多面的視点を身に付けよう!ゲームディレクターが読むべき本10冊 

この記事では、ゲームディレクターを目指す人が学んでおくと今後役に立つ本を厳選して紹介します。ゲームディレクターという役職は、まだ大手などでしか認知されていないポジションです。しかし、日々進化を続けるゲーム業界において、今後求められる人材・役職となるでしょう。

ゲームディレクターのために、ゲームのディレクション方法についてまとめた本はそう多くありません。しかし、ゲームのディレクションに特化した本以外にも、ゲームディレクターが読んでおくべき、読んだほうがためになる本は多数存在します。ゲームディレクターを目指す人のほか、ゲーム制作に興味のある方は是非参考にしてください。

ゲームディレクターに必要なのは、さまざまな分野の本から多面的視点を養うこと

すでにゲームディレクターとして活躍されている方は、これまでにどれほどの本を読んできたでしょうか。ゲームディレクターは現場から学ぶものだ、という風潮があるのが現実で、ゲームディレクターに向けた本は個人が勉強のために、余裕があるとき読むという程度でしょう。

しかし、さまざまな本を読むことで得られることは非常に多く、得た知識は必ず仕事上で役立ちます。現場では習得しづらい基礎的な知識やスケジュールなどの管理方法、品質の保ち方、顧客の目線などを得るのに最適なメディアが本です。

また、本などの文章をたくさん読み教養のある人はアイデアの引き出しも多く、折衝の際に有利にはたらくでしょう。 基礎学力的な情報を得て、さらに多面的視点から応用力を身に付けたゲームディレクターとなるために役立つ本を厳選してご紹介します。

ワンランク上のゲームディレクションを行うために役立つ本7選

ゲームディレクターに求められる知識・技能は多岐にわたります。それらは一朝一夕で身に付くものではありませんが、本から情報を得て、自らのものにしていくことで、大きく成長することができます。ここでは、ゲームディレクターが多面的視点を身に付けるための一歩として、プランニング・分析・管理に関する本を紹介していきます。

進行管理だけでなく、さまざまな分野の知識も併せ持つハイブリッドなゲームディレクターとなるためにステップアップをしていきましょう。

01. ゲーム屋が教える!売れるゲーム企画書の書き方

新規のゲーム開発のみならず、今人気の高いアプリゲームのイベントを提案するときに力を入れるのが、企画書です。面白いと思わせる企画書の書き方、予算を持っている上層部への売り出し方、掛け合い方を一から解説します。

懸命に練り上げた企画をどうアピールすれば通りやすくなるのか、上級の役職の人は企画書のどこを見て判断しているのか、そして、ユーザ目線ではどういうところに面白さを感じるのか。あらゆる視点からゲームの企画について見つめ直した本だからこそ、ゲームディレクターには是非。

02. プロになるためのゲームプランニングの教科書

ゲームのプランニングについて、基礎の基礎から解説している本です。わかったつもりの知識やあいまいな知識を、あらためて学び直す機会として最適な本と言えるでしょう。中盤では、ゲームディレクターとしてすぐに現場で役立つ開発期間の見積もり方や面白い企画の見分け方、対外折衝の際活用するべきツールを紹介しています。

ほかにも、ゲーム業界の全体像やその成り立ちから、ゲームの内容としては画面遷移のポイントやシナリオ・テキストの書き方まで取り扱っており、説明がていねいなので初心者にも理解しやすい本です。この1冊でゲームディレクターが押さえるべき基礎はすべてマスターできる、と言ってもいいでしょう。また、この本にはシリーズがあるので、合わせて読むとさらによいかもしれません。

03. SEのための見積りの基本

ゲームを企画する際、欠かせないのが見積もりの技術です。工数管理、ゲームユーザーの動向把握・分析、利益を生み出すゲームへの変革の方法など、管理すべきROI(費用対効果)を中心に見積りのときに必要な知識を説明した本です。提案内容に合わせてどのように投入コストや回収効果を管理すればいいのか考える力が身に付きます。初期投資、運用コストの管理や作業量要員計画などゲームのディレクションにおいて基盤となる見積りの際役に立つ教養本です。

タイトルには「SEのため」と書かれていますが、ゲームディレクターもするべきことは一緒です。見積もりを基本から学ぶなら、まずはこの本を手に取るといいかもしれません。

04. ゲームプランナー集中講座 ゲーム創りはテンポが9割

タイトルにはゲームプランナーとありますが、ゲームディレクターをはじめゲーム開発に携わる人すべてにおすすめする本です。ゲームはなぜ面白いのか?どうしたら面白いゲームを作れるのか?それは、面白さの「核」を決めることだとこの本では紹介しています。面白さの核を決め、プレイする人が「気持ちいい!」と思えるような企画を練り上げる方法を解説しており、ゲームディレクターとして、企画の段階から売れるゲームになるかどうかを判断するときに役立つポイントが、実際の例を挙げなから解説されています。

また、一旦は却下されてしまったアイデアも、ちょっと工夫するだけで面白くなる可能性を秘めています。そんな希望を与えてくれるのがこの本です。

05. アプリ内課金+広告 iPhoneプログラミング

主にアプリゲームのマネタイズに関する基礎知識を得るなら、この本が最適です。ゲームディレクターならChapter1だけを読めば、広告の種類やその特徴とアプリ内課金についてわかりやすく解説しているため、十分な知識を得られます。

