ドワンゴのサービス全体の横断的な改善に取り組む企画職の女性ディレクター3人のインタビュートーク

Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.15

第一線で活躍しているクリエイター達のリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイター達の熱意や考え方を、ぜひ、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。

ドワンゴの社内における職種はエンジニア、デザイナーの専門職に対して、その他のすべての業務を担当する企画職に大別されている。担当やポジションによって様々な業務をこなす企画職だが、今回はドワンゴの開発部門で活躍する3人の女性Webディレクターに登場いただいた。

株式会社ドワンゴといえばniconico(ニコニコ動画、ニコニコ生放送)サービスをはじめ、音楽、ゲームなどインターネット上の多彩なエンタテイメントコンテンツとニコニコ超会議、次世代ライブハウス「ニコファーレ」などのライブ事業でも知られる。そんな、話題に事欠かない注目企業で働く女性3人に、入社の経緯、現在の仕事へのモチベーション、働く環境などをお伺いした。

プロフィール紹介

ドワンゴとの出会い…入社の思いは三者三様

── 今回はインタビューにご協力いただきありがとうございます。まずは野田さんから、3人のポジションについて教えていただけますか?

野田氏:3人は社内的には企画職であり、中でもニコニコのサービスの開発を担当するWebディレクターで、開発ディレクターと呼ばれることもあります。現在私たちを含む7人のWebディレクターチームで動いていて、私はそのチームのマネージャで二人はそれぞれ担当を持ったWebディレクターです。

── 皆さんはどんなかたちでドワンゴに入社されたのでしょうか?

野田氏:私は企画職として新卒で入社しました。就活で応募した企業は業界もばらばらで、入社を決めた理由はシンプルに面白そうだったから。当時は「いろメロミックス」というサービスをやっていて、自分もそんなサービスを考えたりつくったりできれば楽しいのではと考えていました。元々、人とコミュニケーションをとるのが好きなので、入社面接の際も話は盛り上がったことを覚えています。そして結果、内定をいただきました。

高畑氏:私も新卒なのですが、入社時の採用はエンジニアしかなく、現在の企画職ではなくエンジニアとしてドワンゴに入りました。私も就活でいくつかの企業を志望していたのですが、採用に向けての集まりや入社前の懇親会の雰囲気もドワンゴが一番良かったのを覚えています。面接も一問一答ではなくて、面接官と対話でき、会社について色んなことを聞くことができました。この会社の自由な雰囲気が伝わってきたので、ぜひ入社したいと思い、内定をお受けしました。

古仙氏:高畑さんと同じく私の入社年もエンジニアの採用しかない年だったのですが、実は私、そのことに全く気づかずにこの会社に応募していたんです。本当は企画職志望で大学での専門も文系。エンジニアとしての素養は未知数の私でしたが、面接まで進むことができましたので、「やる気はあります!」「頑張ります!」と答えて、エンジニアとして入社しました。

キャリア形成の中で活きる共通のエンジニア経験

── 入社後にはどんな仕事からはじめられたのですか?入社後の会社の印象は?

高畑氏:私はいわゆるフロントエンジニアとして、ニコニコチャンネルというサービスを担当していました。ドワンゴという会社を外から見たイメージは皆さんと同じく「新しくて面白そうなことをやっている会社」でしたが、働くようになって思ったのは、外から見るよりも思った以上に自由な会社だということでした。

エンジニアとして入社しましたから、遅くまで仕事に追われることもある程度は覚悟していました。でも実際に働いてみると、社員全員が自分のペースで伸び伸びと働いていることがわかりました。裁量労働制で、早く出社して早く帰ったり、遅く出社して遅く帰ったり、仕事のボリュームをどこにおくかを自分で決めることが可能です。個人の仕事量と労働時間のバランスがよく守られている会社だと思います。

古仙氏:私は入社後まずエンジニアとしての研修に参加しました。研修の課題が終わった人から配属が決まっていくのですが、全くの未経験からのスタートだった私は、同期のみんなよりどうしても進度が遅く、気がつけば最後の一人になってしまっていました。

研修を終えた後は、総合的に素養を判断していただき、まずは小さなサービスを一人で担当することとなりました。それはニコニコ動画で動画を視聴しているときの通信速度を測るサービスで、業務内容は多岐にわたり、エンジニアもやればデザインもやり、全体のディレクションもやるというサービスに関わるすべてを担当していました。その仕事の様子を見ていてくれた上司が、「Webディレクターが一番向いていそうだね」といってくれたのです。研修を含めて1年あまりのエンジニア経験でしたが、上司のすすめもあって企画職に変わり、Webディレクターとして仕事をするようになったのです。

