クリエイティブにも必ず役立つ!Webマーケターとして仕事をする際に必要となる基礎知識

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Webマーケター 基礎知識 今のWeb業界・ゲーム業界において、すべてのビジネスはマーケティングによって動いていると言っても過言ではありません。Webマーケターはそんなマーケティングの理論を背景に、さまざまな施策を駆使してWebマーケティングの最適化を図っていくのが仕事です。またこのWebマーケターの基礎となる知識や理論は、Web業界・ゲーム業界で活躍するさまざまなクリエイターにとっても知っておいて決して損はないものです。

この記事ではWebマーケターに必要な基礎知識を身に付け、Webマーケターへのジョブチェンジを目指すだけでなく、クリエイターとしての活躍の幅を広げる方法を見つけていきましょう。

Webマーケターに必要なマーケティングの基礎知識

img-basic-knowledge-of-web-marketer_02.jpgWebマーケティングの本来の定義は、広くはWebにおけるマーケティング全体を指します。しかしWebマーケターの実際の業務範囲は、Webにおける広告展開、SEO対策など、企業が発信したい情報やコンテンツをいかに効率よく広めることができるかにターゲットされています。

Webマーケターはコンテンツのプロモーションやブランディングに対してWebマーケティングを用いた提案を行っていきます。つまりWebマーケターとして仕事をはじめるために最初に身に付けるべきなのは、「プッシュ型」「プル型」というマーケティング構造における基礎知識の理解です。

プッシュ型とプル型は、Webのみならず、マーケティングに携わる人なら知っていてほしい基礎知識です。プッシュ型・プル型それぞれがどんな施策を指しているのかをまずは理解しましょう。

プッシュ型・プル型とは

プッシュ型 - ユーザーに対して一方的に行う施策

  • Webマーケティング:リスティング、純広告
  • Webマーケティング以外:テレビ、雑誌、メルマガ、訪問営業

プル型 - ユーザーからのアクションに合わせて行う施策

  • Webマーケティング:SEO、SNS
  • Webマーケティング以外:展示会イベント

Webマーケターが実践する知識は、WebディレクターWebデザイナーにとっても有用です。自社サービスのプロモーションを行う事業会社や、クライアントワークでクリエイティブを行うプロダクション・広告代理店などの受託会社でも武器となるでしょう。

効率よく、より効果の高い施策を企画・提案するためにも、これからWebというフィールドで仕事をしたいと考えている人ならば職種を問わず身に付けておきたいのがWebマーケティングの知識です。

Webマーケティングで必要となるメディアの種類や具体的施策

img-basic-knowledge-of-web-marketer_03.jpg上で紹介した、プッシュ型、プル型というマーケティングの基本構造をベースとして、Webマーケティングで施策を行う各メディアの種類と具体的な施策フローを理解しておきましょう。

まず、Webマーケターが施策を行うフィールドは主に3つあります。業界的には「トリプルメディア」と呼ばれています。

トリプルメディアの種類

Webマーケティングで行われるすべての施策はそれぞれ役目が明確に違います。「誰に」「どんなときに」「どのように」といった、シチュエーションで施策を変えることで、効果は大きく変わります。トリプルメディアの種類は主に「ペイドメディア」、「オウンドメディア」、「アーンドメディア」の3つに分かれます。それぞれのメディアの概要を見ていきましょう。

ペイドメディア(Paid Media)

広告主からの要望を受け、PRしたい内容をWebサイト上に掲載するメディアを指します。広告を出して報酬をもらうスタイルなので、ペイドメディア自体が相応な集客力のあるサイトであることは前提です。よってオウンドメディアで得た集客力をもとにペイドメディアを兼ねる場合もあります。

オウンドメディア(Owned Media)

自社メディアを所持しており、Googleなどのサーチエンジンで上位表示させる施策を行い、集客を行うメディアを指します。また、自社アカウントをSNS上で作成して、PRを行うのもオウンドメディアの1つと言えます。

アーンドメディア(Earned Media)

