サウンドクリエイターとは?仕事内容や向いている人の特徴、やりがいを紹介
サウンドクリエイターとは、ゲームや映画作品の演出に欠かせないBGMや効果音を作る仕事です。BGMや作品のテーマ曲、効果音やエフェクト音源を制作して作品に利用者を没入させる役割を担っています。
この記事では特に求人数が多いゲーム会社のサウンドクリエイターの概要や転職市場、仕事内容や年収、向いている人の特徴や必要な資格を解説します。サウンドクリエイターとして中途採用を目指している方、キャリアを今からスタートさせたい方はぜひ参考にしてください。
目次
サウンドクリエイターとは
サウンドクリエイターは、音楽理論をもとに音作りをし、アーティストや使用するシーンに合わせた楽曲や効果音を制作します。たとえばゲームや映画のサウンドトラックを制作したり、アニメーションに使用するテーマ曲を作成します。
サウンドクリエイターには以下2つの種類があります。
- BGMやテーマ曲などの楽曲を制作する人
- ゲームや映画などで使われる効果音を制作している人
また、雇用形態はフリーランス、またはゲーム会社に正社員として雇用されているパターンが多いです。
サウンドクリエイターの転職市場
サウンドクリエイターの求人は、ゲーム内の効果音やBGMなどを内製化している大手コンシューマーゲーム会社からのものが多いです。
ゲーム会社のサウンドクリエイターは作曲だけでなくディレクションや音源制作まで、一通りの業務をこなさなければなりません。そのため、サウンドクリエイターの実務経験がある方向けの求人がメインとなります。
音楽制作会社でもサウンドクリエイターを雇用していますが、求人数が少ないため制作会社よりもゲーム会社への転職のほうがチャンスが多いです。
サウンドクリエイターの仕事内容とは
サウンドクリエイターの仕事内容は楽曲制作だけでなく、チームの進捗管理や音楽の編集までと多岐に渡ります。事前に仕事内容を理解したうえで、転職活動を始めましょう。ここからは、ゲーム会社の求人数が多いことからゲーム会社へ就職した場合の仕事内容をメインに解説します。
サウンド制作
サウンドクリエイターの主な仕事は、サウンド制作です。ゲーム内で流れるBGMを作るクリエイターと、戦闘エフェクトや機械操作時に鳴る効果音を制作するスタッフにわかれています。ゲームのコンセプトに合わせた曲を制作してBGMとして提供したり、効果音やSEをシーンの雰囲気に合わせて制作する仕事です。
またキャリアが深まると企画会議に参加し、演出提案のアイデアを出し、その構想通りに楽曲を制作するなどより制作の幅が広がります。
音響コントロール
音響コントロールとは、ゲーム中に複数の音が同時に発生した際に、それらの音が互いに干渉し合って消失しないよう、微調整することを指します。
サウンドクリエイターは、ゲーム内で使用される複数の音源を調整する音響コントロールの役割も担います。ゲーム内ではBGMと効果音が同時に再生されることが多く、音響コントロールをしないとお互いの音を打ち消しあって、音響効果を発揮できません。そのため、音量バランスを調整してユーザーが聞き取りやすいように調整する必要があります。音量調整だけでなく、リバーブやフィルタを活用してエフェクトをかけ、ゲーム内の音楽がそれぞれ引き立つよう調整する仕事です。
進行管理
ゲーム会社のサウンドクリエイターは、制作作業の進行管理もおこないます。
たとえば、社内クリエイターの管理やフリーランスのサウンドクリエイターやサウンドプログラマーを雇用する際のリソース確保、折衝や発注作業、納品物の確認や修正依頼などもサウンドクリエイターの仕事です。ゲーム音楽の制作にあたって音楽制作の方向性を決め、演出に合うよう指示を出すのもサウンドクリエイターの重要な業務となります。
サウンドクリエイターの年収
マイナビクリエイターの調査では、サウンドクリエイターの平均年収は470万円です。
年収は雇用形態や所属する企業によって異なります。求人情報を見ると年収1,000万円以上も目指せる求人があり、自分が持っている資格やスキル、経験や能力によっては高年収も目指せる職業です。
サウンドクリエイターに必要なスキル
サウンドクリエイターに必要なスキルは楽曲制作の知識はもちろん、社内外の人員と円滑に業務を進めるためのコミュニケーション能力も欠かせません。
これからサウンドクリエイターへの転職を目指す方は、採用側にアピールできるスキルがあるか確認しながら読み進めましょう。また業界未経験でサウンドクリエイターへの転職を志す方は、必要なスキルを身につける参考にしてください。
音楽の基礎知識
サウンドクリエイターに必要なスキルは、音楽の基礎知識です。まず楽譜が読めることやクラシックやジャズなどの音楽の用法、曲調を重ねることで生まれるレイヤーなどの音楽理論を理解していることが求められます。
また、求人情報の歓迎要件には楽器演奏スキルなども記載されていることが多いです。楽器の音を理解して使い分けることで、より深みのあるBGMやSEを制作できます。
さらに、さまざまな音楽を聞いて知識をつけておくことも必要です。ヒップホップやクラシック、ロックなどのジャンルの知識が深い人ほど、音楽制作の引き出しが増えて、オリジナリティのあるサウンドでゲームを盛り上げられます。
各種ソフトを使用した編曲スキル
サウンドクリエイターはマルチオーディオ業務やDAWや波形編集ソフトを実務として使いこなした経験、スキルも必須です。アーティストが演奏した音源を収録したり、音量調整してサウンドトラックを作るためには必須のスキルとなります。
