業界全体の活性化に寄与するデジタルエージェンシーとなれるように ―― インフォバーン 足代氏・本田氏インタビュー

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インフォバーン 足代氏 本田氏 出版事業からスタートし、1999年には早くもWebメディアソリューション事業を開始していた株式会社インフォバーン。2006年には「ギズモード・ジャパン」を創刊、2014年にはコンテンツディストリビューションサービスを開始と、日本の最先端を走り続けてきた、デジタルエージェンシーの草分け的存在である。 2015年にはインフォバーングループが持株会社制に移行し、インフォバーン本体はデジタルエージェンシー(※1)としての業容を拡大。グループ会社のメディアジーンは「ギズモード・ジャパン」「ライフハッカー」といった巨大Webメディアを運営するメディア事業を展開し、グループ全体のシナジー効果を発揮している。

今回は経営企画室マネージャーの足代氏と人事総務リーダーの本田氏にお話をうかがい、以下のような盛りだくさんの内容でインフォバーンの魅力をお伝えしていく。

  • インフォバーングループの全体像とビジョン
  • インフォバーンが求めるクリエイターの人材像
  • 「働きやすさ」を考慮し、能力をフルに発揮できる職場づくり

インフォバーングループの全体像とビジョン

ロゴ

── まず、インフォバーンの全体像についてご説明ください。

足代氏:インフォバーングループは、今回の募集対象となる株式会社インフォバーンと、様々なオンラインメディアを運営している株式会社メディアジーン、コーポレート機能を担当している株式会社インフォバーングループ本社の3社で構成されています。またインフォバーンには京都にもインフォバーンKYOTOという支社があり、関西の拠点としています。

インフォバーンは1998年に雑誌メディアの運営知見をもとにスタートした、比較的老舗の、コンテンツやメディアに強みを持つデジタルエージェンシーです。現在は自社メディア運営のほうは分社化した株式会社メディアジーンが行っており、株式会社インフォバーンでは大手ブランド企業のマーケティング上の課題を、企業メディア運営や様々なメディア広告によるブランディングといった形で解決することが業務の中心になっています。

── デジタルエージェンシー業界の中で、御社ならではの強みや特色にはどのようなものがありますか?

足代氏:当社の一番の強みであり、同時に特色として挙げられるのが、「豊富なデジタルメディア運営の実績」です。 単に多くのメディアを抱えているというだけでなく、それぞれのメディアが独自性を有し、多くのユーザーを抱えています。これらの情報資産から得られる「デジタルメディアの特性や効果的な活用法」といったノウハウ、そしてデジタルコミュニケーション全般に関する知識などの蓄積によって、クライアント企業に提供できるだけの知見が確立できたと考えています。これが、他のデジタルエージェンシーと大きく異なる点ではないでしょうか。

── 御社のビジョンや方向性について教えてください。

足代氏:まずはインフォバーングループという視点でお話ししますね。実は語り切れないぐらいたくさんのことを始めているのですが、中心となるメディアに関連するところで、3点お話しさせていただきます。1つ目は、メディアの広告販売代理サービスを拡大していくことです。これまでは、メディアジーンが運営する自社メディアだけでやっていましたが、ここ数年は他社のメディアにも多く関わらせていただくようになりまして、いわゆる「メディアレップ」(※2)的な機能も持つようになってきています。そうしたメディア広告の領域でも、インフォバーンのポジションを確立したいと思っています。

2つ目は、他社メディアに関わらせていただく中で、多くのメディアとの関係をどんどん深めていき、メディア業界全体の活性化に寄与しながら、インフォバーンがハブ的な存在になるという構想です。具体的な例として、アメリカで生まれた「DIGIDAY」というデジタルマーケティング戦略情報メディアの日本語版サイトをメディアジーンで運営しているのですが、本メディア主催による「DIGIDAY PUBLISHING SUMMIT(略称:DPS)』」というイベントを本年度で2回開催し、さまざまなパブリッシャー企業やアドテク企業のキーマンにご参加いただきました。こうした企業とネットワークを築いて、メディア業界をどうやって盛り上げていくか、当社グループも一緒になってディスカッションを重ねています。また、今後もこのようにメディアやメディア広告に関する海外の先進的なソリューションやテクノロジーを日本に紹介する役割を果たしていきたいと思っています。

