退職はポジティブに - 円満退職をスムーズに進めるためのコツ
転職には人それぞれさまざまな事情があります。現在の職場の人間関係、待遇面での不満、仕事に対する不満などネガティブな理由で転職に踏み切る人もいるでしょう。その中には「どうせ辞めるなら、言いたいことを言ってスッキリして辞めてやろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、事情はどうあれ、転職に際しては前の職場を円満退職しておいた方が、いろいろな理由でメリットのほうが多いのです。感情的なふるまいはあなた自身のためになりません。
ビジネスのすべては人と人、会社と会社、そして人と会社のコミュニケーションによって成り立っているのは言うまでもありません。損か得かというレベルの話だけでなく、転職先に注意を払いながら、これまで在籍してきた会社にも配慮できるかどうかが、あなたが社会人としてこれからも活躍していけるかどうかの指針になるはずです。
転職のための活動とともに、円満退職を積極的に目指していきましょう。ここでは円満退職をするために知っておくべきことを解説していきます。
目次
円満退職のメリット
会社を辞めるとき、可能な限り円満退職したほうがいい理由は下記のようなものです。
- 退職日を迎えるまで周囲との人間関係で嫌な思いをしなくてすむ
- 退職に関する事務手続きが円滑に行える
- 転職のためのモチベーションを下げずにすむ
- 現在の会社と将来協力関係を結べる可能性が残る
- 業界内に悪い評判を立てられずにすむ
- 円満退職なら転職先にもクリアに退職状況を説明できる
- 気持ち的な後ろめたさを残すことなく退職できる
一度はその会社で長く働くと決めたからこそ社員になったという人がほとんどのはずです。しかしあなた自身の考え方や状況の変化、「思っていた会社と違う」「考えていた働き方と違う」などのミスマッチからも転職・退職へ意志が強くなっていくことは決して珍しいことではありません。また、この業界で十分な経験を積んだ方なら、新たなステージへ踏み出すために転職・退職を検討する場合も当然あるでしょう。
それら「退職の理由」を検討していけば、どんな状況で退職する場合であっても、「会社に起因するもの」と「あなた自身の希望によるもの」の両方が複合的に組み合わさって「退職する理由」となっていることがわかります。例え、どんな苦しい状況で退職を選んだとしても、一方的に「退職はその会社に理由がある」と断じるべきではないのです。その会社でこれからも働く人がいる以上、その立場を思いやり、あなた自身がその人たちの妨げとならないようにすることが退職の礼儀なのです。
また、理由はどうあれ、退職を巡って上司や同僚とトラブルを起こすと、あなたの評判が悪い方向で業界内に回ってしまうことや、人を経由していくことで小さな話が大きく広がってしまう可能性もあります。
転職希望先の企業からも前職を辞めた経緯を質問される場合があります。円満退職であったことがわかれば、あなたに対する評価は上昇するでしょう。採用担当者は「トラブルメーカー」を敬遠します。トラブルの原因があなたではなく前職の会社にあったとしても、採用担当者にそうしたいきさつはわかりません。前職を円満退職していないために「ひょっとして、うちも悪い辞め方をするかもしれない」と疑われるだけでもマイナスになります。
こうしたことを考えると、前向きな気持ちで転職活動に専念するためにも、新しい仕事を気持ちよくスタートするためにも、今の会社での不満などは水に流して円満退職を心がけるべきだと思います。
円満退職をスムーズに進める5つのポイント
退職理由はポジティブに
円満退職を実現するためには、退職理由も会社が快くあなたを送り出してくれるような内容にするべきでしょう。「この会社にいてもスキルが身につかないから」「自分の業績を正しく評価してくれないから」こうした会社に対する不満が直接の退職理由だったとしても、それをそのまま今勤めている会社に告げるわけにはいきません。
「将来独立してフリーになりたいので、それに役立つスキルが身につけられる会社に移りたい」「どうしても○○をやりたいので、それができる会社に移りたい」というような前向きな理由であれば、今勤めている会社もあなたを引きとめにくくなると思います。
例えば、Webディレクターなら「将来はWebサイト制作の上流から下流までをトータルプロデュースできるようになりたいので、もっと小規模なサイト制作を手がける会社に移りたい」といった理由などが考えられます。内容はどうであれ「この会社を辞めたい理由」ではなく「別の会社でこういうことがやりたい」といった前向きな内容を退職理由にするのが円満退職のコツといえるでしょう。ここでは上司や経営者に退職理由を聞かれた場合の想定質問とその答えのOK例、NG例を見ていきましょう。
退職相談時の悪い例と良い例
退職を希望する理由は?
