Webディレクターに有効な資格18選 - 体系的な学習は大きなプラスに

「この資格があればWebディレクターになれる」というものは存在しません。しかし、さまざまな資格を取得するために勉強をすることは、Webディレクターのスキルアップに大きなメリットをもたらしてくれます。今回はWebディレクターとして成長するために有効な、18の資格をまとめましたので、紹介していきます。
(2022.10.18更新)

資格取得自体に意味はない - 重要なのは資格取得に向けた体系的な学習

「Webディレクターとしてキャリアアップをするために資格は必要ですか?」現場でバリバリと働いているWebディレクターにそう尋ねると、ほとんどの人が「資格は必要ない」と答えるでしょう。むしろ、「資格なんて何の役にも立たない」という意見のほうが多いかもしれません。

確かに、「Webディレクターになるために必要な資格」というものは存在しません。また、猛スピードで進化をし続けるWebの世界では、現場で培った経験や最新技術に対する知見、そしてそれをビジネスに活かせる創造性が重要視される傾向があります。「必要ない」「何の役にも立たない」という回答は、あながち間違ってはいないでしょう。

ではなぜ今回、Webディレクターにまつわる資格を紹介していくのかというと、資格自体には意味はなくても、資格取得に向けた勉強には決して無視できないメリットがあるからです。Webディレクターが資格取得に向けて勉強をするメリットは、大きく以下の3つに分類できます。

Webディレクターが資格取得に向けて勉強するメリット

  • Webディレクター未経験の人が、Webディレクターという仕事の概観をとらえることができる
  • Webディレクターとしての汎用的な知識・スキルを体系的に学び、整理することができる
  • Webディレクション業務を行う上で、接する人々とのコミュニケーションを円滑にすることができる

1番目のメリット「Webディレクター未経験の人が、Webディレクターという仕事の概観をとらえることができる」に関しては、誰もが異存のないところでしょう。学生の就職や異業種からの転職で、初めてWebディレクションという仕事に携わるのであれば、基本的な知識を習得するために、資格を取っておいて損になることはありません。

ただし、資格取得によって得られる、知識やスキルは働きながらでも身に付くものです。より重要なのは、2番目、3番目に挙げた「Webディレクターとしての汎用的な知識・スキルを体系的に学び、整理することができる」「Webディレクション業務を行う上で、接する人々とのコミュニケーションを円滑にすることができる」です。

前述したように、現場での経験や最新情報に対する自学自習が重要視されるWebディレクターなのですが、そこには大きなリスクが隠れていることに自覚的でなければなりません。それは、自分が持っている知識やスキルは個別具体的なものであり、他の分野、企業では通用しない可能性があるということです。

たとえばECサイトのWebディレクターをしている人がいたとします。ECサイトを運営する目的は売上を伸ばすことですから、Webディレクターが身に付けるべき知識やスキルは、CVRを高める方法、より多くの集客をする方法におのずと偏ってしまいます。そのため、ユーザーとのコミュニケーション、ブランディングといった、他のWebディレクション分野に関する知識・スキルがすっぽりと抜け落ちてしまう可能性が少なからずあるのです。日常的に行っているワークフローも、もしかして自分が在籍する会社でしか通用しないものであるかもしれません。

そんなときに、資格取得は非常に有効に働きます。資格取得には、WebディレクションやWebビジネスのほか、デバイス、プロジェクトマネジメントなどに関する汎用的な知識が求められるため、自分が普段関わっていない分野に対する学習機会を得ることができるのです。資格取得に向けた勉強を通じて、自分の弱点や足りない知識・スキルを発見することは、Webディレクターとしてステップアップするための大きな足掛かりになるはずです。

また、Webディレクターは多種多様な職種の人間と、密接なコミュニケーションを取らなければならない職業でもあります。Webデザイナー、フロントエンド・バックエンドのエンジニアはもとより、場合によっては企業の広報・PR担当、経営者とのやり取りが発生するケースもあるでしょう。そこで役に立つのが、各職種の入門的な資格です。それぞれの職種の専門用語や基礎知識を知っているだけで、指示やスケジューリングが的確に行えるようになります。また、相手のバックグラウンドを知り、相手の立場で会話ができるようになれば、コミュニケーションが飛躍的にスムーズになるでしょう。特に、Webデザイン、HTMLコーディングに関する資格取得のために勉強することは、Webディレクターにとって大きなプラスになるはずです。

