ゼロイチよりもイチジュウの魅力。ゲームが運営でもっと面白くなる時代をファンプレックスで ―― 安原氏・野口氏・野嶋氏インタビュー

Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.28

第一線で活躍しているクリエイター達のリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイター達の熱意や考え方を、ぜひ、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。

モバイルゲームがヒットするか否かは、リリースまでの制作行程だけにかかっているのではなく、リリース後の運営にも大きな比重が占められている。近年このゲームの運営に特化した企業も次々と生まれ、ゲームクリエイターの中にも自身の進路としてこのゲーム運営を目指す人が増えてきた。

ファンプレックス株式会社は、数多くのモバイルゲームにおけるビッグタイトルを世に送り出しているグリー株式会社から2015年に誕生したゲーム運営特化型の企業。今回はそのフィールドで活躍する、若手からシニアマネージャーまでキャリアの異なるゲームプランナー3人に登場いただき、ゲーム運営における仕事の面白さ、ファンプレックスの働く環境について自由に語っていただいた。

プロフィール紹介

シニアマネージャー 安原 智己氏(写真右)
キャリアはWebディレクターからのスタート。2009年からモバイルゲームのプランナーとして新規開発、既存運営、版権もの、自社IPなど数々のプロジェクトを経験。2016年にグリー株式会社からファンプレックスへ。プランナー・プロデューサーを指揮するシニアマネージャーとして複数のプロダクトを俯瞰してマネジメントを行う。事業成長、プランナーとさらにその上のポジションとなるプロデューサー、マネージャーの育成に注力。

プロデューサー 野口 貴世氏(写真中央)
ゲーム好きが高じて2006年にゲームメーカーにアルバイトとして入社し後に社員に。スマートフォンの普及前からモバイルゲームのプロジェクトやMMO運営を経験。2011年に転職し、モバイルゲームの開発、運営、クローズまでをプランナーとして担当。2年の異業種を経て2017年にファンプレックス入社。入社半年でプロデューサーに昇進。

プランナー 野嶋 威洋氏(写真左)
学歴は理系で情報科出身。漫画家を目指した時期もあったが2016年新卒時にはモバイルゲームの可能性を感じ、就職ではゲームメーカーを選択。分析担当、人事担当を経て念願のプランナーに。成長速度が早い環境を求めて運営に特化したファンプレックスに転職。売上の大半を担うカードのバランス設計、ガチャの改善をメインにプランナーとして活躍中。

ゲームプランナーとして自分のやりたいこと、面白いことに向かっていく中で見えてくる、ゲーム運営という仕事の魅力へ

―― 運営を行うゲームプランナーという仕事を選んだ理由について教えてください。

安原氏:まず第一にユーザーとの「近さ」ですね。私はこれまでモバイルゲーム業界での仕事で新規開発(ゼロイチ)と運営(イチジュウ)の両方を経験してきました。新規開発には確かにリリース(誕生)の喜びがありますが、そこまでを仕事のひと区切りとすると、実際につくったゲームがどんなふうにユーザーに楽しんでもらえているかを実感する機会がないんですよね。モバイルゲームの面白さはリリース時の作品の完成度や善し悪しだけでなく、運営で大きく変わる。それを今のユーザーはとっくに承知していて、運営の動きが集客にはもちろん、ゲームへの反応や評価に如実に表れてくるんです。モバイルゲームはライブですので、感覚としては演劇にイメージが近いかも知れません。新規開発が丹精込めてキャストを選び脚本を書く仕事ならば、運営は観客の反応を見て日々芝居を新しくしていく舞台演出のような仕事です。評価は歴然で、運営の手によってリリース時より数年たってからさらに盛り上りを見せるゲームも珍しくありません。ゲームが好き、ものづくりが好き、仕事の反響はすぐに見える方が好きという方にはマッチする仕事だと思います。

野口氏:ゲームをつくるという仕事の中で、新作でヒットを生むことに憧れる人は多く、新規開発は間違いなく花形であると思います。業界経験の長いプランナーの中にも新規大型タイトル開発を希望される人は多いのではないでしょうか。しかし私は新規と運営の両方を経験する中で、運営だからこそできる仕事に強い魅力を感じてきました。ゼロイチはかけたコストに対して成功率が低く、市場の流行や話題になれるかといった運も影響します。その点イチジュウはユーザーの反応をしっかり見て手を尽くしていけば必ず成果を残せる仕事です。ユーザーと私たちの手によって成長していくゲームをできるだけ長く見ていたい。それが私が仕事をゲーム運営に決めた理由です。