簡単に言えば口コミです。企業のサービスや製品がブログやSNSで評価され、それによって認知を増やします。最近では、SNSなどで影響力のあるインフルエンサーにいかに取り上げてもらうかといった取り組みも盛んです。

上記3つのメディアに対して、Webマーケターが行う施策も3つに段階が分かれています。「プレアクセス」「オンアクセス」「ポストアクセス」という施策です。ユーザーの行動によって、施策フローを分けています。

プレアクセスの施策 - サイトへの来訪を促す

プレアクセスの施策

Webマーケティングにおける施策として真っ先に思い浮かぶのがプレアクセスにおける施策です。Webサイトへの集客が目的であり、具体的には検索エンジンを活用するためのSEO対策や、Web広告、SNSといったプロモーションが挙げられます。

Web広告には前項でも紹介したリスティング広告や純広告、ブランディングやイメージ作りに有効な動画広告、SNSを活用したプロモーションや紙媒体の利用、プレスリリースなど多彩な施策が考えられます。Webサイトの特性やセグメントを踏まえて適切な施策が必要となります。

オンアクセスの施策 - 来訪ユーザーにアクションさせる

オンアクセスの施策

Webマーケターが関与するオンアクセスの施策はWebデザインにおけるUI・UXの領域とも重なってきます。ユーザーがどのような印象を持つか、ユーザーにとって必要な情報を得やすいか、サイト内を快適に見ることができるか。具体的にはLP(ランディングページ)やグローバルメニューの最適化、エントリーフォームの最適化、サイト内遷移の改善など、サイト全体のUI・UXについてWebマーケターには的確な提案が求められます。WebデザイナーやUI・UXデザイナーから転職する人にとっては自分の強みとできる部分でもあります。

ポストアクセスの施策 - ユーザーへ再来訪を促す

ポストアクセスの施策

ポストアクセスではWebマーケターは、ユーザーとの繋がりを継続し、より強固にしていくことを求められます。エントリーフォームやページ回遊でユーザーが残していったデータをもとにメールマガジンやSNSでの繋がりを持続し、ユーザーにとって的確な施策を次々と行い、再来訪を促していきます。また再来訪を促すには定期的なWebサイトのリニューアルや新しい企画などの導入も必要になります。

プレアクセスからポストアクセス、そしてまたプレアクセスへと、一連の流れをPDCAで循環させ、改善させていくのがWebマーケターの役目なのです。

Webマーケターなら知っておくべきWeb広告とプラットフォームの種類

Webマーケターのポジションで活躍するために覚えておきたいのは、今現在のWebマーケティングの知識についてですが、時代によって進化し続けるWeb広告は、専門家にとっても最先端について語るのは難しく、これからWebマーケティングについて学ぼうという人にはさらに理解が難しいかもしれません。

そんな複雑なWeb広告をいち早く理解する手段として有効なのが「これまでのWeb広告について振り返る」ことです。サービスはニーズによって生まれます。現在のWeb広告がどんな段階を経てどのように変わってきたのか、今一度、振り返ってみましょう。

Web広告の種類と誕生の流れ

Web広告と言っても1つや2つではなく、多くの種類が存在します。普段、皆さんが使っているPCやスマートフォンといったデバイスで当たり前のように表示される広告ですが、もちろん一つ一つ名称や特徴が存在するのです。まずは広告の種類を知りつつ、どのような特徴を持つのかを知っておきましょう。

  • メール/バナー広告(1996年〜)

    日本でインターネットが広告として商用利用されはじめたのが1996年のこと。この年の4月に検索サイト「Yahoo!Japan」がサービスを開始。7月には同社がバナー広告の提供をはじめています。また、これと前後してメール広告も本格化。電子メール使用者が急増するにともない、メールマガジンで有名な「まぐまぐ!」を運営する株式会社まぐまぐなどメール広告配信サービスを行う企業が誕生しました。

  • アフィリエイト広告(1999年〜)

