ポートフォリオでエンジニアの転職に差をつける!作り方や注意点を解説

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ポートフォリオは、デザイナーなどクリエイターの転職活動では必須とも言えますが、エンジニアにとってはそれほど身近ではないかもしれません。しかし、Web/ITの分野でエンジニアとして働く人、エンジニアを目指す人にとって「ポートフォリオ」は、採用担当者に自分の実力をプレゼンテーションする強力なアイテムとなり得ます。

この記事では、Web/IT業界で働く現役のエンジニアや、エンジニアを目指す人に向けて、エンジニアにとってのポートフォリオの重要性や、作り方、作成時の注意点などについて解説します。

ポートフォリオとは

ポートフォリオは、自分の実力や実績を他者に伝えるためのツールです。就職活動や転職活動では履歴書や職務経歴書も同様の役割を持ちますが、ポートフォリオはこれまで自分が手がけてきた仕事の一部を「作品」として相手に提示できる点に特徴があります。

ポートフォリオとは、もともと「紙ばさみ」や「書類を入れる折りカバン」を意味する言葉です。そこから転じて、使われる文脈によって以下のように意味が変化します。

  • アートやクリエイティブの分野では「作品集」
  • 金融の分野では「さまざまな金融商品を組み合わせた分散投資のパッケージ」
  • 教育の分野では「児童・生徒の学習成果をファイルなどにまとめたもの」

Web/IT業界で、目に見える成果物のある仕事をしているエンジニアにとってのポートフォリオは①に近いものと考えてください。作品にあたるものが「Webサイト」「アプリケーション」などであるため、実際の画面や動作、ソースコードなどを見せるために、紙ではなくオンラインポートフォリオ(Webポートフォリオ)として作成するのが一般的です。

エンジニアにポートフォリオが重要な理由

記事の冒頭でもお伝えしたとおり、Web/IT業界のエンジニアや、エンジニアを目指している人にとって、ポートフォリオは重要な役割を果たすアイテムです。具体的にどのような点で役立つのか、エンジニアがポートフォリオを作成するべき4つの理由をご紹介します。

理由1自分の経験やスキルを具体的に伝えられるから

ポートフォリオを作成する最大のメリットは、履歴書や職務経歴書では伝えきれない自分の実績や能力をアピールできる点です。言葉で説明するよりも、Webサイトやアプリなどの実物で動作やソースコードを見てもらえば、あなたの経験や能力はより具体的に伝えられます。

またポートフォリオには、成果物に対してあなたが担った役割、使用した言語やツール、制作にかかった期間などの情報も加えることができます。これによって企業の採用担当者は、あなたに何ができるのか、採用したらどのような仕事を任せることができるか、具体的にイメージすることができます。

理由2採用後のミスマッチを回避することができるから

ポートフォリオには、採用後のミスマッチを防ぐ役割もあります。

採用後のミスマッチとは、入社後に自分のスキルを十分に発揮できないポジションに配属されたり、その反対に、持っているスキルでは対応できない難しい仕事を任されたりといったケースです。ミスマッチが起こる一因には、履歴書や職務経歴書に、使用経験のある言語やツールなどを記載しても「どの程度使えるのか」という点までは具体的には伝わらないことが考えられます。

実際に手がけた仕事、作ったものをポートフォリオに載せ、制作プロセスに関する補足情報なども入れれば、あなたのスキルレベルをより詳細に伝えることができます。それによって、エンジニアと企業それぞれの期待値のずれを回避できるのです。

理由3自分のスキルや経験を理解し、面接での説明にも生かせるから

ポートフォリオには、言葉によるコミュニケーションが苦手でも実力や実績をアピールしやすい、というメリットもあります。文章や口頭説明で自分を売り込むのが苦手という人にこそ、ポートフォリオを作る意味があるでしょう。

ポートフォリオを作成するプロセスは自分のスキルや経験を振り返る機会にもなり、自分自身でも「自分に何ができるのか」を解像度高く理解することができます。ポートフォリオ自体があなたの実力・実績を伝えるツールになると同時に、面接などでの話す内容の具体性も高まることが期待できます。

理由4就職・転職活動に限らず、さまざまな場面で活用できるから

ポートフォリオは就職・転職活動だけでなく、さまざまな場面で役立ちます。たとえば入社後、社内のメンバーにポートフォリオを見せれば、あなたのスキル・経験を素早く伝えることができ、円滑なプロジェクト遂行に役立ちます。

また、社内外の交流会や勉強会、ハッカソンなどエンジニア同士が集まる場でポートフォリオを見せ合えば、話題の糸口やコラボレーションのきっかけになるかもしれません。

エンジニアのポートフォリオの作り方、4つのステップ

ポートフォリオの役割や作るメリットが理解できたら、早速ポートフォリオを作ってみましょう。ここからは4つのステップでポートフォリオの作り方を解説していきます。

Step1

基本情報を記載する

ポートフォリオの冒頭には、簡単なプロフィールを記載します。履歴書や職務経歴書を同時に提出する場合はあまり細かいことまで書かなくて問題ありませんが、ポートフォリオを単体で使用する際のために、基本情報は入れておきましょう。

具体的には、氏名、職種(フロンドエンドエンジニア等)、略歴、これまでに経験した業務や主な実績、資格、受賞歴、連絡先やSNSアカウントなどです。仕事をするうえでのあなたの信念やこだわりなども簡単に記載すると、人柄や仕事への姿勢が伝わりやすくなります。

