ポートフォリオはWebライターにも必要?作り方や大切なポイントを紹介!
クリエイターが転職やフリーランスなどで仕事を得るためには欠かせないツール「ポートフォリオ」。Webライターも、応募先企業や取引先にこれまでの経験や実績を示すために、ポートフォリオを持つことが一般的になってきています。
この記事では、Webライターにとってポートフォリオが必要な理由や、ポートフォリオを作るときに大切なポイントについて解説していきます。
目次
Webライターとは?
ポートフォリオを作る前に、Webライターの仕事はどのようなものか再確認しておきましょう。
Webライターの仕事は、クライアントからの依頼を受けて、Web上に掲載する文章を書くことです。Webライターとして働くには、会社員またはフリーランスという選択肢があります。会社員Webライターであれば、広報・宣伝部門で自社に関する記事を書いたり、制作部門に所属して取引先から依頼された記事を書きます。フリーランスであれば、Web制作会社などから仕事を請け負ったり、クラウドソーシングで募集されている仕事に応募したりします。
Webライターは、パソコンがあれば時間や場所を選ばずに仕事ができ、特別な資格なども必要ないため、副業や在宅ワークとしても人気の高い仕事です。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
Webライターにポートフォリオが必要な理由
Webライターとして仕事を得るには、自分がどのような仕事に対応でき、どの程度のクオリティの原稿を仕上げられるのかをクライアントに示す必要があります。そのためのツールの1つがポートフォリオです。
職務経歴書や原稿サンプルなどでも実績やスキルを伝えることはできますが、なぜあえて「ポートフォリオ」が必要なのでしょうか。その理由を解説します。
自分の実績などを過不足なく伝えるため
1つ目の理由は、ポートフォリオを作ることで、自分の実績やスキルを漏れなく網羅的に相手へ伝えることができるためです。
職務経歴書でも経験や実績を伝えることはできますが、実際にどのようなアウトプットだったのかという具体性には欠けます。職務経歴書とあわせて原稿サンプルを提出することで、あなたの原稿作成スキルを示すこともできますが、原稿そのものからは「どのような依頼を受け、どのような狙いで作成したのか」といった背景情報までは伝わりません。
その点、仕事の実績や保有スキル、実際のアウトプットを1つにまとめたポートフォリオがあれば、クライアントが必要としている情報を漏れなく提供することができます。
ライティング以外のスキルもアピールすることができるため
ライティング以外のスキルや経験をアピールできる点も、ポートフォリオを作るべき理由の1つです。
Webライターとして仕事を受ける際には、ライティング以外のスキルや経験がプラスに働く場合もあります。たとえば、Googleアナリティクス(GA4)の分析スキルがあるのならば、「記事の効果についても具体的に考えることができるライター」と評価されることが期待できます。また、WordPressでの投稿や画像の作成、デザインやコーディングのスキルがあれば、ライティングのみでなく、より幅広い業務を受けるチャンスに繋がるかもしれません。
ライティングに限定せず、あなたの持っている経験やスキルと成果物とともに見てもらうためには、ポートフォリオの作成が効果的です。
Webライターのポートフォリオで重要な4つのポイント
Webライターにとってのポートフォリオの必要性を理解できたら、実際にポートフォリオを作ってみましょう。ここでは、Webライターがポートフォリオを作る際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
なお、ポートフォリオに入れるべき基本的な項目や、魅力的なポートフォリオの作り方についてはこちらの記事を参考にしてください。
ライティングの際に注意したこと、執筆期間などを記載する
Webライターのポートフォリオで大切なのは、記事や原稿そのものだけではなく、そのアウトプットに至った背景を記載することです。
Webライターを採用しようとしている企業やクライアントは、そのライターが「1どのような指示のもとに」「 2どの程度のスピードで」「 3どのような質のアウトプットを出せるのか」ということを知りたいと考えています。このうち、記事や原稿そのものからわかるのは③のみです。
