採用面接時の服装・髪型に関する正しい考え方と準備の仕方
それを表す有名な研究結果があります。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した「メラビアンの法則(3Vの法則)」です。
これは「人間は、『視覚』(Visual)『聴覚』(Vocal)『言語』(Verbal)のそれぞれが矛盾した情報を与えられた場合、判断材料として視覚情報を最も重視する確率が高い」というものす。
具体的に言うと、「この人の言っていることはすばらしい。だが、見た目がだらしなく、信用できる人物と思いにくい」という矛盾した情報を与えられた場合、「話がすばらしいからすばらしい人だ」と思うより、「言っていることはいいが、だらしない見た目がどうしても信用できない...。」と判断する面接担当者が圧倒的に多いということです。
判断に苦しむ情報を与えたとき、人は何を最も大きな判断材料とするか?
メラビアンの法則 - Wikipedia参照(2017.1.20時点)
服装や髪型は、ほんのわずかなコストと努力で整えることができます。それを怠って評価を下げられるよりも、きちんと整えていったほうが遥かに得だということが、ご理解いただけたでしょうか?
これはアウト!面接時の服装と髪型 - 本当にあったNG集
寝癖
応募書類から仕事ができると感じられたWebディレクターのAさん。Web制作会社に面接に行ってもらったところ、不合格。人事の方曰く、「髪が寝癖であまりに乱れていましたし、服装も乱れていたので見送らせていただきました」とのこと。
ジーンズにサンダル
「服装は自由、私服でOK」というデザイン会社の面接に、ジーンズとサンダルで現れたWebデザイナーのBさん。嘘のような話ですが、実際にありました。その結果、やはり「基本はなんでも良いのですが、ジーンズとサンダルはさすがにちょっと」と不合格になってしまいました。「クリエイティブ力以前の問題です」とのことです。
ヨレヨレのスーツ
外部との渉外業務も多いゲームプランナー職に応募したCさん。スーツ着用の面接で、待ち合わせで会ったキャリアアドバイザーがヨレヨレのスーツに絶句。いっしょに量販店へ行って、スーツを買い直すはめになりました。結局合格しましたが、ヨレヨレのスーツのままでは不合格だったでしょう。
靴のかかとを踏んだまま
紙メディアを中心としたデザインで豊富な経験を持つDさん。総合制作会社の面接で、作品の話やデザイン論は盛り上がったのに不合格となりました。人事の方は「靴のかかとを踏んだままだったのが気になりました。あのだらしいない感じは、デザインをする職人としてはいいのでしょうが、社員としては迎えにくかったですね」とのこと。
面接時の服装と髪型に関する6つの鉄則
例えばアートディレクターといったセンス重視系の職種では、服装でセンスを判断される場合もあります。しかしそれは、個々のセンスによる領域です。今回は、マイナスにならないための服装と髪型に関する鉄則をご紹介します。
初対面でも失礼にあたらない服装と髪型で
初めて会う人に対して無礼にならない身だしなみを、というのは社会人としての基本的なマナーです。しかも、面接という人生を左右しかねない重要でフォーマルな場において、服装や髪型でマイナス評価をされるのはもったいない話です。たくさんの会社に応募して、面接も度重なってくると、たくさん応募した中の1社ということで、緊張感なく訪問してしまいがちですが、その会社にとっては一期一会の面接です。初対面であることを忘れずに。
人事の方に伺うと、「社内だけで仕事する分には別に良いのですが、外部の方とミーティングをしたり、急にクライアントを訪れたりする機会が発生することもあります。そうなったときに、初めて会う人に対して、その服装とその髪型とそのヒゲで行くのかと思ってしまうと、やっぱり社会人としてどうかなという疑問は持ちますね」といった意見が多いものです。したがって、初対面であるという意識は欠かせません。
「清潔感」をキーワードに
クリエイターといえども、一人で仕事をするわけではありません。周囲に不快感を与えるような服装は困るという会社が多いでしょう。さらに、「不潔感」が加わると、確実にマイナス評価を下されます。清潔感のある服装や髪型を心掛けましょう。
不潔な(ヨレヨレ・洗濯していない)服装は論外ですが、「清潔感を演出する」ということでいえば、白のトップスなどが有効でしょう。シャツやカーディガン、女性ならジャケットなどです。白のトップスを着ると、カメラ撮影に使うレフ板のように光が反射して、顔がさっぱり明るく見える傾向があります。
