Webマーケターとして活躍するうえで役立つ資格12選
この記事では、Webマーケターが転職において自身の専門性を客観的にアピールするときはもちろん、日々のWebマーケティング業務を行ううえでも役立つ資格について幅広くご紹介します。
※状況に応じて、受講方法、受験方法が変更される場合もあります。詳細は各サイトをご確認ください。
目次
実務に直結!Webマーケターなら持っておきたい資格
Webマーケターとしてのスキルは、その多くを実務から学べますが、資格取得を目指すことで網羅的に学ぶこともできます。実務未経験者はWebマーケターを目指す第一歩として、経験者は知識の確認やさらなるスキルアップのため、資格取得に挑戦してもよいでしょう。
Webマーケティング・解析の知識を学べる5つの資格
これから紹介する5つの資格はWebマーケターとしての実務を行ううえで基礎となるWeb解析に関する知識や、マーケティングに関する理論を身に付けるためのものです。
資格取得にはさまざまなタイプがあるので、住む場所や仕事との兼ね合い、資格取得のために使える時間など、条件に合わせて、自分に一番マッチする資格を見つけてみてください。
01.Webアナリスト検定
WebマーケターとしてWeb解析の基本を身に付けたいのなら、「Webアナリスト検定」は有用でしょう。これからWeb解析を仕事に取り入れていこうという人はもちろん、一定の知識や経験のある人でも、自己のスキルの確認に役立つ検定です。
- 運営:日本Web協会(JWA)
- 受験料:22,325円(税込、受講料、試験代)※別途公式テキストの購入が必要
- 受験資格:特になし
- 試験時間:80分
- 出題数:70問
- 合格基準:75%以上の正答率且つ、各分野40%以上の正答率
※受験料の表記は一例です。講座を受講せずに試験だけを受けることも可能です。
02.Internet Marketing Analyst(IMA)検定
オンラインマーケティングの今を学び、身に付けることができるのが「Internet Marketing Analyst(IMA)検定」です。IMA検定にはサイト分析とリスティング広告の実践運用スキルを身に付けるStandardコースと、ターゲット別の集客プランの立案とスプリットラン実施のノウハウを身に付けるProfessionalコースがあり、Webマーケターの業務推進に役立ちます。
IMA検定はeラーニングによる受講と演習を行い、指定日にWebテストによる認定試験を行って合否を確定し、IMAホルダーと認定されるものです。10年以上の実務担当者が実際のオンラインマーケティングの現場で得たスキルやノウハウをカリキュラム化しています。
受講から検定まですべてパソコンを使ったオンライン環境で行われるため、多くの人がチャレンジでき、住居や仕事による制限も受けにくいというという特徴があります。
- 運営:クラウドマネージメント協会
- 受験料:
- Standardコース/19,800円(税込)
- Professionalコース/19,800円(税込)
- 受験資格:Professionalコースの受験にはStandardコースの合格が必要
- 試験時間:
- Standardコース/2時間30分
- Professionalコース/2時間30分
- 出題数:非公開
- 合格基準:非公開
03.ウェブ解析士認定
アクセス解析を軸としたデータの読み取りや正しい判断など、Web解析のスキルを身に付けることができるのが「ウェブ解析士認定」です。公式テキストと認定講座が用意されているので、Web解析を基本から身に付けて実務に活かしたいと考える人にもおすすめです。また「上級ウェブ解析士」、「ウェブ解析士マスター」とさらに2段階の上位資格が用意されていて、Webマーケターとしての専門性を高めていくことも可能です。
ウェブ解析士の認定講座の内容は、Web解析の基本的な知識、指標からはじまり、自社がおかれている環境の分析、KPI設定、永続的な事業の発展に必要なエンゲージメントや間接効果、最終的なレポーティングなど、Webマーケターの業務に直結した内容です。認定試験はパソコンを使ってWeb環境で行い、会場型試験と在宅試験の両方が可能となっています。認定資格取得後にもエキスパート講座、ツールトレーニング講座、アップデート講座などが、資格取得者のスキルアップを目的に随時実施されているのもこの資格の特徴です。
- 運営:一般社団法人ウェブ解析士協会
- 受験料:ウェブ解析士試験費用/17,600円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:90分
- 出題数:ウェブ解析士/50問
- 合格基準:非公開
- その他:テキストの内容に基づいたウェブ解析士認定講座の受講も可能
講座費用11,000円(税込)、公式テキスト4,400円(税込)
