ゲームプランナーに必要なスキル - 企画力の他にどんなスキルが求められるのか?

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ゲームプランナーに必要なスキル ゲームプランナーに企画力が求められるのはもちろんですが、それだけでは一人前のゲームプランナーとは言えません。では、企画力の他にはどんなスキルが求められるのでしょうか。このページでは、ゲームプランナーに求められるスキルについて、さまざまな視点から考えていきたいと思います。

ゲームプランナーに最低限必要とされる3つのスキル

ゲームプランナーに最低限必要なスキルとして、「マネジメントスキル」「柔軟性」「論理的思考力」の3つが挙げられます。ゲームプランナーとしてこれら3つは、チームでゲーム開発プロジェクトを回すうえで必要なものです。それぞれのスキルについて詳しく見ていきましょう。

01. チームを1つにまとめる「マネジメントスキル」

ゲーム開発は、多くの人間が携わり、ゲームの完成という目標に向かって動きます。つまり、チームワークがなければ、作業は先に進みません。個性の強いクリエイターたちをはじめ、さまざまな職種のメンバーをまとめて、モチベーションの維持や作業の進行を管理する力は、ゲームプランナーの大切なスキルの1つです。

そのため、ゲームプランナーはコミュニケーション能力やゲーム制作に関する幅広い知識も必要でしょう。それらを持ち合わせることでチームメンバーと円滑なコミュニケーションを図り、強いチームワークを発揮することができます。

ゲームプランナーのマネジメントスキル

また、チームをマネジメントするうえで知っておきたいのがKPI設計です。これについては、ゲーム業界の視点から説明しましょう。

ゲーム業界におけるKPI設計

KPIはKey Performance Indicatorsの略で最終的なチーム目標がどの程度達成できたかを測るための中間指標で「重要業績評価指標」とも言われます。考えるべき事項が多く、敬遠されがちですが、これらを管理するシステムは一度構築すれば、微調整のみで何度も活用可能。いつでもKPIの到達度合いを確認することができるため、チームのマネジメントをするうえで大変便利です。

ゲーム業界ではこの指標を、アプリのダウンロード数だけでなく、1日あたりの起動回数、課金コンテンツを利用したくなるタイミングなどをはじめ、さまざまな事項をチェックします。KPIの設計はゲームプランナーとしてだけでなく、今後ゲームディレクターやゲームプロデューサーへのキャリアアップを考える際にも役に立つマネジメントスキルなので、普段から意識しておくとよいでしょう。

KPIについては、「KGIとKPIを設定するとWebディレクター人生はうまくいく」でも解説されていますので、併せてご覧ください。

02. 想定外の事態にも対応できる「柔軟性」

ゲーム開発では、上長やクライアントの無茶な要望や突然の仕様変更など、想定外の事態が発生します。モックアップが済み、プレイアブル、アルファバージョンが出来上がり、デバッグの段階になったにも関わらず、決済者の判断で企画の段階に戻るという事例もしばしば。

また、投資家や配信元、販売先、版権のゲームであれば版権元の確認も重要事項であり、1つでも許諾を得られなければゲームはリリースできません。長い開発期間中に流行が変化すれば、既存のユーザーの好みに合わせた軌道調整を余儀なくされることもあるでしょう。そういった場合でも、柔軟に対応していくことがゲームプランナーには求められます。

あらゆるシーンにおいて、いかに最善だと思える手を尽くせるか。多様な知識と経験をもとに、これまでのやり方にとらわれることなく、幅広い視野と打開策をもって取り組むことが重要です。

03. 説得力のある説明には欠かせない「論理的思考力」

いくら面白いゲームが企画できたからと言って、その面白さを主観的・感情的な言葉でプレゼンしても、うまく伝わりません。ゲーム開発の決定権限を持つ人たちにも理解されるよう、論理的思考力をもって企画書を作成する必要があります。

そのとき、ゲームの面白さとは別に重要視されるのがゲームの収益性です。収益と予算、そしてそれらの根拠を論理的に示すことが重要でしょう。数字や信憑性のあるデータで収益をあげられる根拠を提示できるよう、プレゼンの際にはしっかり準備することを心がけてください。

また企画書は、ゲームにあまり詳しくない投資家や経営者、版権担当者にも見せ、最終的な決裁を仰ぎます。ですから、どんな種類のゲームでなぜそれを選んだのかなど、統計に基づいた理由と共に説明できるとよいでしょう。

