いざ東京のゲーム会社へ!企業選び、上京費用、居住エリアはどうしたらいい?

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今は首都圏から離れた地域で就業しているけれど、いつかは東京でキャリアアップを目指したい。憧れのゲーム業界に、未経験だけど挑戦したい。

ゲーム業界経験者、未経験者問わず、さまざまな理由から「東京で働きたい」と思っている人は多くいらっしゃいます。しかしながら、いざ転職!となると、膨大すぎる求人数、東京での生活、費用、そして首都圏から離れた場所からの転職活動といった不安要素もあり、なかなか具体的には踏み出せないでいる人もいるようです。

東京転職に踏み出せない不安要素

  • ゲーム業界に転職したいけど、企業選びのポイントがわからない
  • 地方からの面接の受け方、時間の確保など選考の進め方は?
  • 東京での生活コストはどれくらい?

首都圏から離れた地域にお住まいの方が東京転職への不安を払拭できない要因として、ゲーム関連企業のほとんどが東京に集中しているため、情報収集の方法にも限界があることが挙げられます。周りに相談する相手も少なく、最初の一歩が踏み出せないケースもあるのではないでしょうか。

そこで今回は、そんな不安を1つずつ解決すべく、ゲーム業界の転職を専任で支援させていただいているマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーが、求職者からよく寄せられる疑問・質問について、東京のゲーム会社へ転職する際のポイントと併せてたっぷりとお答えします!

プロフィール紹介

K.Kubota

2014年入社。ゲーム業界のプランナー、プログラマー、宣伝プロモーション職種への転職支援を中心に担当。コミュニケーションを重視した本音の情報共有をモットーに、自らの転職経験も活かしながら、一人ひとりに寄り添った転職支援に力を注いでいる。趣味は、物件調べ(好きな街は「中野」)。

1.上京してゲーム業界で働きたい!企業選びのポイントとは?

IT業界/
エンジニア

地方にはゲーム業界の求人が少ないので上京して転職したいのですが、企業選びのポイントを教えてください。

自分はどんな仕事をしたいのか、見極めることが大事です。

限られた情報の中で、自分に合った企業を探すのは至難の技です。ポイントは、「自分はどんな仕事をしたいのか」見極めること。そのために、まずは「ゲーム会社の構造」から理解しておくことが大切です。

たとえば、あなたが「ゲーム会社」と聞いてイメージする会社はどんな会社でしょうか。有名なゲームタイトルを発表しているゲームメーカーですか?それともゲームそのものを開発している企業でしょうか?どちらも「ゲーム会社」であることは変わらないのに、印象はかなり違うはずです。

つまり、ひと口に「ゲーム会社」と言っても、実にさまざまな切り口があるということですね。ここでは大きく分けた2つの切り口について、その違いを詳しく見ていきましょう。これは地方だから、東京だからという問題ではなく、「ゲーム業界で働く」なら理解しておきたいところです。

コンシューマーゲームとスマホゲームの違い

コンシューマーゲームとは、「PlayStation」や「Nintendo Switch」といった家庭用ゲーム機でプレイするゲームのこと。

ハードが高品質なので、世界観を作り込んだ壮大なスケールが魅力のRPGや、スマホではできない複雑な操作性が味わえるアクションゲームなど、多くのソフトが存在します。またコンシューマーゲームのソフトは売り切り型で発売日が決まっていることから、開発・制作サイドは進捗がよくない場合、残業過多になることもしばしば。しかし、販売に向けてじっくり、しっかり作品を作り込むことができるので、ゲーム好きが高じて、ゲーム業界で活躍することを選んだクリエイターにとっては、やりがいを持って仕事に打ち込めるでしょう。

一方でスマホゲームとは、専用のハード機を買う必要がなく、手持ちのスマホにダウンロードしてプレイするゲームです。無料でダウンロードできるものが多く、なおかつ難しい操作も必要ないので、日頃そんなにゲームをやらないユーザーも手軽に楽しむことができます。パズルゲームやカードゲームが主流ですね。また近年のスマホの高性能化や技術の進化により、表現のクオリティは格段に上がっています。スマホゲーム市場の成長を受け、手軽なゲームといえども、高い開発料を投下する企業が増えてきました。