3つ目は、1月16日に公開したニュースメディア、『BUSSINESS INSIDER JAPAN』の立ち上げです。『BUSSINESS INSIDER』は全世界で1億人を超すユニークユーザーがいる、ネットオンリーのニュースメディアです。ミレニアル世代と呼ばれる若手のビジネスパーソンを主要ターゲットに、政治、経済、金融、テクノロジー、企業戦略、スポーツなど幅広い分野のニュースを配信するので、特定の領域に偏らずにたくさんの人々に、デイリーで情報をお届けすることが可能になりました。簡単に言うと、インフォバーングループが新聞的な機能を持ったということですね。立ち上げと運営はメディアジーンですが、インフォバーンでも広告販売を積極的に行っていきますし、メディア事業以外の部分でも様々なシナジーが期待できると考えています。

インフォバーン単体での新しい動きとしては、企業担当者と一緒にサービス企画ワークショップを行ったり、サービスコンセプトを現したモックを作ったりするサービス開発支援や、オープンイノベーションを加速させる支援といった、イノベーション支援サービスを始めており、事例も増えてきました。今後はこちらも少しずつ拡大していく予定です。

── これから御社を志望するクリエイターにも、そういう仕事に携われるチャンスがあるのですか?

足代氏:もちろんあります。こういった取り組みに、興味を持っていただける方にはぜひエントリーしていただきたいと思っています。

インフォバーンが求めるクリエイターの人材像

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── 御社の採用状況についてお聞かせください。

足代氏:社員数は、インフォバーン単体でおよそ130人、グループ全体で管理部門も合わせると200人近い体制です。 インフォバーンだけでも、新卒を含め毎年約30人を積極採用しており、事業を拡大しています。このペースはここ数年、基本的に変わっていません。

── クリエイティブ分野で、御社がほしいと思っている人材はどのような人でしょうか?

足代氏:弊社の場合、いわゆるクリエイターだけがクリエイティブだとは考えておらず、広告ビジネスを考えるといった人材もクリエイティブ人材だと考えています。そのうえで、求めている方向として、大きく2つの領域があります。1つは、メディアの広告を駆使して企業のマーケティング支援を行う、アカウントエグゼクティブやメディアプランナーといった、広告ビジネス領域で活躍いただける人材。もう1つは、ソリューションと呼ばれる領域で、企業のメディア構築・運営支援やデジタルマーケティング戦略を考える、ディレクションやコンテンツ編集を強みに持った人材です。

我々がクライアント企業から相談を受ける場合「オウンドメディアをやりたい」「デジタルマーケティング上の課題を解決したい」というご要望が多いのですが、それに対して提案をするためには、要求されたことをやるというだけではなく、クリエイターとして培った知見をベースに創造的な提案が必要となります。そういうところに、クリエイター職の強みが発揮できるのではないかと考えています。

そういう意味では、クリエイターの中でも「職人技的なものを駆使して黙々と手を動かす」というよりは、クリエイティブな発想や表現をしたいという志向が強い人、そしてビジネス的な思考でクライアントの視点からものが考えられる人が当社に向いていると思います。

いろいろなものに興味を感じられる好奇心と想像力。こうしたクリエイティブなセンスをベースに、クライアント企業の抱える問題の本質を見抜き、我々の強みを生かして解決するという「解」を導き出す。そういう仕事に喜びを見出せる人がほしいですね。

── 一般論として、クリエイター職の転職ではコミュニケーション力が重視されるという傾向がありますが、御社ではいかがですか?

足代氏:もちろん、当社でもコミュニケーション力は重要です。クライアント企業の担当者は、必ずしもクリエイティブ分野について専門性を持っているとは限りません。直接お客様と話を進めていく中で、クリエイターが想像力を働かせて「つまり、こういうものを求めていらっしゃるのですね?」と意図を汲み取る作業、あるいは専門用語の翻訳や解釈といった作業を経てお互いの理解を深め、我々の専門分野についてはお客様をリードしていくという役割が求められます。コンサルティングではその点が重要となり、コミュニケーション能力が欠かせないのです。

