転職時に年収交渉はできるの?正しい給与交渉のタイミングやコツ、言い回しを知ろう

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年収は、転職先の企業選びにおいて重要な指標のひとつです。しかし、いざ年収の話となると、企業側の心証を害するのではないか、そもそも年収交渉は可能なのかと悩む人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、年収交渉のコツやタイミング、実際の年収交渉で使える言い回しの例文をご紹介します。年収交渉に関するよくある質問についてもキャリアアドバイザーが解説しますので、ぜひ参考にしてください。

キャリアアドバイザー プロフィール

K.Saito

K.Saito

Web・ゲーム・IT業界を中心に、事業会社のWeb部門や広告代理店など、クリエイティブ業界全般を担当。業界に特化した転職支援実績やノウハウで、キャリア設計や転職活動のプランニングをサポートできるのが強み。求職者の理想を叶える転職支援は、自分の使命だと思っている。

転職時に年収交渉をしてもいい?

年収交渉に対して「印象が悪くなるかも」「合否に関わるかも」と心配する方は多いかもしれませんが、結論から言うと、転職時の年収交渉は可能です。

ただし、年収交渉によって、必ずしも年収がアップするわけではありません。「交渉で年収アップが期待できる場合」と「交渉しても年収アップがあまり期待できない場合」について、それぞれのケースを見ていきましょう。

年収交渉で年収アップが期待できる場合

以下、年収交渉を前向きに検討してもよいケースをご紹介します。

現職の年収が低すぎる場合

現職の年収を、求人票の年収レンジやWeb検索などで調べた相場と比較して低すぎる場合、年収交渉による年収アップの望みがあります。

企業のニーズにあったスキルがある場合

同業種同職種への転職で即戦力となる場合、あるいは映像業界からゲーム業界へ、といった企業のニーズに合う異業界での経験などがある場合、年収交渉による年収アップの可能性が高いです。

業績のいい企業へ転職した場合

需要拡大の影響から業績が上がっているゲーム業界や、新規事業立ち上げのため人員を補充している企業など、業績のいい企業へ転職した場合、現職と変わらない業務内容やポジションであっても、年収アップが期待できるケースがあります。

年収交渉で年収アップが期待できない場合

以下、年収交渉には慎重になった方がよいケースをご紹介します。

未経験からの転職だった場合

未経験の業界や職種へのキャリアチェンジの場合、もしくは経験が浅くポテンシャル枠での採用である場合、年収アップは厳しいかもしれません。

水準以上で相場から大きく外れた希望額を提示した場合

業界の相場・現職の年収よりも大幅に高い年収額を提示しても、特別な実績やスキルなどがない限り、希望通りになる可能性は低いです。採用する企業側にとっても、同等のポジションの現社員と、大きな給与差をつけることは難しいのです。

会社都合でそれ以上出せない場合

企業側の給与制度が固定されている場合、採用活動に際して求職者に出せる給与を決めている場合などは、特別な実績やスキルがあっても、企業の提示する年収額以上とならない可能性があります。また、同じ職種・ポジションを複数名、一斉に採用するケースでは、統一された給与体系が適用されており、年収交渉しても思い通りにはならない可能性があります。

転職時に年収交渉をするタイミング

企業に対して年収の話をするのは気まずい、と感じる人も多いのではないでしょうか。交渉のタイミングは悩みどころといえます。

ここからは、年収交渉をするタイミングについて確認しましょう。

年収交渉は内定後が基本

年収交渉は内定後が基本

年収交渉を行うタイミングは、基本的に内定後がおすすめです。選考を終えた状態であれば、気持ちに余裕を持って、年収交渉を進めることができるからです。

ただし、内定承諾書を提出した後だと、年収交渉はできません。年収含め、企業が提示した条件に合意したことになるからです。内定後、もしオファー面談を設定することができたら、そのタイミングで年収交渉をするのがいいでしょう。またその際、面接官から希望年収額に関する質問や確認があったタイミングに交渉できると、よりスムーズです。

年収交渉で押さえておきたい2つのポイント

年収交渉を行う際は、年収アップに繋がるように根拠や金額の妥当性をきちんと伝えます。また、年収交渉によって悪い印象を残さないために謙虚な態度で臨みましょう。具体的には、希望する年収を、理由も含めてロジカルに伝えること。そして、角の立たない言い方を心がけることが大切です。

ここからは、年収交渉の際に押さえておきたい2つのポイントについて知っていきましょう。

Point1

年収交渉はロジカルに

年収交渉における大まかな流れは、以下の2ステップとなります。

  • 現職の年収と希望年収額を伝える
  • 希望額の根拠を伝える

特に重要なのは2番目の「希望額の根拠を伝える」部分です。希望年収額をただ伝えるだけでなく、希望の理由や裏付けといった交渉材料を、事前に準備しておきましょう。これによって、提示する希望年収額に説得力が生まれ、年収交渉を実現することができます。

Point2

年収交渉は謙虚な態度で

年収交渉において金額の根拠や妥当性をロジカルに伝えることは大切ですが、それによって傲慢な印象を与えるのは避けたいところです。そこで、年収交渉を行う際は謙虚な態度で臨むことも重要になります。「どうしても年収を上げたい」という気持ちが強いと、前のめりな姿勢となり、企業担当者によくない印象を与えてしまう恐れがあります。

