広告業界へ就職するために業界の全体像を押さえておこう
広告業界や広告代理店と聞くと、「給料(初任給)がいい」「お洒落な人が多い」「CMの制作とかやっていて凄い」「そもそも広告代理店という響きがいい」などの華やかなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
日本の就活生の中では依然として絶大な人気を誇るそんな広告業界ですが、実際の業界の中身はどうなっているのでしょうか。やりがいがあり華やかな業界と語る先輩もいれば、いやいやそんなに甘く無く、広告は泥臭く常に数字を追いかける業務ばかりだ、と語る先輩もいるでしょう。
もちろん、会社や関わるプロジェクトによって、実際の感じ方は変化するもので、一口に業界を語ることはできないと思いますが、このページでは、広告業界、広告代理店がどのようなものなのか、基本的な部分を押さえておきましょう。
そもそも広告業界とは
広告と言ったらやはりテレビCMが代表的でしょう。誰もが目にするものです。そのCMの面白さや感動から憧れを抱き、大学や専門学校では、デザインなどのクリエイティブ関連に加え、広告論やマーケティングを学び、ゆくゆくは広告関係の仕事に就きたいと考えてきた人も多いかと思います。
しかし、広告業界と言っても様々です。世の中にどんな種類の広告代理店があるのか、その業態を見ていきましょう。
広告代理店とは
メディアの広告枠を広告主(クライアント、顧客)に売り、手数料(コミッション)を得るというのが基本的企業形態である。従来は純粋にそれだけを行っていたが、時代とともにその役割は広がっており、その枠に載せる広告を制作指示するのも広告代理店の業務となっている。制作部門を持つ広告代理店の場合は、制作部門が広告制作会社と共に行う。また顧客企業の商品開発、顧客企業や取り扱う製品のイメージの構築(CIなど)、イベントのプロデュースあるいは運営を行っている。
Wikipediaでも記されているように、広告代理店の役割は拡大していることがわかります。
その中で、代表的な業態である二つの広告代理店の種類、総合広告会社と専門広告会社をご説明し、マイナビクリエイターが特に力を入れて就職をサポートしているインターネット広告会社についてご紹介できればと思います。
広告代理店の種類
総合広告会社
有名企業である電通や博報堂などがこの総合広告会社に属します。得意先(クライアント)のマーケティング活動の全般を担う会社です。広告主(広告を出す企業)と、それを見るユーザー(消費者)を結ぶために、原則として全ての広告媒体を取扱い、企画から制作までを総合的に手掛ける会社です。代表的な総合広告会社は以下の通りです。
- 電通
- 博報堂
- アサツーディ・ケイ
- 読売広告社
- 日本経済社
総合広告会社は、全ての広告媒体を扱っていることから、特徴として、企業はその様々な媒体を複数またいで、広告を出すことができることにあります。例えば、TVCMを打つのと同時に、リスティング広告などのインターネット広告、電車内のステッカーなどの交通広告などを出稿する際、綜合広告会社であれば、一度に依頼することが可能です。
専門広告会社
専門広告代理店は、メディア側に立った広告代理店です。担当する専門メディアの「枠」を売るための営業活動をします。新聞社、テレビ局、出版社などの特定媒体社の広告取扱いとその広告企画・制作を中心とする広告会社です。時代と共に媒体専属会社からすべての媒体を取り扱う総合広告会社へ転進する流れもあります。代表的な専門広告会社は以下の通りです。
- 読売IS
- アイアンドエフ
専門広告会社は特定の媒体に特化した広告代理店であることから、その特徴として、クライアント(依頼主、広告主)が、すでにターゲットとしてユーザーがある範囲で明確にあり、「ちょうどその枠に広告を出したいと考えていた」というような場合であれば、そもそも様々な媒体で広告を出稿する必要がありませんから、総合広告代理店に依頼するよりも安上がりになると考えられ、しかも特定の媒体に専門的な方に依頼した方が良いと考えられるでしょう。
インターネット広告会社
あらゆる種類のインターネット広告を用いて各得意先のプロモーションにどのようなインターネット広告媒体が最適であるかを考え、最も効果的なインターネット広告の提案をする会社です。代表的なインターネット広告会社は以下の通りです。
- サイバーエージェント
- オプト
- セプテーニ
- トランスコスモス
マイナビクリエイターは、特にWeb関連職の求人をお預かりしていることから、このインターネット広告会社との取引が多いです。リスティング広告、バナー広告、動画広告、メール広告、ターゲティング広告、アフィリエイト、バイラス広告、コンテンツマーケティング、ソーシャルマーケティングなどを専門的に取り扱っている会社です。クリエイターを目指す学生の皆さまは、もしかしたらTVCMよりも、こちらの方が馴染みがあるかもしれませんね。
広告業界にはどんな人材が求められるのか?
これはズバリ、コミュニケーション能力でしょう。広告主とユーザーを結ぶことも広義でのコミュニケーションとも呼びますが、そこに「介在」する広告代理店や人もコミュニケーションの必要があるというのは、必然です。ただ、コミュニケーション能力があると言っても様々です。物事を論理的に説明できる人、周りのメンバーを巻き込めるようなリーダーシップのある人、物静かな人でもなぜか説得力がある人などがいるでしょう。
広告業界で凌ぎを削っている先輩達は、そのコミュニケーションにこだわっている人ばかりです。就職活動などの面接などで、「私にはコミュニケーション能力がある」と語っても具体的な説明や例がないとすぐに表面的なものだと見抜かれてしまいます。学生時代にリーダーシップを発揮して達成したことや企画し周りのメンバーを巻き込んで達成したことなどを、一つだけでなく、複数個用意していくことが大切でしょう。