コンシューマーゲームとスマホゲームの特徴の違い

コンシューマーゲーム
(PS4やSwitchなど)
スマホゲーム
(モンスターストライク、パズル&ドラゴンズなど)
  • 専用のゲーム機が必要
  • ソフトを販売したら開発は終了(売り切り型)
    ※一部、有料追加コンテンツもあり
  • ソフトの販売数が売上に直結
  • スマホがあればプレイできる
  • ゲームのリリース後も開発が続く(運用が始まる)
  • ゲーム内課金が売り上げに直結(売れないゲームはサービス終了)

また、コンシューマーゲームとの大きな違いは、ゲームをリリースしたあともユーザーの反応を見ながら施策を継続的に打っていく「運営」があること。ですからリリースの時点で開発が終了するわけではなく、運用しながらも完成度を高めていくという開発になるのが特徴的です。その中で、もしリリースしたゲームの売上が伸びなければ、開発は打ち切り(サービス終了)になることも。よくも悪くもユーザーの「反応」が可視化できるので、現場にはとてもシビアな判断がくだされます。

ビジネスモデルも双方には大きな違いがありますね。コンシューマーゲームはソフトの販売数が重要ですが、スマホゲームはいかに課金してもらえるかが重要になってきます。このあたりは個人の価値観にもよると思いますが、露骨な課金戦略が際立つスマホゲームを開発することに抵抗を感じるクリエイターもいるかもしれません。しかし、スマホゲームはサービスが終了しない限り続いていくので、課金も含めユーザーを飽きさせない工夫をつねに考えアップデートしていくことに面白みが感じられるのではないでしょうか。ユーザーを意識したゲーム開発を学ぶことができるのは、スマホゲームのいいところです。

パブリッシャー(自社開発)とデベロッパー(受託開発)の違い

ゲーム業界の会社は、大きく2つに分類することができます。それが「パブリッシャー」と「デベロッパー」と呼ばれるものです。

パブリッシャーとは、ゲームの企画から宣伝、販売、流通までを自社で行う会社のこと。一般的に「ゲーム会社」と言えば、このパブリッシャーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ゲームの世界観やシステムなど自社で企画することができるため、大いにやりがいを感じることができ、ゲーム業界の花形という位置づけで捉える人も多いでしょう。また、大手パブリッシャーの場合、ゲーム開発の機能を持ち合わせていることも多いです。

一方デベロッパーとは、ゲームを開発していく会社のこと。パブリッシャーから受注したゲームを形にしていきます。依頼主との関係性により、開発における自由度や裁量にはばらつきがあるでしょう。また、受託開発という立場上、さまざまなジャンルのゲーム開発に携わることができるので、経験の幅を広げられるのが特徴です。

パブリッシャーとデベロッパーの特徴の違い

パブリッシャーデベロッパー
  • ゲームの企画から、宣伝、販売、流通まで担う会社
  • 知名度が高い
  • 開発に携わるのは自社で企画したゲーム
  • ゲームの開発をする会社
  • 一般的な知名度は低い
  • さまざまなゲーム開発に携わることができるので、経験が積める

ほかにも、IP(知的財産権)を活用してアニメや映画といったゲーム以外の事業に進出するメディアミックス戦略を掲げた企業や、スマホゲームにおける「運営」に強みを持っている企業など、ひと口に「ゲーム会社」といってもさまざまです。各社、細かな特徴や方針の差があり、その差によって就業環境や身に付けられるスキルも違ってきます。

上記でまとめた通り、「ゲーム業界」には、さまざまな切り口があり、ゲーム会社が集中する東京には多くのゲーム関連会社が存在します。企業名を知っている、つまり知名度の高い会社だけがゲーム会社ではありません。求職者の中には「知っている企業しか受けない」という方もいらっしゃいますが、実はそれ以外にも魅力的な会社はたくさんあるんです。

ゲーム業界の構造をしっかりと理解したうえで、自分はどんな仕事をしたいのか。それを見極めてから企業選びをするのがポイントになります。

2.東京で内定を獲得するのは難しい?

