用するためにも、責任感は企業にとっての大切な評価ポイントなのです。
「責任感」をアピールする自己PRの作成方法
ここまで、企業が中途採用応募者の「責任感」を重視する理由を見てきました。では、採用担当者に「この応募者は責任感が強そうだ」「採用したら活躍してもらえそうだ」と納得してもらうには、どのように自己PRすればよいのでしょうか。
ポイントは、誰でも言えるような当たり前の内容にならないよう、できるだけ具体的なエピソードや成果を探して盛り込むことです。以下、自己PRの内容を考える手順を3つのステップで解説します。
Step1リーダーシップやマネジメントの経験を探す
企業にとって「責任感」とは、リーダーシップやマネジメントの能力に直結するものと捉えられています。そのため、まずは、仕事においてチームのマネジメントを担当した経験や、リーダーシップを発揮した経験を探しましょう。そして、そのときどのような状況の中で、どのような課題に取り組み、何をすることでどのような成果を出したのか考えてみてください。
ここでいう「責任感」とは、「各自に割り振られた仕事をきちんとやる」など社会人として当たり前のことではなく、「チームをとりまとめる」「組織に貢献する」といった、より高いレベルのものです。そのため、会社側に期待されている「責任感」のイメージにできるだけ近い経験や実績をアピールできると効果的です。
社会人経験が浅くて仕事で責任あるポジションについたことがない場合は、学生時代のエピソードから、アピールできることがないか探してみましょう。
Step2エピソードを書き起こす
エピソードをいくつか思いついたら、箇条書きでもいいので書き起こしてみましょう。どのような状況でリーダーを担うことになったのか、どんな課題をどうやって解決したのか、それによってどのような成果を得たのかなど、思い出しながら具体的に書いていきます。
体験を書き起こすことで、自分がチームの成果にどのように貢献したのか、リーダーとしての体験から何を学んだのかなどが見えてきます。そこからさらに、「責任感の強さ」を応募先企業の仕事にどのように生かしていけそうかなど、アピールすべき点を深堀りしていきましょう。
Step3主体的に解決したものをピックアップする
書き起こしができたら、重要な意思決定などの場面で自分が主体的に動いて成果に繋げたエピソードをピックアップしましょう。そして、そのエピソードを中心に、次章でお伝えするポイントも踏まえながら、自己PRを組み立てていきます。
文章作成の苦手な人は、Chat GPTなどの生成AIを使ってもよいでしょう。文章の目的や文字数などの条件を指定して、AIで自己PR文のたたき台を生成し、違和感のある個所などを手作業で修正していくと早いかもしれません。
自己PRで「責任感」をアピールする際のポイント
次に、自己PRで「責任感」をアピールする際に気をつけたい3つのポイントについて解説します。
責任感は企業の採用担当者が中途採用の応募者を評価するうえで重要なポイントですが、伝え方を間違えるとネガティブな印象を与えてしまう場合もあります。応募書類や面接の自己PRで「責任感」をアピールする際は、以下のポイントを押さえましょう。
Point1数値的根拠を示す
可能であれば、責任感を発揮した行動の成果について、数字で根拠を示しましょう。たとえば、以下などです。
- 自分が旗振り役となってアクションした結果、〇%の売上向上に貢献した
具体的な数字を挙げるのが難しい場合は、以下などでもいいでしょう。
- チーム全体の業務が大幅に効率化した
- クライアントから高く評価され、新規案件の受注に繋がった
アピールしている内容が「自分は責任感がある」という思い込みではなく、具体的な成果に繋がっているということを、できるだけ客観的な事実から証明できるとよいでしょう。
Point2論理的に伝える
責任感をアピールするうえでは、わかりやすく論理的に伝えることも重要です。
いくら個人の責任感が強くても、自分の考えを人に伝えて説得し、相手を動かすことができなければ組織の成果には繋がりません。仕事におけるコミュニケーションで求められるのが、ロジカルシンキングのスキルです。ロジカルシンキングを身に付け、文章を書く際も、対面で話す際も、論理的に筋道を立てて、具体的な根拠を示しながら伝えることで、より説得力のある形で「責任感」をアピールすることができるでしょう。
Point3企業が求めている「責任感」をアピールする
自己PRで「責任感」をアピールする際は、その責任感が企業目線で見て評価に値するかどうかが問われます。自分目線だけにならないように注意してください。