私が感じるこの会社の良い所は、そんなふうに上司がちゃんと仕事の様子を見ていてくれるところだと思います。このときのアドバイスがあったからこそ、今も仕事ができているのだと思います。

野田氏:入社して5年ほど企画職として色んな業務を経験させてもらっていました。しかし将来のことを考えて、ここで何か基盤になるスキルをプラスしておきたい。そう思った私はそのことを上司に相談しました。そこで私も「エンジニアが良いのでは」といわれてエンジニアに転身したのです。

大学では理系でしたが、エンジニア職は私ももちろんはじめて。上司に勧められたとは言え、技術を身に付けるのは大変で、音を上げたくなることもありました。しかし、やったことのないことにチャレンジしたいのが私の性分です。技術を身につけるのに約半年、その後1年ほどゲームデバイス向けのAPI開発などを手がけ、仕事にひと区切りついたところで、現在のWebディレクターの仕事に戻ったのです。

── 3人とも1年〜2年のエンジニア職を経験されているということですね。ドワンゴのWebディレクターはそんな人が多いのですか?

野田氏:決して多いわけではありません。でも私たちがWebディレクターとして仕事をする上で、エンジニアの経験が活きる場面が多いことも確かです。私たちはそれぞれのテーマに沿ってドワンゴのサービスや業務を検証し、新たな提案をおこなっていくことが主な仕事です。その中で数値集計時に必要なスクリプトを書くなど、エンジニアのスキルが役に立つこともありますし、提案が通ってものづくりがはじまった時、エンジニアと協力しWebディレクターとして動く時にエンジニアの仕事を理解していることは大きなメリットになります。

企画職Webディレクターとしての3人の現在

── 野田さんのマネジメントのもとで、古仙さん、高畑さんはWebディレクターとしてそれぞれどんなテーマで仕事をしていらっしゃるのでしょうか?

野田氏:古仙さんはサービス全体の数値分析、高畑さんは社内の課題を解決する業務改善を担当してもらっています。私たちのセクションはニコニコのサービス全体を横断的に見て戦略的に課題に取り組んでいくポジションになりますので、扱う範囲が広いです。それだけにいわれたことをやるだけの人ではなかなか先に進むことができません。自ら課題を見つけ、それを解決するための提案を次々とおこなっていくことがWebディレクターに求められているのです。

もちろん最終的な判断は全体でおこなうのですが、仕事の主体はWebディレクターにかなりの部分で任せられています。自由度は高いですが、結果もスピーディーにあらわれるので責任も大きい仕事です。

古仙氏:数値分析はいってみればニコニコの健康診断です。Pig・Hiveでのデータ解析、Tableau、Google Analytics、Ptengineなどをはじめとする様々なツールを使って、ニコニコのサービス全体の「今」を検証していきます。しかしただ数値を抽出してくるだけではビジネスになんのインパクトも起こらないので、その数値データによってどんな課題が発見されどう解決していくかの提案までをおこなうのが私たちWebディレクターの仕事です。

高畑氏:業務改善では各サービスや各部署でおこなわれている業務の統一的な仕組みづくりをおこなったりしています。ドワンゴには様々な部門がありますので、それぞれの部署の業務は口伝で伝わったりしています。各部署が持つ特殊な部分は別として、どこでもやるような業務に関しては一貫したルールをつくって効率化しようというのがその目的です。

例えば各サービスには規約が存在し、そのサービスの担当者が法務と一緒に規約をつくっています。しかしその内容は属人化してしまって、いざ担当者が変わってしまうと、規約の改正が必要となった時にサービス担当者が依頼の手順の確認から行う必要があり、毎回余計な手間がかかってしまいます。こんなことが起こらないよう規約づくりのルールを社内でつくっておくなど、業務改善というテーマで臨む仕事は無数にあるといっても過言ではないのです。