Web業界/
ディレクター

東京には最先端の技術が集結していることもあり、求められることも当然レベルが高く、選考難易度も高い気がするのですが実際はどうですか。

地方に比べ、東京での選考難易度は高い傾向。
しかし東京はエントリーできる母数が多い=求人が多いので、チャンスも多く存在します。

結論から言うと、確かに東京の企業の選考難易度は地方の企業よりも少し高い傾向にあるかもしれません。ただそれは、有名企業の多くが東京に集中しており、応募も殺到するため競争率も高く、割合として「選考難易度が高い傾向」にあるだけです。

東京の求人数は、地方の求人数よりはるかに多いのが現状。つまり、人気が集まる選考難易度の高い企業以外にも、選考を受けることのできる企業は多くあるのです。

人によってエントリー数や内定数は、まちまちではありますが、それでも平均的に10社ほどエントリーする方が多いでしょうか。エントリーすることのできる分母が大きい東京の方が、地方よりも内定を獲得できるチャンスが多いと言えそうです。

3.企業について調べる際、インターネット上の情報はどこまで信用できる?

エンターテインメント業界/プランナー

情報収集のツールとして一番使うのはインターネットです。便利だし、手軽なんですが、正しい使い方、あるいは間違った使い方はあるのでしょうか。

情報の鵜呑みは危険です。あくまでも「参考にする」くらいの気持ちで活用しましょう。

地方からの情報収集で強い味方になるインターネット。最近は社員の口コミサイトなどが次々と生まれ、これまではわからなかった社内の様子などが入社前から具体的にイメージできるようになりました。

大事な転職の機会、これを使わない手はないと私たちも考えています。ただそこに書いてある情報のすべてをその会社の情報だと受け取ってしまうのはよくありません。就業している社員全員が口コミサイトに投稿しているわけではなく、あくまでも一部の社員から見た会社の印象でしかないからです。

ゲーム業界はスピード感のある企業が多いので、過去の投稿から状況は変わり、環境が整備されている可能性もあります。実際に就業している、あるいは、していた方の口コミのため重要な情報ではあるものの、すべてを鵜呑みにすることなく、参考程度に活用していただくのがベストかと私たちは考えます。

また、個人でできる情報収集にも限界があるかと思いますので、そんなときこそ、私たちにご相談ください。

4.頻繁に上京するのが難しい場合の選考方法とは?

ゲーム業界/
プランナー

面接のたびに上京するのは経済的にも時間的にも厳しいです。地方に住んでいる限り、これは仕方のないことなのでしょうか。

Skype面接を実施したり、上京するための費用を負担してくれる企業もあります。

現在、首都圏から離れた地域にお勤めの方は、東京に面接に来る時間の確保が難しい、東京までの交通費の出費の負担が厳しいなどの問題があるかと思います。しかし最近では、東京のゲーム会社の多くは上京が困難な方向けに、一次面接はSkype面接にて対応してくれる企業がほとんどです。二次面接以降は、直接企業担当者とお会いするため、東京へ足を運ぶ必要が出てくるケースがありますが、その際は交通費を負担してくれる企業もあります。

ちなみに、マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーにお任せいただければ、上京するお日にちに合わせて、複数ある面接予定の企業を同じ日に効率よく面接できるよう調整することもできますよ。できるだけ経済的負担を減らすためにも、是非、転職エージェントの活用も検討してみてください。

面接

ゲーム業界も近年は売り手市場。企業は、共によいものづくりができる仲間を求めて、お住まいの地域を問わず、より多くの求職者に会おうと選考に積極的です。皆さんも是非この機会に、東京のゲーム会社にチャレンジしてみてください。

転職活動をするにあたって一番重要なことは、実際に会って自分だけの情報を集めること。面接はご自身を売り込んでいくだけでなく、さまざまな企業と意見交換ができる場でもあるのです。まずは気軽に応募していただき、面接を通してご自身の希望がかなう企業を探っていくことが転職を成功させるポイントだと私たちは考えています。

5.経済的に東京で暮らしていけるか心配。おすすめの居住エリアは?

ゲーム業界/
デザイナー

東京は地方に比べて家賃が高く、物価も高いイメージです。上京して暮らしていけるか不安なのですが、実際はどうなのでしょうか。

感じ方は人それぞれだとは思いますが、居住エリアを絞れば、十分暮らしていけると思います。

まずは家賃相場から見ていきましょう。

現在東京での一人暮らしの家賃相場は、場所や間取りにもよりますが、6.77万円(全国1位)となっております。やはり家賃はある程度かかると思って想定しておいたほうがとよいと思います。そう考えると、年収にして300万円前後あれば、東京で十分一人暮らしができるのではないでしょうか。

