Webディレクターの1日の流れを実態調査!リアルなスケジュールを公開

Webディレクターって実際にはどんな仕事をしているの?」今回は、そんな疑問に徹底的に答えていきましょう。

事業会社、制作会社のWebディレクターのスタンダードな1日のスケジュールのほか、個性豊かな3人のWebディレクターの実際の1日の様子も紹介いたします。「なぜ、そのようなスケジュールになっているのか」「業務上で注意している点」なども豊富に語っていますので、ぜひ参考にしてください。

Webディレクターの1日の流れを事業会社と制作会社で比較してみよう

Webディレクターは、事業会社系と制作会社系の2種類に大別されます。事業会社のWebディレクターと制作会社のWebディレクターとでは、業務内容が大きく違い、時間の使い方も異なります。そこでまずは、事業会社と制作会社それぞれの、Webディレクターのよくある1日を比較してみましょう。

事業会社と制作会社のWebディレクターのよくある1日の流れ

Webディレクターにとって、事業会社で働く魅力と制作会社で働く魅力については、「 Webディレクターが事業会社で働きたいと思う5つの理由」「やっぱり制作会社で働きたい!Webディレクターが感じる制作会社の5つの魅力」のページでも紹介していますので、参考にしてみてください。

事業会社のWebディレクターは運用・改善に集中!社内の調整力と信頼関係が肝

事業会社のWebディレクターにとって、最も重要な業務は担当Webサイトの運用・改善です。そのため、「個人作業」に分類される業務は、アクセス状況や売上、予算進捗の確認のほか、施策の立案、効果測定といったものが主体となります。また、コミュニケーションを取るのは、ほとんどが社内スタッフになります。外部と接触する場合も、来訪してもらって打ち合わせをすることが多いでしょう。

多くのWebサイトを運営している事業会社では、デザイン、制作、開発のリソース確保が重要です。これらのリソースは慢性的に不足しがちなので、自分の案件の優先順位が高くなるよう、上手にコミュニケーションを取ることが求められます。「予測される効果が高い」「緊急度・重要度が高い」のような、誰もが納得せざるを得ない理由を作るのが一番ですが、「あの人のお願いだから、無理を聞いてあげよう」と思ってもらえるような関係を作っておくことも重要です。

制作会社のWebディレクターはクオリティアップが勝負!クライアントとの密接な連携を

制作会社のWebディレクターが最も気を配らなければならないのが、クライアントとのやり取りです。電話・メールでの連絡に関しては、時間を問わず即時対応する体制が求められます。時には深夜に連絡が入り、すぐに対応を求められることもあるでしょう。また、提案資料の作成や往訪によるプレゼンなどにも、1日のうちの多くの時間を割くことになります。

そのため、制作物の確認や修正、ワイヤーフレームの作成など、制作実務は夕方以降になってしまいがちです。クライアントの意図に沿ったものなのか、クオリティは担保されているかなど、細心の注意を払わねばならず、こちらにも多くの時間を割く必要があります。また、規模の小さな会社では、コーディングやデザインを兼任で行うケースも多く、作業は深夜にわたる場合が多いようです。

3名のWebディレクターにインタビュー!リアルなスケジュールを公開

Webディレクターの仕事の一般的な流れは、つかむことができたでしょうか?

ただ、一口にWebディレクターといっても、ビジネスに関する志向や得意分野、運営するWebサイトによって業務はさまざまです。そこで今回は、3人のWebディレクターに対して実態調査のためのインタビューを敢行しました。ある1日に実際に行った業務と、なぜその時間に行うのか、そしてどのようなことを考えているのかについて紹介していきます。

事業構想にも踏み込むプロデューサー志向のWebディレクターの1日の流れ
[30代男性/事業会社/リード獲得型サイトの運用を担当]

