転職する上で現職を退職するベストなタイミングの見つけ方と作り方

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終身雇用の考え方が薄れ、人材の流動性が活発化してきた現在、転職する人に対する認識や考え方も以前とは随分変わってきました。個人が転職によって自己実現していく自由度は近年大きく上がったといえるでしょう。

転職者にとってまず大切なのは転職先となる企業への対応です。しかしつい後回しになりがちなのが退職する企業との関係性をどう保っていくかということ。それには退職のタイミングが大事です。クリエイター業界は決して広い業界ではありません。中でもWeb、ゲームといったデジタル領域を主とするクリエイターは、プロジェクトでの協働や交流も多く、人間関係にひびが入ると、現在は問題なくとも、将来仕事の大きな障害になる可能性も否めません。

企業として一度入社した社員に長く勤めてもらうことは理想です。しかし転職のための「退職者を全く出さないようにする」ということは、企業運営としてももはやナンセンスです。それでは何が在職企業にとってもっとも重要なのか。それはその人が退職する「タイミング」に他なりません。在職企業やそこでの人間関係を転職後もポジティブにつなげていける退職タイミングを見つける、あるいはつくる方法を考えていきましょう。

在職企業との雇用関係について"基本"を知っておこう

クリエイターが企業と関わるスタイルは多様で、外部スタッフとして業務委託でプロジェクトに参加したり、契約社員や派遣社員として雇用されている場合もあるでしょう。この場合、退職のタイミングは仕事やプロジェクトの切れ目となることはいうまでもありません。これらの仕事のスタイルには契約期間が存在しますので、更新を打診された際に、更新せず転職する意志を表しておけばOKです。それでも契約期間内のタイミングで突然退職することは社会通念上許されることではありませんので、もし契約に抵触してしまう場合は早めに相談し、必ず相手の了承を取っておくようにしましょう。

正規雇用者の退職は非正規雇用者とは違う

退職に向けて事前準備が必要となるのはやはり正社員(正規雇用者)として企業に所属していた場合です。正社員とは「雇用期間に定めがない社員」を指し、企業側は退職の意志を示されない限りは定年まで勤務することを前提に企業活動をおこなっています。そのため正社員は様々な面で企業から優遇されており、企業が正社員を解雇する場合には制約もあります。正社員が自ら退職する場合、契約社員や派遣社員よりも敷居が高いのは当然のことなのです。

法的に定められた退職タイミングとは?

それでは正社員が退職する場合どれくらいの期間をおけば良いのでしょうか。法的には、民法に「期間の定めのない場合、原則2週間前までに申し出る」ということが定められているほか、特に規定はありません。それならば退職まで2週間と考えればいいのかというと、そう簡単ではなく、多くの企業は社内規定に就業規則という形で退職の申し出から退職までの期間を取り決めていて、1ヵ月間と定めている会社が一般的です。社内規定は入社時に社員本人が確認していることが前提となりますので、この内規を無視して退職することは社会通念上できません。退職を考え、転職活動を始める時には、必ず在職企業の内規も確認しておきましょう。

労働者の権利への意識がまだ低かったころにつくられた社内規定では、退職の申し出から退職までを、3ヵ月、6ヵ月と長い期間を設けている企業もあります。実際の転職においてあなたがその内規を守ることができればベストですが、それが不可能な場合は、退職のタイミングについて在職企業と話し合って妥協点を見出していくということが必要です。

あなたが守るべき実際の退職のタイミングは?

退職するにあたって、あなたが在職企業と話し合わなければならない内容は思いのほかたくさんあります。それをクリアするためのスケジュールが双方で折り合えば、法的な2週間や内規からはずれても問題ありません。しかし双方が折り合うことが難しい場合は、企業の内規で多いといわれ、社会通念上も広く受け入れられている1ヵ月を最短ラインに考えるのが良いでしょう。

後の項で触れますが、転職先を決めてから退職する場合、例え在職企業の内規で3ヵ月や6ヵ月というような長期の期間が設定されていると、転職自体が難しい、あるいは不可能になってしまう場合もあります。だからといって退職のタイミングを一切考えずに勝手に退職しまっては、周囲からの理解を得られずに、社会的に孤立する状況に陥るのはあなたの方ということになります。折り合うのが難しい場合ほど、あなたから話し合う姿勢を見せ続けましょう。

退職するタイミングの見つけ方 - 退職と転職先の確定どちらが先か?