04.マーケティング・ビジネス実務検定
Webマーケターに限らず、マーケティングにおける広い知識と理論を身に付けたいなら「マーケティング・ビジネス実務検定」があります。A、B、C級の3つのレベルがあり、A級に合格することで自動的に「IMASSA(International Marketing Skill Standardizing Association)認定マーケティング実務士」と認められます。
この資格の特徴は、特定の業種・業界にとらわれない共通のマーケティング知識の習得を目指していること。A〜C各レベルの対策講座やeラーニング、DVDによる在宅での講座が用意されていて、マーケティング理論だけでなく、実践で役立つ知識が習得できる資格となっています。
- 運営:国際実務マーケティング協会
- 受験料:
- A級(戦略レベル)/12,760円(税込)
- B級(応用レベル)/7,480円(税込)
- C級(基礎レベル)/6,270円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:
- A級/3時間10分
- B級/2時間45分
- C級/2時間15分
- 出題数:
- A級/70問+ケーススタディ
- B級/75問
- C級/72問
- 合格基準:
- A級/非公開
- B級/300点満点中210点が基準
- C級/200点満点中160点が基準
05.ネットマーケティング検定
Webサイトを活用した認知度の向上、市場調査やマーケティングリサーチ、SEOやSEMの実施、商品の販売、会員向けサイトの構築など、Webマーケターがインターネットを企業のマーケティングツールとして活用するうえで不可欠な知識やスキルを体系的に学習できるのが「ネットマーケティング検定」です。
試験に備える方法としてネットマーケティング検定公式テキスト、ネットマーケティング検定過去問題集があり、標準学習時間15時間のモデルカリキュラムが紹介されています。個人向けの全国一斉試験と企業や団体で会場を用意し団体受験を行うことも可能です。
今、在職中でネットマーケティングに関するベーシックな知識が欲しいと考えている人や、就職・転職においてネットマーケティングを強みにしたい人に多く受験されています。
- 運営:株式会社サーティファイ
- 受験料:6,200円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:80分
- 出題数:40問(基本問題30問+事例問題10問)
- 合格基準:得点率70%以上
- その他:
- 『ネットマーケティング検定公式テキストインターネットマーケティング基礎編第4版』 2,200円(税込)
- 『ネットマーケティング過去問集』 2,090円(税込)
市場価値を高める!Webマーケターへおすすめの資格
ここからは、Web解析やマーケティング理論といったWebマーケティングの基本以外にも、プラスアルファのスキルを身に付けるために、有用な資格を紹介していきます。あなたの市場価値を上げる資格を積極的に手に入れていきましょう。
コミュニケーションの質を高める、Web・IT関連の3つの資格
Webマーケターが、社内外のメンバーなどと能動的にコミュニケーションをとるためには、WebやITの知見が重要です。ここではそんなWeb・ITの知見を身に付けるのに適した資格を3つご紹介します。
06.Web検定 Webリテラシー(社団法人 全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webアソシエイト)
Webをフィールドに仕事をする人が適切に業務を遂行するために、共通のWebリテラシーを備えているかどうかを問う試験が「Webリテラシー試験」です。
Webデザイナー、Webディレクター、WebプロデューサーのWebにおける主要3職種の最重要知識を集め、それを理解・運用できる能力が「Webリテラシー」として定義されています。
Webマーケターの業務は、Webデザイナー、Webディレクターなどのクリエイティブ職種と共通認識が持てることはもちろん、Webマーケティングの範囲を超えてWebそのもののシステムについてクライアントや自社の経営陣などに正確に理解されるよう語れる必要があります。WebリテラシーはそんなWebに関するコミュニケーション力が問われる際に有用であり、それを証明できる資格です。
(正式名称:社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webアソシエイト)
- 運営:株式会社ボーンデジタル
- 受験料:11,000円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:90分間
- 出題数:85問
- 合格基準:正答率70%以上
