取締役からシニアWebディレクターへ。独自の「武器」を持つ会社で仕事の幅を広げる ―― 菅井邦夫さん(43歳・男性)

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前職
Web制作会社
取締役兼シニアプロデューサー
現職
株式会社Jストリーム
シニアWebディレクター

取材日時:2020/4/ 8 16:00 取材場所:Webインタビュー

菅井邦夫さん(43歳・男性)
マイナビクリエイターの転職エージェントサービスを活用し、Web制作会社の取締役から、株式会社JストリームのシニアWebディレクターに転職。

どんな業界でも、現場での働きが評価されれば、さらに上のポジションへと昇格する。キャリアを重ねるごとに仕事内容は変化し、よりマネジメントや経営の分野へと近づいていくこともあるだろう。しかし現場でせっかく面白さを感じる仕事に出会えたのに、そういったポジションの変化によって、その出会いを手放すことになる人も少なくない。

今回、転職体験談を伺った菅井さんの前職は、Web制作会社の取締役。順調にキャリアを積んだように見えるが、現場での仕事の面白さが忘れられず、転職を決意した。十分なキャリアを経てからの転職活動は、若手・中堅との転職となにが違うのか。転職成功に至るまでの道筋を聞いた。

転職までの時系列

2019年03月 転職活動をスタート。マイナビクリエイター含め、複数の転職エージェントに登録。面談
2019年06月 Jストリームの書類選考を通過。1次面接、2次面接に進む
2019年07月 Jストリームの内定を獲得
2019年08月末 前職のWeb制作会社を退職
2019年09月 Jストリーム 入社

こだわった転職条件

MUST ・受託案件だけでなく、自社サービスに強みを持っていること
・Web制作に携われること
・マネジメントスキルを活かせること
WANT ・社内制度が整っており、風通しがよい環境であること
・取締役からの転職だが、大幅な収入減とならないこと

エージェントとのやり取りを通じて、転職の方向性が明確に

── まずは菅井さんが転職された経緯から教えてください。

菅井さん:前職はWeb制作会社で取締役に就いていました。元々は中途採用でWebディレクターとして入社し、サイト設計やスケジュール作成などのディレクションを担当していたんです。やがてプロデューサーも兼務するようになり、大手企業のコーポレートサイトやWebアプリ、動画案件などを上流工程から手がけるようになりました。入社8年目に社長の代替わりがあり、大手企業との実績が評価され取締役に就任。経営判断をはじめ、評価制度などの社内制度策定に取り組んでいました。

また当時は、シニアプロデューサーも兼任して案件を抱えていたのですが、そこでの業務は役員としての業務とは違い、お客様からの反応をダイレクトに感じることができました。そうやって現場の醍醐味を実感する中で次第に今のポジションを続けるよりも、もっと現場寄りの仕事に専念したいという思いが募り、転職することを決意しました。取締役からの転職は勇気が要りましたが、家族から「そういう思いがあるならやりたいように」と、背中を押してもらえたのも大きかったですね。

── 転職活動はどのようにスタートされたのでしょうか?

菅井さん:マイナビクリエイターをはじめ、複数の転職エージェントに登録するところから始めました。当時は役員として中途採用全般の業務も担当しており、転職エージェントとのやりとりもあったんです。そのなかでも、マイナビクリエイターはエージェントとしてとても信頼でき、いい人材を紹介していただいたこともあり、「自分が転職するときはこの人に相談しよう」と決めていました。

── 実際にマイナビクリエイターに相談されて、エージェントの印象はいかがでしたか?

