【未経験からのクリエイター就職・転職】ポートフォリオの作り方と注意点

ポートフォリオはクリエイターの就職・転職活動に必須のアイテム。それは、実務未経験からクリエイター職を目指して転職活動をする場合も同様です。

初めてポートフォリオを作る際は「掲載できる実績がないけれど、どうすればいい?」「応募要項の必要書類にポートフォリオとは書かれていないけれど作ったほうがいい?」「どんな項目をどの程度入れるべき?」など、さまざまな疑問にぶつかるものです。

この記事では、クリエイター職を目指す方に向けて、ポートフォリオの基本的な作り方と注意点を解説します。関連記事も多数紹介していますので、転職活動に役立ててください。

未経験でもポートフォリオは作ったほうがいい?

たとえクリエイターとしての実務経験がなくても、クリエイターを目指して転職活動をするならポートフォリオは必要です。

書類選考でポートフォリオの提出を求められなかったとしても、面接の際にポートフォリオを用意しておくのは当然のことと考えてください。実務経験がない場合は、スクールの課題で作った作品や、独学で練習用に作った作品などをポートフォリオに載せます。

採用担当者は、ポートフォリオに掲載されている作品だけでなく、ポートフォリオ自体の完成度からも、応募者の実力を判断しています。しっかりと目的意識が感じられ、クリエイターとしての実力が読み取れるポートフォリオはプラスの評価に繫がるはずです。

完成度の高いポートフォリオを作成するには時間を要するため、あらかじめ、これまでの作品を整理してまとめておくなど、いつでも取り出せるように準備しておきましょう。

そもそもクリエイターにとってのポートフォリオとは?

クリエイターにとってポートフォリオとは、自分の実績や力量をプレゼンテーションするためのアイテムです。単に作品や実績をまとめたものではなく、制作のねらいや具体的な制作プロセス、使った技術やツールなど詳しい情報を載せることで、「何ができるのか」「どのようなスタイルで制作しているのか」を伝えます。

また、自己紹介や経歴で人となりを伝える、ポートフォリオ全体のデザインを通してクリエイターとしての世界観を伝える、などの役割もあります。

ポートフォリオは就職・転職活動に必要なのはもちろんのこと、入社後も自己紹介や営業ツールとして社内外の人に見せるなど、活用の機会があります。

未経験者のポートフォリオの作り方

ポートフォリオの作り方は、クリエイター経験者でも未経験者でも大きな違いはありません。目指す職種によって作り方や注意すべき点が少しずつ変わりますが、基本的な作り方の流れや、入れるべき要素は共通しています。

ここでは、どのクリエイター職種にも通用する、ポートフォリオの作り方の基本を解説します。

1自己紹介(プロフィール)を作る

まずはポートフォリオの導入部分となる「自己紹介(プロフィール)」を作ります。

ポートフォリオの役割は作品や実績を伝えること、というイメージがあるかもしれませんが、あなたという人物を知ってもらい、「この人と仕事がしたい」と思ってもらうこともポートフォリオの大切な役割です。

ポートフォリオの自己紹介には、「氏名・顔写真・職種・生年月日・略歴などの基本情報」「職務経歴概要」「スキルセット(使用できる言語やツール)」「自己PR」という4つの要素を必ず入れましょう。

2掲載する作品を決める

次に、ポートフォリオに掲載する作品を選びます。

ポートフォリオに掲載する作品数に決まりはありませんが、私たちマイナビクリエイターは1ページにつき1~2作品、全部で10〜20作品程度が妥当だと考えています。

作品数が少なすぎると、あなたの魅力を十分に伝えることができません。また、ほかの応募者のポートフォリオと比べたときに経験の少なさが際立ってしまうだけでなく、「やる気がないのではないか」とマイナスの印象になってしまう恐れもあります。作品が足りないと感じたら、新たに制作することも検討してください。

逆に、作品数が多すぎると見る側の負担が大きく、一つひとつの作品の印象は薄くなってしまいます。作ったものを何もかも載せるのではなく、より出来のよいものや、応募先企業に合ったものを厳選しましょう。

