履歴書の「現在に至る」「以上」の書き方は? 在職・退職別の使い分けを解説

履歴書の学歴・職歴欄を書くとき、「現在に至る」や「以上」をどう使うべきかは、履歴書を書くときの在職状況によって異なります。

この記事では、「現在に至る」の意味や、転職活動用に履歴書を作成する際の、「現在に至る」「以上」の書き方や使い分けについて、キャリアアドバイザーが詳しく解説します。

キャリアアドバイザー プロフィール

Y.Yoshimi

ECサイト運営企業やゲーム開発企業、アプリ開発関連企業への転職支援を中心に担当。Web・ゲーム業界に特化した専門性と大手企業人事部との幅広いネットワークを持ち、常に最新の情報をキャッチアップ。スピーディーな対応で最適な求人を提案することを心がけている。

目次

履歴書における「現在に至る」の意味

一般的に、「現在に至る」とは、過去のある時点から見て現時点までのことを指します。履歴書の学歴・職歴欄の終わりに「現在に至る」と入れる場合には、その直前に書かれた職歴を受けて「その仕事を今も続けている」ということを意味します。

履歴書における「現在に至る」と「以上」の使い方

履歴書の学歴・職歴欄の終わりには、「現在に至る」「以上」のどちらか片方、もしくは両方を記載するのが一般的です。ここからは、履歴書における「現在に至る」「以上」の正しい使い方について解説します。

現在に至る:在職中の場合のみ使える

履歴書において「現在に至る」は一般的に、職歴に対してのみ使用されます。そのため、「現在に至る」と記載する必要があるのは履歴書を記入する時点で在職中の人だけです

すでに離職している場合、「離職の状態が続いている」という意味で「現在に至る」を使うことはありません。また、学校に在学中の場合も「現在に至る」は使わずに、在学中の学校の卒業予定を記載します。

なお、在職中の人でも書き方によっては「現在に至る」がいらない場合もあります。最後の職歴に「○○に在籍中」「在職中」などと書く場合は、「その仕事を今も続けている」という意味が伝わるため、あらためて「現在に至る」と入れる必要はありません。

以上:離職中、在職中どちらの場合も使用する

手紙や箇条書き、目録などの最後に記載する「以上」は、「これ以上は書くことがない」「終わりである」ということを意味します。そのため、すでに離職している場合も、在職中でも、どちらでも学歴・職歴欄の最後には必ず「以上」と入れます

履歴書における「現在に至る」「以上」の正しい書き方と位置

次に、「現在に至る」「以上」と記載する際の、正しい書き方について説明します。

職歴の最後に現在従事している仕事を記載し、退職予定が決まっていれば括弧書きで補足したうえで、次の行に左寄せで「現在に至る」と書きましょう。さらに、次の行に右寄せで「以上」と書きます

在職中の場合

学歴・職歴
    学歴
平成○ 東京都立毎日高等学校 卒業
平成○ 毎日大学 情報デザイン学部 デザイン学科 入学
平成○ 毎日大学 情報デザイン学部 デザイン学科 卒業
     
    職歴
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社
平成○  マーケティング部 配属
    現在に至る(令和○年○月○日 退職予定)...改行し左寄せで記載(退職日が決定済なら補足)
    改行し右寄せで記載... 以上
     

すでに離職している場合は「現在に至る」は入れずに、退職した年月を書いた次の行に右寄せで「以上」とのみ書きます。

離職中の場合

学歴・職歴
    学歴
平成○ 東京都立毎日高等学校 卒業
平成○ 毎日大学 情報デザイン学部 デザイン学科 入学
平成○ 毎日大学 情報デザイン学部 デザイン学科 卒業
     
    職歴
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社
平成○  マーケティング部 配属
令和○ 一身上の都合により退職 ...改行し左寄せで記載
    改行し右寄せで記載... 以上
     

履歴書で「現在に至る」が行に入らない場合

学歴・職歴欄の行が足りずに「現在に至る」が入らない場合は、改行せず最後の職歴のあとに1文字分空けて記載しても構いません。また、「以上」が入らない場合には、「現在に至る」と「以上」を同じ行に入れたり、最後の職歴と「現在に至る」「以上」を同じ行に記載したりしても問題ありません。

残り1行の場合

    職歴
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社
平成○  マーケティング部 配属
    現在に至る            ...同じ行に記載...             以上

残りの行がない場合

    職歴
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社
平成○  マーケティング部 配属 現在に至る                      以上

もし履歴書の学歴・職歴欄が2ページにわたっている場合、ページをまたいで「現在に至る」や「以上」のみを2ページ目に入れるのは避け、できるだけ最後の職歴とセットで記載するようにしましょう

退職予定でも履歴書には「現在に至る」と書いたほうがいいのか?

