失敗しないカジュアル面談の服装 - 質問、逆質問、面談後の流れまで徹底解説
近年、耳にすることも増えたカジュアル面談。カジュアル、とつくだけあって、フォーマルな場ではないうえ、服装の指定がないケースも多く、何を着ていくか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カジュアル面談の経験がない方、これからカジュアル面談に臨む方を対象に、カジュアル面談時の服装について解説。さらに、あわせて理解しておきたい、カジュアル面談と通常の面接との違いをはじめ、面談時によく聞かれる質問や逆質問など、カジュアル面談の場を有意義に活用するため押さえておくべき内容を詳しくご紹介します。
目次
そもそもカジュアル面談とは?
カジュアル面談は、企業の担当者と応募者が選考前に互いを知ることができる場を指します。仕事や生活に対する価値観、働く環境などについて気軽に情報交換を行い、お互いの理解を深め合います。面接とは違い、採用者を決める選考の場ではないので、格式ばった雰囲気はありません。そのため服装も「カジュアルでOK」とされているケースが多いのです。
カジュアル面談の所要時間は30分〜1時間程度。まずは企業の担当者から会社案内や業務に関する説明があり、質疑応答をしながら互いに会話を交わしていく流れが多いです。
通常の面接との違い
初めてカジュアル面談に臨む方であれば、通常の面接とどのような違いがあるか、気になるところでしょう。両者の違いを以下の表にまとめましたので、1つずつチェックしてみましょう。
カジュアル面談 | 通常の面接 | |
---|---|---|
目的 | 企業の担当者と応募者の間でお互いの理解を深める | 企業の担当者が応募者の採用可否を判断する |
場所 | カフェなど、企業外の飲食店などで実施されることもある | 企業内に設けられた面接室などで実施されることが多い |
担当者 | 応募者が話を聞きたい部署の担当者を希望できる | 面接の段階に応じて現場担当者や人事が担当する |
流れ | 基本的には一回。企業側からより適性を活かせそうな別の部署を提案されることもある | 一次面接、二次面接、最終面接といったように、複数回面接が行われることが一般的 |
服装 | 服装の指定がなく、自由としているケースが多い | ビジネススーツが基本 |
上記の表をご覧いただいてもわかるように、カジュアル面談はあくまでも「面談」であり、選考ではありません。ただ、この「面談」と「面接」の違いについて、あまり意識していない企業があるのも事実。そのため、カジュアル面談だからと気を抜きすぎず、最低限の準備をして臨むことをおすすめします。
カジュアル面談に適した服装は?
実はカジュアル面談時の服装は、そこまで重要視されません。カジュアル面談は、私服で臨むことができるため「私服面談」とも呼ばれており、社会人として最低限度のマナーを守っていれば、服装に関するルールはあまり気にしなくてもいいのです。ただ、「ルールに縛られない」からこそ、何を着たらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、より具体的なイメージが持てるように、実例を交えながら、カジュアル面談に適した服装について、紹介します。ポイントは相手に与える第一印象と清潔感を意識することです。
一般的なカジュアル面談の服装
指定がなく、自由だからこそ迷うカジュアル面談時の服装。もし、当日に何を着たらいいのか迷ったらオフィスカジュアルを参考にしましょう。
たとえば男性の場合、テーラードジャケットとパンツを組み合わせた、いわゆる「ジャケパン」が、オフィスカジュアルの定番ファッションです。
女性の場合も、テーラードジャケットが定番で、インナーについては、品のあるシャツやカットソーなどを選ぶといいでしょう。色や柄は落ち着いた印象のものが無難です。
また、企業の雰囲気に合う服装を考えるのもいい方法です。その際は、会社のWebサイトや求人サイトに掲載されている写真から、実際に働いている人の服装・雰囲気などを確認し、服装を選ぶといいでしょう。
たとえ「カジュアル」でもスーツやネクタイは着用したほうがいい?
