ゲームプログラマーとは - どのような役割を担い、どのようなスキルが必要なのか

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ゲームを完成させるために、さまざまな役目のゲームクリエイターがチームとなって動きます。その中でゲームプログラマーは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。今回、ゲームプログラマーという職種の定義から主な役割、求められるスキルなどについて広くご紹介します。ゲームプログラマーとしてキャリアを積み上げたい、他業界からゲームプログラマーを目指したいといったビジョンをお持ちの方はもちろん、ゲームプログラマーという職種について興味のある方はぜひご覧ください。

ゲームプログラマーとは?

ゲームプログラマーとは、ゲームプロデューサーや、ゲームディレクター、ゲームプランナー、ゲームUIデザイナー等が構想したゲームの企画や構成・演出に基づいて実際にその通り動くよう開発言語を用いてゲームをプログラミングする職種です。

ゲームが意図した内容通りに動作するよう、仕様書や設計書をもとにプログラミングすることが主なミッションだと言えます。

ゲームプログラマーの仕事内容

ゲームプログラマーの仕事内容は、大きく分けて3つ。ゲームの開発環境の整備(ゲームエンジン開発)、プログラミング(ゲーム開発)、動作テスト・デバック(不具合修正・改善)です。大規模なゲームタイトルのプログラム開発を行う場合は、分業になることも多く、プログラミングの中心的な役割から補助的な役割まで、一見ゲームにまったく関係のないように思える仕事を含め、広範囲にわたります。

企画力や発想力、トレンドを押さえる力などを求められるゲームディレクターやゲームプランナーと異なり、ゲームプログラマーには「スキルや知識」、「正確性」が求められます。ユーザーにとってストレスなく楽しめる魅力的なゲームに仕上げるには、ゲームプログラマーの「スキル」が特に重要になってくると言っても過言ではありません。

ゲームプログラマーが担う主な役割

ユーザーに「面白い」と思われるようなプレイ環境を構築できるかどうかは、ゲームプログラマーのスキルに影響されるといってもよいでしょう。

ここでは、ゲームプログラマーがゲーム開発においてどのような役割を担っているのかを紹介します。

快適なプレイ環境を構築する

ゲームプログラマーが担う役割は、企画の実現化です。そしてそれは、ゲームプログラマーの腕が最も試される点でもあります。ゲームプレイで、いかにユーザーに飽きさせず、続行してもらえるかは、ゲームプログラマーが快適な動作を可能とするシステムを構築できるかどうかにかかっているのです。

たとえば、どんなに優れたグラフィックのゲームでも、キャラクターの動作が鈍く、画面の切り替わりのレスポンスが悪かったりしてしまっては、ユーザーは快適にプレイできず離脱に拍車をかけてしまいます。いかに快適で、動作上でのストレスをなくせるか。ゲームクオリティを高めるという点では、とてもクリエイティブな業務とも言えるでしょう。

バグを徹底的に排除する

ゲームプログラマーはバグなどに対しても細心の注意を払い、不具合が発見されたならば、迅速な対応をとらなければなりません。もし、バグが埋め込まれたゲームを発売してしまった場合、そのゲームがどれほど素晴らしいものでも、売上に大きく影響する可能性があります。

プログラミングは一度構築したら終わり、というわけではなく、どんなに完璧を期したと思っても実際に動かしたら、不備が出てきたり、想定もしていなかった問題が起こり得ることもあるので、ゲームプログラマーが構築したプログラミングは、デバッガー(チェックチーム)によって必ずデバッグされます。バグや修正すべき点、不具合が発見された場合は、ゲームプログラマーにフィードバックし、修正します。デバッグは繰り返しの作業ですが、ゲーム開発において欠かせない作業のひとつです。修正後、最終チェックを完了させ、ゲームが完成します。

しかし、完成といっても最近のゲームでは、コンシューマー(いわゆる据え置き機のゲーム)のものでも、発売後にダウンロードコンテンツとしてデータが追加されることがあり、スマートフォン向けゲームならばサービスが続く限りデータが更新されていくので、ゲームプログラマーは日々デバッグ作業を行うこととなります。

ゲームプログラマーが習得すべきプログラミング言語とゲームエンジン

ゲーム開発において、重要な役割を担うゲームプログラマーですが、いざゲームプログラマーになるのに特別必要な資格はありません。しかし、プログラミング言語こそが物を言う仕事内容であるため、ゲームプログラマーはいくつかのプログラム言語の習得が必須と言えます。開発するにあたり、プログラミング言語ならば、C++やC言語、Java、スクリプト言語としては、PHPが広く使われています。現在であれば、最低限C++やC言語といった開発言語はゲームプログラマーとしてキャリアを考える場合、覚えておくべきでしょう。独学が難しい場合には、プログラミングの専門学校やスクールなどで扱える言語を磨くことも1つの方法です。

上記でも少し触れた基底ライブラリ(以下ゲームエンジン)も、ゲームプログラマーが仕事をするにあたって習得しておきたい大事なツールです。ここではいくつかゲームエンジンの特徴をピックアップしてみました。

種類 特徴
Unity
  • マルチプラットフォーム対応
  • モバイル対応しやすい
  • PC画面に別の映像を出せる開発者がデバッグしやすい
  • ハードウェアサポートが早い
  • C#でコーディング可能
  • 日本語の情報が多い
  • 無料版と有料版(75ドル/月)がある
  • ノンプログラミングで開発可能
Unreal Engine4
  • リアリスティックな絵を出しやすい
  • 映像向き
Lumberyard
  • Amazon製
  • AWSクラウドに統合できる
  • 無料で使える

