ポートフォリオとは - Portfolioの意味と3つの業界での使い方

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what is a portfolioポートフォリオという言葉は、クリエイターが実績をアピールするための作品集という意味で使われるイメージが強いかと思います。しかし、クリエイティブ業界以外の金融用語や教育用語としても使われていることをご存じでしょうか。

今回は、そもそものポートフォリオという言葉の意味を押さえ、語源からその由来を探り、各業界におけるポートフォリオの使い方を簡単に解説したいと思います。

普段、単なる「作品集」の意味で無意識に使ってしまいがちな「ポートフォリオ」。さまざまな角度からポートフォリオに対する理解を深めていくことで、ポートフォリオに本来求められている深い意味や、転職の際にポートフォリオを有効活用するヒントに気付くことができるかもしれません。

そもそものポートフォリオの意味と語源

Portfolioとは、複数の書類をひとまとめに持ち運べるケースの意味

Portfolio(ポートフォリオ)とは、日本語に直訳すると「紙ばさみ」「折りかばん」「書類入れ」という意味です。つまり「書類を運ぶためのケース」のことを表し、個々の書類を別々に扱うのではなく、書類全体をひとつの物として扱うという意味を持っています。

一見、バインダーやファイルと似たようなニュアンスに聞こえますが、これらは正確に言うと「書類を糸などで綴じる」という意味を持つことから、ポートフォリオとは若干の違いがあります。ポートフォリオの本来の意味は、そのファイルにきれいに綴じられる前段階の紙書類をひとまとめにして、運びながら出し入れできるケース、といったイメージです。

ポートフォリオは相手に合わせて内容を変えていくもの

「書類を綴じない=内容物をひとまとめにしながらも、部分的に差し替えることを前提にしている」という点が注目ポイントです。つまり、ポートフォリオは、完成品をひとつだけ作るのではなく、提示する相手と状況に応じて内容を差し替えていく、という意味合いがそもそもの根本にあるのです。

したがって、転職活動に置き換えるならば、Webデザイナーの場合、UIに強みを持つWeb制作会社の採用面接に行く時は、自分のUIスキルがアピールしやすい資料を中心にポートフォリオをまとめ、グラフィックにこだわりの強い会社に面接に行く時は、グラフィックスキルをアピールしやすい資料を中心にまとめる、そういったアレンジが自然の流れであり、「転職活動で複数社の面接を受けたが、持っていったポートフォリオはすべて使い回しだった」といったことのないように注意が必要となります。

また、こまめなアップデートも大切です。特にWeb系のクリエイター職は、技術の進化やトレンドの変化のスピードが速いため、一回作って終わりということではなく、できる限り新しい作品に差し替えていきましょう。

語源は、イタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)

英語であるPortfolioの語源は、イタリア語のPortafoglio(ポルタフォリオ)という単語です。このイタリア語のPortafoglioは、「札入れの財布」を意味します。Portaは「運ぶ」「支える」「保つ」という意味を持つ接頭語で、Foglioは「紙」「紙幣」のことです。「紙幣を持ち歩く」という組み合わせで、そういった札入れ専用の「財布」のことを指します。現代の英語では、Walletにあたるでしょう。

余談ですが、このPorta(運ぶ、支える、保つ)という接頭語が使われる言葉は、ほかのイタリア語でもいくつかあるようです。例えば、がま口や小銭入れにあたるのは、PortaにMonete(小銭)を合わせてPortamonete(ポルタモネーテ)、灰皿にあたるのは、Portaにcenere(灰)を合わせて、Portacenere(ポルタチェーネレ)などです。

ポートフォリオは常に準備・携帯しておくべきもの

またPortaは、英語の「portable(ポータブル)=携帯用の」に通じます。その意味から考えても、ポートフォリオは、転職活動を始めて面接に進んだ段階で作ればいいというものではないことがわかります。転職活動をすると決めた時点から、いや、本来はクリエイターとしての自己紹介資料として日頃から準備・携帯しておくべきものでしょう。

そして、さまざまな機会にクリエイター仲間や知人などに見せて、できるだけ多くの意見をもらうことが大切です。そうすることで、「自分を知らない第三者に、自分を紹介するポートフォリオとして理想的かどうか」を確認する機会を増やすことができますし、他人が自分のポートフォリオに対してどのような反応を示すのか、どんな作品への反応が強いか、自分のスキルを理解してもらいにくい部分はどこかといった傾向がわかり、ポートフォリオをブラッシュアップすることができます。

