Webデザイナーの平均年収は?収入をアップさせるポイントを解説

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Webデザイナー 平均年収Webサービスは、デジタル技術の発展と共に普及し、今や日常生活において欠かせない存在です。そのWebサービスを提供するうえで、なくてはならないものがWebサイトです。ビジネスシーンにおいて、売上を伸ばし、企業の成長に繋がるWebサイトをデザインできるWebデザイナーの需要は、近年ますます高まっています。

転職を考えているWebデザイナーや、これからWebデザイナーを目指す人にとって平均年収は気になるポイントでしょう。ここでは、Webデザイナーの平均年収と、年収アップのためのポイントをマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーが解説します。(2023.08.22更新)

キャリアアドバイザー プロフィール

Y.Tsunoda

Y.Tsunoda

ゲーム業界からWeb・IT業界まで、幅広くクリエイティブ業界全般を担当。前職の接客経験で培った「親しみやすさ」を武器に、機械的なヒアリングではなく、親身になった相談で『常に転職希望者に寄り添い、5年後のキャリアまで一緒に想像し、伴走していく』ことを心がけている。

Webデザイナーや関連職種の平均年収

Webデザイナーの平均年収はおよそ386万円で、年代別に見た場合、20代の平均年収は373万円、30代の平均年収は404万円、40代の平均年収は454万円となっています(2023年8月時点)。このようにWebデザイナーの年収は、年齢を重ねるにつれ上がっていく傾向にありますが、年収の伸び率という点では持続的ではなく、一定の年齢で大きく伸びることは少なくなるようです。

なお、関連職種であるWebマーケターの平均年収は505万円、Webディレクターの平均年収は443万円です(2023年8月時点)。年代によっても平均年収には差がありますので、あくまで参考値としてください。

会社勤めとフリーランス、それぞれのキャリアは年収にどう影響するのか

前段では、一般的なWebデザイナーの年収についてご紹介しましたが、Webデザイナーの中には、企業の中でステップアップする道を選ぶ人もいれば、転職することで環境を変える人や、フリーランスの道を選ぶ人もいます。このような違いは、年収アップにどのような影響を及ぼすのでしょうか。今後のキャリアを考える際、納得のいく選択ができるよう、所属による違いなど詳しくご紹介します。

会社勤めの場合、収入は安定しているが、年収レンジに上限あり?

事業会社、制作会社ともに、Webデザイナーとして企業で働く以上、その会社の評価制度の中で客観的な評価を受けることになります。キャリアパスとしては、チームの「リーダー」や「マネージャー」などのポジションが社内で用意されていることが多いです。スキルを着実に上げ、会社の評価制度や等級制度の中で一歩一歩ステップを踏めば、年収を安定的に上げやすいと言えるでしょう。

ただし、それらの評価制度はあくまで会社が用意したものです。一定の段階までは着実な年収アップが見込めるものの、会社が規定する年収に達すると、さらなる年収アップにはキャリアアップが求められるケースが多くなります。
ちなみに、所属する会社の規模や業界にもよりますが、マイナビクリエイターが保有する求人情報から算出すると、企業がWebデザイナーに提示する年収の最大値は、中央値で600万円前後であると言えます。

会社勤め Webデザイナー 年収

また、所属する企業によっても、得られる年収は大きく左右されます。

実際、マイナビクリエイターで転職を成功させたWebデザイナーの中には、転職により年収が200万円弱上がった方がいます。その方は20代でグラフィックデザインに強みのあるWebデザイナーでした。ここまで大幅な年収アップに繋がったのは、本人の経験やデザイン力はもちろん、転職先の企業がそれらをしっかり評価したからだと言えます。

このようにWebデザイナーに何を求めているのか、Webデザインに対してどのような捉え方をしているかによっても、Webデザイナーへの評価は違い、提示される年収も異なるのです。もし自身が所属する企業において、年収の上がり幅が以前と比べ小さいと感じるのなら、改めてWebデザイナーに対し高い評価を示してくれる企業への転職を検討してみてもよいかもしれません。

Webデザインを重視している企業かどうか、自分で判断するのが難しい場合は、下記のような点に注意してチェックしてみるとよいでしょう。参考までに、Webデザインを重視している企業の特徴を挙げておきます。

Webデザインを重視している企業の特徴

CDO=Chief Design Officer(最高デザイン責任者)が組織の経営層にいる

CDOが経営層にいるということは、経営戦略にデザイン視点を置いているということ。つまり組織全体としてデザインを重視していることがうかがえます。

採用広報やブログなどで「デザイナー」の存在を大きく打ち出している

社内におけるデザイナーの活躍や実績を積極的に紹介するなど、会社として「デザイナー」を意識していることがわかります。

デザイナーがブログやSNSで知見やノウハウを発信している

デザイナー職が自信を持って、社の看板となって活躍していることが伝わってきます。またそのように活躍できる環境であることがわかります。

とはいえ、前述したような項目を重視した企業でも、年齢が上がるにつれ、いずれ年収は頭打ちになる可能性があります。組織に属したまま、さらなる年収アップを目指すなら、UI・UXデザイナーやWebディレクターのほか、アートディレクター、Webプロデューサーなどへのキャリアアップも検討していくとよいでしょう

フリーランスの場合、収入は不安定だが、年収レンジに上限なし?