中でもUnityとUnreal Engine4はゲーム業界で非常によく使われる2大ゲームエンジンです。

これらは使い勝手のよさからゲーム以外で使用されることもしばしばあるため、他業種の方ですでに習得済みという方もいるのではないでしょうか。Unity、Unreal Engineについては、「ゲームプログラマーが必ず扱うべきソフトウェア4選」でも詳しく紹介されていますので、ぜひこちらもご覧になってみてください。

ゲームプログラマーに向いている人

ここでは、ゲームプログラマーへの転職を考えている人に向けて、ゲームプログラマーに向いている人、そして企業から「欲しい人材」と思われるゲームプログラマーの資質について解説します。

01.集中力があり、地道な作業が得意な人

ゲームプログラマーは、ゲーム開発において長時間にわたるコーディングやバグの修正など、緻密な作業を要するタスクが多いです。また納期直前は繁忙期となり、通常より業務が増え過密スケジュールになることもあるでしょう。そのような状況でも集中力を維持しながら、長時間、地道な作業を継続することが苦にならない人は、ゲーム開発における重要な資質を持っていると言えます。

02.ロジカルシンキングが得意な人

ゲームプログラマーは、効率的かつ効果的なプログラミングを行ううえで論理的な思考つまりロジカルシンキングが求められます。物事を順序立てて考え、設計していくことは、ゲーム開発においてもっとも重要なスキルと言ってもよいでしょう。また、現在人気のゲームが「なぜ人気なのか」「ヒットの要因は何か」といった視点で分析できることも、ゲーム開発の現場では大きな強みとなります。

03.好奇心があり、情報収集が得意な人

ゲームプログラマーは、探求心や好奇心といった、何かに夢中になれる素質がある人に向いているでしょう。ゲーム業界は日々進化しており、新しいプログラミング言語や開発ツール、ゲームデザインのトレンドなどが目まぐるしく移り変わります。そんな中、常に最新情報に目を向け、より面白いゲームを作るために自らの開発業務にそれらを積極的に取り入れる姿勢は、とても重要でしょう。

ゲームプログラマーに必要な基本スキル

ゲームプログラマーになるための地盤作りを実際に始めようと考えたとき、スキルをモノにするためにどのぐらい時間がかかるかも知っておきましょう。また、ゲームプログラマーに必要となるプログラミングスキルから、コミュニケーションスキル、体調管理スキルについても解説します。

プログラミングスキル

ゲームプログラマーは、プログラミング言語を使用したプログラミングスキルがあることは前提条件です。ただ、現在ゲームプログラマーが使用するプログラミング言語も多岐に渡るため、キャリアチェンジからゲームプログラマーを志す場合、すべてを網羅するのは膨大な時間を要するため、困難と言えるでしょう。そこで大事なのは、転職先と考える企業が、どんなプログラミング言語を使用しているのかをリサーチし、必要なものを集中して習得することです。

ちなみに、ひとつのプログラミング言語を覚えるのにかかる時間は、早くておよそ1000時間、約41日と言われています。無論、働きながらではプログラミング言語習得に使える時間も限定的と言えます。ゲームプログラマーになるための言語習得にどの程度時間を割けるのか、今のライフスタイルの中にどのように組みこみ、いかに集中して臨むかが鍵となるでしょう。

プログラミング言語の習得に要する時間

最近では短期集中型の講座や、ネット講座もあります。スクールの形態などにもよりますが、1〜3ヵ月、長くとも半年ほどでプログラミングを習得できるようです。

プログラミング言語を覚えるのが苦手という方は、言語を覚える過程でフリーゲームを作ってみるのもおすすめです。ゲームを作り上げる工程で、「どのような動作にプログラミング言語が必要なのか」といった言語の役割を構造的に把握できるからです。また自作ゲームを作り上げたという達成感は次への大きな活力になりますし、実務経験がなくとも、自作のゲームやアプリを配信し、一定のレビューを得られれば、それは紛れもなくあなたの実績になります。面接の際に有効なアピールにもなるでしょう。

コミュニケーションスキル

ゲームはひとりで作り上げるものではなく、チームで分担して作業します。またゲームプログラマーはほかの企業と連携して仕事をこなす場面も多々あるため、コミュニケーションスキルはとても重要になってきます。技術者を交えた打ち合わせ等では、ゲームプログラマーとしての意見を求められたりする場合もあるでしょう。その際、誰にでもわかるよう咀嚼しつつ、ロジカルに説明することを心がけてください。

体調管理スキル

開発したゲームのリリース前後やアップデート前後、もしくはエラーなどのトラブル発生などで、長時間の作業になることが多いゲームプログラマーは、体力もそれ相応に必要となります。専門的なプログラミングを扱うために、体調不良で休んだりした場合、ほかの人に作業してもらうことが難しいためです。そのため、日頃から自身の体調管理がとても大切になります。

同時にイレギュラーなトラブルが起こった際に、慌てることなく対応できる精神力(判断力)も必要でしょう。判断力が落ちていると、人為的ミスでエラーが発生してしまう危険性も高くなります。ミスが許されない以上、体力面も精神面も万全に整えておくことは、ゲームプログラマーには大切なことなのです。

まとめ

ゲームプログラマーについて幅広くご紹介してきました。ゲームプログラマーはプログラミングすることに面白さややりがいを感じる人、細かな作業が好きな人、難解なことほど燃えてしまう人、そして何よりもゲームが好きな人に向いている職業です。

世界中の人と交流のできるソーシャルゲームの普及もあり、市場拡大を受けてゲームプログラマーを含め、ゲーム業界全体の求人が増えています。ゲームが好きで昔は憧れていたけれど、結局別の業種についてしまったという人も、適切なスキルを身につければゲームプログラマーにキャリアチェンジすることも可能なのです。ぜひ、ゲームプログラマーというキャリアを考えるうえでの参考にしてみてください。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

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