たとえば、責任感を発揮したエピソードが「遅刻しなかった」「納期を守った」程度であれば、それは社会人として当たり前のこととみなされて、とくに評価の対象にはなりません。また、「責任感から1人で行動して成果を出した」というエピソードだと、「もしかすると単に頑固で協調性に欠ける人なのではないか」「仕事を1人で抱え込んでしまうのではないか」などと疑われる恐れもあります。
企業が求める責任感とは、自分の果たすべき責任を主体的に考えて、周囲を巻き込みながら、業務範囲や相手の期待を超えるようなプラスアルファの行動が取れることと考えてください。さらに、あなたを採用したときに責任感がどのように発揮されるのかが想像しやすいよう、応募職種の業務に結び付けて、責任感を発揮できる場面を具体的に伝えられると、より説得力があるでしょう。
自己PRで「責任感」をアピールした例文
最後に、自己PRで「責任感」をアピールした例文を、Web/ゲーム業界の職種別にご紹介します。なお、「責任感」という言葉を使わずにほかの言葉に言い換えたほうが、よりそれぞれの業務に関連づけて説明することで説得力のある自己PRになる場合もあります。
この記事で解説してきたポイントがどのあたりに生かされているか確認しながら読んでみて、ご自身の自己PRを作る際の参考にしてください。
【例文】Webディレクター
私は、仕事の成果に責任を持ち、最善の選択ができるように仕事を進めています。
前職で、度重なる仕様変更の影響で公開スケジュールが遅れ続けていたECサイトのディレクションを引き継いだことがあります。工数の増加にともなって受注金額は増えていましたが、着地点がまったく見えないことに危機感を覚え、関係者へ個別のヒアリングを行いました。遅延の原因がクライアント側のコミュニケーションの問題にあることがわかったため、定例会議の体制や情報共有方法の見直しを提案。その結果、クライアント社内の意思決定がスムーズに進み、当初の公開予定から半年以上遅れていたものを、その後1ヵ月でリリースすることができました。
難しい状況に直面したときも決してあきらめず、関係者とコミュニケーションをとりながら問題解決する姿勢で、御社のクライアントワークにも貢献したいと考えています。
【例文】Webマーケター
私は、仕事の目的を見極めて、そこに向かって責任を果たすことにこだわっています。
前職の制作会社では、もともとサイト運用案件の中で効果測定や改善提案は行っていたのですが、報告書作成が主な仕事になっており、改善提案はただ出すだけ、クライアントはそれを見るだけという状況でした。それでは仕事の価値がないと感じ、上司に掛け合ってツールを導入し、レポート作成の作業はほぼ自動化。すべての担当者がクライアントに対して改善策の説明や次のアクションに向けた調整に時間を使えるよう、部署全体の体制を整えました。その結果、業務効率化と案件獲得に繋がり、部署の売上が年間20%アップ。会社の中にマーケティング専門部署を立ち上げるきっかけとなりました。
御社の仕事においても、与えられた役割を全うすることはもちろんのこと、期待以上の成果を出せるように尽力していきたいと思います。
【例文】ゲームプランナー
私は、長く愛されるソーシャルゲームを作るために、かかわるメンバーの力を最大限に引き出すことを心掛けています。
企画の早い段階から、メンバー一人ひとりと話して強みや性格を把握し、それぞれの得意分野に関して意見をもらうようにしています。その結果、担当タイトルに対する各メンバーの愛着が生まれ、リリース後の運用がスムーズになると実感しています。前職で手がけたタイトルで2年以内にサービス終了したものは1本もなく、5年続いたものもあります。
長い時間軸でプランナーとしての責任を果たすことで、御社のソーシャルゲームの発展にも寄与していきたいと考えています。
自己PRに迷ったら、転職エージェントを活用しよう
企業が中途採用を行う際、応募者の責任感が強いかどうかは企業にとって重要な評価ポイントです。自己PRを考えるときには、ぜひこの記事を参考にして、責任感をアピールできないか考えてみてください。
自己PR作りに迷ったときは、転職エージェントに相談するという選択肢もあります。希望する業界に特化した転職エージェントであれば、その業界の採用担当者が評価するポイントを知り尽くしたキャリアアドバイザーからアドバイスを受けることができます。Web/IT業界やゲーム業界への転職を希望する方は、ぜひマイナビクリエイターにご相談ください。