3作品にかかった工数、用いたツール、スキルをまとめる

作品を選んだら、それぞれの作品を紹介する説明文をまとめます。

ポートフォリオに掲載するときは、作品そのものを画像などで見せるだけでなく、背景情報を説明するディスクリプションもつける必要があります。

作品のねらいやコンセプトなど、作品の背景にある意図を解説するのも大切ですが、制作にかかった工数や用いたツールなど、あなたのスキルを採用担当者が理解できるような客観的な情報も必ず入れるようにしましょう。

さらに詳しい構成、職種別の例をご紹介

ポートフォリオに決まったフォーマットはありませんが、大切なのは見る人が「ひと目でわかる」構成にすることです。そのためにも、基本的な構成要素を漏れなく盛り込むことをおすすめします。

ポートフォリオに入れる要素の中で重要な点や、注意すべき点は、目指す職種によって変わってきます。職種別の重要ポイントや、ポートフォリオを魅力的に仕上げるためのテクニックを知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

魅力的なポートフォリオの作り方!絶対入れたい5つの要素

未経験者がポートフォリオを作るときの注意点

ポートフォリオを作るときに注意すべき点についても、クリエイター経験者・未経験者で大きな違いはありません。

ただし、経験者には常識でも、未経験者は知らないためにうっかり失敗してしまうこともあります。以下の2点はとくに、未経験者が忘れやすい点なので注意しましょう。

著作権・守秘義務に注意する

ポートフォリオに作品を載せる際には、著作権侵害や守秘義務違反への注意が必要です。

実務未経験者は、プロが作った作品をトレースして練習したり、Web上で見つけた画像素材を使って自主制作したりすることがあるでしょう。チームで制作する作品の一部のみを担当する場合もあるかもしれません。それらの作品を「すべて自分で作った」かのようにポートフォリオに載せるのはNGです。

それぞれの作品には、作品に関する権利を持っているのは誰なのか、自分は全体のどの部分を担当したのかという情報を、明確に記載しましょう。また、誰かからの依頼を受けて作ったものをポートフォリオに入れる場合は、機密情報が含まれていないか、守秘義務違反にならないか、必ず確認しましょう。

念のために紙とWeb両方のポートフォリオも用意する

WebデザイナーなどWeb/IT分野のクリエイターや、動画・ゲームなどのクリエイターの中には、「Webポートフォリオがあれば紙のポートフォリオは不要」と考える人が少なくありません。しかし、紙のポートフォリオも念のため用意しておくことをおすすめします。

理由は、採用面接は常にパソコン画面を見ながら行われるとは限らないためです。すぐにはパソコンを起動できない、プロジェクターに投影できない、といった場面でも、紙のポートフォリオがあればすぐに相手に作品を見せることができます。

未経験者でも作りやすいポートフォリオサービス

初めてポートフォリオを作るとき、強い味方となるのがポートフォリオ作成ツールです。ポートフォリオの構成やデザインを自分で一から考える必要がなく、必要な情報を入力していくだけで、見やすいポートフォリオを短時間で作ることができます。

サービスごとに機能が少しずつ異なり、それぞれメリット・デメリットがあります。こちらの記事では、代表的な8種類のポートフォリオサービスの特徴を、マイナビクリエイターのキャリアドバイザーが実際に使ってみた感想も含めてレビューしています。参考にしてみてください。

ポートフォリオサービス 『MATCHBOX』のご紹介

クリエイター集団「PARTY」と共同開発したポートフォリオサービス『MATCHBOX(マッチボックス)』。

採用担当者の知りたい情報を押さえたポートフォリオがWebと紙でつくれます。「オファー機能」を使えば、企業から面接のオファーを受け取ることも可能です。

マイナビクリエイターに申し込むと、MATCHBOXを無料ですぐにご利用できます。ぜひご活用ください。

MATCHBOXの詳細はこちらをご覧ください。

世の中の参考になるポートフォリオサイト

ポートフォリオは、単に作品を見せるためのものではなく、ポートフォリオ自体の構成やデザイン、言葉の選び方などすべてにおいて、自分の個性やセンス、スキルをアピールできるアイテムです。