さらに、ポートフォリオを他者に見せるという経験を繰り返すことで、採用面接時の緊張を軽減し、プレゼンテーションも上達していくことでしょう。

3つの業界におけるポートフォリオの使い方

上記のとおり、ポートフォリオとは元々「書類を運ぶためのケース」であることから、「ひとかたまりの意味・目的を持った書類の束」というニュアンスがあります。そして現代では、おもに「金融・投資系」「教育系」「クリエイター系」で、それぞれ慣用的に異なる意味を持つ言葉として定着しています。

金融 教育 クリエイター

金融・投資用語のポートフォリオ

金融・投資用語としてのポートフォリオは、現金、預金、株式、債券、不動産など、投資家が保有している金融商品の一覧や、その組み合わせの内容(株式の銘柄などまで具体的に)を指しています。

もう少し詳しく説明すると、投資家はリスク管理のために自らの資産を複数の金融商品として分散することがあります。このリスク管理については、よく「卵」と「かご」の話に例えられます。卵を1つのかごに入れてしまうと、そのかごが落ちたときにすべての卵が割れてしまいますが、1つずつ違うかごに入れておけば、たとえ1つのかごを落としてしまっても、ほかの卵は安全です。このように、資産家もみずからの資産をさまざまな種類の金融商品に分けて投資することで、リスクヘッジを図っているのです。

この投資を分散させること、またはその分散の組み合わせのことを、金融・投資分野ではポートフォリオと呼んでいます。このポートフォリオを見れば、投資家がどのような金融商品をどれだけ保有しているかがわかるだけではなく、保有資産の分散の仕方からリスクに対してどのようなヘッジ(分散による備え)をしているのかが見て取れます。

特定の金融商品だけに偏った資産配分をすると、予測外の大きな市場変動があった場合、資産のほとんどを失ってしまうリスクがあります。それを避けるため、「さまざまな金融商品にバランス良く資産を配分しておいたほうがいい」というのがポートフォリオの考え方であり、最もリターンが大きくリスクが小さい最適な組み合わせを探る「ポートフォリオ理論」が研究されているのです。

転職用のポートフォリオにおいても、「自分が最もアピールしたい作品」だけを集めるのではなく、自分という人材の価値を最大限にアピールでき、どのような経験やスキルを持っているのかを余すことなく伝えられるよう、幅広いジャンルの作品をバランス良く集めるべきではないでしょうか。どのような作品を、どれくらいの割合で提示するのか。そのバランス感覚も、採用担当者があなたという人材の価値を評価する、ひとつのバロメーターとなるでしょう。

教育用語のポートフォリオ

教育用語としてのポートフォリオは、教育における個人評価ツール(パーソナルポートフォリオ)を指しています。これは、生徒たちが学習過程で残したレポートや試験用紙、活動の様子を残した動画や写真などを、ファイルに入れて保存する評価方法です。従来の科目テストや知力テストだけでは測れない、個人能力の総合的な学習評価方法(質的評価方法)とされ、学校教育だけではなく自己啓発など、さまざまな教育分野で取り入れられています。

由来は、1980年代後半にイギリスやアメリカで取り入れられ、1990年代後半に日本に入ってきた、ロンドン大学のS=クラーク教授を中心に考案された外来語です。教師とともに生徒自身も自己評価を行いながらステップアップしていくというものであるため、保存する情報は生徒たちが自分のことを客観的に見ることができるよう、意義のあるものを取捨選択していく方式となります。

このような評価するために収集されたもの、もしくはそれらを評価する方法を、教育分野ではポートフォリオと呼んでいます。転職用のポートフォリオとは趣が大きく異なりますが、「結果(完成作品)だけでなく、それに至る経緯を共有する」という点で、転職用のポートフォリオに役立てたいポイントを下記のように見いだせるでしょう。

  • 作品を作ったそもそもの目的や意図を明確にし、実際に達成できたのかを説明することによって作品を強く印象付け、理解を深めてもらう
  • 制作に至った背景や制作時の状況・環境などの情報を作品に添え、自分の仕事への取り組み姿勢や人材としての強みなどをアピールする材料とする
  • 仕事のプロセス(問題解決プロセス)を知ってもらうことで、「これからどのように成長していく人材か?」という判断材料を与える

クリエイティブ用語のポートフォリオ

これが、おそらく今まで皆さんが認識されていたポートフォリオのことでしょう。いわゆる「作品集」であり、自分の職種(あるいは転職希望職種)における実績や力量を評価してもらうために作成する資料です。クリエイターの就職・転職には欠かせないものですが、フリーランスのクリエイターが営業資料として作成したり、デザイン会社が会社案内の補完資料として作成したりと、さまざまなタイプがあります。

