転職するなら大企業?ベンチャー?それぞれのメリットを比較してみよう
それぞれ給与面や福利厚生面などで色々メリットデメリットがあると思いますが、今回は「クリエイターとしての仕事内容」に軸を絞って、大企業とベンチャー企業、それぞれのメリットについて比較し、考えてみましょう。
大企業で働くメリットとは?
大企業なら様々な分野の専門家と一緒に仕事ができる
大企業の制作現場では、多くの先輩クリエイターが働いています。色々な分野の専門家(スペシャリスト)がおり、それぞれの役割分担がはっきり分かれています。大雑把な表現かもしれませんが、これが大企業の一番の特徴と言えるでしょう。
そして「特定の分野を極めた」スペシャリストが多数そろっているため、高度な内容の案件にも対応でき、それらのスペシャリストに接していることで、クリエイターとしてのスキルを高めやすいというメリットがあります。また、そういうスペシャリストのアシスタントを務めるうちに専門能力が磨かれ、将来は自分も何らかの分野のスペシャリストになるというキャリアプランを描くことができることも、また一つのメリットと言えるでしょう。
大企業ならスケールの大きな仕事に携われるチャンスがある
大企業の顧客は大企業ばかりとは限りませんが、組織が大きいだけにスケールの大きな仕事に携わるチャンスが多いのは事実です。誰もが名を知るような有名企業の案件にも携われることは、スキルアップを望むクリエイターにとっては、間違いなくメリットでしょう。
そして、様々な分野の専門家が力を合わせ、高度で複雑な仕事をやり遂げる。そういう場に身を置くことで、自分のスキルもおのずと磨かれていくと考えられます。
将来キャリアアップのためさらに転職する際にも「○○という大企業に在籍していた」という経験が、次の転職の成功を後押ししてくれるかもしれません。
ベンチャー企業で働くメリットとは?
ベンチャー企業なら実力次第で頭角を現すチャンスがある
ベンチャー企業の多くは急成長を続けている会社でしょう。どんどん新しい社員が増え、バックボーンが異なる中途転職者もあなたの後から入社してくるに違いありません。
そういう環境では、仕事の進め方のスタイルも日々変化しているはずです。クリエイターは実力勝負の世界ですから、実力さえあれば、入社してから日が浅くても頭角を現すチャンスが巡ってくるでしょう。一人ひとりの実力にスポットが当たりやすいベンチャーならではメリットと言えます。
ベンチャー企業では「今まで会社として経験したことのない分野の案件」にチャレンジする機会も多いはずです。そういう際に自分のこれまでのキャリアやスキルを生かすことを期待されて採用されたのでしょうから、大きな案件の責任者となり、責任に応じたポストに就任することも夢ではありません。
さらに、会社が順調に成長を続ければ、将来は大企業となり、幹部として働くかもしれないという点では、すでに会社の規模があらかた定まり、安定した経営を行っている大企業よりも高い可能性が期待できるしょう。
ベンチャー企業ならゼネラリストとして成長できる環境がある
大企業の場合、それぞれの分野のスペシャリストがそろっており、経験がない大仕事をいきなり新人に任せるといったことは少ないでしょう。
しかし、ベンチャー企業の場合は人材も限られており、場合によっては一人が何役もこなさなくてはならない仕事を担当することもあります。慣れない作業に戸惑うこともあるかもしれませんが、こうした経験が自分の仕事の幅を広げることができます。
例えば、クリエイターの世界では「プロデューサー」というポジションがあると思います。
Webプロデューサーであれば、案件の最終責任を負い、その案件を実行するうえで「ヒト・モノ・カネ」のすべての管理を行います。Webプロデューサーはその案件に必要とする多くのWebディレクターやWebデザイナーなどのスペシャリストを束ね、色々なことを決定していきます。
また、ゲームクリエイターであれば「プログラムのことは何でもわかるが、キャラクターデザインのことなどはまるでわからない」「ゲームをヒットさせるためのプロモーションの進め方をまったく知らない」ということではプロデューサーは務まらないということになります。
こういう場合は「個々の専門性についてはスペシャリストに譲るが、自分は全体的な流れを把握しており、案件が俯瞰できる」といった「ゼネラリスト=普遍性の高い人材」の方がプロデューサーに適しているといえます。
ベンチャー企業は、大企業に比べてスケールの大きな仕事に携わるチャンスが少なくても、その分、仕事の全体の行程に携わるチャンスは大きいといったメリットがあります。
上述のように「将来はプロデューサー的な働き方がしたい」というクリエイターであれば、ベンチャー企業を目指す理由は十分にあると言えるでしょう。
まとめ - キャリアアドバイザーから一言コメント
そうした中で、自分はどう立ち回っていくか、ここを考えていけるクリエイターを、企業の採用担当は探しています。それは裏を返せば、流されるだけの受け身の人材を求めていないという、クリエイティブ業界の厳しい現場の声を反映したものでもあります。
今回は、大企業とベンチャー企業のメリットを比較してみました。それぞれの特徴を踏まえたうえで、クリエイターとしての特性やキャリアプラン、将来的に希望する働き方などを考えて、どちらへの転職が自分にふさわしいのかをじっくり検討し、転職希望先を絞り込むことが大切です。
ベンチャー企業のスピード感の中で立ち回る能力も、大企業で巨大な規模の案件を回す能力も、どちらも強力な武器です。問われるのは、その武器を、あなた自身がどう使い、どう活かしていくのか、という点。その答えには「発想力」と「転職への覚悟」が現れます。受け身ではなく「攻め」の意識で行動し、今後、さらに現場から求められる人材へと成長していきましょう。