CyberBullでしかできない、オフラインエディターのこれまでとは全く違う仕事へのアプローチ ―― CyberBull 松延康平氏インタビュー
Web・ゲーム業界のキーパーソンを特集する「Creator's File」Vol.24
第一線で活躍しているクリエイター達のリアルな声をお届けしています。自分とは異なった環境で働くクリエイター達の熱意や考え方を、ぜひ、あなたらしいキャリア形成のためにお役立てください。
株式会社CyberBull(サイバーブル)は、大手インターネット広告代理店株式会社サイバーエージェントの100%出資により2015年4月に誕生した、まだ新しいWeb上の動画広告に特化した広告代理店である。
そのテーマは「広告の既存概念に風穴を空け、マーケットのルールをつくること」。世界におけるスマートフォンの爆発的な普及、インフラとしてのインタ−ネットの高速化、リッチ化にともない、Web上の動画広告マーケットは急成長のフェーズに突入している。そんな中にあって、CyberBullは動画づくりそのものからも既成概念を取り払い、新たな手法でインターネット動画広告の業界をけん引している。今回はそんなCyberBullのダイレクトマーケティング事業部(WEB上でマーケティングが完結する顧客を中心とした事業部)にてオフラインエディターとして活躍する松延氏から同社のクリエイティブにおける戦略から独特の手法、オフラインエディターとしての仕事のやりがいまでを幅広く伺った。
マスとWeb業界。CyberBullで取り組む動画制作の違い
── 今回はインタビューにご協力いただきありがとうございます。まずは松延さんがオフラインエディターとしてCyberBullに転職した経緯を教えてください。
松延氏:私はテレビの番組制作をおこなうポストプロダクションと呼ばれる会社でドラマのオフラインエディターをやっていました。オフラインエディターは、デジタルになった映像素材をつなげて編集をおこなう人のことです。その仕事でキャリアを積んできた私ですが、以前からWebに関心があり、自分のオフラインエディターとしてのスキルをWebで活かす方法はないかと考えていました。
── TVよりもWebと考える何か理由があったのですか?
松延氏:TV番組の評価は、視聴率や録画率という数字がありますが、ブラックボックスに感じる部分もあって、本当に視聴者がどう思っているのかがわかりにくく、クライアントや関係者の評価がそのまま作品の評価だとも思えずに、自分のやった仕事に対して手応えを感じられる機会が少ないと感じていました。
一方Webはというと、誰かがたった1度見ただけの1PVからカウントされていて、評価はすべてが実数。しかも反応の出かたは他のマスメディアに比べて圧倒的に早いです。この"わかりやすい世界"で仕事をしたい。そう思ったのが転職を考えたきっかけでした。
── インターネット業界の中でCyberBullを選んだ理由は?
松延氏:まず私にとって魅力と感じたのは、そのものズバリ、「Webで動画を扱ったビジネスをしている」こと。SNS上に流れる動画広告をつくるという仕事を「やってみたい」という気持ちが膨らんだのです。この会社はプロダクションではなく広告代理店で、Webで動画広告を展開する上でのすべての機能を持っている。営業、コンサル、制作と、クライアントにWeb動画広告を提供するためのメンバーが揃っていて、編集のためのインフラはもちろん、スタジオまでも完備していて、一気通貫での制作が可能です。転職活動ではインターネットをフィールドに動画制作をおこなっている企業にあたっていましたが、このスピード感を持ってものづくりができる環境は私が探す限り他にはありませんでした。
そして何よりベンチャー気質があって、全く新しいマーケットを切り拓こうとしている会社であること。自分の望む会社がそこにあると感じました。
松延氏がCyberBullを選んだ理由
- リアルな数字でユーザーの反応を得られるインターネットの仕事に以前から関心を持っていた
- 制作だけでなくインターネット動画に特化した広告代理店として営業、コンサルの機能も備えていて一気通貫のサービス提供ができる
- 新しいマーケットを切り拓く意欲を持ったベンチャー気質がある
オフラインエディターがリードするCyberBullの動画のクリエイティブスタイル
── CyberBullに入社されてこれまでと「ここが違う」と思われたことはありましたか?
松延氏:オフラインエディターの仕事のしかたがこれまでとは全く違うと感じています。この会社では、エディターがクリエイティブをリードするポジションで、企画からディレクションまでをおこないます。これはTVの制作ではほとんど見たことのない手法です。面接時や入社時の仕事内容の説明で「ディレクションから携わって欲しい」といわれていましたが、オフラインエディターとして企画・ディレクションの面でここまで本格的に裁量権を与えられて仕事ができるとは正直思っていませんでした。
―― 通常のオフラインエディターの仕事とは随分違うのでしょうか?
松延氏:通常のオフラインエディターは既に決まった演出の通りに素材を編集するのが基本で、表現でアイディアを出すことはありますが、企画や演出にタッチすることはほぼありません。Web動画の世界ではそれぞれの職種がもっと自由にオーバーラップして動きますが、CyberBullではさらに一歩進んでエディターは企画から完成までコンテンツ全体のクリエイティブの責任を負うポジションになっているのです。
―― なぜ、CyberBullではプランナーや撮影スタッフではなくエディターがリードするスタイルになったのでしょうか?