以下では、Webディレクターが取得しておくとメリットの大きい18種類の資格を、「Webディレクション関連」「制作・Webデザイン関連」「マーケティング関連」「アクセス解析関連」「ビジネス全般・その他」に分類して紹介していきます。資格ごとに、資格取得を通じて得られる知識やスキル、そのメリットも解説していきますので、自分が現在、保有している知識・スキルと照らし合わせながらチェックしていきましょう。

Webディレクション関連の資格

ここで紹介する資格では、Webそのものの基本的な知識のほか、プロジェクトマネジメントやマーケティングなど、Webディレクターに必要なリテラシーを幅広く学習することが可能です。自己流のディレクションが染み付いてしまっている人、1つの会社にしか在籍しておらず、汎用的なディレクションの方法論を知らない人などは、資格取得のための公式テキストだけでも読んでみるといいでしょう。

01. Web検定 Webリテラシー

Webディレクター、Webデザイナー、Webプロデューサーという3職種における、最も重要な知識だけを、広範囲に学ぶことができる民間資格です。各職種のバックグラウンドの差によるコミュニケーションエラーを減少させることを目的としており、就職や転職で初めてWebディレクションという仕事に携わる人、自己流のWebディレクションしか知らない人におすすめです。試験に合格するためには、「WWWのしくみ」「サーバー環境」といった、Webの基本中の基本から、インターネットビジネスの概要、プロジェクトマネジメント、Webサイトの企画・制作、Webデザイン・制作実務などの基礎知識が必要になります。

Web検定 Webリテラシー
(正式名称:社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webアソシエイト)
  • 運営:株式会社ボーンデジタル
  • 受験料:11,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:90分間
  • 出題数:85問
  • 合格基準:正答率70%以上

02. Web検定 Webディレクション

制作会社のWebディレクターは、集客やKPI設計といった運用面に携わる機会が限られている場合があります。逆にサイト運用が主体となる事業会社のWebディレクターは、Webサイトの新規企画、設計を不得意にしがちです。この資格を取得するために勉強すると、プロジェクトマネジメント、Webサイトの企画、Webサイトの設計、集客施策、ゴール設計といった、Webディレクション・Webサイト運営に関する汎用的な知識やスキルを体系立てて学ぶことができます。Webディレクション初心者だけではなく、実務者として一定のレベルに達しているWebディレクターも受験してみて損はない資格といえるでしょう。

Web検定 Webディレクション
(正式名称:社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webディレクター)
  • 運営:株式会社ボーンデジタル
  • 受験料:11,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:90分間
  • 出題数:65問
  • 合格基準:正答率70%以上

03. ITパスポート試験

IT関連では数少ない国家試験です。Webディレクションとはやや趣旨が異なるのですが、戦略、マーケティング、財務、法務といった経営にまつわる知識から、セキュリティ、ネットワークなどのIT関連のリテラシー、さらにはより実践的なシステム・ソフトウェア開発、プロジェクトマネジメントの手法などを学習することができます。

Webディレクターという職種に就いていると、どうしても目の前の制作実務や運用ばかりに集中してしまいます。しかし、Webサイト自体は、企業の経営戦略の中で利用されるマーケティングツールの1つに過ぎないことがほとんどです。WebプロデューサーやIT企業の上位レイヤーへとステップアップしていくためには、Webサイトそのものだけでなく、IoTやITといった情報技術と企業経営の関係を俯瞰して眺められる視野の広さが必要です。ビジネスパーソンとしての弱さを実感しているWebディレクターならば、すぐにでも勉強してみたい資格の1つといえます。

ITパスポート試験
  • 国家資格
  • 受験料:7,500円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:120分間
  • 出題数:100問
  • 合格基準:総合評価点1,000点満点中600点以上、分野別評価点(ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系)各1,000点満点中300点以上