退職のタイミングをはかる上で重要なのは、退職してから転職先を探すか、転職先を決めてから退職をするかの選択です。あなたの性質や在職状況を考えてどちらを選択していくべきか考えましょう。下記に退職が先のほうが良い人、転職先を先に見つけるほうが良い人の2種類で、それぞれ5つの質問を用意しました。あなたの現状を考えてYes、Noで回答してみてください。

退職してから転職先を探すべき人への5つの質問

転職前にスクールなどで集中してスキルを補強したいYesNo
退職から次の会社に入るまでの生活資金は準備しているYesNo
プロジェクトの切れ目が目前で退職しやすい状況にあるYesNo
現在の自分のポジションをカバーしてくれるメンバーがいるYesNo
多忙過ぎて正直退職してからでないと転職自体考えられないYesNo

転職先が確定してから退職するべき人への5つの質問

休日や平日の勤務終了後の時間を利用して転職活動ができるYesNo
転職先が決まれば在職企業の退職は容易だと思うYesNo
無収入の期間が出ることは避けたいYesNo
退職を急ぐよりも転職の方向性をじっくり決めたいYesNo
キャリアアップ目的の転職で現職に不満があるわけではないYesNo

それぞれの5つの質問で、Yesの数が多い方が、もう一方よりあなたにあった転職だといえます。そしてこれらの質問に答えることであなたの退職において克服しなければならない問題点も見えてくるのではないでしょうか。

退職をしてから転職活動をおこなう人には「転職活動中の生活資金が準備できている」「プロジェクトの切れ目で在職企業の理解が得やすい」など、退職における理想的な状況もあれば、「業務が多忙過ぎて転職活動をおこなう余裕がない」というネガティブな理由から先に退職をせざるを得ないという人もいます。一方で転職先を決めてから退職する場合も、仕事と転職活動を併行しておこなうメリットとデメリットがあり、退職するタイミングの選び方としてどちらが正しいかは一概にはいえません。自分にとってより良い形の退職するタイミングを見つけるために、今の自分に何が必要かを続けて考えていきましょう。

退職するタイミングをつくるためにやるべきこと

一般的な会社員の中では人材の流動性が高く、自由なイメージのあるクリエイター職種であっても、いざ転職しようと考えたらどうしても退職のタイミングが近づいてこないという人が多くいます。それを解決するための方法を3つのジャンルで紹介していきます。

Point1

在職企業に向けてやっておくべきこと

  • 自身の主業務(プロジェクト等)の切れ目を把握しておく
  • 後任者を育てる(スムーズな業務引き継ぎができる相手をつくっておく)
  • 新規プロジェクトへの参加を控える

企業での在籍期間が長くなり、ポジションが上がれば上がるほど、退職のタイミングの選択は難しくなります。退職をスムーズにおこなうためには、退職を申し出る前からある程度退職できる状況をつくっておくことが理想です。転職の意志が固まったら、在職企業で上記のように行動し、退職のタイミングをつくる努力をしていきましょう。これらのあなたの行動は、退職の申し出の前にあなたの退職を周囲に予想させることとなります。

上司から何か質問されたら、タイミングを考えて「退職を考えている」ことを伝えておきましょう。これは退職を申し出る前段階となりますので、後戻りしない覚悟が必要です。しかし上司があなたの退職を受け入れるか、引き留められるかは、状況によって変わってきます。あなたを引き留めるために在職企業が現在よりも好条件を提示してくる可能性もあるでしょう。在職企業の条件変更によって、転職を思いとどまるならそれもOKです。しかしご存知の通り「辞めたい」といって企業側の条件の譲歩を引き出す人は積み上げた信用を消耗してしまいます。やはり転職したいという意志が確かになったタイミングにだけおこなうことが必要です。

