社会勉強のつもりで臨んだ転職活動で、一段上のキャリアを見つけるまで ―― Tさん(30歳・男性)
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- 総合エンターテインメント企業
イベント制作兼プロデューサー
- 現職
- 総合エンターテインメント企業
イベント制作兼プロデューサー
Tさん(30歳・男性)
マイナビクリエイターの転職エージェントサービスを利用し、総合エンターテインメント企業のイベント制作兼プロデューサーから、同業種のプロデューサーへ転職。
自分の市場価値はどれくらいなのか知りたいが、転職活動には一歩踏み出せない......そう悩む人も少なくないのではないだろうか。今回転職体験談を聞いたTさんは、転職活動について「最初は社会勉強のつもりだった」と話す。「内定が取れてから考えよう」というスタンスで臨んだ初めての転職活動から、見えてきたキャリアとは。
転職までの時系列
2022年10月 | マイナビクリエイターに登録 |
2022年10月 3週目 |
現職に書類提出 |
2022年11月 1週目 |
一次面接を通過 |
2022年11月 3週目 |
二次面接を通過 |
2022年12月 1週目 |
内定を獲得 |
2023年03月 | 前職の職場を退職 |
2023年04月 | 現職入社 |
こだわった転職条件
MUST | ・エンタメ業界に関わる仕事であること |
WANT | ・前職より給与面など待遇がアップすること |
30歳になったタイミングで、「外の世界」を見たくなった
── 前職ではどのような業務に携わられていたのでしょうか?
Tさん:新卒で総合エンターテインメント企業に入社し、3年目くらいまでは宣伝業務に関わっていました。アーティストやアニメ作品の宣伝担当として、取材対応や公式サイトの更新、グッズ制作、ライブやイベント企画など、幅広く対応していました。
そこから本格的にイベント制作に携わるようになり、ファンクラブイベントや舞台など、年間60公演以上にもなる企画の制作を担当していました。毎週末は何かしらイベントがある生活でしたが、もともとエンタメをやりたくてこの業界に入ったので、苦ではありませんでしたね。
── そこから転職を考えるようになったのは、どういうきっかけがあったのでしょうか。
Tさん:コロナ禍でこれまでのようにイベントを打つのが難しくなり、業務の範囲が制限されました。この2~3年は試行錯誤しながら駆け抜けてきて、配信イベントでもある程度結果を残せるようにもなったのですが、2022年になって「一段落した」という思いが強くなってきたんです。世間はコロナ前の感じに戻りつつある。そうなると、また以前と同じような仕事を繰り返すことになるのでは、と。
エンタメ業界はいわゆる"水物商売"ですので、まったく同じ仕事はありません。ですが、イベント制作という大きな枠組みのなかで、ルーティンを繰り返すような感覚がありました。ちょうど30歳になった時期だったこともあり、そろそろキャリアにブレイクスルーを起こしてみてもいいのではと思いました。
── 転職活動はどのように進められたのでしょうか。
Tさん:前職の待遇や人間関係に不満があったわけではないので、転職は特に急いではいませんでした。転職の条件についても、「エンタメ業界であること」以外は強いこだわりがなく、「ちょっと外の世界を見てみたいな」という気持ちのほうが大きかったですね。一種の社会勉強として、ほかの会社の人と話す機会にもなるし、内定が出たらそこで考えようと。
とはいえ、新卒から同じ会社で働いてきたので、転職活動は初めてのこと。転職については何もわかりませんし、個人的に交渉ごとが苦手なので、プロに任せたいという思いがありました。そこで、とりあえず広告で目にしたことがある転職エージェントにいくつか登録しました。その1つがマイナビクリエイターです。
登録したときは「これでどうなるんだろう?」と不安でしたが、そこから「あなたを求めています!」といったオファーメールが届くようになって、自己肯定感がすごく上がったのを覚えています(笑)。
自分が就職活動をしていたときと、今の転職活動では常識が違う
── 転職エージェントからは、どのような企業をすすめられたのでしょうか。
Tさん:広い意味で「エンタメ業界」とお伝えしていたので、ゲームや映画、番組制作など幅広く紹介を受けました。マイナビクリエイターを含め、6,7人のエージェントの方とリモートでお話したと思います。あまりたくさんの企業に応募すると状況がわからなくなりそうだったので、書類提出は「1エージェント1社」に絞ってお願いしていました。
── 選考に臨むにあたり、キャリアアドバイザーからはどのようなサポートがありましたか?