- その他:
- 公式テキスト『ウェブの仕事力が上がる標準ガイドブック1 Webリテラシー第4版』(ボーンデジタル) 3,740円(税込)
- 『PDFダウンロード版Webリテラシー問題集第4版対応』 1,760円(税込)
07.統計検定
抽出されたデータから統計を取り、仮説を立て、次のアクションの意思決定に繋げていく、といった統計に関する知識や活用力を身に付けられるのが「統計検定」です。
統計検定の種別は、4級、3級、2級、準1級、1級(「統計数理」と「統計応用」)となり、基本的なリテラシーを扱うものから、統計数理を駆使する大学での専門分野修了レベルまでのコースがあります。ほかにも、コンピューター上でのデータアナリティクス能力が評価されるデータサイエンス基礎(受験者がコンピューターを用いて解答するCBT方式で行われます)など専門分野に特化したものも用意されています。
(正式名称:社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webアソシエイト)
- 運営:一般財団法人 統計質保証推進協会
- 受験料:
- 1級/2種類(統計数理・統計応用)各6,000円(税込)※同時受験は税込10,000円
- 準1級/8,000円(税込)
- 2級/7,000円(税込)
- 3級/6,000円(税込)
- 4級/5,000円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:
- 1級/2種類・各90分ずつ
- 準1級/90分
- 2級/90分
- 4級〜3級/60分
- 出題数:
- 1級/2種類・各5問
- 準1級/25問〜30問
- 2級/35問程度
- 4級〜3級/30問程度
- 合格基準:
- 1級/非公開
- 準1級・2級・4級/100点満点で、60点以上
- 3級/100点満点で、65点以上
08.ITパスポート試験
ITを利用するすべての社会人・学生が備えておくべきITに関する基礎知識を証明できる国家試験が「ITパスポート試験」です。経営戦略、マーケティング、財務、法務などの知識、ネットワーク、セキュリティに関するIT知識、プロジェクトマネジメントの知識など、ITを活用したビジネスにおける総合的な知識を問う試験となっています。
試験内容はストラテジー系(経営全般)35問程度、マネジメント系(IT管理)20問程度、テクノロジー系(IT技術)45問程度となっており、CBT(Computer Based Testing)方式で、全国の都道府県会場で行われます。Webマーケターの専門領域に繋がる基礎知識として有用で、国家試験だけに採用企業からの評価も得やすいです。
- 国家資格
- 受験料:7,500円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:120分間
- 出題数:100問
- ストラテジ系(経営全般)/35問程度
- マネジメント系(IT管理)/20問程度
- テクノロジ系(IT技術)/45問程度
- 合格基準:
- 総合評価点1,000点満点中600点以上
- 分野別評価点(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系)各1,000点満点中300点以上
基礎力を底上げする2つのGoogleの認定資格
Googleが提供するWeb分析ツール(Googleアナリティクス)や、Webの広告サービスについての理解もWebマーケティングを行ううえで求められるスキルです。ここではGoogleの認定資格として、2つの資格をご紹介します。
09.Googleアナリティクス認定資格
Googleアナリティクスの習熟度を認定するのが「Googleアナリティクス認定資格」です。2023年7月1日以降、GoogleアナリティクスはGA4に移行し、これまでの認定資格「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」から名前も試験内容も変更となりました。
WebマーケターとしてWeb解析を行ううえで、Googleアナリティクスはなくてはならないツールです。Web解析の知識やスキルが学べるオンラインプログラムの受講はもちろん、試験費用もすべて無料なのでWebマーケター必須の基礎力を身に付けるためにも、「Googleアナリティクス認定資格」の取得をぜひ視野に入れてください。Googleが提供するトレーニングプラットフォーム「スキルショップ」内にて取得できます。
また資格の有効期間は合格から12ヵ月間となっており、継続して認定を得たい場合は再度理解度テストを受けるシステムです。
- 運営:Google
- 受験料:無料
- 受験資格:Googleアカウントを所有していること
- 試験時間:90分
- 出題数:50問