このように企業担当者によくない印象を与えないためにも、謙虚な態度が伝わるような言葉遣いも重要です。たとえば「御社の規定に従いますが」と断ってから、希望年収額を伝えることは、どのようなシチュエーションにおいても有効です。

年収交渉で使える!覚えておきたい言い回し例

ここからは、年収交渉におけるさまざまなシーンで使える言い回しの例をご紹介します。状況に応じて使い分けて、企業担当者とのスムーズなコミュニケーションを実現しましょう。

希望年収を聞かれた場合

企業担当者に「希望年収を教えてください」などと聞かれた場合の言い回しは、以下の通りです。

希望年収を教えてください。

【例文1】
御社の規定に従いますが、現職の年収が○○万円なので、これと同額でご検討いただけますと大変嬉しく思います。

【例文2】
現職の年収が○○万円でしたが、相場と比較しても○○万円ほど低い金額です。あくまでも御社の規定に従いますが、相場に照らした年収額をご検討いただけますと幸いです。なお、前職では○○を達成しており、この経験を御社の業務でも活かせると自負しております。

【例文3】
現職で昇級する予定であり、その場合の年収が○○万円でした。御社の規定に従いますが、○○万円以上を希望したく思います。

【例文4】
副業を含めた年収が○○万円です。あくまで希望ですが、副業をやめて、御社の業務に専念したいため、ご検討いただけますと幸いです。

希望に満たない年収を提示された場合

企業担当者に「弊社では○○万円からのスタートです」「当社では○○万円しか出せませんが問題ありませんか」など、希望に満たない年収額を提示された場合は、昇給のためにはどうしたらいいか、どんな成果を出せばいいかといった、前向きな姿勢を示した聞き方をするとポジティブな印象を与えながら年収交渉をすることができるでしょう。具体的な言い回しは、以下の通りです。

弊社では○○万円からのスタートです。

当社では○○万円しか出せませんが問題ありませんか。

【例文1】
御社の規定に従いますが、入社後にどのような成果をあげれば、評価に繋がりますでしょうか。

【例文2】
御社の規定に従いますが、現職と同額の○○万円を目指す場合、入社後にどのような成果が求められますでしょうか。

逆質問でこちらから年収交渉を切り出す場合

面接の最後に設けられた逆質問のタイミングで、こちらから年収交渉を切り出す場合は、はじめに固定給制度なのかインセンティブの割合が多いのかといった、大まかな給与体系について、業務内容と併せて質問しておくと、スムーズに年収交渉へ繋ぐことができます。逆質問を通じて、こちらの希望金額を伝える言い回しは、以下の通りです。

何か質問はありますか。

【例文】
御社は固定給で年収○○万円とのことですが、御社の次に志望していた企業から○○万円のオファーがあり悩んでおります。
私としてはぜひ御社でお仕事ができれば幸いなのですが、年収についてご再考いただくことは可能でしょうか。

転職エージェントが答える!年収交渉に関するよくある4つの質問

ここからは年収交渉についてよく聞かれる「4つの質問」をピックアップし、キャリアアドバイザーが回答していきます。

Q.1嫌味なく年収交渉するには、だいたい何%UPくらいで伝えるのが相場なのでしょうか?

パーセンテージではなく「現職+50万円程度」で伝えるとよいでしょう。

これは転職によってキャリアアップし、さらに年収アップを実現した方の提示金額の平均です。あくまでも平均値ではありますが、この「+50万円程度」という相場の感覚は覚えておくといいかと思います。

Q.2年収交渉での失敗事例はありますか?

スキルに見合わない希望年収額や給与テーブルを無視した大幅な年収アップ、相場とかけ離れた希望年収額を提示しても、交渉はうまくいきません。

また希望年収額の根拠や裏付け、交渉材料もないまま、ただ一方的に希望年収額を伝えても、企業の心証を害する恐れがあります。

Q.3年収交渉をメールで行っても大丈夫ですか?

メールでの年収交渉は、あまりおすすめできません。

メールは、文面のみのコミュニケーションのため、淡泊な印象を与えてしまう可能性があるからです。態度や細かいニュアンスが伝わらない恐れもあるため、やはり年収交渉は表情やジェスチャーが見える対面の方が理想的ではあります。

そこで年収交渉において、メールは「面談を設定してもらうための手段」として利用するとよいでしょう。

年収交渉したいという内容ではなく、社員の方とコミュニケーションしたいという内容でメールを送り、設定してもらった面談の場で、年収についても触れると、スムーズに年収交渉することができます。

Q.4年収交渉は転職エージェントを使ってもできますか?

年収交渉は転職エージェントができることの1つです。

年収交渉で転職エージェントを使うメリットとしては、企業の求人募集の背景を把握しており、個別のケースごとに「年収交渉をするべきか」「最適なタイミングはいつか」がつかみやすく、年収交渉がスムーズにできることです。

転職エージェントを利用すれば必ず年収交渉が成功するわけではありませんが、転職エージェントを使って転職活動するなら、ぜひ年収交渉についてもご相談ください。

年収交渉はタイミングと根拠と謙虚な姿勢が大事

転職時の年収交渉は可能ですが、企業側にマイナスの印象を与えないためにも、さまざまな準備と心配りが必要です。また、細心の注意を払って年収交渉に臨んだとしても、必ず年収が上がるとも限りません。

できるだけスムーズに年収交渉を行い、納得のいく転職をしたいという方は、転職エージェントに年収交渉を代行してもらうのも手です。ぜひ転職エージェントのご利用をご検討ください。

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