グラフィック領域のデザイナーであれば、今まで自分がデザインしたパンフレットやポスター、書籍の表紙などのデザインを中心にまとめていくでしょう。Web領域のデザイナーであれば、Web上で作品を紹介するWebポートフォリオ(ポートフォリオサイト)を作成する場合もあります。ただし、この場合もペーパーにプリントアウトしたポートフォリオは別に添えたほうが有利でしょう。

転職におけるポートフォリオの重要性

ポートフォリオ 重要度過去に多くのクリエイターの転職支援をしてきた私達マイナビクリエイターは、クリエイターの転職におけるポートフォリオの重要性を痛感しています。

ポートフォリオを作成せず、過去の作品のいくつかをファイリングしただけでポートフォリオ代わりに使っている転職希望者もいらっしゃるかと思いますが、ほかの応募者が入念なポートフォリオを持っていく中、いくつかの作品を提示しただけでは、採用担当者に「手抜き」という悪印象を与えかねません。いくら実力がある人でも、これは大きな減点要素となってしまいます。

職種にもよりますが、クリエイターの実務経験のアピール方法において、ポートフォリオ以上に適切な資料はありません。面接の前、つまりエントリーの段階で、履歴書・職務経歴書と並んで、事前にポートフォリオの提出を求める会社も数多くあります。このような会社では、まずポートフォリオがなくては、書類選考すら突破することはできません。応募書類の山に埋もれることなく面接に進むためには、魅力的で読み手に強い印象を残す、自分の代弁者としてふさわしいポートフォリオを作成する必要があるでしょう。

また、クリエイターのポートフォリオは、掲載する作品だけではなく、ポートフォリオそのもののデザインや構成、完成度(見やすさ・わかりやすさ・フォントの選定・配色など)も評価の対象となります。さらに、前項で触れた「作品の意図」「制作の背景」「問題解決プロセス」などは、完成作品を見ただけではうまく伝わりません。このような点からも、単に作品をまとめただけでは、ポートフォリオの役割は果たせないのです。

まとめ

ポートフォリオという言葉は、クリエイターの転職資料以外にもさまざまな意味があること、そしてさまざまな角度からポートフォリオの意味を掘り下げていくことで、ポートフォリオが単なる「作品集」ではない深い意味を持つ言葉であることをご理解いただけたでしょうか。まとめると、前半部分にポートフォリオの意味と語源を解説しましたが、それと共に以下のポイントを、まず覚えておいていただければと思います。

  • ポートフォリオは、応募する会社の性格に合わせて内容を最適化する
  • 面接時に作成するのではなく、できるだけ早く作成し、ブラッシュアップする

続いて「3つの業界におけるポートフォリオの使い方」では、一見無関係に思える金融投資用語や教育用語としてのポートフォリオについて解説しました。それぞれの業界で使われているポートフォリオに共通することは、「さまざまな要素を組み合わせたひとかたまりのもの。そして、各要素を自由に扱えるようにしたパッケージ」という意味を持っていることだといえます。さらに、「そのポートフォリオを自分以外の他人が触れるとき、その全体と中身が明確に伝わるように整理されたもの」とも言えるのではないでしょうか。そして、それらを一つひとつ読み解いていくことで、以下の大切さを理解していただければ幸いです。

  • 作品の目的や意図を明確に持っていることをアピールする
  • 経験やスキルを幅広く提示することによって人材価値を認識してもらう
  • 付帯情報によって作品に対する印象を強め、理解を深めてもらう
  • 作品を紹介するだけではなく、仕事への取り組み姿勢や人材の強みをアピールする
  • 仕事の達成プロセスを提示し、「これからどう成長する人材か?」を見極めてもらう

私たちマイナビクリエイターは、Web・ゲーム業界でたくさんの企業と取り引きをさせていただいていますが、業種や社風によって、会社が求めるポートフォリオの形式や質は千差万別です。「ポートフォリオに正解はない」と言い切ってもいいでしょう。しかし、上記のような条件を満たすポートフォリオであれば、採用担当者の心を強く動かし、理想的な転職を実現する上で、大きな武器となることは間違いありません。

今回は「そもそもポートフォリオとは?」という言葉自体の意味を一歩掘り下げた内容となりましたが、基本的なポートフォリオの作り方などは、「クリエイターの転職必須ツール、ポートフォリオの作り方」ページでもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてださい。

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