クリエイターの転職活動に自己分析は意味あるのか?その必要性を考える
新卒での就活の際に、自己分析の大切さについて学んだ人は多いと思います。この自己分析、実は就活の時よりも、むしろ転職活動の時の方が重要な意味を持ちます。
それは、「なぜ転職したいのか?」「なぜ前の会社で働き続けることを選ばなかったのか?」「なぜ転職先にこの会社を選んだのか?」という一連の質問に対し、就活の時よりも、実務経験者の社会人として、より採用担当者を納得させる説明をしなければならないからです。そして、クリエイターのように、自分の感性やセンスをビジネスに活かす職種では、なおさら自己分析は意味を持ちます。
それでは、クリエイターとして行う「自己分析の意味」とはどのようなものかについて考えてみましょう。
そもそも転職活動に、なぜ自己分析は必要なのか?
転職活動では、まず自分がどんな会社で働きたいのかを決め、企業研究によって候補となる会社を選び、応募するという作業を行っていきます。
そして、応募書類が選考を通過すれば、一次面接、二次面接、役員面接が行われます。これらの面接では、以下のような様々な角度から、必ずといっていいほど質問をされます。
- 自分の仕事観
- 自分の強み(長所)や弱み(短所)
- 前の会社を辞めた(辞める)理由
- この会社を選んだ志望動機
- この会社でやりたい仕事やチャレンジしたい仕事
- この会社に入ることによって自分が会社に与えられるメリット
こうした質問に対して、矛盾なく説得力のある回答をしながら自分をアピールするためには、いきなり具体的な質問の一つ一つに、個別の回答を用意するのではなく、まずは「自分はなぜ転職したいのか?」「転職することによって、どんなクリエイターへと成長したいのか?」「自分がクリエイターとして、本当に実現したい最終的な目標とは何なのか?」といった、自己に対する掘り下げが間違いなく不可欠となってくるのです。
そうすることによって、以下のような一貫性のある具体的な説明が、自然とできるようになってくるでしょう。
自分は○○を実現したいと思い、現職ではそれが実現不可能なため、転職を決意しました。○○という企業文化を持ち、○○に関するスキルを必要とする御社が、自分にもっともふさわしい職場だと考えました。自分の○○というキャリアが御社の○○事業に○○の形で貢献できると確信しています。
いかがでしょうか?もし、どんな角度からの質問にも、このように回答をすることができたら、面接担当者にも、自分の意志が明確に伝わるはず。
このようなことから一般的に、「転職活動を始めるにあたって、会社選びにも、応募書類の作成にも、面接対策にも、まずは確固とした自己分析が必要」と言われ、そこに、「自己分析の意味」があると言われているのです。
自己分析は、クリエイターとしての「最終的な目標」を明確にすることで、初めて意味を持つ
クリエイターの原動力はやはり「創作意欲」ではないでしょうか。作品として形が残る分野であれ、目に見えない形での創造性が要求される分野であれ、仕事に対して「自分はこれがやりたい」という強い意欲がなくては、会社に貢献できる人材にはなれないでしょう。
このため、意味のあるクリエイターの自己分析をするためには、「本当に自分がやりたいこと」とは何なのか、その最終的な目標を深掘りしていく必要があります。
例えば、同じゲームクリエイターでも、「架空の世界をどこまでもつくり込んでいくのが好き」「派手な必殺技の爽快感をどこまでも追求したい」「テトリスのような世界的定番ゲームを考案したい」と、様々な思いがあり、最終的な目標は人それぞれに異なるはずです。
ゲームクリエイターとなった最初のきっかけは「大好きなゲームに、何らかの形で関わりたい」という純粋な思いだったかもしれません。しかし、クリエイターとして実務を経験してからの転職では、さらに自分を深く分析・追求した目標を語れるようになっておくべきでしょう。これはどんなジャンルのクリエイターにでも共通して言えることです。
自己分析ができていると何が違うのか?
クリエイターとして「最終的な目標」が定まっていれば、仕事を通じて、その目標に近づける会社を選ぶことができます。自己実現のために今の自分に欠けているスキル、例えば企画力、リーダーシップ、マネジメントスキルなどを身につけられるポジションを希望するといった段階的で継続性のある中間目標設定も可能になるでしょう。
これは「ただ職場環境や労働条件を変えるための転職」という話だけにとどまりません。今後、自分がクリエイターとしてどのようなキャリアを積んでいくのかという中長期的なビジョンを持ち、そのビジョンに向かって前進できる、「意義深い転職」を実現するために必要不可欠なことです。
まとめ
今回は、クリエイターの転職でなぜ自己分析が必要なのか、自己分析はどんな意味を持つのか、について考えました。具体的な自己分析のやり方については、「他職種にはないクリエイターの転職ならではの自己分析のやり方とは?」で詳しく述べていますので、そちらもあわせて読んでみてください。