3DCGデザイナーの平均年収は?将来的なキャリアパス、年収アップの事例も紹介

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3DCGデザイナーは、ゲーム、アニメ、映画、自動車、建築などの業界で、3DCG制作におけるさまざまな工程を担う、専門的かつクリエイティブな職業です。今や、3DCGは多くの業界で活用されています。

特に、ゲーム業界は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を駆使したゲームの開発やeスポーツの発展、オンラインゲームをはじめとする市場の拡大などで業界自体が盛り上がっており、3DCGデザイナーのニーズはこれまで以上に高まっています。

ここでは、そんなゲーム業界の3DCGデザイナーに焦点をあて、平均年収や代表的なキャリアパスのほか、年収アップを成功させた転職事例をご紹介します。

3DCGデザイナーの仕事内容

3DCGデザイナーの仕事内容は、3Dグラフィックスを駆使して、あらゆるデザインをすることです。キャラクターや背景といった形状を作成する「モデラー」、キャラクターに動きをつける「アニメーター(モーションデザイナー)」、エフェクトや照明効果をつける「テクスチャアーティスト」など、制作工程ごとに役割を持ち、それらを組みわせることで3Dグラフィックスの表現を作りあげていきます。

なお、ひと口に3DCGデザイナーといっても、企業ごとに担う領域が異なる場合もあり、企業規模が大きいほど制作工程によって担当が細分化されていることが多いです。

3DCGデザイナーの平均年収は?

株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書 2021」(2021年7月)によると、2020年の日本でのゲーム業界の市場規模は、初めて2兆円を突破しました。勢いのあるゲーム業界へ活躍の場を移し、キャリアアップしたいと考える人も多くなっていますが、その際の平均年収は気になるポイントです。まずは、3DCGデザイナーの平均年収を見ていきましょう。

全体の平均年収と年代別の平均年収

マイナビクリエイターの調査では、ゲーム業界の3DCGデザイナーの平均年収はおよそ404万円でした(2022年2月)。ただし、この数字はあくまでも平均であり、年齢によってその差はかなりあります。ここではさらに細かく、3DCGデザイナーの年代別の平均年収を見ていきましょう。

ゲーム業界の3DCGデザイナーの年代別の平均年収

  • 20代:315万円
  • 30代:398万円
  • 40代:507万円
ゲーム業界の3DCGデザイナーの年代別の平均年収

※2022年2月、マイナビクリエイター調べ

ご覧の通り、3DCGデザイナーは年齢が上がるにつれ、年収も上がっていく傾向にあります。ただし、これは年齢に応じて経験を積み、3DCG制作における知識や技術が身に付いている、あるいは実績があることが前提です。その中で、年次を重ね、リーダーなどのマネジメント業務を任せられるようになることが多い点も、年齢と年収の関係に影響していると言えるでしょう。

また、3DCGデザイナーの場合、たとえばゲーム制作における最新の技術を習得していたり、コンシューマーゲームのようにより複雑で精細な描写や表現力が求められる案件での開発経験があると、評価を得やすい傾向にあります。ですから、そういった経験を持ち合わせている場合は、年齢に関わらず、平均年収より高い年収を得られる可能性が高まるでしょう。

ゲーム業界の3DCGデザイナーの代表的なキャリアパス

ゲーム業界で働く3DCGデザイナーが年収を上げていくためには、前提として、キャリアアップが必要になります。そこでまずは、3DCGデザイナーのキャリアパスについて詳しく見ていきましょう。3DCGデザイナーの代表的なキャリアパスには、大きく分けて、「スペシャリスト」と「ゼネラリスト」の2つがあります。

スペシャリストとしてのキャリアパス

スペシャリストは、一般的に特定の分野において突出した知識や技術を持っている人のことを指します。ゲーム業界の3DCGデザイナーの場合、たとえばモデリングやモーションなどの領域において特化した知識や技術力があり、1つのポジションを専門的に担当し、そのスキルや知見をより深く掘り下げていく人が該当します。

キャリアパスとしてスペシャリストの道を選ぶなら、突出した専門的な知識や技術に加え、探究心や向上心も常に持ち続けなければなりません。使用するツールがアップデートされたり、テクノロジーの発展により、表現の幅が広がったりと、いつまでも同じ環境が続くとは限らないからです。自らの考えに固執することなく、周りの意見も柔軟に聞き入れながら自己研鑽し続けることが、スペシャリストとしてのキャリアを確立していくことに繋がるでしょう。

誰かをマネジメントするというより、自身の成長に目を向けスキルをさらに磨きたい、開発の現場で制作を続けたいといった志向の人はスペシャリストに向いていると言えます。

また、選択肢の1つとして、会社に所属するだけではなく、これまでの経験や実績を武器に、フリーランスとして独立するというキャリアパスもあります。

スペシャリスト ゼネラリスト

ゼネラリストとしてのキャリアパス

ゼネラリストは、分野を特定せず、幅広い知識や技術を持っている人のことを指します。ゲーム業界の3DCGデザイナーの場合、たとえば小規模のゲーム開発会社に所属し、分業制ではなく一連の開発工程を1人で担当している人が該当します。さらに3DCG制作に関する広い知識や技術を活かした、制作物のクオリティ確認や進行管理、関わるチームスタッフの指導や作業の進捗管理など、マネジメント業務を担う場合も多いです。監督のように全体を調整していく業務に醍醐味を感じられることもあるでしょう。また、それらのマネジメント業務を担いながら、プレイングマネージャーとして、自身も開発現場で制作業務に加わることもあります。