Point2

転職の自由度を上げるためにやっておくべきこと

  • 自分が転職する方向性を定める
  • 転職活動中の生活資金を準備
  • 居住地など生活のスタイルを変える

退職のタイミングはいくつかの要素によって決定されていきますが、転職者となるあなたが最も重要視すべきは、あなたが「なぜ転職したいか」という転職そのものの方向性です。「もっと大きなプロジェクトを手がけたい」という仕事そのものへの希求もあれば、「キャリアアップしたい」「ジョブチェンジしたい」という職種やポジションの方向性での転職もありうるでしょう。「地元に帰りたい」「勤務地域を変えたい」の会社の環境に対する希求や、自身のライフステージやワークライフバランスを考えて、待遇や休日休暇、勤務時間を理由に転職する場合もあります。これらすべて含めて「自分が何のために転職するか」を明確にしておくことであなたが転職するためにどんな条件が整う必要があるかが確定してくるのです。転職と退職するタイミングをすり合わせることはこの転職の方向性が決まっていない限り不可能なのです。

そして転職の自由度を上げるためにやっておくことができる一つのポイントが、「転職中の生活資金を準備しておく」ということです。多くの人が転職を断念する理由にあげるのが前項でも触れた「多忙すぎて転職活動ができない」という理由です。つまりその人は退職してからしか転職活動ができない状況にあるといえます。退職できる状況を作り出す、あるいは転職活動中にスキルアップするなど、転職の自由度を上げるためには退職してから新しい企業に入社できるまでの生活資金の準備ができているか否かが大きく影響します。例えば転職期間を3ヵ月〜6ヵ月と試算し、この間の生活資金を準備することできればあなたはより自由な立場で退職のタイミングを考えることができるはずです。

さらにもう一つ転職活動中の生活をカバーするために「生活スタイルを変える」という方法があります。日常の生活費を抑えるなどの工夫はもちろん、家賃の高い都市部に居住しているのなら、郊外に転居して住宅費を抑えるというのも一つの方法です。また現在の居住地域がそれまでの仕事を前提に決めたものだとしたら、転職後の生活を視野に入れて、より自由に居住地域を選ぶこともできるでしょう。生活資金が十分でないとき家族の協力が得られれば、一時的に実家で生活するというのも転職時を乗り越える一つの方法です。ひとり暮らしか、配偶者や家族がいるか、個人によって状況は大きく変わりますが、転職では生活そのものを見直すことで新たな可能性が見える場合もあります。「退職は無理=転職はできない」と結論づけてしまう前に、生活のスタイルを見直すことで退職のタイミングをつくることを考えてみてください。

在職企業との関係をポジティブにする退職タイミングの試算

退職したいと考えている社員を無理に引き留めてもメリットが少ないことはどの企業においても同じです。退職するタイミングの打診や、さらに一歩進めた退職の申し出によって(退職願または退職届の提出)あなたがしっかりと意思表示をおこなった場合、企業はそれを受け入れざるを得ません。それだけに在職企業にとって大切なのは極力業務に支障がないかたちであなたに退職してもらうことです。あなたの退職をよりスムーズにするためには、在職企業の事情を考慮し、互いに協力して円満退職が可能な退職タイミングを見つけることがベストなのです。

プロジェクトの切れ目は?引き継ぎのために必要な期間は?在職企業と折り合える方法で退職するタイミングを想定していきます。これはあなたと在職企業が協力して「あなたの退職」というプロジェクトを遂行するようなもの。これで協力できるかいなかで、退職後もその企業との良好な関係性を維持できるか、あなたの転職をよりポジティブにしていくための鍵でもあるのです。

退職するタイミングの想定方法

退職までのタイミングの想定は以下の3つの要素から考えてみてください。あなたに個々の事情がある場合は、これらに期間を足し引きして具体的に考えて見てください。

退職までの想定期間 30〜90日程度

担当するプロジェクトの完了日 or 担当業務の引き継ぎ期間の終了日 目安 15日〜55日程度

担当プロジェクトの完了に合わせられるのが最も支障なく退職できるタイミングです。追加業務を入れないように在職企業と交渉しましょう。業務の引き継ぎに必要な期間はリーダーやマネージャーなどポジションが高い人ほど長くなるのはやむを得ません。転職先が確定している場合は転職先とも交渉の上、必要な日数を想定しましょう。

