Web・ゲームクリエイターの面接でよくある流れと押さえるべきポイント
クリエイターの転職活動が、他の職種の転職活動と最も異なるのは、やはり「作品」や「クリエイティブ能力」が重視されるという点。面接時に自己PRとしてポートフォリオを持参するのが当たり前ですし、作品や作品作りについての質問に多くの時間が費やされます。
このページでは、Webクリエイターやゲームクリエイターの採用面接でよくある流れと、押さえるべきポイントをご紹介できればと思います。
自己紹介をする上で押さえておくべきポイント
面接の導入部では、履歴書や職務経歴書に書かれたことをなぞる形での自己紹介を求められるのが一般的です。転職活動の経験がない方も、就活やアルバイトの面接などの経験で、これに関してはイメージがつくのではなないでしょうか。
質問の切り口は様々ですが、下記のように、非常に漠然とした抽象的な質問が投げかけられることが多いでしょう。
- まずは、あなたについて教えてください
こういう質問の対処法は「クリエイターとしての自分の特徴」に絞り込んで、話を進めることが大切です。しかも、自分が「募集内容に沿ったクリエイター」であることを前提に自己紹介を進めていけば、相手が求める情報をうまく伝えることができるでしょう。
例えば、「コーポレートサイトの制作に特化したWebディレクター」を募集している会社に対しては、自分がどのようにコーポレートサイト制作に精通しているのか(CIやブランディング、IRやCSR領域にも明るいなど)、その経験やスキルを中心に語ったり、「キャンペーンサイトやバナー制作など広告系のクリエイティブに特化したWebデザイナー、Webコーダー」を募集している会社に対しては、アドテク系にも明るく、制作スピードに自信があるなど、その強みを交えて語ることがベターです。
そして、相手の興味が他に生まれれば、それに対して別の質問がされ、徐々に質疑応答は展開されていくでしょう。
作品を語る上で押さえておくべきポイント
- ここは、なぜこのような作り方になったのですか?
- もし、クライアントから「もっとコアターゲットだけに刺さる内容に絞ってくれ」と要望があったら、この作品をどのように修正しますか?
このような作品そのものに関する質問や、クライアントの意図をどのように作品に反映させたのかといった突っ込んだ内容の質問があるかもしれません。こうした質問によって、面接担当者はあなたのクリエイティブ能力に加え、課せられた条件に柔軟に対応するプロのクリエイターとしての姿勢や考え方などを知ろうとしているわけです。
社会人、組織人としての自分を語る上で押さえておくべきポイント
作品を通じてあなたのクリエイターとしての経験やスキル、方向性などをある程度把握できたら、面接担当者はその次に「社会人、組織人としてのあなた」を知るための質問を投げかけてくるでしょう。
ここは一般的な採用面接と似たものになります。
- ご自身の一番の強み、弱みを教えてください
- 当社でどのような働き方をのぞみますか?
- なぜ前職を辞めようと思ったのですか?
といった一般的な質問を聞かれることが多いでしょう。
こうした質問では、特にクリエイターであることを意識した回答をする必要はありません。社会人としての常識や良識を持ち、組織人として命令系統や他のスタッフとの人間関係を尊重する、まじめで誠実な人材であることをアピールすることが大切です。
自分の弱みについて語る時は「細部に集中するあまり、全体的な進行の一部を忘れてしまったことがある」など「それが注意と反省によって予防可能であるもの」「仕事を進める上で致命的ではないもの」であることを意識しましょう。
採用面接は、ポーカーの流れに似ているところがあります。手持ちのカードをすべて正直にさらすことばかりが良いわけではなく「交渉の流れを自分に有利に導くスキルを持っているかどうか」も、面接担当者の評価項目に含まれていると考えるべきでしょう。
会社と自分の未来を語る上での押さえておくべきポイント
採用面接は、「あなたがクリエイターとしてどれだけ優れているか」だけを評価する場ではありません。その会社があなたを雇うことで、会社にどんな貢献をしてくれるかを評価する場です。そのため、自分の能力や可能性を語る際は「それがどのような形で、会社にどれくらいの貢献をもたらすか」という尺度で、語るべきでしょう。
クリエイターは、自己を犠牲にして会社に尽くすだけでは真価が発揮できません。自分のモチベーションを維持し、自分を成長させながら、それが同時に会社への貢献につながるといった関係が築けるかどうかが、面接で最大のポイントになります。そうした結論にたどり着くことができるように、面接での対応を心がけるべきでしょう。
まとめ
しかし、ここで紹介したことの意味や背景を理解しておくことで、どのような流れになっても面接の本質を押さえた適切な対応ができるでしょう。
採用面接は、「自分」という商品をプレゼンテーションする場ともいえます。商品の価値に絶対の自信を持ち、堂々とプレゼンに臨むようにしましょう。