菅井さん:他社に比べて「企業のことをよく知っている」という印象を持ちました。「この会社の雰囲気はこんな感じ」「こういう担当がいる」など、求人票に掲載されている以上の情報を聞けましたね。

また、応募先についても親身に相談に乗ってもらいました。それまで主に受託案件を担当してきたので、転職先では自社サービスに携われたらいいな、と何となく考えていました。とはいえ、自社サービス開発は未経験。新たな分野にチャレンジしたい思いはあるのですが、果たして自分に務まるのかわからない。

そんな転職の方向性が定まらない状態でエージェントに相談をしたところ「自社サービスをメインに展開している企業は、正直、菅井さんのキャリアでは厳しいと思います」とハッキリ答えてくれたんです。無責任に求人先を勧めるのではなく、こちらのことを親身に考えてくれているのがわかりました。それからエージェントとのやり取りを通じて、自分のやりたいことが徐々に明確になっていきましたね。

これまでと同じ仕事では物足りない。自分の幅を広げたいと素直に思えた

── 応募に際して、エージェントからどのようなアドバイスがあったのでしょうか?

菅井さん:採用条件が厳しかったこともあり、「どんどん応募していきましょう」という感じでしたね。書類選考で落ちることも織り込み済みで、マイナビクリエイターだけで30社くらい、ほかのエージェントも合わせると100社以上は応募しました。若手の転職活動なら多少背伸びした応募もできるのでしょうが、年齢を重ねた今は「自分と合う会社」が優先です。書類選考が通らなくても、「落とされた」ではなく「合わなかった」のだ、と素直に受け止めるようにしました。

100社の応募に対して、書類選考が通ったのは1割くらいでしょうか。その1割の企業を見ることで、自分に何が求められているのかを把握できました。実際、自社サービス系の企業はほとんど通らなかったので、エージェントのアドバイスは正しかったのだなと思います。

── Jストリームを志望された理由はなんだったのでしょうか?

菅井さん:受託案件も扱いながら、自社サービスを強みにしていたのが一番の理由です。Jストリームの「武器」である、動画配信のプラットフォームを軸にしていけば、面白い仕事ができそうだと感じました。前職で社内のルール作りに携わっていたので、社内制度に関して不満に思う点がなかったのも好印象でしたね。

面接では気持ちよくやりとりができて、相性のいい会社かもしれない、という手応えはありました。最終面接のあと、マイナビクリエイターの担当者から「面接には誰が対応されていましたか?」と聞かれたんです。名前を伺えなかった方もいたので、風貌だけしか伝えられなかったのですが、それでも「○○さんですね」とすぐに把握されて驚いたのを覚えています。ここまで企業の内情に通じているエージェントとなると、やはり情報の説得力が違いますよね。

── 入社の決め手となったポイントは?

菅井さん:ほかにも何社かから内定をいただき、そのほとんどが前職と同じタイプの制作会社でした。それはそれで、これまで通りの仕事をすればやっていけたと思うのですが、ステップアップを考えると物足りなく感じたんです。それに対して、Jストリームのディレクターは仕事の幅が広く、PM的な立場でもあり、ある程度システムのことも理解してプロジェクトを率いる必要があります。システム部分などは不慣れな面も多かったのですが、この会社で頑張りたい、自分の幅を広げたいと素直に思えました。

考えがまとまらない状態で始まった転職活動ですが、やりたいことが明確になるにつれ、自分の気持ちに素直に従えるようになりました。その結果、必然的にたどり着いたのがJストリームだったのだと今は感じています。

オリジナルの「武器」を持つ会社で、自分の強みを発揮する

── 現在担当している仕事の内容について教えてください。

菅井さん:シニアマネージャーとして、新規案件のディレクションを行っています。現在担当している金融系企業向けeラーニングシステムは、コンペの段階から携わり、協力会社と連携を取りながら、設計から開発へと進めているところです。前職ではお客様との間に代理店がおり、代理店の指示の元で開発をしていた部分があったのですが、今はお客様とダイレクトに物事を進められます。設計フェーズが完了した際には、お客様から感謝の言葉をいただき、改めて現場の面白さを噛みしめました。厳しい局面もありましたが、その分それを聞けたときにはとても嬉しかったですね。

