転職に最適な時期とは - 転職活動を始めるベストなタイミングを知る

日本での働き方に対する考え方が雇用する側、される側、ともに変わってきていることは既に皆さんも実感されているでしょう。むしろWebやゲームなどのデジタルな領域で活躍するクリエイターは、一つの企業が用意する環境にとらわれず、より自由に自らの可能性を積極的に拡げる傾向にあるのがこの業界の特徴であり、そこで働く醍醐味です。人材の流動化が進み、今の転職市場は年間を通して動きがある状態です。
それでも新卒採用を終えた4〜5月と半期の節目である9〜10月には更なる活況になると言われ、この時期に照準をあわせて転職活動をスタートする人が多い傾向にあります。クリエイターの転職において転職時期がどのように関わってくるかを考えていきましょう。
目次
転職市場の一般的な動向を押さえよう
多くの企業では、4月入社に向けて新卒採用を行います。中には中途採用と新卒採用を全く別の人員でおこなっている企業もありますが、多くの企業ではどちらも重複して人事の採用担当がおこなっているのが一般的です。そうすると、採用の過程が全く違う中途採用は、新卒採用と違う時期におこないたいというのが、人事担当者の本音です。また人員の配置計画も定期の新卒採用をおこなっている大手ほど、新卒の配置が固まったところで、各所の補強のために中途で即戦力を採用するのが基本です。だからこそ各企業が中途採用のペースアップをするのは新卒の採用が終わった4月〜5月といわれているのです。
また転職者から見ても、4月は年度の切れ目であり退職から転職という流れがつくりやすい時期なのはいうまでもありません。また5月は新年度がはじまったばかりではありますがゴールデンウィークがあることから一旦仕事から目を離すことができるタイミングでもあります。年度終了と同時に3月中に退職し4月に転職活動をおこなう人、あるいはGW中に腰を据えて情報収集をおこない、休み明けから本格的に転職活動をおこなうという人が多いのです。企業もこの状況を把握していて、多くの人材に出会うことができるこの時期に、積極的に中途採用を展開しています。
次の中途採用のチャンスとしては上半期が終わり、下半期が始まる9〜10月です。採用が増えるのは、年度途中で立ち上げる新規プロジェクトなどがこの時期に集中しやすいため、人材を確保することが目的と考えられます。こうした傾向は、職種別ではなく企業単位でみられるため、Web業界やゲーム業界だからといって特に採用時期が異なるわけではないでしょう。
日本企業の一般的な採用時期
それでは4〜5月、9〜10月以外の時期には中途採用のチャンスはないのでしょうか。人材の流動化、転職市場の活性化はここでも影響しており、最近はあえて採用時期を限定せず、年間の採用枠の範囲内で随時採用する企業も増えきました。また、欠員に対応するための募集など、企業それぞれの事情によって募集は起こります。
年度を通して募集をおこなっている場合なら前述の新卒採用の佳境期を避けた方が人事担当から応募をじっくり検討してもらえる可能性が上がります。一方で、年度の途中でニーズが出た場合は、時期に関係なく募集を急いでいる可能性が高いです。自分の志望する企業で募集内容とマッチングするなら、時期・タイミング云々よりもまず応募してみることが肝心でしょう。
クリエイター業界の転職傾向を知る
次は年間の転職時期ではなく、人生の中で転職にふさわしい時期について考えてみましょう。業界・職種・企業規模を問わず、転職に強い年齢層というのは存在します。具体的には20代から30代前半、その中で最も転職に有利と言われている24〜29歳までの5年間です。新卒から働きはじめ、定年がおよそ65歳と考えれば、社会人として働く期間はおよそ40〜50年ほど。その長い仕事人生において、転職に有利なのは就職初期のたった5年間とされているということなのです。
今後さらに日本の企業の形が変わっていき、人材の流動化がさらに進めば、この傾向は徐々に解消されていくと思われます。しかし大手といわれる成熟企業ほど中途採用は若年層主体の傾向が強く、現在の転職市場全体においてもこの傾向がいまだ残っていることは否めません。
クリエイターの転職市場における実情