NG | 他にもっとやりたい仕事があるからです。 |
OK | 将来のために必要なスキルを身に付けたいと思っています。 |
現状の待遇や仕事内容に不満が?
NG | 残業が多い状況と待遇に不満があります。 |
OK | 退職は現状への不満ではなく次のステップへ必要だと考えてのことです。 |
転職先は決まっているのか?
NG | ○○社に内定をいただいています。 |
OK | 検討していますが、まだ決まってはいません。 |
退職されると大変困る状況。なんとか留まってもらえないだろうか?
NG | 法的に退職までの期間は2週間です。早く退職したいと考えています。 |
OK | 引き留めていただき、大変うれしいです。ですが一度決心したことですのでどうかご了承ください。仕事の引き継ぎに全力で協力します。 |
あなたの昇進、または昇給を検討するが?
NG | どんな内容ですか?(今持ち出されても...) |
OK | 昇進や昇給を考えての退職ではありません。ありがたいですが決心は変わりません。 |
会社の経営者や上司が退職希望者に交渉を試みるラインは2つです。第一のラインは当然のことながら、退職を断念させて雇用を継続すること。次のラインは退職者がでることによって起こる会社のマイナスを最小限にとどめることです。
あなたがスムーズに退職するためには、第一のラインを早急に諦めてもらい、第二のラインにあなたが協力することを意思表示していくことが大切です。現状の不満の表明は円満退職へのフローを後退させることにしかならないことを肝に銘じておきましょう。
円満退職の意思表示はできるだけ早く伝える
退職を決意したらできるだけ早く会社に意思を伝え、後任者を準備する時間的余裕を設けましょう。一般的には、退職は退職予定日の1か月以上前に申し出ることとなっています。しかし、会社や仕事内容によっては後任者の決定、業務の引き継ぎのために2〜3か月の準備期間が必要な場合もあります。時間的な余裕がなく、あわただしく引き継ぎを済ませると後任者も混乱しますし、職場にも迷惑がかかります。そういうことのないよう配慮するのも円満退職の秘訣です。
なお、後任者がなかなか決まらない場合は引き継ぎ事項を整理して資料にまとめておくといいでしょう。また引き継ぎ事務については後任者とふたりだけでおこなうのでなく、上司を交えて三者で行うと教え漏れや誤解などが発生しにくく、より円滑な引き継ぎが行えます。
退職の意思表示から引き継ぎまでの流れと注意点
退職の意思表示
転職を前提とした退職の場合、転職先決定が先か退職してから転職活動をおこなうかで変わってきます。転職先が決まってから退職する場合は、転職先とよく相談した上で、入社までの期間を決め、その日から逆算して退職日を決める必要があります。そして転職先が確定したら一刻も早く在職する会社へ退職の意思表示をすることが重要です。直属の上司に直接相談することが会社における鉄則です。同僚や部下に安易に話したり、さらに上の管理職に相談したりするのは絶対に避けるのが筋道です。終業後や昼食時など落ち着いて話を聞いてもらえるタイミングで、しっかりと自分の意思を伝えましょう。その後の退職届・退職願の提出も滞りなく行うことが重要です。
なお、退職する上で必要な退職届の書き方や提出手順に関しては、「退職願と退職届の違いとは - 正しい書き方と提出手順」でも紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
社内での退職の承認
退職届・退職願を提出し、承認が得られれば、あなたの上司はさらに上の管理職や経営陣にあなたの退職について図ってくれるはずです。社内の事情や、担当中の仕事によって、あなたの退職までの期日がこの段階で決まっていくことが予想されます。