カジュアル面談では、季節に関係なく、スーツおよびネクタイの着用は不要でしょう。特に、普段からカジュアルな服装での業務を許可されている企業なら、男女ともにジャケットを羽織るだけでOKです。夏場であれば、ジャケットの代わりにカーディガンなどを着用してもいいでしょう。
なお、カジュアル面談において、スーツだから印象が悪くなるということはありません。オフィスカジュアルのアイテムがそろえられない場合で、なおかつ企業の雰囲気に合うならば、スーツ着用で面談に臨んでも全く問題ないでしょう。
クリエイター職でもラフすぎるのはNG。最低限のマナーを
先ほどお伝えした通り、基本的に、面談での服装はそれほど難しく考えなくてもいいといえます。ただ、普段からカジュアルな服装が許可されているクリエイター職の場合、実際には何がよくて、何がふさわしくないのか「カジュアルの認識」について判断に迷う方もいるのではないでしょうか。
前提としてビジネスパーソンとしての「最低限度のマナーや身だしなみ」は意識しておきましょう。いくら「服装自由」「指定なし」の面談とはいえ、やはり初めて会う人に対する敬意やビジネスの場であるという認識を忘れてはいけません。
マイナビクリエイターでも企業側から印象に関するフィードバックを受けることがあります。以下、実際に企業側から届いたNGな服装・身だしなみの例をご紹介します。
実際に企業側から届いたNGな服装・身だしなみの例
奇抜すぎる/個性的すぎる髪型や髪色
面談とはいえ、初対面の人と話をする場において、派手すぎる髪色は社会人としてのマナーを疑われてしまう可能性があります。髪を染めること自体はNGではありませんが、それがマイナスの印象にならないようにしましょう。
ラフすぎる服装
ジャージ、Tシャツ+短パン、サンダル、ダメージジーンズなどはNGです。フード付きパーカーもラフな印象なので避けたほうがいいでしょう。
不潔感のある身だしなみ
フケ、寝癖などがひどい髪、清潔感のない服、シワやヨレが目立つ服などは避けましょう。
濃すぎるメイク
ビジネスシーンにおけるメイクは「身だしなみ」の一部です。華美である必要はないので、ナチュラルメイクが無難でしょう。
上記のような服装・身だしなみは、企業の担当者に悪い印象を与えかねません。結果的に、服装の印象がビジネスパーソンとしての評価を下げることにならないよう、注意したいところです。
オンラインの場合、服装はどこを注意すればいい?
カジュアル面談をオンラインで実施する場合にも、服装はこれまでに紹介したように、ラフすぎる印象を与える服装や、不潔な印象を与える服装は避けましょう。また、オンラインの場合は、カメラによって顔色が悪く映ってしまうケースもあります。そのため、トップスには明るめの色合いを選ぶなど、少し意識するだけで、顔全体の印象が明るく映りやすくなります。
ほかにも、背景を選ぶ際には、あまり暗くなりすぎず、明るみを帯びた色を選ぶといいでしょう。顔や背景を加工できるエフェクトについては、基本的に使用しないのが無難です。
これらの工夫はどれも小さなものですが、オンラインという状況の中では、相手に与える印象を大きく変えるので、意識しながら臨むといいでしょう。
また、マイナビクリエイターではweb面接の準備やマナーについてまとめた記事を公開しております。カジュアル面談は面接ではありません。しかし、オンライン形式に不安がある方は、参考になる点も多いと思いますので、ぜひ以下の記事をご覧ください。
オンラインでカジュアル面談を実施するにあたり、より詳しく準備やマナーを知りたい方はこちら
カジュアル面談に履歴書は必要?
ここまで、カジュアル面談時の服装について、詳しく解説してきましたが、実は、服装以外にも「指定はないが準備しておいたほうがいいもの」があります。
その1つが通常の面接では必須とされる履歴書です。カジュアル面談の持ち物に履歴書が指定されることは少ないですが、可能であれば事前に準備しておくといいです。
これまでお伝えしてきた通り、カジュアル面談は、企業と応募者が互いの理解を深める場。そのため、互いの認識をすり合わせ「ミスマッチを減らす」ためには、自身のことを端的に説明できる資料を準備しておくことが大切だからです。履歴書以外にも、クリエイター職の場合は、実績をまとめたポートフォリオなどがあれば、これまでの経験を伝えやすくなるでしょう。
いずれにせよ、履歴書やポートフォリオを用意する、しないに関わらず、事前に経歴やスキル、資格などについてスムーズに話せるようまとめておくことが重要です。
ちなみに、履歴書をこのタイミングで作成しておけば、カジュアル面談を終えていざ選考へ応募する際にも、すぐに利用することができるので便利です。
カジュアル面談でよく聞かれる質問
前述した通り、カジュアル面談では服装も履歴書も指定がないため不安もあるかもしれません。しかし、カジュアル面談は「企業と応募者が互いの理解を深める場」ということを理解したうえで事前に準備をしておけば安心です。
たとえば、自分は働き先の企業で何がしたいのか、譲れない条件は何か、どんなキャリアパスを描いているのかなど、本音ベースでしっかり答えられるように、自己分析をしておきましょう。企業側も応募者の本音を聞きたいと思っていますし、それができるのがカジュアル面談です。
ここでは、企業が応募者との理解を深めるためによく質問する項目や、それに対して応募者はどのような視点で回答すればいいのか解説します。当日、焦らずに面談を進めるための準備としてポイントを押さえておきましょう。