また、扱える言語やフレームワーク、それぞれのスキルレベル(経験年数、習熟度など)も記載しましょう。たとえ実務で使用した経験がなくても、学習して使用可能なスキルはすべて記載してかまいません。

Step2

応募する企業に合わせて、アピールする制作物を選ぶ

つぎに、ポートフォリオに掲載する制作物を選びます。あなたがエンジニアの実務経験者で、アピールできる制作物が多数ある場合は、応募する企業の事業内容に近いサービスや、応募するポジションで期待されるスキルをアピールできる制作物を選びましょう。

その意味でも、ポートフォリオは1回作ったらそれっきりではなく、見せる相手に合わせて掲載する作品や見せ方を変えるなど、随時アップデートするとよいでしょう。

Step3

制作物に関する情報を整理し、掲載方法を決める(URL、ソースコードなど)

制作物を選んだら、どのような形で載せるのかを決めましょう。基本的な要素は「サイト名」「URL」「スクリーンショット」などです。一般公開されているWebサイトやWebサービスであればURLを記載してポートフォリオから直接アクセスできるようにします。

Web上で見られないものは、サービスページのスクリーンショットに概要の説明を添える、概念図などを掲載するといった方法があります。また、ソースコードを見せたい場合はGitHubなどのサービスを利用して保存し、ポートフォリオにリンクを掲載すると便利です。

サイトやサービスの目的・コンセプトなど最終的なアウトプットに関する情報だけでなく、制作環境(使用言語やサーバー環境)、制作の規模や、自分の担当範囲なども記載すると、より具体性が高まります。その言語や技術を選定した理由、制作プロセスにおけるこだわりなども記載すれば、エンジニアとしての仕事への姿勢が伝わりやすくなります。

Step4

レイアウトを見やすく整える

ポートフォリオに盛り込む情報がそろったら、見やすくレイアウトを整えてポートフォリオを公開します。なお、採用担当者はポートフォリオの中身だけでなく、ポートフォリオ自体の完成度もチェックしています。見る人がスムーズにあなたのことを理解できるよう、内容の流れを考えてレイアウトを考えましょう。

オンラインポートフォリオを作るには、以下のように2つの方法があります。

1自分でコードを書いてWebページを作成する

ポートフォリオ自体の完成度や動作などを通じて自分の制作スキルをアピールできる。

2既存のオンラインポートフォリオサービスを利用する

短時間で手軽にポートフォリオを作成できる。

2は採用担当者のニーズを満たす情報のテンプレートがあらかじめ用意されていて、デザインや導線も見やすく整っているため、デザインや編集に特別なこだわりがない場合は2の方法が便利です。

エンジニアがポートフォリオを作成する際の注意点

エンジニアがポートフォリオを作るときには、以下に挙げる3点に注意しましょう。どれだけ手間暇をかけて作っても、これらの点についてチェックが不十分だと、評価に悪影響を及ぼす恐れもあります。ポートフォリオが完成したら、提出前にあらためて見直しましょう。

守秘義務違反や著作権侵害に気をつける

ポートフォリオに前職での制作実績を載せる場合には、守秘義務違反や著作権侵害にあたらないか確認しましょう。Webサイトのビジュアル転載が著作権や肖像権に触れる、ソースコードやシステム構成図を公開することが機密情報の漏洩にあたるなどのケースも考えられます。

複雑な演出や、情報の盛り込みすぎを避ける

ポートフォリオは見やすくシンプルに作りましょう。とくに、オリジナルのオンラインポートフォリオを作る場合は、アニメーションを多用するなどの演出で技術をアピールしたくなるかもしれませんが、肝心の実績情報にたどり着くまでに時間がかかるのでは見る側はうんざりしてしまいます。

また、メニューやコンテンツが多すぎると、見てほしい情報にたどり着く前に相手が離脱してしまう可能性もあります。見る相手のことを考えずに、一方的に自分が見せたいものを押し出すようなポートフォリオは、「この人は仕事でも自己中心的なのではないか」というマイナスの印象に繋がるかもしれません。

ポートフォリオに盛り込む情報はできるだけ絞り込み、軽い動作で快適に見ることができる、シンプルな構成を心がけるようにしましょう。

第三者に見せて客観的視点を取り入れる

ポートフォリオを提出する前には、必ず自分以外の第三者にチェックしてもらいましょう。自分1人で作っていると、使いやすい構成になっているか、独りよがりの内容になっていないかなど、なかなか客観的な視点で見ることが難しいものです。

的確なアドバイスを期待できる相手が身近にいない場合は、転職エージェントなどに登録してキャリアアドバイザーに相談する方法もあります。Web・ゲーム・IT業界専門の転職エージェント、マイナビクリエイターなら、エンジニアの転職を多数サポートしてきた経験豊富なキャリアアドバイザーが、採用担当者の視点であなたのポートフォリオをチェックすることも可能です。ぜひご相談ください。

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エンジニアが求人に応募する際、ポートフォリオの提出が義務付けられているケースはそれほどありません。だからこそ、しっかりとポートフォリオを作り、自分のスキルや実績を具体的にアピールすることで、ライバルに差をつけられる可能性があります。ポートフォリオを作るプロセスは、自分のスキル・経験の棚卸し、企業研究や面接対策にも繋がるでしょう。

マイナビクリエイターではほかにも、ポートフォリオに関する記事を多数発信しています。ぜひ転職活動にお役立てください。

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