残務処理期間 目安 数日〜30日程度

クリエイターといえども担当しているのは制作プロジェクトばかりではありません。クライアントと直接コミュニケーションをおこなっていたり、社内でのポジション的な引き継ぎや事務処理も必要なはずです。これらをクリアする期間を普段の業務とは別途設けていきましょう。この間に、退職とのための事務手続きも社内の人事・総務と相談して完了させておきましょう。安心して退職するための準備期間にもなります。

有給休暇消化期間 目安 数日

企業によって有給休暇の取得状況は異なりますが、退職を前に有給が残っていた場合は消化期間を設けて、給与が支払われるのが一般的です。注意して欲しいのは、この有休の消化期間はまだあなたはそれまで在籍した企業の社員であるということ。この期間を終えるまで次の企業に正社員として入社することはできないと考えるべきです。この期間も必ず退職までの必要期間に換算しましょう。

クリエイター 退職までのタイミングにふさわしい期間

退職までのタイミングにふさわしい期間は1〜3か月

退職までの想定期間は、個人の状況を鑑みたとしても、30〜90日(1ヵ月〜3ヵ月)の間で設定するのが望ましいです。特に転職先が既に決まっている状況であれば転職先企業が入社を待ってくれる限界があるはずです。募集の段階で入社日を設定されている場合を除けば、一般的に交渉可能な範囲はやはり3ヵ月といったところです。それ以上の入社日をずらせば、逆に転職先企業から「入社への熱意が少ないのでは」と評価を下げてしまうことにもなりかねません。一方で転職先が決まっていない場合でも退職の申し出をおこなってから退職までの期間をあまり長くすることはおすすめできません。在職企業に引き留める機会が増え、あなたの転職へのモチベーションにも良い影響を与えないからです。担当プロジェクトの完了日などで多少前後することがあっても、最短30日〜最長90日の退職するタイミングの幅は守っていくのが良いでしょう。

在職企業とどう交渉していけばいいか

あなたがその会社でキャリアを築き、責任あるポジションにあったとしても、退職までの期間は最長90日をラインに交渉を試みてください。そして特に理由がある場合を除いて、それ以上譲歩することも避けましょう。退職までの期間を最長で90日と考えるのは、一般常識として退職する人が業務引継のために用意する期間として多くの人に受け入れられる日数だからです。90日を超えても退職を認めないというならそれは企業側にも問題があるはずだと多くの人が感じるのです。内規や社内事情があったとしても、企業もこの良識の範囲とされている日数を無視することはできません。最終手段として、あなたの退職に向けたタイミングをしっかりと守っていきましょう。

また、在職企業との関係を壊さないまま退職に協力してもらうために「他業界への転職をする」「独立する」「地元に帰る」など会社が受け入れやすい理由を用意しておくのも良いでしょう。クリエイターならフリーランスで活動をはじめるというのは会社側の納得感を得やすく、仕事上の関係性を維持しやすい理由にもなります。退職によってそれまで築いた企業との関係性や人間関係を壊してしまうのはあなたに取って大きなマイナスです。退職を経ても良好な関係を維持する工夫こそが、これからのあなたのクリエイター人生にも好影響を与えるのです。

まとめ - キャリアアドバイザーからの一言コメント

ここまでの記事で紹介してきたとおり、退職をスムーズにおこなうために一番重要なのは在職企業と折り合える「退職のタイミング」です。それは退職の申し出から退職までの期間だけの問題ではありません。あなたがそれまで所属してきた企業に対して、可能な範囲で業務の進行に配慮すること。退職に一番ふさわしいタイミングをつくり出すことなのです。この退職タイミングによってあなたは退職した企業とも良好な関係を維持し、時には協力を得られるという大きなメリットを獲得できます。転職だけでなく退職にも誠意を持って臨むことがあなた自身を高める結果につながっていきます。

スムーズな退職を果たし、新たなるキャリアを築きたい方は、是非参考にしてみてください。

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