キャリアアップに役立つ!ゲームプロデューサーが読むべき本18冊
そこで今回、ゲームプロデューサーとしてキャリアを築くうえで、おすすめの本を18冊紹介します。ゲームプロデューサーになったばかりのときは、これまでの仕事との違いに戸惑いを覚えることも少なくないでしょう。社内の状況と、作品のクオリティを上げる手法を理解するだけでなく、エンターテインメント業界のすべてを把握し、自分の作品と相対化しなければなりません。ぜひこの記事を通じて、自分にピッタリの本を探してみてください。
目次
ゲームプロデューサーとしての基本を押さえる本
01.安藤・岩野の「これからこうなる!」ゲームプロデューサーの仕事術
競争の激しい世界で生き残る心構えやプレゼンの手法、モチベーションを失った際に自分を見つめ直すポイント、ターゲット設定の大切さや世間の流行を取り込むやり方など、ゲームプロデューサーやゲーム業界の人間でなくても参考にできるところの多い本でしょう。
▼ 著者
安藤武博、岩野弘明▼ 発行
集英社クリエイティブ▼ 発売日
2017年5月
02.ゲームクリエイターが知るべき97のこと
発想術から他職種とのコミュニケーションに役立つ会話術、求められるリーダー像までテーマは多岐に渡っており、ゲームプロデューサーのみならず、ゲームクリエイターとしての初心を見つめ直すのに効果的な1冊です。続編(ゲームクリエイターが知るべき97のこと2)も出ているので合わせて読んでみるのもいいでしょう。
▼ 編集者
吉岡直人▼ 発行
オライリージャパン▼ 発売日
2012年11月
予算や人員確保を行うために役立つ本
03.人が集まる、定着する!会社の採用
この本は採用担当や中小企業の経営者に向けた本ですが、就職希望者が何を考えて企業を選ぶのか、彼らを育成し、定着させるにはどうすればいいのか……という人材確保に関する考え方や、メリットとデメリット、解決策を共に伝えて信頼を得る「両面提示」の手法など、本に記された大小さまざまな部分がゲームプロデューサーの参考になるはず。特に、小規模メーカーのゲームプロデューサーとして人材採用に影響力を持つのであれば読んで損はない本です。
▼ 著者
原正紀▼ 発行
すばる舎▼ 発売日
2015年1月
04.必ず結果を出す人の社内突破力 理不尽な12のカベの攻略法
ゲームプロデューサーとして自分のやりたいことをやるためには、企画そのもののブラッシュアップはもちろん、社内の人々にどう対処すべきかを知ったうえでプレゼンすることが大事。この考え方はチーム内にも応用することができ、部下のモチベーションをいかに上げていくか、社内政治に長けた人間をどうすべきかなど、ゲームプロデューサーが人員を上手く扱ってチームを引っ張っていくのに役立つ本です。
▼ 著者
小倉克夫▼ 発行
翔泳社▼ 発売日
2009年6月
ゲームプロジェクトの進行管理に役立つ本
05.世界一やさしい問題解決の授業
「分解の木」「はい・いいえの木」(ロジックツリー)といった手法により、問題を見つけ出し、自分で考える力を身に付けられるため、ビジネスのみならず日常生活にも役立てることができます。問題解決の基本的なところについて語られているため、ゲームプロデューサーだけでなく、開発チーム全体でこの本を読むのもよいのではないでしょうか。
▼ 書名
『世界一やさしい問題解決の授業』▼ 著者
渡辺健介▼ 発行
ダイヤモンド社▼ 発売日
2007年6月
06.プロジェクト・コストマネジメント―PM必須知識 見積もりモデル・進捗管理手法
この本では、プロジェクトにおいてコストを算出するために機能単位で工数を見積もる「ボトムアップ見積もり」や、プロジェクトの進行状況をコストの観点でチェックすることでプロジェクトの問題兆候をチェックできる「EVM」など、進捗・コスト管理の手法について知ることができます。こうした技能はよいゲームプロデューサーとして活躍するには必須のものなので、労を厭わず学んでおきたいところでしょう。
▼ 著者/翻訳者
パービッツ・F.ラッド/伊藤衡、福田裕一、増田博人▼ 発行
生産性出版▼ 発売日
2004年7月
07.アジャイルなゲーム開発 スクラムによる柔軟なプロジェクト管理
そんなアジャイル手法をゲーム開発現場で用いた実例に加え、アートやデザイン、QAといった専門分野での活用法も書かれているため、ゲームプロデューサーとしては一読しておくべき本と言えるでしょう。また、ゲーム以外のソフトウェア開発関係者が読んでも役に立てられる本です。
▼ 著者/翻訳者
クリントン・キース/江端一将▼ 発行
SBクリエイティブ▼ 発売日
2012年8月
08.SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
この本では漫画が多く取り入れられているうえ、失敗例や解決法も書かれているため、スクラム入門に持ってこい。ゲームプロデューサーとしてはぜひ知っておきたい手法と言えるでしょう。
▼ 著者
西村直人/永瀬美穂/吉羽龍太郎▼ 発行
翔泳社▼ 発売日
2013年2月
09.クリティカルチェーン なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
ギリギリにならないと取りかからない「学生症候群」や、仕事が確実に終わるように余裕を持たせたバッファがかえって期間を増大させる「パーキンソンの法則」がプロジェクトを遅らせていく。そんな中、プロジェクトリーダーと教授が開発プロジェクトを短縮すべく奮闘する様子は、ビジネス本でありながら読み物としても楽しむことができます。部下の動向を把握するだけでなく、ゲームプロデューサー自身もこの本で自分を戒めるといいでしょう。
▼ 著者/翻訳