04. ネットショップ実務士

ECサイトの運営に特化したユニークな民間資格。ECサイトの運営をしているWebディレクターならば、基本的な実務について学ぶために一度は勉強しておいて損はありません。「レベル1」は基礎知識編になっており、業界動向や必要最低限の運営知識、ビジネスマナーの習得が目的です。「レベル2」は実践知識編で、EC業界を取り巻くトレンドのほか、ビジネスとしてECサイトを運用していくための、制作、プロモーションといった知識を集中的に学ぶことが可能です。

ネットショップ実務士(レベル1、レベル2)
  • 運営:一般財団法人ネットショップ能力認定機構
  • 受験料:レベル1は7,000円(税込)、レベル2は7,500円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:各80分
  • 出題数:各70問
  • 合格基準:正答率各70%以上(評価カテゴリーごとに正答率50%以上)

制作・Webデザイン関連の資格

制作・Webデザイン関連の資格取得は、自身のスキルアップのほかにマークアップエンジニアやWebデザイナーとのコミュニケーションを円滑にするというメリットがあります。「ワイヤーフレームやUI設計が苦手」「イメージどおりにデザインが上がってこない」などという悩みを抱えている方は、チャレンジしてみるといいでしょう。

05. Webクリエイター能力認定試験

Webディレクターとして、コーディングの基礎を身に付けたいと思うなら、「Webクリエイター能力認定試験(HTML5対応版・スタンダード)」の取得に向けて勉強してみるといいでしょう。この資格に向けて学習をすると、HTML5、CSSを用いて、簡単なWebページの制作ができるようになります。学習テキストも、Webページを構成するファイルの内容やタグの種類の解説から始まる、非常に初心者向けの内容です。テキストの見本を参照しながら、実際にコーディングの練習をすることもできます。制作スタッフとのコミュニケーションに問題を感じているWebディレクターはぜひ、受験してみましょう。

「簡単なコーディングの知識はあるので、より実践的なスキルを身に付けたい」という人は、同資格の「エキスパート」編や、「HTML5プロフェッショナル認定資格(レベル1)」「PHP技術者認定試験」を受験してみてもいいでしょう。制作サイドの知識・スキルがさらに深いものになるはずです。

Webクリエイター能力認定試験(HTML5対応版・スタンダード)
  • 運営:株式会社サーティファイ
  • 受験料:5,900円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:70分(Webページ作成ソフト使用の場合は60分)
  • 出題数:1テーマ
  • 合格基準:得点率65%以上

06. Web検定 Webデザイン

Webディレクターが、クオリティの高いWebデザインを行える必要はありません。Webディレクターに求められるデザイン関連の知識・スキルは、Webページそのものや、そのデザインがどのような技術・ロジックで構成されているのかを理解し、目的に合わせてデザイナーやフロントエンドのエンジニアに的確な指示を出せることです。そういった観点から見ると、この「Web検定 Webデザイン」は打って付けの資格といえます。この資格は、Webデザインの実務的なスキルやセンスではなく、Webサイト構築にあたって必要となる標準的なWebデザインの知識を問うものです。用語やWebデザインにおけるルールなどを習得できますので、専門家とのコミュニケーションを円滑にしてくれるでしょう。

Web検定 Webデザイン
(正式名称:社団法人全日本能率連盟登録資格 Web検定 Webデザイナー)
  • 運営:株式会社ボーンデジタル
  • 受験料:11,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:90分
  • 出題数:65問
  • 合格基準:正答率70%以上

07. ウェブデザイン技能検定

「ウェブデザイン技能」という名前がついていますが、その内容はインターネットを支える技術から、Webデザインの技術までと幅広く、Webディレクターが熟知しておきたい知識が網羅されています。試験は学科と実技に分かれており、学科ではネットワーク、セキュリティ、Webブラウジングなどに関する技術的な知識を求められます。実技試験ではHTML、CSSを利用して簡単なコーディングを行う必要があるため、一定のコーディングスキルも必要です。WebサイトのUI・フロントエンドに関して体系的な知識・スキルを得たい人は、資格取得にチャレンジしてみるといいでしょう。