それでは、クリエイター業界の転職傾向はどうでしょうか。特徴としては他業界よりも全年齢における人材の流動性は高いといわれています。それは以前からクリエイティブが個人の感性やスキルによる専門的・属人的な仕事と考えられており、成果を示せればクリエイターの意志による転職は比較的容易だったからです。独立・起業も活発な業界で、それだけに小規模であっても大手クライアントと直接取引をおこない、ビジネス的に成功している企業も多数存在しています。
またクリエイターの中でもWebやゲームのデジタルコンテンツを扱う業界に限定してみると、近年急速に成長した業界でもあることから、終身雇用という概念がそもそも希薄で、人材の流動性はさらに高くなっています。しかし、そんなデジタル業界であっても大手の広告代理店や、マスメディアなどの企業のデジタル部門、それが分社化された企業では、従来の「若年層の採用」を重視する傾向が根強く残っている場合があり、応募する企業にその傾向があるかどうかを把握しておくことも重要となります。
デジタルリテラシー・マーケティング力重視のデジタル業界
デジタル業界ではベンチャー性の高い新進企業の中にも有力な企業が続々生まれています。その成長性から増員も活発で、新しいフィールドで活躍したいと考える転職希望者にはチャンスが多いと考えられます。しかしこれらの新進企業は、デジタルマーケティングの発想によって運営されている場合が圧倒的に多いです。クリエイティブにおいて専門的・属人的なスキルよりも、デジタルリテラシーともいうべき、ユーザーとのインタラクティブによって得られたデータを活用できる資質が求められています。さらにこれらの新進ベンチャーは社員構成だけでなく経営陣自体が若い年齢層であることも多く、採用されやすい人材も、自然と若年層が中心となっています。
これらの状況を総合して考えると、クリエイターの転職に関して有利な年齢層はやはり24〜29歳までの転職ホットゾーン。しかし今後は産業構造の変化や新進ベンチャーの安定成長と継続によって、さらに30代、40代へと人材流動の機会は広がり、そのスピードは他業界を上回ると考えられます。特にデジタルコンテンツの世界は今、激変期を迎えており、これに向けて転職市場は大いに活発になっていくことが予想されています。
クリエイター業界の現状のポイント
- 終身雇用制が崩れる=今以上に人材の流動化が加速する
- デジタル業界の激変期到来=ニーズ増で転職しやすい環境
自らのライフステージで転職タイミングを考える
若年独身期の転職
自分自身のライフステージも転職と退職のタイミングに大きく影響してきます。自由が効き、経済的にも収入に応じて節約などの対応が可能なのが独身時代です。特にクリエイターの業界では、若手の独身時代にスキルを身に付けるため、思い切った形で仕事重視のライフスタイルを取っている人が多いのも現状です。それだけにクリエイターは、1年、2年のキャリアの差で身に付けられるスキルの差も大きく、個人によって実力にも開きがあります。
転職のタイミングという意味で考えると、クリエイターにとっても売り手市場で有利に転職が進められる期間です。しかし注意すべきは、年齢だけ、身軽さだけを評価されて採用されてはいけなということです。若手クリエイターといっても実力は様々で、苦労して身に付けたスキルを正当に評価されず、若さや企業の適応性のみを評価され採用されてもステップアップにつながりません。自己分析を十分におこなって、自分の可能性を拡大していける転職先の選定が重要になります。また若手クリエイターの転職においてもう一つ大きな問題となるのが転職の意思はあっても仕事に追われて行動に移せないという状況です。当然この時期は在職企業からの慰留も強く、退職・転職はある程度仕事が落ち着くまでと考えていて気がつけば中堅社員にというのは実によくある話です。
結婚・出産、家族ができてからの転職
転職タイミングにおいて結婚・出産が大きな意味を持っていることはいうまでもありません。特に出産は女性にだけ影響が大きいと考えられがちですが、出産・育児の間の十分な経済的バックアップを担当すると言う意味で、男性の役割もそれまで以上に大きくなります。結婚から出産の一連の流れは、「個人の生活がベース」のライフスタイルから「家族の生活がベース」のライフスタイルへ変化する大きな転換期でもあるのです。