自由な服装=何でもいい、ではない
特にIT系やゲーム系の会社では、「自由な服装で結構です」と言われることが多くなってきました。ただし、それは「何でもいい」「どうでもいい」ということを意味してはいません。節度を持って服装や髪型を決めてください、ということです。例えば、その会社のWebサイトを見て、かなり自由な服装で働いていることがわかったとしても、それは普段の日常であって、面接となると判断基準は変わってきます。
Web検索で、「オフィスカジュアル」「ビジネスカジュアル」というキーワードで出てくるくらいのファッションは保ちたいものです。
私服の会社はおしゃれな可能性が高い
「普段の姿を見たいので、私服でお越しください」という会社もよくあります。そう言われて、本当に普段の私服で行く場合は要注意です。カジュアル・ファッションはプロでも難しいとよく言われますが、私服で仕事している方にはおしゃれな方が多いものです。雑な私服の方はそれほど多くありません。だからこそ、本当の普段着でいいのか今一度考え、失礼にあたらない服装で訪問することをおすすめします。
紺のスーツは1着用意しておくべし
面接で「普段スーツ着てないんだな」と思われてしまうのはもったいないと思います。Web業界やIT業界、ゲーム業界のクリエイターの場合、「スーツで来てください」と言われることはあまりありません。ただし、社会人として、フォーマルな場にスーツを着て行くという場面は、必ず出てきます。
スーツは高価でなくても、最新のデザインのものでなくても構いません。1着というなら、紺のベーシックなスーツを持っておくことをおすすめします。とはいえ、いかにもリクルートスーツというデザインは避けたほうがいいでしょう。なお、「ヨレヨレのスーツならカジュアルのほうがマシ」という風にならないように、スーツの保管はきちんとしておきましょう。
迷ったら"ジャケパン"
普段スーツを着ないので、面接の「具体的な服装を教えて」という方には、男女問わず、フォーマルな雰囲気の"ジャケパン"をおすすめします。購入するお店は、奇抜でなければどこでも構いませんので、白系のシャツ、紺かグレーか黒のパンツ(スラックス)、そして紺のジャケットがいいでしょう。パンツはチノパンでも構いません。
買うときは面倒がらずに試着して、サイズがきちんと合ったものを買うと好印象を与えられます。
キャリアアドバイザーに聞く!服装と髪型どこまでOK?
ノーネクタイはOK?
しかしその一方で、「フォーマルな場にネクタイは必須」という会社もまだ多く存在します。ネクタイの意味は、ビジネスの制服、フォーマルを表現する記号、できるビジネスパーソンに見える魔法の布、色味が寂しいスーツとシャツに彩りを与えるファッション小道具といろいろあり、そこに意義を感じる方も多くいます。ですからネクタイが嫌いでも、無難なタイプを1本は用意しておきましょう。
フォーマル風のジーンズはOK?
理由は、元々が作業着で、カジュアルすぎるように見る人が多く存在するからです。普段の仕事ではOKの会社も多くなってきましたが、面接の場ではNGととらえていきましょう。
長髪はOK?
茶髪はOK?
まとめ
大切なことなので、最後にもう1回繰り返します。
クリエイターの本質に、服装や髪型などは何の関係もありません。 しかし、それだけに「ほんのわずかなコストと努力で整えられる服装や髪型をおろそかにして、クリエイターとしての自分の評価を下げるのは損だ」ということなのです。
もっと突っ込んで言えば、「服装や髪型など、本質とは関係ない部分で自分のクリエイティブをみずからおとしめるようなことはしないでください。整えましょう!」というのが私たちの本心です。
私達マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーは、転職希望者一人ひとりの事情や個性に合わせて自己紹介文の添削を行い、面接担当者に伝わりやすい話し方のトレーニングのお手伝いをしています。服装や髪型についてのアドバイスもしますし、面接へ行く場合は、その会社のドレスコードをきちんとお伝えします。 この記事を読んで、もしも服装や髪型がどう受け取られるのか不安を感じたら、私たちにお気軽にご相談ください。企業側が求める身だしなみをお伝えし、きっとあなたに役立つ実践的なアドバイスをさせていただけると思います。