    アフィリエイト広告は1996年にアメリカで誕生し、日本では1999年の「Value Commerce(バリューコマース)」が皮切りとなってサービスが開始されました。それまでのバナー広告やメール広告が掲載や発信に対して広告料が支払われるのに対してアフィリエイト広告は「成果報酬型」という大きな特徴を持っています。広告がクリックされただけではなく、コンバージョン(購入、資料請求、会員登録などのユーザーのアクション)に対価が支払われる広告です。

  • リスティング広告(2002年〜)

    リスティング広告とは検索連動広告のことで、2002年2月からアメリカ、そして同年9月に日本でもGoogle Adwordsによるサービスが開始されています。また現在の「Yahoo!プロモーション広告」の前身となる「Overture(オーバーチュア)」も2002年11月にサービスを開始しています。ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードに関連した広告を検索結果に掲載するサービスで、現在も続く有力なWeb広告の1つです。

  • ターゲティング広告(2007年〜)

    ターゲティング広告とはインターネットユーザーの行動履歴をもとにその人の持つ興味や関心を推測してターゲットを絞って広告配信を行う手法です。Yahoo!JAPANが2007年2月に行動ターゲティングのネットワーク配信サービスを開始。年齢や性別、地域の絞り込みや配信スケジュールの設定ができる広告掲載方式「インタレストマッチ」が2008年から2018年まで「Yahoo!プロモーション広告」によって提供されました。追跡型広告、興味関心連動型広告、リターゲティング広告とも呼ばれ、さまざまな発展性を持った広告スタイルです。

  • アドネットワーク広告(2008年〜)

    アドネットワーク広告とは、広告の媒体となるWebサイトを多数集めて広告配信のためのネットワーク(=アドネットワ−ク)に対して広告配信を行うサービスです。広告主はアドネットワーク業者に広告を依頼することで複数のWebサイトの掲載を同時に依頼することができます。2008年から活発化し、広告配信効果を上げるため、行動ターゲティングが取り入れられている場合もあります。

  • 動画広告・インタラクティブ広告(2011年〜)

    Webのリッチ化により広告の提供方法ばかりでなく、広告の表現自体がますます進化しています。動画と音声を使ったダイナミックな訴求が可能な動画広告もその1つ。日本では2011年頃からスタートし、その後ビジネスの拡大を続けています。さらにWebのインタラクティブな機能を利用して、閲覧者のクリックする、トラックする、ページをめくるなどの動作を取り入れてユーザー体験を促すのがインタラクティブ広告です。

Web広告配信に不可欠なプラットフォームの種類

Web広告を最適な相手に最適なデバイスで表示させるためには、膨大なデータが蓄積されているプラットフォームの存在が欠かせません。具体的には、この膨大なデータから表示対象者をセグメントしているのです。このプラットフォームを下記で紹介します。

  • DSP(Demand Side Platform)(2011年〜)

    2010年頃からはじまったアドエクスチェンジ(広告取引の市場)により、メディアやアドネットワークが持つ広告枠をインプレッション(どれだけ広告が見られたか)単位で取引することができるようになりました。DSPはこれら複数のアドエクスチェンジが一元管理できる広告配信の統合プラットフォームで、広告主が支払う広告料に対して最も効果的な広告配信をシステマティックに行うことができます。

  • DMP(Data Management Platform)(2012年〜)

    DMPとは、Web上のビッグデータや対象となるサイトのログデータを分析し広告配信のプランを最適化するプラットフォームです。DMPのメリットは、自社サイトなど対象となるサイトの情報だけでは取得できないWeb上の多様なデータを加えて分析することでより精密なパーソナル情報を広告配信に活用できること。得られたデータは広告以外のさまざまなマーケティングにも活用できます。

  • CDP(Customer Data Platform)(2017年〜)

    CDPはカスタマーの属性データや行動データを収集・蓄積・統合するためのプラットフォームでオフラインでの購買情報やアスキングデータ、その他IoT対応製品から取得できるデータも統合できます。DMPが企業の保有するデータをベースとしているのに対してCDPは実在するカスタマー個人のプロファイルをもとに人単位でデータ管理を行う最新のプラットフォームです。