算出方法としては、年収300万円の場合、手取り金額は雇用保険料や厚生年金保険料などが約20%引かれると考え、手取り年収240万円になります。240万円÷12ヵ月で、月額の手取り金額は20万円。一般的に月額家賃の上限目安は、「手取り金額の三分の一」と考えられますので、20万円の三分の一は、6.6万円となり、これは東京の一人暮らし家賃相場と同額の数字になります。

東京での一人暮らしの家賃

そもそもゲーム会社の平均年収がどれくらいかというと、全年代の平均年収は378万円。内訳は20代(328万円)、30代(426万円)、40代(506万円)です(マイナビ転職より)。よって上記にあてはめますと、十分に東京での一人暮らしは経済的には問題ないかと思います。

では実際、東京でゲーム会社に勤めている方はどの辺りに住んでいるのでしょうか。

これについては各々事情によって当然まちまちですが、賃貸であれば勤務先の最寄り駅から通勤30分以内程度の方が多いかと思います。ゲーム会社が多い勤務地としては、新宿、渋谷、六本木、東京(丸の内)、品川、恵比寿、池袋。だいたいこの辺りに集中していることが多く、これらの駅に30分程度でアクセスできる場所に住んでいることが多いように感じます。

たとえば、新宿勤務で考えた場合、通勤時間30分圏内かつ東京の家賃相場6.6万円を予算上限とし、自宅から最寄り駅までの徒歩時間を10分と考えた場合の物件検索結果(マイナビ賃貸より)は以下の通りです。

  • JR山手線(西日暮里駅、田端駅、大塚駅)
  • JR中央線(吉祥寺駅)
  • JR京浜東北線(赤羽駅、川口駅、蕨駅)
  • JR埼京線(十条駅、板橋駅、戸田公園駅、北戸田駅)
  • 都営大江戸線(森下駅)
  • 都営三田線(西巣鴨駅、板橋本町駅)
  • 京王井の頭線(高井戸駅、浜田山駅)
  • 京王線(調布駅、西調布駅)
  • 都営浅草線(西馬込駅)
  • 東武東上線(北池袋駅)
  • 小田急小田原線(喜多見駅、狛江駅、和泉多摩川駅)・・などが該当してきます。
新宿勤務 通勤時間30分圏内かつ東京の家賃相場6.6万円を予算上限

新宿は世界一の乗降数ターミナル駅(2011年に「世界一忙しい駅」としてギネスに認定されている!)であり、乗り入れする路線も多く、それだけに物件数が多くあります。

時刻表を確認しなくても、2〜3分間隔で運行している山手線沿線の駅や、住みたい街ランキング上位の吉祥寺、近年人気が高く、お酒好きにはたまらない赤羽駅(「せんべろ」の聖地)などの注目度の高いエリアにも住むことができるでしょう。また、東京勤務といえど、埼玉県から30分圏内で通勤できる戸田駅、戸田公園駅などもあり選択肢は広くあります。専門領域ではありませんが(笑)、居住エリアについてもある程度アドバイスできるかと思いますので遠慮なく聞いてくださいね。

まとめ

東京のゲーム会社への転職が具体的にイメージできたでしょうか。

首都圏から離れた地域から東京へ転職を考えた場合、情報収集の難しさや上京費用など、不安要素があるのは当然です。しかし、その不安を抱えたまま何も動き出さないのはとてももったいないと思います。

この記事でも紹介した通り、企業は首都圏から離れた地域に住む求職者の選考にも積極的で、そのためには「距離」というハンデが少しでも軽減できるよう、さまざまな対応をしています。まずはそれらをうまく利用して選考に臨み、面接を受けてみてください。直接、職場を訪れること、人に会うことで得られる情報は、インターネット上にあるどんな情報よりも確実で、そして貴重なものです。

また東京には人だけでなく、ゲーム、アニメ、音楽、アートなど、エンターテインメントが集中しています。目まぐるしく変化するトレンドやカルチャーに触れながら仕事をし、そこで得た経験や人脈は、クリエイターにとって大きな財産となるでしょう。東京での経験は、あなたの今後のクリエイター人生をより豊かにしてくれるはずです。

マイナビクリエイターでは、東京への転職を希望する方に対して、全力で応援、サポートする準備ができています。不安なことがあれば是非ご相談ください。一緒にこれからのキャリアについて考えていきましょう。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。

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