ゲームには、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アドベンチャーゲーム、パズルゲームなど、さまざまな種類がありますが、たとえばその中からアクションゲームのジャンルでシューティングゲームの開発を提案する場合、「論理的な説明」として以下のように話すことができます。

  • 「背景」の伝え方一例
    「シューティングゲームと名の付くものは、これまでに多くのタイトルが世に出ており、ゲームの体裁もアーケードゲーム、コンシューマーゲーム、携帯型ゲームなど幅広く生み出されてきています。最近ではVRでのプレイも実現しており、多くのユーザーを魅了しています」
  • 「分析」の伝え方一例
    「このようにシューティングゲームが広く人気なのは、初心者でも遊びやすいシンプルな操作性と細部までこだわり抜いたUIデザインや作り込まれた世界観がディープユーザーにとっても魅力的だからです」
  • 「考察」の伝え方一例
    「今回掲げている、”新規ユーザー獲得”という目的の達成を考えるなら、格闘ゲームやフィールドゲームをはじめとする煩雑な操作を含むゲームより、操作がシンプルで覚えやすくユーザーを選ばないシューティングゲームの方が適していると考えます」

このように、さまざまな視点から「なぜシューティングゲームなのか」が説明できれば、決済権を持つ方たちに訴えることができるでしょう。

これに加え、ゲームの概要、ゲーム全体の流れ(コンセプト)、ゲームシステム、ゲーム画面や操作性、開発スケジュール、開発技術なども同じように論理的に説明できれば、企画の通りやすさはぐっと上がるはずです。その際、1つ注意しなければいけないのは数値や仕様を羅列するだけにはしないこと。必ず一つひとつの項目にそれと紐づく理由を用意することが重要です。

ゲームプランナーとしてあるとよりよい3つのスキル

ゲーム業界では、オンラインゲームやゲームアプリの市場が、急成長を続けています。ゲームプランナーの転職市場でもこの分野の求人をよく目にすることでしょう。

では、そんなゲーム業界で重宝されるゲームプランナーとはどういったスキルを持つ人材でしょうか。オンラインゲームやゲームアプリを制作している会社で活躍するゲームプランナーになるために身に付けておくとよい3つのスキルをご紹介します。

04. ユーザーを飽きさせない「企画スキル」

購入された時点で、すぐに売り上げとなるコンシューマーゲームとは違い、オンラインゲームやゲームアプリは、無料で始めたユーザーが継続してプレイし、課金することで初めて収益が得られます。そのため、ユーザーがゲームを始めても、すぐに飽きられて離脱してしまうようでは利益を継続して出していく事は難しいでしょう。継続的に利用してもらい、思わず課金したくなるようフレッシュな面白さを常に生み出す企画スキルがゲームプランナーには求められます。

いい企画だけでは続かない?企画と運用をセットで考えないと起こりうる失敗例

ゲームリリース後、多額の開発費と広告費をかけてユーザーを集めたものの、運用のシナリオやシステム更新をおろそかにしたため、数ヵ月後には何十万ものユーザーがゲームをクリアしてしまい離脱。その結果、制作会社は解散してしまったというケースもあります。広い視野を持ち、予算周りも考えながらゲームを企画できるバランス力が、ゲームプランナーには求められます。

05. トレンドを見逃さない「市場調査スキル」

変化を続けるオンラインゲームやゲームアプリ市場では、従来の手法にこだわっていると、流行を逃す危険性があります。常にアンテナを張り、その時々のトレンドをとらえる好奇心や探求心がゲームプランナーには必要です。

たとえば、市場調査を行う際には、以下のような情報を集めるとよいでしょう。

  • 売り出そうとしているゲームの市場での主流の売り出し方
  • ゲームが配信されている環境やプラットフォームの傾向
  • 雑誌等で話題になっているゲームの傾向
  • 東京ゲームショウ等のリアルイベントとユーザーの関係

このような情報を意識して集めることで、トレンドがわかるようになり、売れるゲームの特徴について示すことができるようになります。日々、新しいゲームが世に出される現代において、独自性があり埋もれてしまわないゲームとはどういったものか。それがわかってくれば、ゲームプランナーとして新しい流行を作り出せるスキルも身に付いてくるでしょう。