企業やクライアントが知りたいこと
- どのような指示のもとに
- どの程度のスピードで
- どのような質のアウトプットを出せるのか
発注から納品までのサイクルが短い仕事や、たくさんの量をこなさなければならない仕事であれば、ライターの作業スピードが重要になります。作業スピードによって、何人のライターを確保する必要があるかも変わってくるため、クライアントは②の情報を把握する必要があります。
また、1の情報はクライアント側の作業ボリュームに関わるという点で重要な要素です。給与や発注単価が同じであれば、細かい指示を出さなくてもクライアントの意向を汲み取って動いてくれて、納品された原稿の修正も少ないライターを採用したいと考えるのは、クライアント側の当然の心理でしょう。
こういった理由から、Webライターのポートフォリオには記事作成の背景や所要時間を記載することが大切なのです。
記事の効果を記載する
もし可能であれば、ポートフォリオに掲載した記事がどの程度クライアントの成果に寄与したのか、具体的に記載しましょう。記載する情報としては、以下のようなものが考えられます。
| 記事の種類 | 効果の例 |
|---|---|
| ランディングページ | CV(コンバージョン)数 |
| SEO記事 | ターゲットキーワードの順位変化(記事公開後○日で1位獲得、△位から○位へ上昇、など) |
| その他 | ページビュー、平均滞在時間、SNSでのシェア数、記事に関する問い合わせなど |
これらの情報を入れることで、「単に文章が書けるライター」ではなく「効果に繋がる文章が書けるライター」として評価されやすくなります。仕事で手がけた記事だけでなくプライベートで書いたブログ記事などでも、多くのアクセスを集めた実績があればポートフォリオでアピールしましょう。
常に更新を怠らない
ポートフォリオには常に最新の実績を追加し、プロフィールなどの情報も随時更新するようにしましょう。
掲載する記事には、手がけた時期(年、月)を入れます。古い記事ばかりが掲載されていたら、「最近はたいした仕事をしていないのだな」と思われてしまっても仕方がありません。プロフィールの情報なども明らかに古い状態であれば、仕事においてもあまりまめではない、細かいところに気が回らない人だと思われてしまう恐れがあります。
最新の実績を見てもらえるよう、ポートフォリオの更新は怠らないようにしましょう。
掲載する記事数は厳選する
ポートフォリオに掲載する記事の数が多すぎると、本当に見てほしい部分を読み飛ばされてしまう恐れがあります。掲載する記事数の目安は、全部で10~20記事程度と考えてください。
対応できる仕事の範囲をアピールするためにも、できるだけさまざまなタイプの記事をピックアップし、記事のジャンルやテーマに分けて掲載しましょう。掲載する記事が似たようなものばかりにならないよう、気をつけてください。
Webライターのポートフォリオの注意点3選
Webライターがポートフォリオを作成する際には、前章でご紹介したポイントのほかにもいくつか注意したい点があります。その中でも、とくに重要な3つの点をご紹介します。
1誤字脱字には要注意
Webライターのポートフォリオに誤字脱字があったら、どれだけすばらしい実績をアピールしていてもすべてが台無しになってしまいます。ポートフォリオを提出する前に、しっかり時間をとって念入りに校正するようにしましょう。
公開されている記事は通常、ライターが書いたあとに編集者が校正し、必要な調整を行ったうえで公開されています。その一方、ポートフォリオの本体部分の文章は、ライターが書いたそのままの文章です。そこに誤字脱字があったら、「このライターは自分の書いたものをろくに見直さずに提出するのだな」というマイナスの評価に繫がります。十分に気をつけてください。
2記事を無断で記載しない
記事の無断転載にも気をつけましょう。クライアントからの依頼で作成した記事の著作権は、ほとんどの場合クライアントに所属するため、自分の実績としてポートフォリオに掲載するには許可が必要です。クライアントと交わした守秘義務契約の内容等によっては、実績としての対外的なアピールが一切できない可能性もあります。
一般向けに公開されていて、あなたの名前が入った署名記事であれば、掲載サイトやクライアント名を明記したうえでポートフォリオにリンクを記載するのは問題ありません。しかし以下のようなケースはNGです。
- 有料記事の全文を転載する