「働きやすさ」を考慮し、能力をフルに発揮できる職場づくり

本田氏

── 「職場」としての御社の魅力や特徴について教えてください。

本田氏:現在、当社の男女構成比はほぼ半々ですが、最近女性の比率が増えてきました。年齢的にも若手から中堅層まで、年齢分布は非常にバランスが取れています。どのような年齢でも、ほぼ同世代の同性が周囲にいますから、仕事面・プライベート面ともに周囲とコミュニケーションが取りやすい環境だと思います。

また、特別に女性向けの福利厚生を手厚くしているということはないのですが、こうした環境が女性にとって長く働きやすく感じられ、結果的に女性の比率が増えてきたのかもしれません。もちろん、介護や育児のための制度は整えており、そうした制度を活用している社員もいます。その様子を見ながら、さらに女性が働きやすい環境を整え、「インフォバーンで末永く働きたい」と思ってくれる人を増やしていきたいですね。

── 出産・育児を経ても復職しやすい環境は整っていますか?

本田氏:はい。同業界の企業と比べて、女性が働きやすい環境は整っていると思います。一人ひとりの実情に合わせて個別に対応しています。

足代氏:時短勤務の方でも昇進できるというのは当社の特徴かもしれません。例えばエグゼクティブクラスのプロフェッショナル人材が時短で働いていたり、グループ会社の執行役員が時短で働いていたりという事例もあります。

── 広告業界・メディア業界ともに、これまで「ある程度の超過労働はやむをえない」という暗黙の了解があったように思いますが、その点について御社はいかがお考えでしょうか?

本田氏:業界全体として、確かにそういう風潮はまだ残っていると思います。そこで当社では、時短やフレックスタイムなどの多様な雇用形態を用意し、現場のマネージャーに「やるときはやる。早く帰るときは帰る」という意識改革をお願いしています。また、管理側からも積極的なフォローを行い、全社的に働き方の改革を進めているところです。

── とはいえ、「働きやすさ」に魅力を感じて志望する人ばかりが増えても困りますね。

本田氏:そこはバランス感覚が要求されると思います。もちろん、仕事に対する意欲が第一優先です。しかし現実には、「意欲と能力はあるが、フルに働くことができない」という状況に直面することが、誰にでもあると思うのです。職場の働きやすさとは、そういう状況に陥った社員を支援し、再び活躍していただける道筋を作ることだと考えています。福利厚生の充実は、そのためのものだと思っています。

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足代氏 本田氏 インタビュー

── 最後に、クリエイターの求職者にメッセージをお願いします。

本田氏:人事の立場から言うと、現在当社は「イノベーション」というキーワードをさまざまな活動の指針としています。採用にあたっては、これまでの実績よりも「新しいことにチャレンジしたい」というマインドを重視します。私たちのビジョンに共感できる人に、ぜひ来ていただければと思います。

足代氏:デジタル的なテクノロジーやメディアビジネスの分野に限らず、世界の移り変わり全体に感性を働かせている方がいいですね。そこに、自分なりの視点があると、さらにいいと思います。

それと、クライアントサービスも含め、情報発信に関わる仕事として、「社会に意味のあるもの、受け取る人の役に立つ情報を提供したい」というマインドの方にぜひ来ていただきたいです。我々は常にそれを強く意識して仕事をしていますし、それが当社の伝統的な企業文化となっています。そういう部分で響き合える人と、ぜひいっしょに仕事をしたいですね。

インタビューを終えて

インフォバーンを訪問して最初に感じたのは「明るさ」。社内を飛び交うハツラツとした声。そして意見。外に対して何かを発信しようとするときの精神的な輝きのようなものが感じられた。「社会的に意味のある、人の役に立つ情報を提供していきたい」という、足代氏の言葉を裏付ける印象だった。最先端のデジタルマーケティングソリューションを提供しながらも、いい意味での「出版社」としての伝統や文化を受け継いでいるインフォバーン。男女を問わず、長く働き続けたいと考えている社員が多いのもうなずける。

※1 デジタルエージェンシーとは、デジタルマーケティングやデジタルプロモーション、デジタルブランディング、オウンドメディア構築・運営など、デジタル領域の広告代理店業務を包括的に行う業態を指す。
※2 メディアレップ(media representative)とは、広告媒体メディアと広告主の仲介を行う広告事業者を指す。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

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