── 入社から半年余り過ごしてみて、Jストリームの印象はいかがですか。

菅井さん:驚くくらい気持ちのいい人たちがそろっているな、というのが正直な気持ちです。かなり高いポジションでの採用だったので、最初は「ここで結果を残さないと」というプレッシャーがあったのですが、周りの方々が本当によく助けてくださるんです。普段一緒に仕事をしている営業の方は細かいところまで気を使ってくれますし、開発を担当している関連会社は課題に対して「どうすれば解決できるか」を前向きに考えてくれます。他チームのリーダーを見ても、メンバー一人ひとりの動きを把握して、自分の経験に基づいたアドバイスをしている。ほとんどが自分より若い社員ですが、みなさんとても優秀で、毎日刺激を受けています。

── 今後どのようなキャリアを積んでいきたいですか?

菅井さん:まずは今の案件できちんと結果を残し、ほかの社内プロジェクトにもどんどん積極的に関わっていきたいです。現在は自分1人でプロジェクトを受け持っているので、いずれはチームを率いる立場で仕事ができればと思います。前職では金融関連の案件をメインで担当していたので、その強みも活かしたいですね。今のポジションで全力を尽くして結果を出せば、自ずとやりたいことが実現できる環境であると感じています。

── 最後に、転職を考えている方にアドバイスをお願いします。

菅井さん:現職でも中途採用を担当していまして、弊社を希望される若手の方からは「部門が縮小された」「ポジションがなくなった」と、仕事自体がなくなった話をよく聞くんです。Web制作は自動化が進んでいて、CMSによってお客様が自ら更新するのも当たり前になってきました。「誰でもWebサイトが作れる」という時代に近づけば、Web制作会社の仕事が減るのも無理はありません。

個人のスキルを高めるのも大切ですが、まずは所属する企業に仕事がなければ話になりません。わざわざその企業に仕事を頼むような理由があること、言い換えれば、その企業独自の武器や強みがあることが大事だと思います。Web制作にこだわりすぎず、制作プラスアルファの強みを持つ企業を探してみてはいかがでしょうか。

また、自分の経験からも、転職エージェントを味方にすることをお勧めします。ライバルたちはエージェントを活用しているはずですから、自分1人で転職活動しても敵うわけがないんです。転職先に具体的なイメージを持てなくても、エージェントに洗いざらい話して相談したほうがいいでしょう。私自身、親身になって対応してくれたエージェントのおかげで、キャリアのイメージを持つことができましたから。

仕事が忙しすぎて転職活動を断念してしまう人も少なくないと思いますが、信頼できるエージェントから言葉をもらうと、自然に体が動くようになります。1人で抱え込まず、本心で向き合えるエージェントを味方につけ、最後まで諦めずに転職活動に臨んでください。

担当のキャリアアドバイザーからひと言

菅井さんは、弊社でもお付き合いがある企業様の採用担当者だったため、何をやってこられたのか、ということはすぐに把握ができました。また、菅井さんのご転職理由、今回の転職で達成したいことの優先順位が明確だったこともあり、マッチしそうな企業様をすぐにピックアップさせていただきました。

ポートフォリオに関しては、通常Webディレクターの場合、提出していただける方が非常に少ないのですが、菅井さんは応募の段階でデータを送ってくださいました。そこからも、ご自身の強みをアピールしたいという気持ちを強く感じ、必ず転職を成功させる方だという印象を受けたことを今でも覚えています。

最終的に内定を獲得した複数社の中から、Jストリーム社への転職が決まったわけですが、その際、私個人として意識したのは、内定を獲得した各社の情報を客観的に、事実として伝えることでした。前述したように、菅井さんは判断軸が明確な方だったので、情報を正しく伝えさえすれば、あとはご自身にあった企業を選択されると思ったのです。

今回の菅井さんの転職が成功された要因は、ポートフォリオを用意するといった自身をアピールする積極的な姿勢や、転職活動における客観的な視点、明確な判断軸を持っていた点に尽きますが、転職活動のやり方は人それぞれです。転職の方向性や具体的な進め方など、もし何かわからないことがあれば、ぜひご相談ください。

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