仕事の面白さ、やりがいから転職希望者へのメッセージ

── 3人の仕事のやりがいや面白さについて教えてください。

古仙氏:「盲腸みつけました」といって、ニコニコのサービスの思わぬウィークポイントを見つけられたときは、やりがいを感じます。そしてそこからどんな解決に向けての提案ができるかが私の腕の見せ所です。「フラッシュアイデアの企画ではなく、数値的根拠に基づいた提案でないと意味がない」と野田さんからアドバイスされて、分析に基づいた企画提案ができるように頑張っています。この仕事で重要なのは、統計学的な知識だけではなく、サービス運営者目線でいかに論理的な思考ができるかにかかっていると考えるようになりました。常に新たな発見があるこの仕事に今は全力を傾けています。

高畑氏:業務改善の一環として、古いシステムを使っていたユーザーへの情報発信ブログを新システムに置き換えました。記事を掲載する部署の担当者からヒヤリングし、エンジニアチームと協力して私が全体のディレクションをおこないました。仕様を決め、開発に4ヵ月、リリース後のバグ取りに2ヵ月と、大きなプロジェクトになりました。他チームのメンバーから話を聞き、エンジニアにこうしたいと伝えてWebディレクターとしてプロジェクト全体をとりまとめていくこの仕事は、私にとって強いやりがいを感じる仕事でした。

野田氏:私はセクションマネージャとして、この2人を含む6人のWebディレクター全員が、伸び伸びと仕事ができるような環境を整えるのが仕事です。できるだけ遠くからそっと見守りながら、何かトラブルが起こりそうな時には素早く対応して、Webディレクターのフォローや方向修正に力を貸すこと。そのために、進行状況などの情報共有だけは各Webディレクターと緊密におこなうようにしています。

マネジメントだけでなく私自身もWebディレクターとして手がける仕事もおこなっていますが、個人の仕事の喜びと、チームが機能してドワンゴ全体の課題がひとつひとつ解決されていくのを見るのはまた別物。また新たなメンバーを迎え、より大きな課題解決へと挑戦していきたいと考えています。

── どんなメンバーと一緒に仕事がしたいですか?転職希望者へのメッセージも含めてお答えください。

古仙氏:私たちの仕事を振り返ってみると、Webディレクターの経験がある人だけでなく、エンジニアの経験のある方にもマッチするのではと思っています。いまはエンジニアだけどもっと企画サイドの仕事をしてみたい。そんな人にはうってつけの仕事なのではないでしょうか。エンジニアの論理的思考やスキルは私たちの仕事で必ず役に立ちます。自分から動く人が働きやすい会社です。ぜひぜひ、積極的なアプローチをお願いします。

高畑氏:私は自分自身が何かをつくりたいというよりも、何かをつくろうとしている人がそれを実現できる環境をつくる仕事に魅力を感じています。ドワンゴにはそんなふうに自分のやりたいことを持って仕事をしている人が多いです。映像や音楽のエンタテインメントコンテンツを身近に仕事をしたり、超会議に参加するのもドワンゴで働く魅力。ぜひあなたもドワンゴで楽しみながら、一緒に仕事をしましょう。

野田氏:私が一緒に働きたいと思う人は、共にチャレンジできる人です。Webディレクターは人を巻き込んで動かしてできる仕事です。それには自ら発想し、提案していく力がどうしても必要です。もちろん最初からスーパーマンであって欲しいわけではありません。チャレンジに失敗はつきもの。もし失敗しても繰り返さなければOKです。

ドワンゴの良い所は、個人の裁量が大きく自由度の高い仕事ができること。そして仕事を楽しみながらプライベートを犠牲にすることなくワークライフバランスを自ら積極的にコントロールできるところにあります。Webディレクターとしてあなたの才能と可能性を大きく拡げる環境がここにあります。ふるってご応募ください。

インタビューを終えて

それぞれが専門的な役割を担いながら連携し、ドワンゴのサービス開発を支える3人。フラットな社内で実にイキイキと活躍するその姿は、自信に満ちあふれている。

インタビューによって聞くことができた彼女たちのミッションは、決して誰もがこなせるものではない。3人がともにエンジニア経験を持つという共通点は、彼女たちの「システムへの造詣の深さ」が仕事の武器となっていることを垣間見せる。そして企画職のWebディレクターとしての人と人とをつなぐ親和性が、困難な業務を成功へと導いているのだ。

しかしそんな彼女たちも入社時から高いスキルを持っていたわけではない。大きな裁量を与えて自由に仕事に向かえること。プライベートも充実させるワークライフバランスを保つこと。社員一人ひとりを成長させるこの環境が、他社を真似ることのないドワンゴ独自の方向へ進む原動力となっているのだ。

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