カジュアル面談でよく聞かれる質問と回答のポイント
今までやってきたことについて
これまでの業務経験や実績について質問されることが多いです。企業や募集職種と一見関係なさそうな経験でも伝えてみるといいでしょう。そうすれば、企業側が伝えた経験の中から親和性を見出してくれたり、これまでの経験が企業ではどのように活かせるかなど、担当者と意見を交わすことができ、会話を深めるきっかけになります。
「今までやってきたこと」は事実であり、比較的答えやすいと思いますので、ぜひこの質問をきっかけに、担当者とのコミュニケーションを深めましょう。
今後したいこと/目指すことについて
今後のビジョンに関することもよく質問されます。自身が思い描くキャリアパスや達成したいことを具体的に答えることを意識するといいでしょう。
たとえば、現在はデザイナーで就業中だが、ゆくゆくはデザイン以外の領域にも触れつつ、ディレクター的なポジションを目指したいというキャリアプランがある場合、それを伝えることで、そもそもそういったキャリアを目指すことができるのか、目指すためにはどのようなことをすればいいのかなど、聞き出すことができます。
担当者の回答も織り交ぜながら、企業でのキャリアの歩み方をより具体的にイメージするためには、応募者側も具体的に今後のビジョンを思い描いておくことが大切です。
転職先に求めることについて
転職先にどんなことを求めるかについて質問されます。「やりたかったことにトライできる」「スキルを身に付けて成長できる」「良好な就労環境が整備されている」「希望の年収が確保できる」「こんな人と働きたい」など、何を一番求めるか、優先順位もあわせてよく考えておきましょう。
企業について感じることについて
面談している企業について感じること/感じたことに関する質問です。カジュアル面談は、企業にとって応募者が自社にどのようなイメージ・印象を抱いているのかを知ることができる格好の機会です。そのため、このような質問がされる可能性があります。
事前に企業のWebサイトやプレスリリース、社員が発信しているSNSやインタビュー記事などもチェックし、自身が企業に対してどんな印象を抱いているか整理しておくといいでしょう。
その他
転職活動の状況、前職での働き方、居住地などについて質問される可能性があります。これらの質問は、単純に応募者の状況を確認するためのものです。転職状況など伝えにくいと感じるかもしれませんが、フラットな気持ちで素直に回答しましょう。
カジュアル面談で準備しておくべき逆質問
企業からの質問をきっかけに会話が生まれ、お互いの理解が深まっていくのはカジュアル面談の醍醐味です。また、もちろん自分から企業側に対してもさまざまな質問をすることも可能です。逆質問は絶対にしなければならないわけではありませんが、準備しておくと、企業のWebサイトなどには載っていない情報が聞ける可能性がありますので有効に使いましょう。以下、カジュアル面談における逆質問の例です。
カジュアル面談における逆質問の例
働き方について
就労環境、リモートワークの有無、勤務地、勤務・残業時間、評価制度などについて質問します。
なお、選考の場では質問しにくい、資格取得支援の有無、福利厚生などについての質問をしても問題ありません。ただし、そればかりにフォーカスした質問では、事業や仕事内容に対しての興味が薄いと思われてしまう可能性もあるため、実業務に関する内容も織り交ぜて質問するといいでしょう。
チーム体制や社員について
どのようなチーム体制で業務が進められているか、社員にはどんな人柄・業績・実績を持つ人がいるか、などについて質問します。そのうえで、どんな人材を求めているか、どのような人材が活躍しているかなどについて聞いてもいいでしょう。
さらに、企業側からカジュアル面談のオファーを受けた場合には、なぜ自分に興味を持ったのかという逆質問も有効です。
実際に働いた場合の想定について
普段の職場の雰囲気や、仮に入社した場合に心がけておくこと・覚悟しておくこと、などについて質問します。
また、採用された場合、どのような成果を期待しているか、どのようなメンバーと働くことになるか、などの質問も有効です。
業務内容やビジネスモデルについて
具体的な業務内容や仕事の進め方について質問します。すでに業務内容やビジネスモデル、その分野の技術に知識がある場合は、逆質問を通じてアピールすることも期待できます。
選考について
選考を受けるにあたって行うべき準備、選考の流れ、気をつけるべきポイントなどについて質問します。
カジュアル面談が終わった後の流れと注意点
カジュアル面談後は、当日中にお礼の連絡メールを送りましょう。具体的な内容としては、面談に時間を取っていただいたお礼のほか、面談の感想、選考を希望する場合にはその旨も添えるといいでしょう。
ただし、企業の担当者は他の面談や仕事で忙しい可能性もあるため、内容はあくまでも簡潔にし、長文は避けます。返信が大変な内容は送らないほうが無難です。
なおカジュアル面談の終了後、企業から選考へ向けての案内が届くこともあります。選考面接を受けてみたい方は、案内にしたがって応募するようにしてください。
カジュアル面談をした方は、二次面接や最終面接から選考してもらえることもあり、この場合は選考を有利に進めることが期待できます。
選考を辞退することはできる?