野嶋氏:私は新卒でゲーム業界に入り、最初の会社では分析と人事を担当し、プランナーのキャリアをスタートさせたのは運営からでした。2人と違って新規開発と比較することはできないのですが、企画立案から結果が出るまでのスピード感が運営の最大の魅力だと思います。企画の結果が出るスピードが速いので、PDCAを高速で回すことが可能となり、結果として自分自身にノウハウを蓄積していくスピードも非常に早くなるのがこの業界の特徴です。ゲームプランナーの括りに限らず、サービスを改善させていくスキルを急成長させる事ができる環境だと思いますので、ゲームについて、知りたいこと、学びたいことだらけの自分にとって、ゲームの運営はベストな仕事です。

「死なせねぇよ」のひと言に共感!ファンプレックスのスピリッツがファンから愛されるゲームを長く生かす

―― ファンプレックスを選ばれた理由、実際に働いて感じることを教えてください。

野口氏:私がゲーム業界に復帰しようと思った時、入る会社に求めることはゲームに愛情を持ってかつシビアに取り組んでいるかということでした。運営はゲームと長く付き合って楽しみを提供しながら利益を出していくのが仕事です。しかし短期的な視野で利益だけを求めていては、“良いゲーム”を育んでいくことはできません。私がファンプレックスの面接で共感したのは代表の下村の「俺たちは死なせねぇよ」というひと言でした。ゲームを楽しんでいるお客さまがいる限り、そのゲームが完全に役目を終えたと思える瞬間までクローズはしない。それがファンプレックスが運営するゲームに注ぐ愛情だと思いました。モバイルゲームの新規開発、運営、そしてクローズまでを一通り経験してきた中で見たことや、個人的にプレイしていたゲームが多くクローズしていく中で、まだ多くのファンを抱えながらも短期的に利益が上がらないという理由であっさりクローズしてしまうゲームに強いジレンマを感じていました。運営だけを考え、適切に分析・改善を行って企画を打ち出していけばもっと長く楽しんでもらえるゲームはたくさんあるはず。そんな思いを実現できるのがファンプレックスでした。

野嶋氏:ファンプレックスで働いて感じるのは、PDCAサイクルを高速で回す文化が根強く、価値のあるものとして認識されているということ。まさに私が転職先に求めていた条件にマッチしており、スピード感をもって成長するにはピッタリの会社でした。私は昨年の10月に入社し、プランナーとしてカードのパラメーターの設計やガチャの改善を担当しています。社内は本当にオープンで、プランナー同士は密に連携しています。例えば社内の企画チャットで「現状こんなKPIで、こんな課題があり、以下の企画案を考えました。アイデアをお願いします!」など、誰もがアイデアを出せ、そして募れる環境にあります。さらに、職種の垣根を越えてエンジニア、デザイナーからも重要な意見をいただけるので、ものづくりを行うもの同士が相乗効果を生んでいます。PDCAの高速サイクルと幅広い意見の交流によって、プランナーとして必要な分析力、アウトプット力、企画力、コミュニケーション能力を着実に、しかも早く身に付けられる職場だと感じています。

安原氏:私はシニアマネージャーとしてプランナーやプロデューサーを育成する仕事を任されていますが、人と会社が同時に急成長している今のファンプレックスがとても良い環境を作り出していると思います。またゲーム運営は自身の企画に対する成果が数値やコミュニティからすぐに体感できる仕事です。個人の仕事に対する評価もしやすく、個々の成長に合わせて責任のあるポジションを任せられる環境が整っています。2015年設立と、まだ新しい会社ですが、その背景にはグリーの10年以上に及ぶゲーム運営の実績があり、そのノウハウがファンプレックスに息づいています。ゲームプランナーとしてスキルを磨きたい。ゲーム運営という仕事で今までは目の前の仕事に追われがちだったが、もっとダイナミックに自分の成長を促したいという人にはまさにぴったりの仕事で、私もそんなクリエイターがのびのびと活躍できる環境づくりに全力を注いでいます。

プランナー、プロデューサー、シニアマネージャー。それぞれのポジションで見えてくるファンプレックスでの仕事のやりがい

―― いま皆さんが自身の仕事でチャレンジしていること、やりがいを感じていることを教えてください。

野嶋氏:「なぜこの企画を行うのか」「なぜこの改修が必要か」の企画意図を明確にする事を強く意識しています。自分の当たり前が人の当たり前ではないことがコミュニケーションの前提です。プランナーはエンジニアやデザイナーに考えていることを理解してもらえてはじめて成立する仕事なので、手順書や仕様書に落とし込む際にも、言葉で表現するのが難しいときには必ず図を使って説明する事を心がけています。企画意図を理解してもらうことで、チーム全体の開発モチベーションが上がりますし、仕様の細部の理解も深まるので開発もスムーズになることが多いです。エンジニアやデザイナーからも良い提案が出やすくなり、企画自体の精度も向上していきますね。ゲーム運営のKPIと同様に自分の成長、チームの成長にも目標を持って仕事に臨んでいます。