8:30 出社
始業は9時15分なのですが、余裕をもって仕事を開始したいので、いつも8時30分には席についています。
早めに片づけたい仕事や集中して片付けたい仕事が溜まっている場合は、もっと早く出社することもあります。
朝の時間帯は頭がはっきりしているし、オフィスに人がいないので、効率がいいんです。
8:30 - 9:00 メールチェックと返信
出社後にまずやるのは、メールチェックと返信です。
Webディレクターとして仕事をしていると、レスポンスの速さが価値になることが多いので、夜間に届いたメールは朝のうちにすべて返信してしまいます。
9:00 - 11:00 クリエイティブ作業
午前中はクリエイティブ系の作業を中心に行っています。
指示書の作成や改修要件のとりまとめ、コンテンツのチェックやアップ作業などが中心です。
これにも一応、理由があって、僕はお腹が空いている時間のほうが、集中力が高いからなんです(笑)。
また、指示書や改修要件をとりまとめるディレクション業務などは、必ずどこか別の部署に依頼しなければならないものです。
午前中に担当者に渡しておけば、フィードバックをその日のうちにもらえるという利点もあります。
11:00 - 12:00 ミーティング・指示出し
11時までに作成したドキュメントなどをもとに、担当者への指示出しや小規模なミーティングを行っています。
自分の意図を正確に伝えなければなりませんので、これも集中力が高い時間帯に行うことが大切だと思っています。
夜になると疲れてしまい、いい加減な指示出しになってしまったらまずいので。
あとはこのタイミングで、自分が担当しているプロジェクトの進行状況を確認しています。
12:00 - 13:00 昼食
うちの会社は12時から14時のあいだに昼食をとればいいのですが、僕はできるだけ12時きっかりに昼食をとるようにしています。
この日もそうでしたが、午後一からびっしりと会議が詰まっていることが多いので、この時間に食べておかないと、食べそびれてしまうんです。
食事はほとんど一人でしています。
13:00 - 14:00 SEM・SEO会社との定例ミーティング
Webプロモーション関連の施策を委託している外部の会社と、社内で定例のミーティングです。
うちの場合、基本的にプロモーションは外部委託になります。
SEMもSEOも関連性が強いので、施策に一貫性を持たせて、連携が取れるように1社に委託しています。
ここで、予算消化の状況やCPC、競合の動きをレポートしてもらい、うちの会社のデータと紐づけつつ、次の施策のブレストを行いました。
基本は現状維持ですが、来月はちょっと新しい手法に取り組むかもしれません。
14:00 - 15:00 セミナー参加者対策ミーティング
Webサイト上でセミナーの募集を行っているので、参加者をどのようにマネタイズするかの会議です。
アシスタントWebディレクター1名と、バックエンドのエンジニア1名、事務局メンバー2名にも参加してもらって、応募者に対しての返信や後追い施策のシステム化の促進のほか、セミナーで獲得した情報の利用の仕方など、システム面、ビジネス面の話をしました。
これは半分、走り始めているプロジェクトなので、進捗報告と次の展開の数値予測がメインでした。
15:00 - 16:00 役員に中長期的な方針・予算を提案
役員陣に、次の半期の方針や予算の提案を行いました。
粗利で●●%アップを目指すとか、この施策で●●%の売上見込みだとか、この分野に投資をする予定だとかいった内容です。
基本的にNGが出ることはないのですが、突っ込みが鋭すぎてかなり緊張します。
前日の夜に脳内シミュレーションをするのは営業時代からの僕の癖です(笑)。
また、Webサイトの実質的な運用責任者になっているので、別の日だと、この時間には役員陣にレポーティングや提案をすることも多いです。
16:00 - 17:30 チームメンバーとの情報共有&ブレスト
役員陣と話したことを、チームのメンバーに共有して、来期の施策に関してブレストをしました。
Webディレクターは経営目線が大切だと思っているので、部下にはできるだけの情報を共有しています。
それで、そのまま「どうしよっか?」とブレスト。
僕自身が役員にプレゼンして、突っ込まれた直後だったので、結構、熱い話をしたような気がします。
17:30 - 21:00 レポート作成や制作物チェックなど
だいたいいつも同じですが、終業時間前後になって、やっと自分の作業をし始めます。
売上レポートの作成や、バナー、コンテンツ、LPのデザイン確認などです。
あとは、午前中に指示出しをしておいたもののフィードバックが返ってきているので、そのチェックも行います。
この日は作業が溜まっていなかったので21時には退社できましたが、遅いときは正直終電近くまで残っているときもあります。