現在では20代で結婚する人もいれば30代・40代、あるいはそれ以上で結婚する人もいます。昔は「既婚男性の安定性」などをメリットと考える企業もありましたが、ライフスタイルが多様化する現在ではそれもほぼなくなりました。企業側から採用の可否を判断する際、女性の出産のタイミングを考慮することはあっても、既婚か未婚かを大きな問題として取り上げることはありません。スキル・キャリアと年齢とのバランスが重要視されています。しかし転職者は既婚であったり、扶養家族があったりする場合は、パートナーや家族を支える責任があります。独身期の転職の考え方と、結婚してからの転職の考え方は当然違ってきます。既婚者の退職と転職には独身者以上の慎重さと確実さが求められるのです。
高キャリア、マネージャー、管理職クラスの転職
30代後半から40代以上の転職状況を見ると、人材の流動化により活発化しているとはいえ、若年層と同じというわけではありません。30代以上のクリエイターの転職には、企業が求めている専門性の高いスキルやチームを率いてプロジェクトを成功に導くディレクション力、マネジメント力が必要です。クリエイターの場合その専門性の高さゆえ、仕事内容自体も細分化されていて、A社で通用したスキルだからといってB社でも通用するとは限りません。それだけに適応力を期待できる若年層の採用よりも、高キャリア、マネージャークラスの転職には、更なる精度が要求されるのです。パズルの最後のピースがはまるような企業と人との出会い。高キャリアの転職にはそんな幸運によってはじめて成功する場合もあります。
ライフステージで考えれば、既婚者の割合が高くなり、子どもの教育や両親の介護の必要性などによって経済的負担が高まっている時期でもあります。積み重ねたキャリアによって、業界全体の動向や、自ら現状のポジションに対する評価、退職・転職を含めた将来へのビジョンもしっかりイメージできているのがこの世代のクリエイターでしょう。家族や社会的立場を考えれば収入を落とすことはできません。それだけに退職・転職のハードルは自ずと上がります。逡巡したあげくに現状維持のために転職を諦める。この世代ではそんなケースが多いのも事実です。いかにして自分とのマッチングの高い転職先を見つけられるか。高キャリアのクリエイターの転職はまずこの点が重要です。そして在職企業での役割が増しているだけに、退職に関しても相応の配慮が必要です。高キャリアの人は情報を持っている分、何ごとも一人で判断しがちですが、より客観的な情報やアドバイスを得るために、ある意味若年層以上に転職エージェントの活用が有効なのです。
クリエイターの転職タイミングとライフステージ
※年齢・経験年数は他業界・他職種と大きな開きはないが、クリエイターの人材の流動性は全体的に高い。
採用時期と退職時期のタイムラグに気をつけよう
ライフステージにおける転職時期が選択できたら次は退職するタイミングを考えて行かなければなりません。年間を通して退職者が多いのは、ボーナス支給後の8月と12月と言われています。ボーナスを受け取ってから退職したいという人が多いのは、退職後の生活を支える意味では当然です。しかし企業にはそれを問題視する採用担当者がいる可能性もあることから、敢えて選択すべきタイミングとはいえません。退職後に転職活動期間をおく場合は、ボーナスにだけに頼らず、十分な生活資金を用意しておけることが理想です。自身の退職から転職先企業の入社まで、どのような過程がありどのくらいの期間が必要かをシミュレーションしておきましょう。
採用時期と退職時期のタイムラグ具体例
WebデザイナーAさんの場合【転職活動期間…約3ヶ月間】
12月 | 退社したのち、転職エージェントに登録 |
翌年1月 | 6社に応募書類提出し、3社で面接まで進行 |
2月 | 2社内定 |
3月 | Webプロダクションに入社 |
Aさんの場合、年末をもって退社し年明けの仕事初めから本格的に転職活動を開始しました。2ヶ月間で志望企業の2社から内定を獲得し、3月に内定というのは退職してからの転職としてはほぼ理想的な展開です。