あなたは最初の上司との相談で、自分の退職すべき期日よりも前に退職の予定日を伝えておく必要があります。余裕を持っておくのは、自分の予想よりも会社が長く引き継ぎ期間を求めて来た場合に対応するためです。退職に向けた回答が得られた場合はできる範囲で譲歩し、引き継ぎに協力していきましょう。
引き継ぎのスタート
社内での退職の承認が得られれば、必要な部署への連絡、後任者の決定などがおこなわれていきます。あなたが退職することが、社内に知れることとなり、同僚や部下など仕事仲間の動揺もありうるでしょう。あなたは引き継ぎがスムーズにいくよう自ら努力するのはもちろんのこと、仕事仲間の協力を得られるよう、すべてに誠実に対応していってください。
事情を聞かれる場合も多いですが、退職の理由として会社への不満を漏らしたり、転職先の情報を話してしまうのは絶対NGです。退職までに担当中の業務や引き継ぎを終わらせ、支障なく円満退職できることを目指しましょう。
職種・年代別でトラブルを残さないために
退職の方法にある程度のアウトラインがあっても、その人の抱える仕事の状況は職種やポジション、経験、社内での年次によっても変わってくるでしょう。
経験やポジションが高くなっていれば、それだけ社内で負っている責任は大きく、退職までのフローは複雑になります。自分が退職するためには、どんな人にどんな負担を頼むことになるか、会社はどの人を後任に当てるか、あるいは採用が必要かまでをあなたも予想しておくことが円満退職するためには必要です。具体的な円満事例と失敗事例を見ていきましょう。
円満退職の成功事例
Webディレクター経験5年
転職を考えはじめてから半年ほど情報収集をし、時間的に本格的な転職活動にはやはり退職が不可欠と判断。在職中企業に支障が出ないよう、担当プロジェクトの終了3ヵ月前に上司に意思表示して、プロジェクト終了と同時の円満退職。
Webデザイナー経験10年
転職先の内定を獲得してから、入社までに2ヵ月の猶予しかなかったが、退職の意思表示を早急におこない、以前から自分のポジションを引き受けられるよう後輩の指導に力を入れていて、1ヵ月程度で引き継ぎがスムーズにおこなえたので、社内でのコンセンサスが得られ、退職が可能となった。
Webエンジニア経験5年
転職先の内定を受け、退職の意思表示をしたが、引き継ぎの状況により転職先と打ち合わせしていた2ヵ月先の入社がどうしても3ヵ月先になることに。在職会社との関係性も重視して、転職先に交渉し入社の1ヵ月延期の了承を得る。責任ある行動を双方から再評価された。
円満退職の失敗事例
Webプロデューサー経験7年
予想を超える好待遇で思わぬ企業から突然内定を獲得。現職の担当プロジェクトに入って序盤だったが自己判断で引き継ぎ可能と考え、1ヵ月での退職を希望した。しかし在職会社での後任がなかなか決まらず、プロジェクトは遅滞。結局最低限の引き継ぎをおこなうために退職に3ヵ月を要し、在職会社、転職先会社の双方から評価を落とすこととなった。
ゲームプランナー経験2年
退職を決意し、情報収集を開始していたが、社内で突然重要なポジションを任されて転職活動が延び延びに。気がつくと2年、3年と経過して転職するタイミングを逃してしまい、欲しいと思っていたスキルを身に付けるチャンスも失った。
Webディレクター経験3年
在職会社に対するフォローを怠り、法定通り2週間での退職を宣言。引き継ぎも不十分なまま退職したが、無関係と思っていた転職先に退職した企業の営業が出入りしていて、転職の状況が発覚。内定取り消しにこそならなかったが、退職した会社ばかりでなく、転職先でも「身勝手な人物」との評価が広がり、信頼に大きな傷をつけることとなった。
円満退職するために守らねばならない事
自分に利するばかりでなく相手の立場に配慮して事実を伏せる