緻密な分析で売上アップに注力するWebディレクターの1日の流れ
[30代女性/事業会社/ECサイトの運用を担当]

9:15 出社
始業が9時半なので、だいたい10〜15分前には出社します。
デスクに座って、PCを起ち上げたり、デスクの上を掃除したりしていたら、朝会が始まる感じです。
ニュースのチェックは通勤電車の中で、スマホでしています。
私の場合、通勤に1時間以上、電車に乗っているので十分です。
9:30 - 10:00 朝会
営業や制作など、全体の朝会が10分くらいあって、そのあとに部署ごとの朝会が20分くらいあります。
全体の朝会では、担当役員からの訓示や、全体周知事項があります。
部署ごとの朝会では、全員のタスク共有や月間予算の進捗共有、トラブルや遅延が発生していたら、その対策の報告などをしています。
10:00 - 10:45 その日の業務確認とメールチェック
朝一番にするのは、社外からのメールの確認と返信です。
それが終わったら社内への連絡とその日のタスク確認です。
社内連絡は基本的に「Slack」を使っています。
タスク管理は「Outlook」と「Redmine」を使っていますね。
同時にたくさんの案件を進めているので、毎朝、何をしなければならないのかをしっかり確認しないと、抜け漏れができちゃうので、業務確認には時間を使っています。
これで、その日の頭の使い方を整理しています。
10:45 - 11:00 アクセス解析レポートのチェック
Google アナリティクスで毎日、配信しているレポートのチェックです。
UUやCVRに大きな動きがなければ、ざっと見て終了です。
といっても、何かの施策が動いていることがほとんどなので、ある程度ポイントを絞って、Google アナリティクスを開いてチェックすることが多いかもしれません。
ここまではだいたい、ルーティンワークになっています。
11:00 - 12:00 Webサイトの更新作業
いくつか商品変更があったので、コピーや写真の差し替え作業を行いました。
制作部隊は社内にいるのですが、ちょっとした更新作業はCMSでWebディレクターがやる体制になっています。
テストアップをしてチェックをして、本番アップをしてチェックをしてなので、だいたい1時間くらいかかったはずです。
13:00 - 14:00 昼食
ランチはいつもこの時間です。チームのメンバーではなく、同世代の女性社員と出掛けるのが多いです。
だから、仕事の話はほとんどしません。その分、気分が切り替えられて、いいリフレッシュになっています。
14:00 - 15:00 部署全体ミーティング用の資料作成
この日は毎週1回、定例でやっている部署全体のミーティングがあるので、それに向けた資料作成を行いました。
PV、UU、CVR、売上数値をまとめて、その週の施策の進捗と来週の予定をフォーマットに沿ってまとめています。
それ以外の日は、営業や制作、サーバー周りのエンジニアとミーティングをしていることが多い気がします。
15:00 - 16:30 Webサイト改修のデバッグ
次の週に、LPO、EFO系の改修がまとめてあったので、テストアップされたもののデバッグをしました。
システム連携系の確認が多いので、こういうのが入ってくると時間を取られますね。
あとは、文言チェックとか、ちょっとしたデザイン修正を戻して完了です。
16:30 - 17:00 おやつ休憩
デバッグで頭を使ったので、おやつ休憩。といっても毎日、休憩はちょくちょく取っています。
デスクでニュースチェックをしながらとか、休憩スペースで同僚とおしゃべりしながらとか。
17:00 - 19:00 部署全体ミーティング
毎週1回行っている、部署全体のミーティングに出席していました。
部署内には、私のようなWebディレクターのほかに、営業担当やプロモーション担当、システム担当がいるので、各担当者が数値や進捗の報告をしていきます。
実際には無駄な時間が半分、有益な時間が半分(笑)。
営業やシステム担当者からは、私の知らない情報や要望がどんどん出てくるので、施策のアイディア探しの場として使っています。
19:00 - 20:00 アクセス解析ツールのチェック
毎日、Google アナリティクスを見る癖をつけています。
昔、アクセス解析の専門の人に「データは毎日見ていないと意味がない。
毎日見ることで変動に気付くことができるし、見る日が違うだけでデータから得られる『気付き』が異なる」と教えられたからです。
20:00 - 20:30 メールチェックと次の日の予定の確認
この日は、返信していないメールやSlackの処理をして、次の日の予定を確認して退社しました。
退社時刻はまちまちですね。
疲れているときはさっさと帰りますし、ワイヤーフレームの作成や施策提案の資料を作らなければいけないときは22時くらいまで仕事をしています。