実際Aさんは用意した転職期間中の生活資金をほぼ手をつけずに次の仕事に就くことができました。しかし転職後、通勤の便から転居を検討中で生活資金は転居費用に充当されることとなりました。仕事を変えるためにはタイムラグだけでなく自分が行動するための費用も捻出できなければなりません。
ゲームプランナーBさんの場合【転職活動期間…約9ヶ月間】
5月 | 在職のまま転職活動開始し、転職エージェントに登録 |
9月 | 12社に応募書類提出し、5社で面接まで進行 |
11月 | ソーシャルゲーム運用会社に内定し、すぐに在職会社に退職を申し出るが引き継ぎ期間が必要 |
翌年1月 | 前職を退社 |
2月 | ソーシャルゲーム運用会社に入社 |
Bさんは配偶者と子どもの家族がいるため、転職活動中に収入が途絶えるのを避けなければなりませんでした。そこで転職先が決定してからの退職を選択し、仕事と並行して転職活動をおこないました。生活資金の心配がいらないことから時間をかけて応募企業を選択することができたのですが、転職を希望する企業から内定を得て、在職企業を退職するための期間でさら2ヵ月が必要となりました。
自分に合った転職方法を見つける
Aさん、Bさんの具体例は、退職してから転職先を探すか、転職先を見つけてから退職するかの典型例といえるでしょう。それぞれのメリット、デメリットを見極め、どちらの方法が自分に合っているかをよく検討して自分の転職のスタイルを決定していきましょう。転職はあなた自身だけでなく、転職先企業と退職する企業の3者によって初めて成立するものです。決して自分の都合だけですべてが進むと考えてはいけません。それぞれの立場を考えて、粘り強く交渉、調整していくことが大切です。
Web・ゲームクリエイターのような専門職は、転職活動を始めるタイミングに注意が必要
事務職や営業職のような転職先の業種に幅がある職種では、異業種や近隣業界への転職を検討することもできますが、Web・ゲームクリエイターは専門性が高い職種のため、転職でも同業他社をターゲットとする確率が高くなります。
その場合、例えばWebクリエイターの場合だと、企業サイトのニーズが集中する時期など、業界全体としての繁忙期・閑散期の波があり、「A社が忙しい時期はB社もC社も忙しい」という傾向がみられます。これはWeb以外の他のクリエイティブ業界でも、業種ごとに共通する傾向です。このため「一連の中長期プロジェクトが一段落してからじっくり転職の準備をしよう」と考えていても、その時期は、同業他社も一段落しており、採用ニーズが低いという可能性が高いのです。
前述の「退職してから転職活動する」か「転職先を決めてから退職する」という選択においても、プロジェクトの周期という考え方が必要となってくるでしょう。クリエイターの視点で国内のマーケットを見ると、プロジェクトの規模は数ヶ月から半年のスパンのもの、1年超のものと様々ですが、プロジェクトの立ち上がりが春に集中しているのは業務経験者なら実感しているはずです。
1年間のプロジェクトの流れ
上記の図を見ていただけばわかるとおり、1年間の中でプロジェクトの切れ目が集中するのは2月〜3月、次いで9月から10月。短期プロジェクトならば年間を通して常にニーズがあると考えられます。このタイミングで重要なのは、あなたが次に取り組みたい仕事がどのスパンに当てはまるかで考えることです。年間を通じての大規模プロジェクトへの参加を狙うなら、やはりその準備期間に相当する2〜3月以前に退職し、プロジェクトスタートの段階でメンバーに入っていなければなりません。6ヵ月スパンのプロジェクトならなら8月〜9月以前の可能性も考えられます。
つまり、半年、1年の長期スパンのプロジェクトに参加する場合、その準備期間もしくはその前に応募企業にアプローチしておかなければならないということです。在職企業のプロジェクトの切れ目を狙って退職するには、事前に転職先を確定しておくか、在職企業を退職した上で期間をおくことになっても転職先の次期プロジェクトのメンバーに採用されるしかありません。あなたの転職と退職のタイミングには、あなたが次に取り組みたいプロジェクトの期間も密接に関わってくるのです。
転職時期と退職のタイミング