退職時において、転職先に関する情報を話すべきかは転職者にとって悩む部分だと思います。実際は転職先が決まっているのに、「これから転職活動をおこないます」と言ったり、「家業を継ぐ」「家族の介護が必要になった」などの事実とは違う理由を言って退職する人も少なくありません。このことを保身と捉えることもできますが、退職する会社から見れば、退職後のあなたがどのような道を歩むかよりもあなたが抜けたことによって、社内のモチベーションをいかに落とさないかが重要です。
あなたの転職が有意義であればあるほど、退職企業はそのことに触れたくはないのが会社を経営していく者の心理なのです。事実と違う退職理由を上げることは、そんな退職する企業を守ろうとする経営陣にとって必ずしも不誠実なこととはいえません。退職を思いとどまる可能性があるならば、事実を話して現職での仕事内容や待遇改善を目指すこともできますが、そうでなければ、事実を伏せることも退職のマナーの一つだと考えましょう。転職先で退職する企業と密接な関係性を保ちたい場合であっても、それは転職が完了してから関係修復を図るのが得策です。
クリエイターとしてあなたにしかわからないことを伝えていく
クリエイターとして活躍する人々の仕事の特徴は、その人のスキルや感性が色濃く表現されているということ。あなたが会社を去った後に、次に展開されるプロジェクトや制作活動がどう展開されていくべきかを考えておくことが必要です。上司や仕事仲間と十分に協議し、あなたの属人化した仕事を可能な限り他のメンバーにわかりやすく伝え、再現できるようにしていくことが求められます。そしてこの作業は何も在職企業のためばかりだとはかぎりません。
あなた自身のスキルの「棚卸し」ともなり、改めて転職先で活用できる可能性があるからです。日々の業務に追われていてはなかなかできない自分のこれまでの経験やスキルの見直しおこなうことを意識していきましょう。そうすれば引き継ぎに向かうあなた自身のモチベーションも上がってくるはずです。退職直前の段階であっても、後任者や仕事仲間との信頼関係をまた新たに構築しておく機会にもなります。
円満退職は今の上司・同僚が人脈へ変わる
退職企業をあなたのライバルにしてしまうか協力者にするか
クリエイターは専門職ですから、転職に際しても同業種の会社に移ることが多いと思われます。転職後、前職の会社は同業他社となり、クライアントを巡ってのライバル関係になることもあるかもしれませんし、協力会社になる可能性も十分考えられます。また、前職の上司や同僚は業界内の人脈にもなります。
こうした「会社を離れた業界内の横のつながり」は、将来の自分の貴重な財産となります。思いがけないことで助けられたり、貴重な情報を得られたりといったこともあるでしょう。ただし、それはあくまでも円満退職した場合の話です。辞め方が悪いと、増やさずにすむ敵をわざわざ増やしてしまう結果にもなりかねません。
円満退職を人間関係のリセットの機会と考える
確かに退職を考えるということは、少なからずその会社や人間関係に不満があってのこと。それでも、退職する企業や、その企業を構成する人々との信頼関係を損なわず、継続可能な状況にしておくことが、あなたの今後のワークライフにおいてどれほど有意義かもあなた自身が感じていることではないでしょうか。
だからこそ退職をリセットと考えることができれば、これまで不満があった部分を解消したりすることも可能です。例えば、仕事上で上司との関係や同僚とのやりとりがどうしても上手くいっていなかったとします。しかしあなたの退職はその人間関係に新たなシチュエーションを与えることにもなるのです。
あなたから一歩踏み出して人間関係の改善を図っていくことも決して難しくないはず。そんな形で在職時以上に人間関係を改善し、転職先では重要な協力者ともらえる例は少なくありません。円満退職を機に社内の多くの人たちとニュートラルな関係性を築き、次の仕事での人脈にすることを目指してください。
円満退職のためのスケジューリング