Chapter2以降はアプリ開発の具体的な方法などを説明しており、プログラマー育成の際に参考本として紹介できる専門性を持ちます。技術者へ書籍を紹介することで、尊敬されるゲームディレクターになれるでしょう。

06. Rではじめるビジネス統計分析

統計的に有意であることを示せなければ、ゲームの企画を通すことはできません。さらに、近年のアプリゲームにおいて命となっているゲーム運用においても、統計的分析の能力が必要です。ユーザーを飽きさせない工夫を生み出すときや、講じた対策が意図していた通りの効果を生んだのか判断するときなど、さまざまな場面でゲームディレクターは統計的分析を使うことになるでしょう。

Rを使えば、簡単なコーディングで難解な統計処理を終えてしまえます。初めての人でもわかりやすいように、実際のコードを表しながらていねいな解説を施している本です。

07. 情報処理技術者試験対策 プロジェクトマネージャ合格トレーニング 2018年度版

ゲームディレクターとして、プロジェクトの実行管理の方法を学ぶならこの本が最適です。情報処理技術者試験対策の書籍ですが、ゲームを管理するための具体的な方法が記述されており、これまでグラフィック中心の仕事をしてきた方がゲームディレクターになる際には、特に一読しておくことをおすすめします。

ゲームディレクターは、プロジェクトの作業範囲、スケジュールに合わせての計画実行、要員、コスト、品質などの状況を統制・管理しなければなりません。また、ゲームディレクターはゲームプロデューサーおよびゲームプランナーよりスコープ定義された際、成果物のサービス、制約条件、前提条件など作成し、必要な作業を体系化し明確にしていきます。そして、スコープ範囲と差異が生じる場合、是正処置を行います。

この本では、是正処置は計画と実績の差異が生じた根本を分析し、体制、手順を是正し、次にリスクを抑える方法を説明しています。管理者としての知識を身に付けるために、非常に役立つ本です。

ゲームディレクターがコミュニケーション力を高めるのに役立つ本3選

ゲームディレクターは、多くの人とコミュニケーションを取らなければなりません。プランナー、デザイナー、イラストレーター、プログラマー、デバッガー、プロデューサー、ほかにも、対外折衝の役割を担うこともあります。人間関係を構築し、ゲーム制作を円滑に進めるために、ゲームディレクターにとってコミュニケーション能力は必須です。

簡単に身に付くものではありませんが、コミュニケーションにおけるポイントを押さえることで、スキルを高めるスピードを速めることが可能です。ここでは、ゲームディレクターとして身に付けるべきコミュニケーションスキルに関する本を、厳選して3冊ご紹介します。

08. リーダーシップ3.0ーーカリスマから支援者へ

ただの作業者から管理する立場となったゲームディレクターには、リーダーシップが求められます。特に制作現場において、クリエイターから信頼され、皆が付いてきてくれるようなゲームディレクターとは、どのような人物なのでしょうか。

近年求められているリーダーは、いわゆる英雄のようなカリスマ性を持つ人ではありません。一人ひとりの人権や意志が尊重される現代日本において、下につく人を上手に支援できるリーダーが、成功を収めるのです。そんな「支援者」としてのリーダーについて解説している本です。

09. 人は「話し方」で9割変わる

ゲームプロデューサーや経営者と、クリエイター(ゲームプログラマーやイラストレーターなど)の間に立って橋渡しをするのがゲームディレクターです。双方の言い分を聞きつつ、それを正確に、そして効果的に伝えられる会話術が必要になってきます。さらに、ただ情報伝達者に徹するのではなく、コミュニケーションを工夫することでしっかりとした人間関係を築くことができ、仕事を円滑に進めることができるでしょう。

この本では、そんな会話術のノウハウが、具体的な会話文を通して解説されています。言葉の選び方1つで、伝わり方が変わります。ゲームディレクターとして効率的なコミュニケーションを取るために、この本は非常に役立ちます。

10. いつも目標達成している人のテレアポ術

この本では、中小企業診断士やマーケティング検定の内容にも含まれるような項目が説明されています。たとえば、SWOT(スオット)とは強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字をとった分析手法の1つですが、事業部の分析をする際に使える一方、電話で外注先、投資家、デザイナー、プログラマーと会話をする際にも使用できる、応用性の高い知識です。

このことをはじめ、コミュニケーションにおいて重要な知識や押さえておくべきポイントを具体的に解説しているので、コミュニケーションに自信のない人には特に読んでいただきたい本です。ゲームディレクターとしての経験に関わらず、電話のかけ方は社会人経験のある人ならおおよそ問題なく把握していることでしょう。だからこそ、あらためて体系的に学ぶことで、よりパフォーマンスを上げることができるのです。

まとめ

これからますます必要とされるゲームディレクターは、ここで紹介してきた本の多様性からも、必要なスキルの多さがわかることでしょう。そして、それだけにやりがいのある役職です。

ゲームの企画設計や実際の制作は、ゲームプランナーや各クリエイターが分担して行いますが、これらの役職の人たちをマネジメントし、ゲーム完成というゴールへ導くのがゲームディレクターです。責任ある役職であるゲームディレクターの活躍を、本から得られる知識や知見が支えてくれます。この記事で紹介した本を参考に、広く活躍するゲームディレクターを目指しましょう。

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