人生における転職時期は在職中の企業を退職するタイミングと密接に関係してきます。在職の方ならわかるとおり、働く者にとって退職を言い出すタイミングはとても難しいはず。それは退職が、仕事上のメリット・デメリットだけでなく、それまでの人間関係、人の感情面にも大きく影響を与えるものだからです。
会社は機械ではなく、人は歯車ではありません。だからこそ、会社が一体となって事業を推進するには、全体のモチベーションが大切です。退職者が出るということは、その人物に関わるメンバーに欠員を補充するまでの負担が増加するということ。そして会社全体のモチベーション低下につながりかねないということも承知しておきましょう。会社にとって退職者を慰留するのはいうまでもなく自己防衛の手段です。
労働者の権利として、退職の自由が保障されています。しかし、人と人とのつながりがあってこそ成立しているのが社会やビジネスです。もしあなたが何の配慮もなく一方的に退職しようとすれば、当然会社はそれを容認できない状況をつくってしまうのです。転職者は退職する会社への影響を最小限にとどめることを目指さなければなりません。
転職者が退職する企業に与える影響
業務上の支障
- 会社が業務遂行のためのリソースを確保できない
- 属人化していて、引き継ぎ不能の業務がある
- ポジションにより指揮系統に断絶ができる
人間関係、感情面の支障
- 周囲のメンバーから退職者に向けられていた期待が裏切られる
- 仕事を通じて社内外でつくりあげていた人間関係が損なわれる
- 上司、先輩、同期、部下、後輩など対人的な感情に影響する
退職によって起こる様々な支障に最大限の配慮することが大切です。
また実際に転職体験者に転職時で困ったこと、苦労したことなどを尋ねてみると、やはり多いのが退職企業からの理解が得られないために起こる退職時のトラブルです。また、転職を断念した人にその理由を尋ねてみても「退職する時期を逸してしまった」という理由を上げる人も多いのです。このことからも転職タイミングを決める要素に、在職中の企業をいかにスムーズに退職できるかということが大きな問題であることがわかります。
退職時のトラブルと転職を断念した理由
退職時のトラブル例
- 転職活動前に退職を決意したが上司からの強い慰留にあい、結局1年半も退職を遅らせることになった
- 転職先で内定を受けた直後、なぜか在職企業にそのことが知られ退職までもめた
- 退職願をなかなか受理してもらえず、予定していた退職時期から半月ほど遅くなった
転職を断念した理由例(退職関連)
- 突然管理職を任され、身動きが取れなくなった
- メンバーに病気休業者が出て、自分ひとりが転職できる状況でなくなった
- 希望していたポジションに異動が叶い、在職企業での将来の展望が開けた
戦力として期待されている人材であればなおのこと、在職企業からの慰留は強くなります。また上記のように、「管理職を任された」「病気休業者が出た」などの突発的な理由でやむを得ず転職を断念したという人もいます。正社員として企業で仕事をしている以上、実際には「退職に適した時期」が存在しないことも確かです。
働く者としてできることは、プロジェクトの切れ目や、指導中の後輩、部下のひとり立ち、後任者への引き継ぎの完了など、できるだけ会社の業務に支障を来さないタイミングで退職すること、あるいは在職企業が対応できる猶予期間をできるだけ長く設けることになります。
しかし退職が転職を目的としている以上、あなたが在職企業のために動ける時間には限界があります。そのラインを在職企業と十分協議し了承を得ることが、退職をスムーズにおこなうための転職者の重要な責務なのです。
まとめ
今回は経験年数や世代、ポジション別の転職について「人生における転職タイミングの見つけ方」という視点で様々なシチュエーションを検証してきました。また転職とは切っても切れない「退職」にも視線を向け、実際にイメージしやすいよう、転職者成功者や転職を思いとどまった人からも経験談をうかがっていきました。
転職には有利なタイミングと困難なタイミングが存在します。若年層のうちは自由度の高い転職が可能でもあります。しかし人のライフステージや退職できるタイミングは、決して転職に有利なタイミングと重なるとは限りません。今、転職に動くべきなのか、退職することができるのかを十分に考えた上で、満足感のある転職活動を行っていきましょう。