営業提案もデザインもこなす制作会社のWebディレクターの1日の流れ
[30代女性/広告代理店兼制作会社]

9:30 出社
いつもぎりぎりに出社です。
埼玉の奥のほうから出勤しているので…。
でも、電車の中でもメールチェックをしたり、ニュースを読んだりしています。
あと、「ポケモンGO」と「セブンナイツ」(笑)。
9:30 - 10:00 メールチェックと返信
クライアントからのメールが溜まっていることが多いので、さっさと片づけます。
電車の中で内容はだいたい把握できているので、優先順位を決めて一気に返信していきます。
返信に資料作成や準備が必要なものは、いったんその旨を連絡して、できるだけ夕方までには何とかするようにしています。
代理店にとって、メール返信のスピードは命ですね。
10:00 - 11:00 提案資料のチェックと手直し
この日は午後からクライアントへの往訪が入っていました。
前日に作っておいた提案資料をチェックして、ところどころ手直しをして準備しました。
提案資料はいつも前日にいったん完成させておいて、次の日に見直すことにしています。
1回寝ると頭がリセットされるから、わかりづらいところとか、ポイントがずれているところとかを見つけやすいんですよね。
11:00 - 12:30 制作物のチェックと修正指示
特に決めているわけではありませんが、空いている時間を見つけて制作物のチェックと修正指示を入れています。
この日はこの時間になっただけです。
デザインチームから上がってきた、TwitterやFacebookなどのSNS広告用バナーのチェックをして、LPとの相性を確認して、みたいな感じです。
12:30 - 16:00 昼食&クライアントへの往訪
営業、運用担当といっしょに、クライアントに往訪しました。
週に2〜3日はクライアント往訪が入りますね。
14時にアポイントだったので、早めに出てランチをしながら、提案の作戦会議を軽く。私はクリエイティブ面での担当というポジションです。
提案時に心掛けているのは、クライアントが印象論で話す時間を作ること。広告・プロモーション系の話はロジカルに数値で説明することが多いので。
クリエイティブを見せるときは、大まかなラフを見て感想を聞きながら、「ここはこういう理由で…」とロジックを展開するようにしています。
いきなりデザインをロジカルに解説してしまうと、クライアントが黙ってしまい、結局、ヒアリングにならないことが多いんです。
16:00 - 17:00 営業部門との打ち合わせ
営業中の見込み案件の整理とか、デザイン、制作部隊のリソース調整とか、優先順位付けなどをしました。
クライアントありきの仕事なので、優先順位なんてあってないようなものなんですが、営業部隊には伝えるだけ伝えておかないとパンクしてしまうので。
うちは営業部隊が優秀すぎるんですよ(笑)。
17:00 - 23:30 提案資料作成とデザイン作業
クライアントへの提案資料をざっと作ったあとに、次の日までに上げなければならないLPがあったので、ずっとデザイン作業をしていました。
Webディレクターといってもデザイナー出身なので、ほぼWebデザイナー兼任になってしまっています。
日によって違いますが、帰るのはいつもこのくらいの時間です。
たまに終電を逃してしまうことも…。

まとめ

いかがでしたでしょうか?長い実務経験をお持ちの人にとっては、あるあるで共感できた部分も多かったのではないかと思います。逆に、未経験の人は、イメージがさらに膨らんだかもしれません。ただ、これらはあくまで「とあるWebディレクターの1日の流れ」という参考です。正解はありませんが、これからWebディレクターとして活躍するためのヒントになれば嬉しいです。

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