Webデザイナーは「やめとけ」と言われる理由とは?その実態と将来性を解説

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Webデザイナー やめとけ 理由Webデザイナーの仕事についてWebやSNSで検索すると、Webデザイナーは「やめとけ」という意見がよく出てきます。せっかくWebデザイナーに興味を持ち、目指そうと思っていても、否定的な意見を目にすると不安になってしまう方もいるのではないでしょうか。

この記事では、Webデザイナーの仕事に関心のある方に向けて、Webデザイナーになるのは「やめとけ」と言われる理由と、その実態、そしてWebデザイナーという仕事の魅力や将来性についても合わせて解説します。Webデザイナーになるのは「やめとけ」と言われるのはなぜなのか、その真相を知るとともに、Webデザイナーという仕事のよい面にも目を向けながら、今後、自分が目指すべき方向について考えてみてください。

Webデザイナーは「やめとけ」と言われる4つの理由

Webデザイナーを目指す人に対して、現役のWebデザイナーや、元Webデザイナー、その周囲の人などが否定的な意見を発信することがあるのは、一体なぜなのでしょうか。Webデザイナーの仕事の実態から、Webデザイナーは「やめとけ」と言われる主な理由を4つご紹介します。

1.年収が高くない

年収が高くない

Webデザイナーの平均年収はおよそ420万円※1です。もちろん、勤め先や働き方、経験や実績によって差は大きいものの、日本人の平均年収が433万円※2であることを考えると、Webデザイナーの年収は決して高いとは言えないでしょう。

もし、あなたが将来、経済的に成功することを思い描いているのなら、Webデザイナーの実態を知る人は、あなたがWebデザイナーを目指すことを勧めないかもしれません。また、扶養すべき家族がいる、夢を叶えるために貯蓄をしたい、お金のかかる趣味を持っているなど、収入を重視して仕事を選びたい人にとっても、「年収が高くない」というWebデザイナーの実態が「やめとけ」に繋がる要素になりそうです。

※1マイナビクリエイター調べ(2022年5月時点) ※2国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」

2.長時間労働、残業の多さ

長時間労働、残業の多さ

ビジネスとしてものづくりに関わるのなら、納期は絶対に守るべきものです。しかし、そのためにWebデザイナーの残業が増え、長時間労働という形で重くのしかかる場合もあります。

たとえば、Web制作会社などでクライアントワークを担当していると、同時並行で複数の案件に携わることもあり、それぞれの案件のタスクを管理・実行しながら品質もしっかりと担保することを求められるため、かなりの激務が予想されます。

また、そもそもクライアントのITリテラシーが低く、Web制作のことをよく知らない場合や、自社の営業担当者が制作プロセスを十分に理解していない場合には、実現不可能なサイト仕様や短すぎる納期といった無茶なリクエスト、抽象度の高い修正指示、たび重なる手戻りなどに現場が振り回されることもあります。そうなると、Webデザイナーには非がないにもかかわらず、納期・金額には変更がないままに作業量ばかりが増え、疲弊してしまうことがある、というのが実態のようです。

3.スキルをアップデートするための勉強の継続が大変

スキルをアップデートするための勉強の継続が大変

多忙なWebデザイナーが、新しいスキルや知識を身に付けるため勉強を継続することは、簡単ではありません。しかし、Webデザインのトレンドは移り変わりが早く、Web環境を取り巻く技術は日々進化していることを思うと、その変化に合わせて自身もアップデートしていかなければならないでしょう。トレンド感度の高い次世代のデザイナーや、新たにWeb制作業界を志して最新の技術や知識を身に付けたWebデザイナーも、次々と業界に参入してきています。

そんな中、Webデザイナーが新規参入者に負けない強みを持って生き残っていくには、常に最新のトレンドにアンテナを張り、クライアントの課題解決に役立つ知識や技術を身に付けて、成長し続けなければなりません。そのため、Webデザイナーには日々のたゆまぬ努力が求められるのです。

4.健康被害がある

健康被害がある

Webデザイナーは仕事の性質上どうしても、長時間同じ姿勢で椅子に座り、PCに向かって一日中作業する生活になりがちです。デスクワーク全般に言えることですが、同じ姿勢で座り続けることは肩こりや腰痛などを引き起こすほか、血流や筋肉の代謝を低下させることで、さまざまな健康リスクに繋がります。また、PCを長時間見続けることが眼精疲労や頭痛などに繋がる場合もあります。

体力があり代謝も活発な若いうちは問題を感じなかったとしても、年齢を重ねるにつれてしんどさが増し、長時間の仕事を続けられなくなってくる恐れもあります。こういった健康リスクも、「やめとけ」の一因になっているようです。

デメリットをカバーする、Webデザイナーの魅力(メリット)とは?