カジュアル面談の結果、自分には少し合わないと感じた場合などには辞退も可能です。その際はメールもしくは電話で、きちんと誠意が伝わるように辞退の意思を表明しましょう。
具体的な内容としては、面談に時間を取っていただいたにも関わらず、辞退となった点について謝意をあらわし、辞退の理由を伝えます。メールや電話の最後には、改めて面談設定への感謝を述べ、辞退する旨をていねいに伝えましょう。以下、選考を辞退する際のメールの例文です。
選考を辞退する際のメールの例文
株式会社〇〇
採用ご担当者様
先日カジュアル面談にてお時間いただきました〇〇と申します。
貴重なお時間をご用意いただきましてありがとうございました。
先日の面談にて貴社の特徴や魅力点などをお伺いし非常に魅力的な会社様だと感じた反面、自身のこれまでの経験では貴社に貢献できないと感じたため、貴重なお時間をいただいた中、大変申し訳ございませんが選考を辞退させていただきたいと思います。
お忙しい中大変恐れ入りますが、ご確認いただけますと幸いです。
何卒宜しくお願い申し上げます。
なお、辞退の理由については「自身が希望するキャリアを叶えることが難しいと感じた」「他社で内定が出た」「転職活動で情報収集した結果、現職でもう少し経験を積むことにした」など、さまざまなパターンが考えられますので、ご自身の事情に合った理由を記載してください。
転職エージェントを使って、カジュアル面談を効率的に進めよう
カジュアル面談を受けるには、企業への面談実施依頼、日時設定等の工数はどうしても発生します。通常の選考応募のように専用フォームが用意されていることも少ないので、企業へ直接カジュアル面談を申し込むのはハードルが高いかもしれません。そういった手間や負担を減らすためにも、カジュアル面談の設定には転職エージェントを利用することがおすすめです。以下、カジュアル面談で転職エージェントを利用するメリットです。
メリット1:カジュアル面談の機会が増える
転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが応募者の希望する業界、職種をヒアリングし、最適な企業を紹介します。その際、カジュアル面談のセッティングを希望したり、キャリアアドバイザーから提案してもらうことが可能です。
メリット2:面談の準備がしっかりと行える
転職エージェントは、各企業のビジョンや社風、どのような人材を求めているかを熟知しています。企業との面談時に想定される質問、望ましい服装・マナーなどについても、豊富なデータや経験からアドバイスしてもらえるため、充分に準備をしたうえで面談に臨むことができます。
メリット3:面談後のサポートも期待できる
カジュアル面談の結果、選考に至った場合も、転職エージェントのサポートがあれば安心です。どのような準備をし、どのようなポイントに注意すべきかなど、内定に繋がる多角的なアドバイスが期待できます。
実際にマイナビクリエイターでもカジュアル面談をきっかけに転職を成功させた例が多数あります。転職活動の進め方に悩んでいる方はぜひ転職エージェントの活用を検討してみてはいかがでしょうか。
カジュアル面談をきっかけに、内定獲得まで進んだ体験談はこちら
まとめ
カジュアル面談では、ラフな雰囲気の中で、企業側とコミュニケーションをとることができます。ただし、カジュアル面談とはいえ、第一印象は重要です。相手に失礼のないような服装はもちろん、可能な範囲で事前に準備をしておくことで、有意義な時間を過ごすことができるでしょう。
また「転職を考えているが、働きながらだと十分な事前準備ができない」「カジュアル面談のスケジュール調整が難しい」などのお悩みを持つ方は、転職エージェントの利用を検討するのもおすすめです。マイナビクリエイターには経験豊かなキャリアアドバイザーが多数、在籍しています。企業とのカジュアル面談のセッティングやスケジュール調整等の事前準備はぜひお任せください。