エリヤフ・ゴールドラット/三本木亮▼ 発行
ダイヤモンド社▼ 発売日
2003年10月
スケジュール調整に役立つ本
10.問題プロジェクトの火消し術
問題兆候の察知からリカバリープランの策定、顧客やプロジェクトメンバーを巻き込んでの解決といった具体的な手法に加え、火消しを行う際の精神論など、実際に問題が起きたときの指南書としても読めますし、この本で予習しておくのも1つの手でしょう。また、外注を使う際のコスト交渉についても触れられており、完全内製が珍しくなった現在の開発シーンでは役に立つところも多い本と言えます。
▼ 書名
『問題プロジェクトの火消し術』▼ 著者
長尾清一▼ 発行
日経BP社▼ 発売日
2007年7月
11.全面改訂版 はじめてのGTD ストレスフリーの整理術
そんなときにこの本で個人用のスケジュール管理法「GTD(Getting Things Done)」を学びましょう。タスクが山積みになっている中、やるべきこととやりたいことを書き出し、系統立てて整理していくという考え方は、仕事以外のフィールドでも役立てることができます。本書ではGTDの基本中の基本から解説されているため、こうした手法に初めてトライする人でも安心。
▼ 著者/監訳者
デビッド・アレン/田口元▼ 発行
二見書房▼ 発売日
2015年11月
12.統合型プロジェクト管理のススメ
ERPツールをほかのツールと連携させるなど、現場レベルで活用できるわかりやすいやり方が載っており、平易な語り口と相まってプロジェクト管理について学ぶには使いやすい本と言えるでしょう。著者はIT業界に長く身を置いている人物で、それだけにゲームプロデューサーとしては応用しやすい本です。
▼ 著者
梅田弘之▼ 発行
翔泳社▼ 発売日
2010年8月
ゲームをより面白くするのに役立つ本
13.「レベルアップ」のゲームデザイン 実戦で使えるゲーム作りのテクニック
「3つのC」と銘打ってキャラクター、カメラ、コントロール(操作)の大切さを説き、ディズニーランドにレベルデザインの極意を見るというように、読み物としても面白く、ゲームプロデューサーや開発チームが日々の業務に役立てられる実践的ノウハウも詰め込まれています。
▼ 著者/監修者/翻訳者
スコット・ロジャース/塩川洋介/佐藤理絵子▼ 発行
オライリージャパン▼ 発売日
2012年8月
14.ゲームテスト&QA
QAという仕事が生まれた歴史や、開発ステップ毎に異なるテーマを持ったデバッグの大切さ、シューティングやRPGといったジャンル毎のポイント、見つけたバグに優先度を付けて管理する手法といった話題を通して、QAについて知ることができます。QAについて専門的に触れられた数少ない本であり、ゲームプロデューサーとしてもQAに関して学んでおくことは無駄にはならないでしょう。
▼ 書名
『ゲームテスト&QA』▼ 著者/編集者/翻訳者
ルイス・レビー、ジェーン・ノバック/加藤諒/株式会社Bスプラウト▼ 発行
ボーンデジタル▼ 発売日
2012年4月
15.フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略
新たなビジネスと目されていたフリー戦略がこれまでにも使われていたことや、情報類がフリーになっていく宿命、そうした中でいかにして利益を上げていくかという不可避のテーマについて示唆を与えてくれます。ゲームプロデューサーがネイティブのフリーミアム世代でない場合、こうした本で知識を得ておくことが必要になります。
▼ 著者/監修者/翻訳者
クリス・アンダーソン/小林弘人/高橋則明▼ 発行
NHK出版▼ 発売日
2009年11月
ゲームプロデュースで役立つ本
16.ゲームの今 ゲーム業界を見通す18のキーワード
ゲームプロデューサーとしては、改めて知識や業界認識を整理したり、畑違いでこれまで関わってこなかった分野について概観するような使い方ができるでしょう。
▼ 著者
徳岡正肇▼ 発行
SBクリエイティブ▼ 発売日
2015年2月
17.プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動
とはいえ、闇雲に突っ走っているだけでは何も実現しません。この本を読んで「自分が抱いたビジョンは何か」「なぜ、そのビジョンなのか」「コアとなるテーマ、鍵となるアイデアは何か」「自分に何ができるか」「他の人には何をやってもらうか」といった自問自答をし、問題解決のためのロジックを組み立てていきましょう。そして人と出会いながら化学反応を起こし、ゲームプロデューサーとして周囲の人々を巻き込んでいくことも大切です。
▼ 著者
佐々木直彦▼ 発行
日本能率協会マネジメントセンター▼ 発売日
2008年12月
18.交渉は創造である ハーバードビジネススクール特別講義
▼ 著者/翻訳者
マイケル・ウィーラー/土方奈美▼ 発行
文藝春秋▼ 発売日
2014年11月
まとめ
ゲームプロデューサーはクリエイターであると同時に管理職です。ゲーム関連の豊富な知識だけでなく、工程管理や組織運営など、ゲーム作りにおけるさまざまなスキルが求められます。単なる工程管理に留まることなく、内に秘めた情熱をもって周囲の人々を動かしていかなければならないでしょう。ゲームプロデューサーは、ゲームクリエイターとしてのキャリアの終着点にあるのも納得できる、難しい職種なのです。
だからこそ、本を読んだり人と関わったり、折に触れて自分の知識や仕事の進め方をアップデートしていくこともゲームプロデューサーには欠かせません。責任のある立場に就いたからこそ初心を忘れてはならないのです。今回紹介した18冊の本が、ゲームプロデューサーの情熱をかき立てるうえで助けになると幸いです。