また、ゲームのBGMや効果音を制作する際に、1から音楽を作ることもありますが、すでにある素材を編曲して場面やシーンに合わせた効果音へ作り上げる機会も多いため、編曲スキルも必要です。
コミュニケーションスキル
サウンドクリエイターは個人で仕事をすることはほぼなく、チーム単位で動くためコミュニケーションスキルも欠かせません。
ゲームコンセプトを理解し、制作したい音楽の方向性を言語化してチームや外注のクリエイターに伝えたり、打ち合わせに参加して音楽演出を提案するときにも、自分が伝えたいことをわかりやすく伝える能力が必要になります。
サウンドクリエイターに向いている人
今後サウンドクリエイターを目指すにあたって、どのようなスキルが必要かまとめました。サウンドクリエイターに向いているのは、音楽が好きなことはもちろん音への感性が鋭いこと、そしてビジネス的な観点も必要です。
音楽が好きな人
サウンドクリエイターに向いているのは、なんといっても音楽が好きな人です。音楽が好きだからこそ、サウンドクリエイターとして日々音作りに熱意を持って向き合えます。たとえば、生活音からヒントを得てゲームの効果音に取り入れるなど、音楽の引き出しが増え、オリジナリティある音楽演出を作り出せるでしょう。
また音楽が好きなだけでなく、制作するゲームの世界観や背景を理解し、サウンドで世界観や概念を言語化して作品に投影するスキルも必要です。
日々のさまざまな音に意識を向けられる人
サウンドクリエイターに向いている人は、日常で生じている音に対しての感性が高い人です。映画やゲームで使われている効果音は、意外なもので作られていることもあります。
たとえば、雪の上を歩く効果音はビニール袋に片栗粉を入れてギュッと握ったときの音で再現する場合もあるようです。このように的確な効果音を作るには、音に敏感で日常で発生する音をどう表現するか常に考える感性が必要です。
ビジネス視点がある人
音楽の知見だけでなく、ビジネス的な観点も必要です。自分が好きな音を作りたいという気持ちだけでは、ゲームや映画作品の売り上げに貢献できません。
ゲームや映画の世界観を表現するのはもちろん、市場動向やユーザーニーズを理解し、プレイヤーや視聴者が没入できるように音を調整するのがサウンドクリエイターの仕事です。
サウンドクリエイターになるには
サウンドクリエイターになるために、具体的に何をすべきかに触れておきます。必要な資格や音作りのスキルを上げる方法、クリエイターのレベルアップを図りより向上させるには、以下3つの方法を試してみてください。
1資格を取得する
サウンドクリエイターは音大や専門学校などを卒業していなくてもなれる仕事です。しかし、音作りの専門知識や音楽理論は独学で身につける必要があります。客観的に自身のスキルや知識を判断できるように、資格取得をするのもおすすめです。
たとえば、サウンドクリエイターにおすすめの資格として以下のようなものがあります。
サウンドクリエイターにおすすめの資格
- MIDI検定
- サウンドレコーディング技術認定
- Pro Tools技術認定
必須の資格ではありませんが、サウンドクリエイターに必要な知識を学び、その技能を証明するために資格を取得しておくとよいでしょう。
2ひたすら作品を作る
中途採用でサウンドクリエイターを目指す場合は、ひたすら作品作りの経験を重ねましょう。中途採用の場合は即戦力としての求人が多く、知識やテクニックが求められるためです。
入社後にすぐに実務に入れるように、CubaseやPro-toolsなどのDAWを使用した楽曲制作に取り組んでおきましょう。操作方法はもちろん楽曲制作スキルも身につき、入社前にサウンドクリエイターとしての引き出しを増やせます。
3すでに市場にある音と比較してみる
サウンドクリエイターの中途採用では、ビジネス的に求められる音楽制作実績が重視されます。実務経験がない方は、すでに市場で販売されている効果音やBGMと自身の音楽を比較して、足りないものや市場に出回っている楽曲のニーズを理解し、楽曲をアレンジ・編曲しましょう。
また実務経験がなくても、SNSやオンラインショップなどで自身の楽曲が拡散されたり、DLされたりと他人に楽曲が認められたという経験は、実績として評価されやすいです。自身の楽曲を市場の音と比較して作り直したら、SNSなどに投稿して大衆にどう評価されるか確認するとよいでしょう。
サウンドクリエイターのやりがい
サウンドクリエイターという仕事は、映画やゲーム作品に加えた音で人の心を揺さぶる仕事です。自分が制作した音が場面の雰囲気を演出し、見る人に感動や元気を与えます。また楽曲を聴いた人の心にその音が残り、ふとした場面で自分が制作した音を思い出してくれるかもしれません。
自分が制作した音楽が、聴いた人の記憶に残り続けることは、サウンドクリエイターの大きなやりがいです。
まとめ
サウンドクリエイターは、ゲーム作品や映画のBGMや効果音を制作する仕事です。楽曲を通じて場面に臨場感を与えたり、ムードを演出します。業務範囲は音楽制作だけでなく編曲やディレクションなど多岐に渡り、音楽の知識はもちろんDAWなどの専門ツールの操作、コミュニケーション能力が求められる仕事です。
そのため実績がないと内定が出にくく、音楽への知識や人柄などのポテンシャルよりも、実際にどれだけのサウンドを制作してきたか、または制作するスキルがあるかが重要となります。
サウンドクリエイターへの転職を目指したいが、自信がない、何から始めたらいいかがわからないという方は、マイナビクリエイターにご相談ください。キャリアアドバイザーが転職活動のお手伝いをいたします。
この記事を書いた人
マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。