- 署名記事でないものを、著作権者に無断で自分の実績として掲載する
- ゴーストライティングしてほかの人の名義で公開されている記事を、著作権者に無断で自分の実績として掲載する
納品してから時間が経つと、担当者の異動などでクライアントへの連絡が難しくなる場合もあります。ポートフォリオへの掲載可否については、納品の時点でクライアントに確認するようにしましょう。
ポートフォリオの著作権について
ポートフォリオへの記事掲載によるトラブルを避けるためにも、Webライターは著作権や守秘義務について基本的な知識をつけておきたいものです。著作権や守秘義務について、以下の記事でわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
3文章はもちろん、全体的に見やすい構成に
Webライターのポートフォリオは、文章作成のスキルはもちろんのこと、情報整理や編集のスキルをアピールできるアイテムでもあります。
ポートフォリオの読者となる採用担当者の視点に立って、相手が知りたい情報がスムーズに伝わる構成を考えましょう。凝ったデザインにする必要はありませんが、見やすさや読みやすさは大事です。文章だけでなく、見出しや箇条書き、表や画像なども効果的に使い、視覚的に見やすいポートフォリオになるよう工夫してみてください。
Webライターのポートフォリオは何で作る?
Webライターのポートフォリオは、Webポートフォリオ(オンラインポートフォリオ)として作るのが一般的です。
ポートフォリオ作成ツールを使えば、簡単に見栄えのいいポートフォリオを作ることができます。また、各種ブログや「note」などのWebサービスを利用してWebポートフォリオを作る方法もあります。
Webサイト制作のスキルがある人であれば、WordPressなどを使って自分でいちから作ることもできます。自由にデザインできることがメリットですが、サーバーやドメインの契約、テンプレート選びや各種設定などに時間がかかるデメリットもあります。
作りたいポートフォリオのイメージや、自分のスキル、使える時間と相談しながら、自分に合った作り方を選んでください
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よくある質問
最後に、Webライターのポートフォリオに関してよくある質問と、マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1紙のポートフォリオも用意したほうがいいですか?
Webポートフォリオと紙のポートフォリオ、両方用意しておくことをおすすめします。
たとえば、転職活動の面接でポートフォリオの提示が必要になったとき、すぐに自分のパソコンを出してネットワークに接続できるとは限りません。面接会場の電波状況や、サーバーのトラブルなどで、最悪の場合はWebポートフォリオにアクセスできないリスクもあります。
そんなとき、紙のポートフォリオを用意しておけば、すぐに面接官に渡して見てもらうことができます。リスクヘッジのために、紙のポートフォリオも手元に用意しておくといいでしょう。
Q.2ライティング以外のスキルもあったほうがいいですか?
ライティングのスキルや経験を中心にアピールしつつ、ほかにも売りになるようスキルや専門性があれば、積極的に記載するようにしましょう。他職種での経験なども「こんな分野の記事が書ける」というアピールに繋げられる場合があります。
Webライターの採用では、Webライティングだけではなく、編集やコーディング、マーケティングなど、隣接する分野の知識やスキルを求められるケースが増えてきています。ライティングだけでなくプラスアルファのスキルをアピールすることで、ほかの応募者との差別化になるため、積極的なスキル獲得をおすすめします。
ポートフォリオでWebライターとしての信頼性をアップさせよう
Webライターにとってポートフォリオは、自分の現在地を示す便利なツールです。ライターとしての実績やスキルを、記事作成の背景や、あなた自身の仕事へのこだわり、ライター以外の周辺スキルなどとあわせて伝えることができます。適切な量の情報を見やすくまとめたポートフォリオを作ることで、あなたという人材の魅力がより伝わりやすくなるでしょう。
マイナビクリエイターでは、ほかにもポートフォリオ作りにかかわるさまざまな記事を発信しています。ぜひこちらも参考にしながら、ポートフォリオ作りにチャレンジしてみてください。