野口氏:ファンプレックスはプロダクトにかなりの裁量権があり、1プロダクトが1つの会社のような印象です。運営からしばらく離れていた身で「プロデューサーというポジションが自分にできるのか?」という不安が当初はありました。しかし、「せっかくチャンスをいただいたのだし何よりプロダクトをもっと良くしたい」という思いからチャレンジしました。プランナーからチーフプランナーを経てプロデューサーになって、これまで経験した会社と一番違いを感じることはグリーの持っている膨大な分析ノウハウと、収益だけでなくコストも見ることができる事業管理経験です。野嶋も言っていますが、ファンプレックスは凄まじい勢いでPDCAを回す会社ですから、事業管理の面でもこのスピードに乗っていくには自分とチーム全体の成長が不可欠です。アクションをより多く行うために効率化する、整える。障害を出して不毛なコストを増やさない。ゲームのチューニングを定量面、定性面双方からから行って利益化する。プロダクトとして長生きさせることがそのまま成果と言えます。そして運営にはゲーム開発元の会社さまや、IPタイトルなら権利元の会社さまからの信頼がなくてはなりません。例え数値が落ち込んだときでも「ファンプレックスの○○さんに任せておけば大丈夫」と言ってもらえる信頼を築くことが私の立場から感じるやりがいです。

安原氏:私のチャレンジはゲーム運営専門という新業種を飛躍的に成長させていくこと。その為にはスタッフ、チームの成長が必要不可欠です。メンバーの成長は「分析精度が向上した」「担当施策の改善結果が数値に現れた」「業務範囲が広がった」「昇格した」など、私たちの職場でははっきりと目に見えやすい形で現れます。そしてそういう人の成長が起こっているときにはプロダクト全体のKPIも上向いていることが多いのです。私はこのゲーム運営を専門に扱う業種で、最先端を走るファンプレックスの成長のコアな部分に関われていることに強いやりがいを感じています。ゲーム運営に特化した企業の認知度は日に日に高まっており、「運営をやりたい」といって私たちの会社の門を叩く情熱を持ったゲームプランナーも増えてきました。ゲームプランナーが思う存分活躍できる環境を整えることが私が今目の前にしている課題です。一人でも多くのプランナーと出会い、このファンプレックスで共に成長していきたいと考えています。

ゲームクリエイターとして転職を考える人へ。ファンプレックスの現場で戦う3人のプランナーからのメッセージ

―― 最後に一緒に働きたいと思う人についてと、転職を考えている方々へのメッセージをお願いします。

野口氏:好奇心があり、知識欲があり、何でもとりあえずやってみようと思える方。長い運営年数のゲームも多数あります。渡されたものを惰性で続けるだけではなく、常に良くしていこうと考えられる組織でありたいと思っています。既にある程度キャリアを持っている方でも新たなチャレンジがいつも可能で、学べる機会が多いのがファンプレックスの魅力です。未経験の方も多くいらっしゃいますが、できることが増える→自信がつく→パフォーマンスがあがる→またできることが増える→結果が出る→キャリアアップにつながるのかなと思います。自分自身の成長に貪欲な方にはぜひおすすめしたい環境です。

野嶋氏:やはりゲーム好きという要素は欠かせません。プランナーは他の多くの職種、場合によっては多業界の人とも関わる仕事です。自分の考えを形にし、チーム内で多くの関係者とコミュニケーションを取りつつ開発を進める能力が必要です。ゲームへの深い理解や情熱は各コミュニケーションを円滑にし、高精度の開発を行うためにはまた、ファンプレックスは特に他職種のクリエイターとの連携が密で他分野を学べる機会もしばしば。自分の可能性を広げたいと考える人にピッタリです。

安原氏:ゲームクリエイターなんだからゼロイチじゃなきゃダメだと思っている人に一度目を向けてもらいたいと思っています。前言を翻すようで申し訳ないですが、イチジュウの仕事に中にあるゼロイチにも注目してもらいたいのです。新しい遊びや新機能の企画を考えるといった終わりあるように見えた世界に新たな大地を創造していくという、運営ならではのクリエイティブにはユーザーの思いを速く直接感じられる面白さがあります。ゲームクリエイターとして急成長が可能なファンプレックスで、あなたにとって本当に面白いと感じる仕事を見つけてください。

インタビューを終えて

プランナーからプロデューサーへ、そして事業部全体のシニアマネージャーへ。ファンプレックスというゲーム運営に特化した会社でプランナーがどんな働き方をしているのか。この記事では若手プランナーからその先にある、プロデューサー、シニアマネージャーまでの姿を見ていただく機会になったのではないだろうか。

日本経済の中でも勢いのあるゲーム業界。その中にあってセカンダリーとよばれるゲーム運営に特化した事業を行っている企業は、特に活発な動きを見せている。ファンプレックスはそのけん引役を果たす会社の一つ。ゲーム業界での活躍を目指し、特に運営に関心の高いクリエイターには今後も目が離せない一社ではないだろうか。

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