Tさん:マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーには、非常に親身に対応してもらいました。自分が就職活動をしたときとは常識が異なるだろうと思い、「今どきの面接はどうなっているのか」など、基本的なことから教えてもらいましたね。特にリモート面接自体が初めてだったので、「部屋で面接を受けていいのか」「服装は何がベストか」など、初歩的な質問にも答えてもらい助かりました。
面接後には、毎回キャリアアドバイザーからフィードバックもいただきました。「会話に特に問題はなく、先方の印象はよさそうです」という言葉に安心して、次の面接に臨むことができました。
── 現職に入社された決め手はなんだったのでしょうか。
Tさん:前職でもよく一緒に仕事をしていたエンタメ企業でしたので、純粋に「面白そうだな」と感じたのが大きいですね。基本的に仕事内容は大きく変わらず、それでいて会社の規模は前職より大きくなるので、なにか自分の中でマインドチェンジが起きそうな予感がありました。
また、ほかにも最終選考まで進んでいた企業もあるなか、最も早く内定を出してくれたのが現職でした。転職活動を長く続ける気はありませんでしたし、ピンポイントでスケジュールが合致したので、「これも縁だな」と思い入社を決意しました。
1つの椅子に固執しないことで、変わるもの・生まれるものがある
── 現在はどのような業務に携わられていますか?
Tさん:現在はプロデューサーとして、イベントの企画・プロデュースに携わっています。自社IPを活用したイベントから社外の案件まで、自由度高く任されています。
前職は制作の仕事が中心で、プロデューサーと現場を繋ぐ橋渡し的な存在でした。現職ではプロデューサーの立ち位置になり、現場の業務は手放した形になりますが、そのぶん新しい企画を考えたり、予算を組んだり、さらに視野を広げて物事を考えるようになりました。「イベントに携わる仕事」という点では前職と同じですが、視座が一段階高くなったと感じています。
── ほかにも、前職と違いを感じる部分はありますか?
Tさん:初めての転職ということもあり、入社当時は海外旅行をしているような気分でした。話す言葉も、考え方も、文化も違う。そして、それが面白い。たとえば、現職は非常に情報共有が活発で、社内のSlackには社長から全社員へのメッセージをはじめ、子育て支援などの福利厚生の案内や、お中元のおすそ分け情報まで流れてくる(笑)。「すごく面白いところに飛び込んだな」という実感があります。
前職で知り合った方々と、実務を通じて関わる機会も多いですね。「あの会社にいました」ということが、社内でも名刺になっている感じです。エンタメ業界は、"団体戦"。共同作業をスムーズに進めるためにも、繋がりは大切にしたいなと思っています。
── 今後、どのように活躍していきたいと考えていますか?
Tさん:引き続き、プロデューサーの仕事を突き詰めたいと考えています。転職を考えたきっかけとして「イベント制作という大きな枠組みのなかで、ルーティンを繰り返すような感覚があった」とお話しましたが、プロデューサーになってみて初めて、その「枠組み」を外せる立場にいることに気がついたんです。
これまでのイベント制作で携わってきた「枠」をはみ出して、もっと自由に企画を考えていい。それは、自分がやってこなかったこと、あえて避けてきたことにも、挑戦できる機会になるはずです。「まだまだ伸びしろがあるぞ」と自分に言い聞かせながら、引き続きトレンドを追いかけていきたいですね。
── 自分自身の市場価値を知りたい、ただ転職には踏み出せないと悩んでいる方も多いかと思います。そんな方々に向けて、最後にメッセージをお願いします。
Tさん:以前に比べて、転職は当たり前のものになりつつあります。もちろん、1つの会社に留まることを否定するわけではありません。ただ、1つの会社やポジションに固執しないことで、変わるもの・生まれるものもあるのではと今回の転職で感じました。新しい時代を担う20代30代に、「人材の流動による変化を恐れない」というマインドが浸透してくれたらと思います。転職は怖くないですよ(笑)。
担当のキャリアアドバイザーからひと言
Tさんと初めてお会いしたとき、すでに素晴らしいキャリアを築いていらっしゃったので、転職活動を始めたら各社の争奪戦が始まるなと思いました。
初めての転職活動とのことで、基本的なことはお伝えさせていただきましたが、Tさんには目指したいキャリアなどが明確にあったため、最初の印象通り、そこからはトントン拍子で選考が進んでいったのを覚えています。ここ直近の転職サポートの中でも、かなりスムーズな選考だったので、Tさんの優秀さを改めて感じることができました。
入社後3ヵ月が経過したタイミングでTさんに声をかけていただき、会食の機会を設けたのですが、その際に「転職して本当によかった」と仰っていたので、私もその言葉が聞けて、大変嬉しく思いました。
今後のエンタメ業界はTさんが引っ張っていってくれるのではないでしょうか。陰ながら、これからも応援しています!