06. あらゆる数値から最適解を読み解く「分析スキル」

オンラインゲームやゲームアプリは、コンシューマーゲームと異なり、ゲーム公開後も開発・運用が続きます。ユーザーの声をフィードバックして改善に努めたり、期間限定イベント等を継続的に実施したりして、ユーザーの獲得数を増やしたり離脱を防いだりするのです。こうした「ユーザーの声」やユーザーの「獲得数」「離脱率」「課金率」といったあらゆる数値がリアルに出せるのは、オンラインゲームやゲームアプリの特徴。ゲームプランナーはそれらの数値を分析しユーザーのニーズを汲み取って、的確な施策を立案していくスキルが求められます。

それではここで、ゲームプランナーが分析すべき事項についてどんなものがあるのか、順番に見ていきましょう。

新規登録者

新規登録者数は、日単位、月単位、年単位で集計します。雑誌やインターネット広告などと照らし合わせ、登録者数がどのタイミングでどのように推移したか分析し、より効果的な施策を打ち出します。

DAU(Daily Active User)/ MAU(Monthly Active User)

DAUは1日あたりどれくらいのユーザーがゲームをしたか示しており、ユニークユーザー数とも呼びます。MAUは1ヵ月あたりのユーザー数を示しています。これらの数値を上げるための施策としては、たとえば、以下のようなものが考えられるでしょう。

  • アプリのレビューを増やす
  • 招待コードを用意する
  • 期間限定キャンペーンやイベントを設置する
  • 配信先で告知する

手順としては、最初から広告を大々的に打って集客する方法と、ユーザーが少ないうちに問題点を分析してクオリティを高め、その後、集客してユーザーの離脱を抑える方法があります。ゲームクリエイターはDAU、MAUのデータを分析し活用することで、適切な施策を打ち出すことができるでしょう。

DPU(Daily Pay Users)/ MPU (Monthly Pay User)

DPUは、1日あたりに課金したユーザー数を示します。1ヵ月あたりの課金ユーザー数はMPUと言います。いずれもゲームの売上推移を分析するうえで、チェックしていきたい数値です。これによって課金単価を検討したり、よりユーザー数を増やすための施策を打ち出したりします。

課金率

DAU(Daily Active User)からDPU(Daily Pay Users)を割り出すことで算出できる課金ユーザーの割合です。この数値を見ることで、どんなジャンルのゲームが課金されやすいのか傾向を知ることができます。

継続率

新規登録者のうち、ゲームを継続してプレイしてくれた人の割合です。ここが高い数値をキープしていけるよう、期間限定イベントの実施や課金アイテムの検討、ゲーム不具合の改善に努め、いかにファンを増やせるかということをゲームプランナーは考え続けます。

ARPPU(Average Revenue Per Paid User)平均課金額

毎日または毎月の売上から課金ユーザー数を割った数値で、1人あたりの平均課金額を示します。課金額はユーザーにより大きな差がありますが、いずれにせよ内容が面白ければ課金率は上がります。この数値は、ゲームの評価を判断する1つの基準と言えるでしょう。

このほかにも、ユーザーのブログやSNSをリサーチすることで、ユーザーの本音やニーズを分析することができます。特にゲームを企画した際のターゲット層からの意見には耳を傾けるようにしましょう。

ただこの際に注意しなければいけないのは、ユーザーの意見を鵜呑みするのではなく、ゲームをよりよくするために、ゲームプランナーとして必要だと思う情報を取捨選択することです。そしてアプリゲームの場合はアップデートのタイミングでそれらの意見を反映させましょう。ユーザーに寄り添った企画と改善を行うことで、固定ファンが付いてくるのです。

まとめ

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ゲームプランナーのスキルについて、解説してきました。ゲームプランナーの業務内容は複雑で種類も多く、それぞれの業務で求められるスキルも多岐に渡ります。今後は、ゲームアプリやオンラインゲーム市場の活性化に伴い、ゲームプランナーに必要とされるスキルはさらに増えていくことでしょう。

まずは、自分の作りたいと思うゲームのジャンルに焦点を絞り、そこに必要なスキルを磨いていくことです。ここで紹介したスキルを参考に、ゲーム業界からより求められるゲームプランナーを目指してみてください。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

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