松延氏:エディターが企画・ディレクションをおこなうスタイルは、エディターが完パケにタッチしている部分が大きいと思います。ご存知の通りWeb動画でいうところの完パケはWebへのアップができる完成版のことです。エディターはWeb動画を制作する工程に精通していて、完パケのビジョンを持ってプロジェクトに臨むことができる。
この点を強みに、CyberBullではエディターが企画・ディレクションへと仕事の幅を拡げてクリエイティブ全体の責任を持つスタイルが確立しているのです。しかしそれは、今のメンバー構成で一つの方法となっているだけで、今後はプランナーや撮影スタッフがリードして動画制作がおこなわれていく可能性もあります。より良いものをつくるために職種の枠にとらわれないのがこの会社の良い所でもあります。
営業、コンサル、そしてクリエイティブを一気通貫で。3名のチームをベースに取り組むCyberBullのプロジェクト
―― 実際にはどんなかたちで仕事がおこなわれているのでしょうか?松延さんの仕事の流れを教えてください。
松延氏:私が所属するダイレクトマーケティング事業部はWEB上でマーケティングが完結する顧客を中心とした事業部で、クリエイティブ部門は広告する商品について、「どれだけ欲しいと思ってもらえるか」、「どれだけ面白そうと思ってダウンロードしてもらうか」などを目的としたクリエイティブを制作しています。その広告が配信したWeb媒体上で何回配信(表示)され、そのうち何人にクリックされたのか。さらに何人にインストールされたのか、商品が購入されたのかなどがデータとして出てきます。もちろん配信にかかる金額もわかるのでどのくらいの広告効果が出ているのかが分かります。
5人のエディターがいて、それぞれが得意分野を活かしてプロジェクトを担当しています。プロジェクトの最小構成はクライアントを担当する営業と、デジタルマーケティングをおこなうコンサル、そして私たちエディターの3人となります。これに実写映像が必要ならカメラマン、音響で効果を上げたいならサウンドクリエイターといった形でプロジェクトに必要なメンバーを追加していきます。
仕事の起こり方としては、営業がクライアントのプロモーション与件や発注を頂く形で、実写でやるか、CGやアニメーションでつくるか、登場するキャストはどうするか、などの大枠のコンセプトは決まっていることが多いです。そしてそれをどうつくるかは私たち次第。「何をつくるか」は決まっていますが、「どうつくるか」は私たちに任されているのです。
営業と広告運用コンサルと私の3人で意見やアイディアを出し合い、動画の構成案を考えます。そこにはコンサルの持つマーケティングデータを反映した裏付けが必ずあります。また、CyberBullのクリエイティブの特徴として、思い入れたっぷりの作品を1本つくるというのではなく、様々な考えを取り入れた作品をマルチに展開し、その中から最も効果の高いコンテンツをさらに選び出していきます。
「これでどうだ」というほど手をかけた自信作への反応が今一つで、シンプルなアイディアでそれほど手をかけずにつくったコンテンツへの反応が爆発的だったという経験もあります。
PDCAを回して常に新たなクリエイティブにチャレンジできる。CyberBullのエディターならではの仕事の魅力
―― 仕事のやりがいはどうですか?今後はどんな方向性で仕事をしていきたいと考えていますか?
松延氏:営業、コンサルとチームを組んで仕事を進めるスタイルは、一体感をもって案件に臨む理想的な形だと思っています。私もディレクションをやりたいと思ってはいましたが、実際にここまで主体的にクリエイティブを動かすには当初は営業とコンサルから学ぶことばかりでした。
今はこの仕事のスタイルにも慣れ、私から営業やコンサルの力になれるケースも出てきましたが、これからもチームワークを発揮して新たな動画づくりに臨んでいきたいと考えています。私はディレクションとともにマーケティングにも関心があり、クリエイティブにおけるWebデータの活用にもっと力を入れていきたいと考えています。企画から完成、そしてまた次の企画と、PDCAを回せるクリエイティブを営業、コンサルの力を借りながら自身の手で取り組んでいきたいです。
―― 最後に転職を考えるクリエイターの皆さんにメッセージをお願いします。
松延氏:自分のつくった動画に対する反応がダイレクトに見られるCyberBullの環境は、新たな発想を生み出す根源です。この会社でのものづくりのダイナミックさと、つくったものに対して正当な評価を受けられる環境が私の大きなやりがいにつながっています。これからどこまでも進化していくインターネット動画の世界に関心があるなら、このCyberBullで、あなた自身の望む働き方を探してみてはいかがでしょうか。
インタビューを終えて
オフラインエディターとしてのスキルを積めば積むほど、トータルなクリエイティブとして企画や演出にも意欲が出てくる。そんな思いを実現できるのがインターネット動画の制作に取り組む広告代理店CyberBullだ。
そこには制作だけでなく広告代理店として営業、コンサルも網羅した一気通貫でクライアントの要望に応えられる同社の強みがある。インターネット動画広告のマーケットが急速に拡大している現在、同社のビジネススタイルには今後ますます躍進のチャンスがあるだろう。動画制作に興味と経験があり、転職を考えるクリエイターはぜひ注目して欲しい。
この記事を書いた人
マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。