Webデザイナーは「やめとけ」と言われる理由を4つ見てきました。ここまで読んで、「やっぱりWebデザイナーはやめたほうがいい?」と迷っている方もいるかもしれません。しかし、Webデザイナーは、「やめとけ」の理由以上に魅力的な要素もあり、将来性も高い仕事です。

ここからは、多くの転職支援をする中でさまざまなキャリアを見てきた現役のキャリアアドバイザーに聞いた、Webデザイナーの魅力について解説していきます。

1.Webデザイナーのキャリアは汎用性がある

Webデザイナーは「ユーザーの目を引く魅力的なデザイン」を作るだけでなく、「制作するサイトの目的達成に繋がるデザイン」を実現するために、実に多角的な視点から制作に臨んでいます。

たとえば、ユーザーがサイト上で迷わずに操作できるか、クライアントの目的に沿うようにユーザーを誘導することができるか、サイトで表現したい動きや機能、デザインがマッチしているかなど、さまざまな面に配慮し、Webディレクターやフロントエンドエンジニアとも連携しながらデザインに落とし込んでいるのです。

こうした経験は、今後Webディレクターやフロントエンドエンジニア、UI/UXデザイナーへのキャリアチェンジといった、幅広いキャリアの選択肢に繋がるでしょう。

Webデザインの知見・経験を生かしてキャリアチェンジで年収アップを目指す選択肢もありますし、Webデザインのスキルがひと通り身に付いているのなら、フリーランスのWebデザイナーとして独立する選択肢もあります。長期的なキャリアを考える入り口として、Webデザイナーはさまざまな可能性の広がる職種と言えるのではないでしょうか。

Webデザイナー キャリアチェンジ

2.Webデザイナーは柔軟な働き方ができる

働き方という面でいうと、WebデザイナーはPCとインターネット環境さえ整えば、場所を選ばずに働けることが大きな魅力です。もともとIT系の企業には柔軟な働き方を取り入れている会社が多い印象でしたが、コロナ禍を経てテレワーク、在宅勤務はさらに一般的になりました。在宅勤務が可能であれば、住宅費の安い郊外に住んでたまに都心のオフィスに出勤したり、地方に住みながら東京の会社の仕事をしたり、まとまった期間のワーケーションをするなど、働き方の選択肢が広がります。

そして、働き方次第では、先ほど「やめとけ」の要素として挙げた「長時間労働」や「健康被害」をかなり軽減することもできます。たとえば、自宅で仕事ができれば通勤時間の節約になるので、その分、浮いた時間を散歩やストレッチにあて運動不足を解消したり、スタンディングデスクを使うなど自由な姿勢で仕事をすることも可能です。

さらに、時間を選ばずに仕事ができるフリーランスのWebデザイナーの中には、海外に住みながら日本の会社の仕事をしたり、日本に住みながら海外の会社の仕事を受けたりする人もいます。一時期「ノマドワーカー」という言葉が流行りましたが、オフィスや自宅以外のカフェやコワーキングスペースのみならず、日本中、世界中を旅しながら仕事をしているWebデザイナーもいるようです。

3.Webデザイナーには将来性がある

先に少し触れたように、最近では便利なツールやサービスが登場し、簡単なWebサイトなら専門知識のない人でも制作できるようになってきました。そのため、Webデザイナーは将来的に「なくなる職業」とも言われます。

しかし、これだけインターネットが私たちの生活に浸透し、Webサービスが生活の一部になっている今日において、Webサイト制作のニーズ全体の中で、簡易的なツールやAIを使って対応できるようなものはごく一部に過ぎません。

大規模な企業のWebサイトや、通販サイト、さまざまなWebサービスのサイトは、ユーザーに対する深い理解とそれぞれのサイトの目的に沿った戦略のもとに、しっかりとしたロジックを持って作られます。Webサイトを通じていかにその企業やサービスのブランドを伝えるか。いかにユーザーの利便性を高め、購買意欲やサービス利用への意欲を喚起するか。いかにWebサイトの機能とクリエイティブをマッチさせるか。これらはAIで簡単に解決できるものではありません。見方を変えると、こういった戦略やロジックをクリエイティブという形に変換できるデザイナーは、今後さらに求められていくのです。

将来的に活躍できるWebデザイナーになるために意識したいこと

ここまで、Webデザイナーの魅力についてお伝えしてきました。Webデザイナーは魅力も将来性もある職種ですが、冒頭で「やめとけ」の理由についてお伝えしたとおり、キラキラした面ばかりではありません。その魅力や将来性を手にするためには、地道な努力や積み重ねによる継続的な成長と、デメリットをカバーするための働き方の工夫などが必要となります。よいところだけを見て中途半端な気持ちで目指すと、後悔することもあるでしょう。