ウェブデザイン技能検定(3級)
  • 運営:特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会
  • 受験料:学科は6,000円、実技は8,000円(25歳以上)または3,000円(25歳未満)(非課税)
    ※試験実施年度の4月1日において25歳未満の方は実技試験の受検手数料が減免となります。
  • 受験資格:Webの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者
  • 試験時間:105分
  • 合格基準:学科100点満点中70点以上/実技100点満点中70点以上(ただし、試験要項に示す各作業分類において配点の60%以上の得点を得ること)

マーケティング関連の資格

Webマーケティングに関するリテラシーの高さは、Webディレクターとして生き抜くための命綱のようなものです。最新の手法、技術を知り、活用できることは最低限のスキルといえます。しかし、最新情報を追うあまり、基本的なマーケティング理論がおろそかになっているWebディレクターも多いようです。ベースとなるマーケティング理論を知ることは、最新のWebマーケティング手法に対する理解を深めてくれるほか、より有効な活用法を示唆してくれることもあります。積極的に学んでおきたい分野といえるでしょう。

08. ネットマーケティング検定

ネットマーケティングという言葉を聞くと、リスティング広告やDSP広告といったプロモーション手法を思い浮かべがちですが、ネットマーケティングはもっと広範囲にわたるものです。たとえば、インターネットを利用した市場調査・分析もネットマーケティングの1つです。Webサイトを使ったブランディングやユーザビリティ、デザイン理論についても熟知しておくことが大切です。こういった広範なマーケティングに関するリテラシーを体系的に学ぶことができるのがこの資格となります。

実践的な技術を身に付けることはできませんが、ベースになる知識を必要十分にフォローしていますので、自分の能力を試したい人、知識の整理をしたい人には最適な資格といえるかもしれません。また、「知的財産権」「不正アクセス禁止法」「個人情報保護法」といった関連法規に関しても学習することができます。

ネットマーケティング検定
  • 運営:株式会社サーティファイ
  • 受験料:6,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:80分
  • 出題数:40問
  • 合格基準:得点率70%以上

09. Google広告の認定資格

Googleのオンライン広告プログラムに対するリテラシーを認定するのがこの資格です。試験は「測定」「検索広告」「ディスプレイ広告」「アプリ広告」「動画広告」「ショッピング広告」「クリエイティブ」「オフライン販売促進」の8種類に分かれています。

Googleが提供するリスティング広告やディスプレイ広告といったプロモーション手法に関するスキルアップにつながるため、ECサイトやリード(見込み顧客)獲得を目的としたサイトの運用担当者であれば、ぜひ取得しておきたいところです。受験料は無料で、学習に必要なガイドはすべてWeb上に用意されていますので、積極的にチャレンジしてみましょう。

Google広告の認定資格
  • 運営:Google
  • 受験料:無料
  • 科目:
    • 検索広告認定資格
    • ディスプレイ広告認定資格
    • アプリ広告認定資格
    • 動画広告認定資格
    • ショッピング広告認定資格
    • 測定認定資格
    • クリエイティブ認定資格
    • オフライン販売促進認定資格
  • 受験資格:Googleアカウントを所有していること
  • 試験時間:各項目75分
  • 出題数:各項目50問前後
  • 合格基準:正答率80%以上

10. マーケティング・ビジネス実務検定

「マーケティング・ビジネス実務検定」は、マーケティング理論と手法の理解度が試される検定です。この検定に合格するために勉強をすると、マーケティングの定義や役割をはじめ、市場・消費者行動の分析法、製品・価格・流通・プロモーション戦略の手法など、マーケティングそのものを広範に、深く習得することができます。

Webディレクターにとって本格的なマーケティング理論はあまりなじみがないものかもしれません。しかし、新サイト・新事業の企画・設計にマーケティングは欠かせないものです。Webプロデューサーのような上位レイヤーへのステップアップを目指すなら、ぜひ学習しておきましょう。まずは、基礎レベルのC級から始め、応用編のB級へとレベルアップしていくことをおすすめします。

マーケティング・ビジネス実務検定(B級、C級)
  • 運営:国際実務マーケティング協会
  • 受験料:B級は7,480円(税込)、C級は6,270円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:B級は2時間45分、C級は2時間15分
  • 出題数:B級は75問、C級は72問
  • 合格基準:B級は300点満点中210点が基準、C級は200点満点中160点が基準