クリエイターとしての自分自身を魅力的に伝えるには、自分の強みやポートフォリオを見せる相手のニーズについて熟慮を重ね、時間をかけて作りこむ必要があります。

自分の個性やセンスをアピールするとは、具体的にどのようなことでしょうか。イメージがつかない場合は、優れたデザインのポートフォリオをたくさん見て勉強するのも1つの方法です。

こちらの記事では、一流のクリエイターが作った20のポートフォリオサイトをご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

就職・転職の場合、ポートフォリオだけでなく、履歴書の準備も怠らずに

クリエイター職への就職・転職を目指す場合、ポートフォリオはもちろん大事ですが、書類選考の際に必ず求められる「履歴書」も同じく大切です。ポートフォリオに力を入れすぎて、履歴書を作成する時間が足りなくなったりしないよう、気をつけましょう。

履歴書には決まった型があり、基本的なルール・マナーを守って作成することが大切です。なお、マイナビクリエイターによるポートフォリオサービス「MATCHBOX」を使えば、必要事項をオンライン上で入力するだけで、ポートフォリオと同時に履歴書や職務経歴書も作成することができます。詳しくはこちらのページをご覧ください。

ポートフォリオの作り方に関するよくある質問

最後に、実務未経験でクリエイター職を目指す方からよくあるポートフォリオの作り方についての質問と、マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。

Q.1デザイナーでなく、ディレクターやマーケター志望でもポートフォリオを作ったほうがいいですか

デザイナー職以外は、就職・転職活動にポートフォリオが必須というわけではありません。しかし、マイナビクリエイターでは、すべてのクリエイター職種に対してポートフォリオ作成をおすすめしています。

ポートフォリオを作ることで自分のスキルや経歴の棚卸しができ、自分の強み・弱みの把握に繫がります。また、ポートフォリオが、選考の際にほかの応募者との差別化要因になることも期待できます。

Q.2仕事以外で作った作品も掲載していいのですか?

実務未経験であれば仕事の実績となる作品がないのは当然ですし、実務経験者であっても、仕事以外で作った作品をポートフォリオに載せることに問題はありません。

勉強のために作ったもの、趣味として作ったもの、自分自身や家族、友人などのために作ったものでも、ポートフォリオに入れるのにふさわしい作品があれば掲載しましょう。

Q.3おしゃれなポートフォリオにする必要はありますか?

ポートフォリオの見た目はいいに越したことはありませんが、あくまで目的に合っていることが大切です。ビジュアルに凝りすぎて、伝えるべき情報がわかりにくくなってしまったら逆効果です。

まずは、誰に何を伝えたいのか、そのためにはどのような構成やデザインにすべきか、コンセプトを明確にしましょう。そのうえで、必要な情報をそろえ、各要素を見やすく配置します。

シンプルなデザインでも、内容が充実していれば伝えるべきことは伝わります。ポートフォリオを作るうえではコンセプトや内容が重要で、表紙ビジュアルなどの見せ方はその次、と考えてください。

クリエイターとして一歩を踏み出すために、ポートフォリオを作ろう

実務未経験からクリエイターを目指して就職・転職活動を始めるなら、必ずポートフォリオを用意しましょう。ポートフォリオ作りは、自分が持っているスキルや個性、強み・弱みを知り、今後どのようなクリエイターを目指したいのかを考えるきっかけにもなります。

また、ポートフォリオを作ったら、実際に企業に提出する前に、できるだけ多くの人に見せてフィードバックをもらい、プラッシュアップすることをおすすめします。マイナビクリエイターでは、Web・ゲーム・IT業界のクリエイター転職を多数サポートしてきたキャリアアドバイザーが、ポートフォリオへのアドバイスも行っています。ぜひご相談ください。

サービスに関するお問い合わせ
0120-410-470 マイナビクリエイター事務局 受付時間 9:15〜17:45

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