努力と覚悟を求められる仕事であることは確かですが、もしあなたがWebデザインの仕事が好きで、学び続ける姿勢があり、現場で経験を積むことができるのなら、未来は広がります。ここからは、Webデザイナーとして将来的に活躍したいという思いを持つ方に、ぜひ意識してほしいポイントを解説します。

Webデザインに関するスキル・知見を常にアップデートする

Webデザインに関するスキル・知見を常にアップデートする

レイアウトやフォント、配色といったデザインの知識を持っていることは、Webデザイナーになるために最低限必要な条件です。活躍できるデザイナーになるためには、これらの基礎知識は押さえつつ、移り変わっていくデザインのトレンドに日頃からアンテナを張り巡らせ、表現の引き出しを増やし続けることが大切です。評判のよいWebサイトのデザインをチェックしたり、話題のWebサービスを実際に使ってみるなど、Webデザイナーの視点と消費者の視点の両面から、さまざまなデザインに触れてみましょう。

また、Photoshop、Illustratorなど、クリエイティブの現場で使われるデザインツールも頻繁にバージョンアップされます。追加された新機能を使うことで、これまでにない表現ができるようになったり、手間のかかる作業が効率化できたりすることもあります。デザインツールをひと通り使えるようなってからも、学習の手は止めず、アップデートされた機能にも注目しながら積極的に使いこなしてください

UI/UXデザインのスキルを持つ

UI/UXデザインのスキルを持つ

近年のWebデザインのトレンド傾向を見ると、表層的におしゃれなWebサイトよりも、ユーザーにとってわかりやすい見た目、使いやすいデザインのWebサイトが求められています。多くのWebサイトはただ見るだけのものではなく、複数のページを移動してユーザーが見たい情報を探すことができたり、オンラインアプリケーションを利用できたりするなど、何らかの「機能」を持っています。そういったWebサイトを作るうえで欠かせないのが、UI/UXデザインのスキルです。

UIとはユーザーインターフェイス(User Interface)つまりユーザーとの接点のことで、多くの場合は、コンピューターのOSやアプリケーション、Webサイトなどの画面設計(見た目や操作性)を指します。また、UXとはユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、ユーザーがある製品やサービスを利用することで得られる体験全般を指します。

ビジネスのデジタル化が進み、日々あたらしいオンラインサービスが生み出される中、UI/UXデザインの需要はますます高まると考えられます。ぜひ関心を持って学んでみてください。

デザイン領域以外のスキルも磨く

デザイン領域以外のスキルも磨く

Webデザイナーとして仕事をするうえで、Webデザインのスキルが大切であることは言うまでもありませんが、それ以外の領域でも高いスキルを持っていれば、Webデザイナーとしての付加価値が上がります。

身に付けたいスキルの1つとして、マーケティング思考が挙げられます。Webサイトを通じてユーザーに商品・サービス・ブランドの魅力を届けるなど、ユーザーのニーズや視点を的確に踏まえて、デザイン制作や運用に反映していくことができれば、サイトの効果は一段と高まるはずです。

また、もう1つ挙げたいのが、プロジェクトを円滑に進行するためのコミュニケーションスキルです。Webデザインの仕事においては、クライアントから要件をヒアリングしたり、デザイン案をクライアントにプレゼンテーションしたり、チームメンバーと情報共有し、認識をすり合わせて制作を進めるなど、社内外に対するコミュニケーションが重要になる場面がたくさんあります。

聞く力、伝える力は、社会人の基本スキルであり、Webデザイナーにとっても欠かすことのできないものです。高いコミュニケーションスキルを持っていれば、情報の行き違いや仕事の手戻りも防ぐことができ、クライアントも、上司や同僚も、安心してあなたに仕事を任せることができるでしょう。

ビジネスにおいてWebデザイナーの持つスキルへの需要は高まっている

Webデザイナーになるのは「やめとけ」といった否定的な意見はあるものの、Webデザイナーはビジネス上非常に価値のある職種と言えます。

昨今、さまざまな企業が、ビジネスにおけるデザインの重要性を強く認識し始めています。CDO(Chief Design Officer)と呼ばれる、経営層レベルで企業全体のデザインを統括する役職を置く企業も徐々に増えてきており、「デザイン経営」「デザイン思考」といった言葉もよく聞かれるようになりました。デザインの力、そしてデザイナーの存在が、ビジネスの根幹にまで食い込んで経営や事業にインパクトを与えるようになってきたのです。

今、デザインスキルを磨くことや、自身の感性と論理性を活かして表現することが、ビジネスという場を通じて大きな社会的インパクトを与える行動となりつつあります。その一端となるWebデザイナーという職種は、現在の市場に極めて重要度が高く、可能性に満ちた職種である、と言えるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

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