退職する企業への引き継ぎやフォローは十分におこないたいと思っていても転職先から既に内定を獲得していて退職をするべき期日が迫っている場合は、転職先を優先せざるを得ない場合もあり得ます。そんな事態を極力避けるためには、あなた自身があなたの退職する会社で抱える仕事の容量を考え、どのようにスムーズな退職をおこなっていくかを綿密に検討しておく必要があります。
クリエイター職種の一般的な転職先への内定獲得から在籍会社の退職までの期間を見てみると、やはり1ヵ月から2ヵ月程度が最も多くなっています。ただ、マネジメント職やプロジェクトの進行役を務めるクリエイターの場合、3ヵ月以上に及ぶ場合も少なくありません。自らの仕事の状況を客観的に判断して、転職先企業にそれが可能な猶予をもらっておくことが重要となります。
しかし退職のためのスケジュールについては、前述のとおり退職の意思を上司に伝えるまで、うかつに上司や仕事仲間に相談することはできません。万が一にも退職前に転職先がわかってしまった場合、あなたの転職への妨げになる可能性があるからです。退職へのスケジュールをどう決めるかは、客観性を持った自分の判断しかありません。最も重要になるのは、あなた自身が現在おこなっている仕事を、部署のメンバー、あるいは新任者に引き継ぐために必要な時間はどれくらいかというところです。しかし、自分本位、あるいは在籍中の会社本位で考えると、期間は大きく変わってくるはずです。円満退職のためのラインを考えて退職スケジュールを組み、会社と交渉していきましょう。
円満退職のためのスケジュール例
Webディレクター(24)
- 内定企業の入社予定日...2ヵ月後に設定
- 在籍会社の退職日...1ヵ月半後(有給消化11日含む)
- 1ヵ月間の引き継ぎ内容を上司及び後任と検討
プロデューサー(35)
- 内定企業の入社予定日...3ヵ月後に設定
- 在職企業の退職日...2ヵ月〜2ヵ月半後(有給消化含む)
- 引き継ぎ業務が膨大複雑のため期間に余裕を持った
Webデザイナー(28)
- 転職活動は退職後を予定
- プロジェクトの切れ間で意思表示から2ヵ月後に退職
- 同僚、後輩に十分な仕事内容の伝達が可能
クリエイターの転職活動は、十分な引き継ぎをおこなうために半年以上の期間がかかってしまう場合があります。その場合の選択肢はずばり、引き継ぎが不十分でも退職するか、退職してから転職活動をおこなうかの2つになります。それぞれのメリット、デメリットを考え、最終的な判断はやはりあなたが下すしかありません。
どんな状況であってもあなたと退職する企業のマイナス面を極力少なくしていくことが、以後の関係性を保つ唯一の方法です。最後まで諦めずに取り組んでください。
まとめ
転職の時期は自分を取り巻く環境が大きく変わるため、あなたにかかるストレスも大きく神経質になることが多いでしょう。そういう時期を無事に乗り切るためには、できるだけ周囲の人々とトラブルを起こさず、応援されるかたちで円満退職できることに越したことはありません。人はついつい自分中心に物事を考えがちですが、そんな時だからこそ退職する会社やそれを構成する人々の立場を考え、行動することが必要なのです。
あなたが有能であればあるほど、あなたが退職することは会社にとってマイナスになることは否めない事実です。強い慰留があってもそれにただ反発するのではなく、自らの価値を認識してくれているということに感謝し、あなた自身が去ろうとしている会社に最後まで敬意を持って対応していきましょう。
あなた自身が次へのステップアップとして転職を選択していたにしても、あなたが退職する会社で得たものは、スキルや経験、人脈のみならず、あなた自身が意識していないものまで含めて実は膨大です。現状への不満があっても意識を切り替えて感謝の念を持つことは、あなたにとっても退職を大きなプラスに転じるきっかけになるのです。上司・同僚を問わず「人間関係を何よりも大切に考えること」が、円満退職の最大のコツになるのではないでしょうか。