11. Webライティング能力検定

日本語の文章として最低限の文章力が身に付くほか、メールやSNS、SEOに最適化されたWebならではの文章を書く方法を習得できるのがこの検定です。倫理・法律対策を学ぶことで、うかつな文章が原因となる炎上などのトラブルを回避することが可能となります。

Webライティング能力検定
  • 運営:一般社団法人日本WEBライティング協会
  • 受験料:13,500円(税込、合格証の付与、テキスト費用を含む)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:90分
  • 合格基準:80〜88点で1級、70〜79点で2級、53〜69点で3級(88点満点中)
    ※1〜3級の等級は、同じ問題を受けていただき、その点数に応じて高い順に1、2、3級か認定されます。

アクセス解析関連の資格

以下で紹介するアクセス解析関連の資格は、サイトの改善が主要業務となる事業会社(自社サービス運営会社)のWebディレクターにとっては特に重要です。アクセス解析から得られるデータをいかにサイト改善に結び付けるかが自身の実績に直結しますので、率先して学習・受験をすることをおすすめします。

12. Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」は、Webディレクターならぜひ取得しておきたい資格の1つです。Googleアナリティクスは、多くのWebサイトに導入されているアクセス解析ツールですが、この資格を取得する際に学習する内容を、さまざまな企業のWebサイトで活用することができるのです。特に事業会社のWebディレクターにとって、アクセス解析は基本中の基本ともいえる業務です。そのベースとなる知識を身に付けておくことは、日々の業務に大きなメリットとなります。

Google アナリティクス個人認定資格(Google Analytics Individual Qualification/GAIQ)
  • 運営:Google
  • 受験料:無料
  • 受験資格:Googleアカウントを所有していること
  • 試験時間:90分
  • 出題数:70問
  • 合格基準:正答率80%以上

13. Webアナリスト検定

「Webアナリスト検定」は、Googleアナリティクスを活用したアクセス解析の手法を体系的に習得できる検定です。資格取得にあたって講座が設けられており、初心者でもアクセス解析をじっくりと学ぶことができるのが特徴です。ユーザーフローを「集客」「回遊」「コンバージョン」「リピート」に分類した上で、分析のポイントをわかりやすく解説してくれます。また、デジタルマーケティングの概論やクライアントとのコミュニケーション戦略、PDCAの効率化にも触れており、上司やクライアントへの提案力アップも期待できます。

Webアナリスト検定
  • 運営:日本Web協会(JWA)
  • 受験料:22,325円(税込、受講料、試験代)※別途公式テキストの購入が必要
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:80分
  • 合格基準:75%以上の正答率且つ、各分野40%以上の正答率

※受験料の表記は一例です。講座を受講せずに試験だけを受けることも可能です。

14. 初級ウェブ解析士/上級ウェブ解析士

Web解析にまつわる用語の学習から、アクセス解析によって得られたデータの分析・計算手法、課題発見と解決のスキームなど、Webサイトの改善に必要な知識・スキルを効率的に学ぶことができるのが「初級ウェブ解析士」という資格です。

Webディレクターとしての力をより発揮したいなら、「上級ウェブ解析士」までチャレンジしたいところです。上級に求められる知識やスキルはKPI設計、マーケティング戦略の立案、業務設計といったより実践的なものになっています。オンラインを活用したライブ授業やオンライン講座への参加、課題提出などが必要になるためハードルが高いのですが、時間が取れる人はぜひ挑戦してみてください。

初級ウェブ解析士/上級ウェブ解析士
  • 運営:一般社団法人ウェブ解析士協会
  • 受験料:初級ウェブ解析士は17,600円(税込)、上級ウェブ解析士は88,000円(税込、受講料含む)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:各60分
  • 出題数:初級ウェブ解析士は60問、上級ウェブ解析士は非公開
  • 合格基準:非公開

ビジネス全般・その他の資格

Webディレクターに必要な知識は、Webサイトにまつわるものだけではありません。新サイトや新規事業を立案するためには、経営学の知識も必要です。クライアントと適切な契約を結ぶためには、法務に関するリテラシーも求められます。以下では、一流のビジネスパーソンとしてさまざまな人物、ケースに対応するために役立つ資格を紹介します。

15. 経営学修士(MBA)