これらのように、広告主のニーズを包括的にシステム化して対応できるプラットフォームの存在がWeb広告には不可欠です。Webマーケターはこれらの成り立ちを知り、常に最新のWeb広告を把握しておかなければなりません。なぜなら多角的な視野で状況を解析し、時代とニーズに合った最適な施策を導き出すことが、Webマーケターの役割だからです。

Webマーケターが行う業務をPDCAに当てはめて考えよう

img-basic-knowledge-of-web-marketer_05.jpgWebマーケターは、PDCA(計画・実行・分析・改善)サイクルを回しながら、Webマーケティングの効果を最大化していきます。ここでは、Webマーケターが行うPDCAの各パートに対して、どのような知識が必要となるかを紹介していきます。

各パートの知識をすべて補おうとすると、長い学習期間を要します。まずは、自身が不足している点にフォーカスを当てて、どんな知識を補うべきか順序立てて考えていきましょう。

P(計画)で必要となる知識

  • Webマーケティングにおけるコンプライアンスとモラルに関する知識
  • 事業分析の知識
  • Webマーケティングで使用できるフレームワークの知識
  • KPIの立て方、Eコマース、見込み客獲得(リードジェネレーション)、サイトやアプリの基礎知識

Webマーケターの仕事の流れの中で、P(計画)の段階で必要な知識を挙げてみました。Webマーケターは所属する業界や企業によって、企画段階で求められる知識も大きく変わってきます。

D(実行)で必要となる知識

  • Web広告の活用に関する知識
  • 各種プロモーション、Webサイトの仕組み、ローデータについての知識
  • Web解析やアクセス解析に必要なツール、手法、データの連携等の知識

D(実行)段階では、主にサイトのプロモーションを中心とした業務を行います。またこの後に控えるC(分析)段階に備えて、分析が確実に行えるようにツールが機能するようクリエイティブメンバーと連携してWebサイトへの下準備が必要です。Webサイトの仕組みやGoogleアナリティクスなど分析ツールへの理解が重要になってきます。

C(分析)で必要となる知識

  • PV、セッション、滞在時間、CVなど重要指標に関する知識とその活用法に関する知識
  • 広告の効果測定に関する知識

Webマーケターが業務を行ううえで最も期待されているのが現状分析の部分です。これらなくして企業のWeb活動においては、PDCAサイクルを踏むことはできません。次のA(改善)段階に何をするべきかを決定づけられるデータを確実に収集できることが必要です。

A(改善)で必要となる知識

  • アクセス分析によるページ、サイトの改善に関する知識
  • コンテンツの品質管理、レポート作成、論理構造、BIツールの活用等の知識

C(分析)段階で得られたデータをどのようにしてA(改善)段階に役立てていくか、効果的な活用を考えていくのもWebマーケターの重要な役割です。また、クリエイティブメンバーと連携して、データやカスタマーの反応をもとにした迅速なサイト改善もWebマーケターの力量が測られます。A(改善)段階の知識もしっかり身に付けておきましょう。

まとめ

WebマーケターはWeb広告の活用からWeb解析、そしてその背景となるマーケティングの理論まで、幅広い知識が求められる職種です。

クリエイターからWebマーケターへ転職する人ならば、ここまでの記事の中で語られた「オンアクセス」の部分やPDCAにおける「D(実行)の段階」について、すでに知識やスキルを持っている人も多いのではないでしょうか。また、事業会社で勤務経験のある人なら、その業界特有の知識がWebマーケティングにおいても大いに役立つことでしょう。

広大で難解に見えるWebマーケターの知識ですが、自分の得意分野を足がかりに知識の幅を広げていくということが一番の近道です。Webマーケターとしてキャリアアップもしくはキャリアチェンジを考えるなら、まずはWebマーケティングに必要な知識を理解して、自分に合った企業や働き方を見つけていくことが大切です。是非この記事を通じて、知識の習得に活用してください。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。

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