- 合格基準:正答率80%以上
10.Google広告の認定資格
Googleの広告を活用するスキルを証明するのが「Google広告の認定資格」です。この認定を得ることによってGoogleに認められたオンライン広告のエキスパートであることを証明できます。Webマーケターの保有資格として強力な後押しになることは言うまでもありません。
認定資格は、基礎的な認定資格が9項目、プロフェッショナル認定資格が3項目あり(2024年4月現在)、各項目の理解度テストに合格することによって、認定資格を取得することができます。
- 運営:Google
- 受験料:すべて無料
- 科目:
- <基礎的な認定資格>
- Google広告「検索広告」
- Google広告「ディスプレイ広告」
- Google広告「動画広告」
- AIを活用したパフォーマンス広告
- Google広告「測定」
- Google広告「クリエイティブ」
- オフライン販売促進
- ショッピング広告
- Google広告「アプリ」
- <プロフェッショナル認定資格>
- Google広告「検索広告」プロフェッショナル
- Google 広告「ディスプレイ広告」プロフェッショナル
- Google 広告「動画広告」プロフェッショナル
- 受験資格:Googleアカウントを所有していること
- 試験時間:各項目75分
- 出題数:各項目50問前後
- 合格基準:正答率80%以上
Webマーケターの業務範囲を広げる2つの資格
Webマーケターにとって、Web制作に関わるEコマースの仕組みや、著作権に関する知識を持っていることも強みとなります。ここでは、具体的な資格を2つご紹介します。
11.ネットショップ実務士(ネットショップ検定)
WebマーケティングのなかでもEコマースの基本や運用の考え方を知るために有用なのが、ネットショップ検定です。
レベル1ではEコマースについての基礎知識、レベル2では実践知識を取得できます。レベル3からは実践経験、レベル4でEC企画能力、レベル5でEC経営能力までを身に付けていくことを目指します。レベル1の対象者は新卒予定者、転職希望者、ネットショップ運営初心者となっており、ECサイトの運営に関する基礎的な知識の習得に大いに役立つ資格です。
Webマーケターの中でもEコマース業界に就職したいと考える方や、ECサイトを運営するクライアントにWebマーケティングを展開したいと考える人におすすめです。
- 運営:一般財団法人ネットショップ能力認定機構
- 受験料:
- レベル1/7,000円(税込)
- レベル2/7,500円(税込)
- 受験資格:特になし(レベル3からは優良ネットショップでの勤務実績の証明が必要)
- 試験時間:80分
- 出題数:各70問
- 合格基準:正答率70%以上(【1】ビジネス知識、【2】前提知識、【3】実施知識合格評価カテゴリごとに、50%以上の正答率)
- その他:『改訂版ネットショップ検定公式テキスト ネットショップ実務士レベル1対応 オンデマンド(ペーパーバック)』 3,300円(税込)
12.ビジネス著作権検定
著作権や知的財産権の保護に関する知識や理解があり、それらを業務に活用できることを証明するのが「ビジネス著作権検定」です。Webコンテンツも著作物である以上、Webマーケターが著作権に関する一定のリテラシーを持つことはリスク回避のためにも重要です。Web制作の現場で活かせる知識としてビジネス著作権検定の取得は有効な手段の1つといえます。
- 運営:株式会社サーティファイ
- 受験料:
- 初級/5,300円(税込)
- 上級/8,200円(税込)
- 受験資格:特になし
- 試験時間:
- 初級/60分
- 上級/90分
- 出題数:
- 初級/30問
- 上級/40問
- 合格基準:
- 初級/65%以上
- 上級/70%以上
- その他:
- 「ビジネス著作権検定BASIC」受験料 5,100円(税込)
- 『ビジネス著作権検定 BASIC・初級公式テキスト』 2,200円(税込)
まとめ
Webマーケターに関連するさまざまな資格を紹介してきました。Webマーケターが実務の中で頻繁に求められるスキルは、やはりマーケティングの理論と、Web解析、Web広告の知識が中心となってきます。Webマーケターの転職において何よりも大事なのは、評価されるべき実績があることには変わりありません。
しかし、自分の得意分野や仕事の方向性、関心に合わせて専門性をより高めていくためにも、プラスアルファの資格を取ることは有益です。なぜなら資格を持つことはクライアントや仕事を共にするメンバーに対してスキルを証明することはもちろん、あなた自身に専門家としての自信をもたらし、あなたがより能動的に動くことを可能にするからです。今回紹介した資格の中から、あなたが仕事の軸として活用できる資格を、ぜひ見つけてみてください。