「経営学修士(MBA)」は、組織マネジメントや財務、マーケティングに関して体系的に学び、その知識をハイレベルで修めた経営学を専攻・卒業した者や、大学院修士課程で経営学を専攻・卒業した者に与えられます。欧米ではビジネススクールを卒業すると取得できるのが一般的です。

取得には、入学試験の突破や通学、定期的な課題提出、論文作成などが必要になるケースが多く、社会人が取得するにはハードルが高いものがあります。しかし、Webディレクターがキャリアアップするためには、Webサイトをビジネスとしてとらえるセンスが非常に重要です。時間と意欲があるのであれば、積極的にチャレンジする価値はあるでしょう。ざっくばらんに言うと「持っているだけで箔が付く」資格でもあります。

16. 個人情報保護士認定試験

ECサイトやリード(見込み顧客)情報獲得型のサービスなどでは、ユーザーの個人情報の取得が欠かせません。それに伴って非常に重要になるのが、個人情報を安全・効果的に管理・利用するための知識とスキルです。

個人情報保護士の資格取得に向けて勉強すると、個人情報保護法の基本から、個人情報の管理手法、組織のマネジメントまで、幅広く習得することが可能です。個人情報の管理に失敗すると、その企業は社会的にも経営的にも大きなダメージを被ることになります。もし、自分が所属する企業が個人情報の扱いに関して無頓着なのであれば、みずからが率先して取得するべき資格といえます。

個人情報保護士認定試験
  • 運営:一般財団法人全日本情報学習振興協会
  • 受験料:11,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:150分
  • 出題数:100問
  • 合格基準:課題I、課題IIそれぞれにおいて正答率70%以上

17. ビジネス著作権検定

以前まで、Webの世界は「著作権」に関して無法地帯ともいえる状況でした。有名なWebメディアが、第三者の手による写真や文章といった著作物を、無断で転載してしまうこともしばしばでした。Webに関わる人間に「著作権を保護しよう」という概念すら存在しないような状況だったのです。 しかし近年、多くの企業がオウンドメディアを持ったり、コンテンツマーケティングという手法が一般的になってきたりしたことで、著作権に関する監視がきびしくなってきています。あいまいな知識でWebサイトを制作すると、第三者の著作権を侵害してしまう可能性もあるのです。「ビジネス著作権検定」の受験を通して、「著作権とは何か」という基本的な内容から学習することをおすすめします。

ビジネス著作権検定(初級、上級)
  • 運営:株式会社サーティファイ
  • 受験料:初級は5,100円(税込)、上級は8,000円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:初級は60分、上級は90分
  • 出題数:初級は30問、上級は40問
  • 合格基準:初級は得点率65%以上、上級は得点率70%以上

著作権や守秘義務、引用などに関することは、ポートフォリオの記事の「ポートフォリオ作成で注意すべき著作権と守秘義務の基礎知識 」でも紹介しています。ぜひご覧ください。

18. ビジネス実務法務検定試験

Webディレクターには、クライアントなどと契約書を取り交わす機会が多々あります。しかし、契約書の条項を理解せず、自社のフォーマットに沿って署名、捺印をするだけという人が多いのではないでしょうか?「ビジネス実務法務検定試験(3級)」では、ビジネスパーソンとして身に付けておくべき基礎的な法律知識が問われます。資格取得に向けて勉強をすることで、契約書の読み方やビジネス・商取引にまつわる法規制などを体系的に習得することが可能です。各種トラブルを避けるためにも、ぜひ取得しておきたい資格の1つといえます。

ビジネス実務法務検定試験(3級)
  • 運営:東京商工会議所
  • 受験料:5,500円(税込)
  • 受験資格:特になし
  • 試験時間:90分
  • 合格基準:100点満点中70点以上

まとめ

今回は、Webディレクターとしてステップアップするために有効な資格を、18種類紹介しました。興味の持てる資格は見つかったでしょうか?冒頭で述べたように、Webディレクターにとって資格を保有することは重要ではありません。資格取得のための過程として、多様な知識を幅広く吸収することが大切なのです。もし、自分に足りない知識やスキルが見つかったのであれば、積極的に学習・受験をしてみてください。

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