キャリアパスとしてゼネラリストの道を選ぶなら、3DCG制作における網羅的な知識を常にアップデートしていく意欲、自身が持つ幅広い経験やスキルを業務に落とし込んで応用する力、デザインとエンジニアリングを連携させる調整力などが求められます。一つの分野に絞り込み深く極めようというよりは、売上向上などをはじめとした企業が持つ課題に対し、広く多角的な視野で、あらゆることに好奇心を持ち、取り組める人はゼネラリストに向いているでしょう。

なお、一般的には、30〜40代でゼネラリストとしてのキャリアを目指すケースが多いですが、20代のうちに現場で多くの経験を積み、実績を残すことで、ゼネラリストとしてのキャリアをスタートさせる方もいます。

年収を上げるには、スペシャリストとゼネラリストのどちらがいい?

そもそもゲーム業界の3DCGデザイナーが転職によって年収アップする場合、金額の相場は、スペシャリストとゼネラリスト共に、現職からプラス50万円前後です。ただ、ゼネラリスト志向があり、これまでにマネジメント業務の経験がある場合は、それ以上の年収アップが見込める場合もあります。

というのも、現在の日本企業の多くは、一緒に働くチームスタッフをまとめ、先導していく人が評価されやすい傾向にあるため、たとえば、マネージャーなどの役職に就くことで評価され、年収も上げやすくなるのです。

しかし、企業側はゲーム制作の現場において、クリエイティビティにあふれ、優れた技術を持つスペシャリストも手放したくありません。近年では、大切な人材の流出を食い止め、長く自社で活躍してもらえるよう、スペシャリストの役職やポジション、評価制度の見直しが検討されつつあります。

上記のように、現時点では、企業で働くうえでは、マネジメント経験を評価されやすいゼネラリストのほうが年収を上げやすいと言えるかもしれません。しかし、スペシャリストの評価制度が見直される今、スペシャリストとゼネラリスト、どちらがいいか年収軸だけで考えるのではなく、これから自身が描くキャリアに合わせて選んでいけるといいでしょう

年収が上がった3DCGデザイナーの転職事例

続いては、年収をアップさせた3DCGデザイナーの転職事例をご紹介します。スペシャリストとゼネラリスト、それぞれについて見ていきましょう。

スペシャリストでの転職事例

    スペシャリストでの転職事例 スペシャリストでの転職事例
  • 年齢:20代後半
  • 職種:アニメーター→モーションデザイナー
  • 業界:映像業界→ゲーム業界
  • 年収:320万円→380万円

この方は元々、映像業界でアニメーターとして働いており、仕事内容には満足していましたが、年収を上げたいという思いがありました。そこで近年の巣ごもり需要もあり、勢いのあるゲーム業界に注目。アニメーターとして培ったスキルを軸足にさらなるキャリアアップを目指し、ゲーム業界への転向を決意しました。

他業界からの転身では、年収が下がってしまうこともありますが、この方の場合はアニメーションやエフェクトのツール「Maya」とゲームエンジン「Unity」を習熟していたことや、リアルタイムレンダリングによる映像制作のご経験もあり、即戦力としての活躍が期待できたため、年収アップでの転職に成功しました。

ゼネラリストでの転職事例

    ゼネラリストでの転職事例 ゼネラリストでの転職事例
  • 年齢:30代中盤
  • 職種:3Dモデラー→3Dモデラー
  • 業界:ゲーム業界→ゲーム業界
  • 年収:540万円→600万円

こちらの方は、ゲーム業界内での転職でした。ご本人がゼネラリスト志向で、前職ではモデラーとしての現場経験だけでなく、外注管理やスケジュール管理、チームのマネジメントや後輩の育成経験があったこと、自身の考えを言語化しアウトプットできることなどが高く評価され、将来的にはマネージャー職へ就くことを見据えての転職となりました。専門職でありながら同時にゼネラリスト志向の人はそんなに多くありません。だからこそ企業としては、まさに求めていた人材であり、今回はそのニーズにうまくマッチしたことで年収アップに繋がりました。

ゲーム業界の3DCGデザイナーはニーズが高く、年収アップのチャンスがある

東京2020オリンピックの開会式で、選手の入場時にゲームミュージックが使われたことでも話題となったように、日本におけるゲームの社会的ポジションは高まっており、ゲーム業界ではより多くの優秀な人材を求めています。その中でも、専門的な技術を要する3DCGデザイナーを採用したいという声は、各企業から多く上がっているのです。

ゲーム市場は、PlayStationやXboxといった据え置き型のいわゆるコンシューマーゲームだけではなく、スマートフォン用ゲームやPCゲームも好況に沸いています。

盛り上がりを見せるゲーム業界で収入アップを狙うなら、3DCGデザイナーには、開発の現場でクリエイティビティとエンジニアリングの力を磨いていくスペシャリストとして進む道もあれば、現場力にマネジメント力をプラスしゼネラリストとして進む道もあります。

その人の志向によることが多いゲーム業界の3DCGデザイナーのキャリアですが、活躍の場は今後も広がっていくのは間違いないでしょう。

ご自身のクリエイティビティと技術を活かしてゲーム業界への転職をお考えの方、もしくはゲーム業界でさらなるステップアップをお考えの方は、お気軽にマイナビクリエイターにご相談ください。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

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