退職予定が決まっている場合に「現在に至る」と書いたほうがいいかどうかは、最終職歴の書き方によって変わってきます。

最終職歴を「○○に入社」「○○に配属」「○○に異動」などとした場合

最終職歴の次の行に「現在に至る」と入れ、そのあとに括弧書きで(○年○月○日に退職予定)などと補足します

    職歴
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社
平成○  マーケティング部 配属
平成○ 現在に至る(令和○年○月○日 退職予定) ...「現在に至る」のあとに退職日を補足
    以上

最終職歴を「○○在職中」「○○に在籍中」などとした場合

最終職歴と同じ行に、(○年○月○日に退職予定)などと補足します。「現在に至る」と入れる必要はありません。

    職歴
平成○ 株式会社EVERYDAY 入社
平成○ 株式会社EVERYDAY 退職
平成○ 毎日デザイン株式会社 入社 在職中(令和○年○月○日 退職予定)
     ↑最終職歴と同じ行に退職日を補足 以上

履歴書の「現在に至る」の書き忘れは選考に影響する?

これまで見てきたように、履歴書に「現在に至る」を入れるのは必須というわけではありません。たとえ書き忘れたとしても、選考を左右するほどの影響はないでしょう。

採用担当者が学歴・職歴欄で見ているのは、あなたがこれまでどのようなキャリアを積み重ねてきたのか、現在どのような状況にあるのか、採用した場合にいつから勤務可能かということです。その点がしっかり伝わるように書かれていれば問題はないはずです。ただし、社会人として当然の文書作成能力があるかどうか、履歴書を通して見られている可能性はあるため、できるだけ書き忘れがないよう慎重に見直すことをおすすめします

 

履歴書の「現在に至る」に関してよくある質問

最後に、履歴書の学歴・職歴欄に「現在に至る」に関してよくある質問と、キャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。迷いやすい点をチェックして、スムーズな履歴書作成に役立ててください。

Q.1個人事業主やフリーランスとして働いていた場合、履歴書の「現在に至る」はどうすればいい?

現在も個人事業主やフリーランスとして働いている場合は、書き方は企業などに在職中の人と同じです。

開業届を出している場合は「個人事業主○○(屋号)として開業」、出していない場合は「フリーランスのデザイナーとして活動開始」などと記載し、次の行に左寄せで「現在に至る」と入れます。

開業届を出している場合

    職歴
平成○ 個人事業主○○(屋号)として開業
    現在に至る
    以上

開業届を出していない場合

    職歴
平成○ フリーランスのデザイナーとして活動開始
    現在に至る
    以上

すでに個人事業主やフリーランスとしての仕事を終えている場合は、個人事業主なら廃業届を出した年月を「一身上の都合により廃業」、フリーランスであれば活動をやめた年月を「一身上の都合により活動停止」などとして記載します。この場合は、退職している人と同様で、「現在に至る」を入れる必要はありません。

個人事業主の場合

    職歴
平成○ 個人事業主○○(屋号)として開業
平成○ 一身上の都合により廃業
    以上

フリーランスの場合

    職歴
平成○ フリーランスのデザイナーとして活動開始
    一身上の都合により活動停止
    以上

Q.2在職中の仕事を書く際の、「現在に至る」と「在職中」の違いは?

意味はどちらも同じです。

前段でもお伝えした通り、現在も続けている仕事を職歴欄に書く際には、最終職歴の次の行に「現在に至る」と入れる書き方と、最終職歴に「在職中」「在籍中」などとつけて終わらせる書き方の2パターンがありますが、意味はどちらも同じです。とくにどちらがよいということはないので、書きやすい方を選んでください。

Q.3「現在に至る」に日付は必要でしょうか?

日付を書く必要はありません。

履歴書の上部には通常、「○年○月○日 現在」と提出日の日付を書く欄があります。職歴欄の最後に書く「現在に至る」の「現在」は、この提出日の日付とみなされますので、あらためて日付を書く必要はありません。ただし、よりわかりやすくていねいに書くという意味で、「令和○年○月 現在に至る」もしくは「令和○年○月 在職中」などとしてもよいでしょう。

履歴書をはじめ、転職活動は転職エージェントを活用しよう

はじめての転職活動は、履歴書の作成をはじめとして迷うポイントが沢山あるものです。働きながらの転職活動は忙しくて情報収集がままならないことも多く、退職後の人は時間があるがゆえにいろいろ考えてしまって不安になることもあるでしょう。

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