組織に所属せず、個人で仕事を請け負うのがフリーランスです。フリーランスでWebデザイナーとして働く場合、会社の状況に依存した年収プランではなくなります。フリーランスにはあらかじめ決められた評価制度や等級制度もないので、ダイレクトに市場からの評価が年収に反映されます。たとえば、Webデザイナーとして突出したスキルを活かし年収1000万円を狙ったり、稼働によってはそれ以上、上限なく年収を上げることもできるでしょう。

ただし、組織に属していない以上、組織全体の売上上昇などの恩恵を賞与として受け取る機会もありませんし、個人事業主として税金などの事務処理にも対応しなければならないことから、企業に属するWebデザイナーよりもデザイン以外の仕事に費やす時間も多いといえます。また、自身で案件を勝ち取っていかなければならず、軌道に乗るまでは年収200万円に満たないこともあるでしょう。

非営利支援団体一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発表しているフリーランス白書2022によると、フリーランスで働く人の職種として、クリエイティブ職・エンジニア職・出版メディア系職がおよそ半数を占める中、年収のボリュームゾーンとしては200万円~400万円程度が多いようです。

フリーランス Webデザイナー 年収

さまざまな年収帯の人がフリーランスとして働いていますが、いずれにせよ最新の技術トレンドやデザイントレンドなどをつかみ続け、市場から求められる人材であり続ける必要があります。自身の強みに高い市場価値を見出すことができれば、組織や会社といった枠組みを超えて大きく年収をアップさせることも可能です。

年収アップのために、Webデザイナーがデザイン領域で磨いておきたいスキルや知識

所属における年収への影響について解説してきましたが、会社勤めのWebデザイナーも、フリーランスのWebデザイナーも、年収をアップさせるにはスキルアップの努力が不可欠です

続いては、年収アップに繋げられるように、Webデザイナーとして磨いておきたいスキルや知識をご紹介します。

デザインツールに関する最新情報

デザインツールに関する最新情報

Web業界のトレンドの流れは、非常に速いものです。たとえば、デザインする際の定番のソフトであるPhotoshopやIllustratorのほか、近年ではUIデザインに便利なXDやSketch、Webブラウザ上でデザインができるFigmaといった新しいデザインツールが登場しています。

こうした新しいツールをキャッチアップして、早めに触れてみること、そして実際に現場で使いながら新しい表現方法を試していこうとする姿勢は、Webデザイナーとして対応できる幅を広げていくうえで、とても重要でしょう

ちなみに、PhotoshopやIllustratorについても、機能が都度アップデートされています。定番だからこそ利用者も多く、使用歴が長いデザイナーもいるかと思いますが、新しい機能を把握しきれていないだけでなく、そもそも、これまでの自身のやり方をアップデートできていない方もいるようです。「いつものやり方」や「これまでのやり方」に固執することなく、新しいことにも目を向けながら柔軟に対応していきましょう

UI・UXデザインの知見

UI・UXデザインの知見

Webサイトなどのわかりやすさや使いやすさをユーザー視点でより細かく最適化していくうえで重要なのが、UI・UXデザインです。UI(ユーザーインターフェース)はユーザーの目にふれる部分、UX(ユーザーエクスペリエンス)は製品やサービスを通してユーザーが得る体験のことを指します。

ユーザーにとって「よいWebサイト」「よいWebサービス」とは、見た目の美しさ(ビジュアルデザインの設計)に加え、快適に使えるデザイン(機能性の設計)が備わっていることです。

ユーザーの「問い合わせ」や「商品購入」といった成果に繋がりやすいWebサイトやWebサービスを作るうえで、UI・UXデザイン領域の知見は大いに活かせるはずです。

グラフィックデザインスキル

グラフィックデザインスキル

広告やポスター、商品パッケージやロゴなど、主に平面上のデザイン表現をグラフィックデザインと言います。

グラフィックデザインでは、「写真やイラスト、文字をどのように配置すればユーザーに訴えかけるデザインになるのか」「企業のニーズをデザインで具現化するには何が必要か」といったことを考えながらデザインします。紙とWebのデザインは性質が大きく異なりますが、こうしたグラフィックデザインの仕事から、表現方法やデザインの基礎的な能力など、Webデザイナーが学ぶものは多くあります。

グラフィックデザインは、デザイン理論や色彩学などを含めた高度なデザインスキルが求められるため、見る人の心を惹きつけるデザインセンスを磨く意味でも勉強しておくとよいでしょう

動画制作スキル

動画制作スキル

Webデザイナーにとって必須スキルではないものの、身につけておけば、市場価値が高まるスキルとして挙げられるのが動画制作スキルです。

昨今、YouTube等の動画プラットフォームのパブリック化に伴い、動画広告の需要が高まってきました。また、Webサイト上においてもより多くの情報を伝えたり、ユーザーの関心を誘ったりする表現として動画やアニメーションを取り入れる機会が増えてきています。

今後Webデザイナーとしては、そういった素材としての動画を作成しWebサイトに反映することや、バナー制作と合わせて動画広告の制作依頼を受ける機会もあるのではないでしょうか。そんなときWebデザインだけでなく、動画制作も担うことができれば、担当領域を増やすことができます。

また、見る人によりわかりやすく内容を伝えるためには字幕やタイトルの装飾をどんなデザインにしたらよいかなど、Webデザインのスキルも活かすことができるので、動画制作においても活躍できるWebデザイナーとして高く評価してもらえるでしょう。

年収アップのために、Webデザイナーがデザイン領域以外で、身につけておくべきスキルや知識

デザイン領域のスキルや知識のほかにも、キャリアを積んでいくうえで身につけておいたほうがよいスキルや知識があります。続いては、デザイン領域以外でWebデザイナーが身につけておくべきスキルや知識をご紹介します。

プログラミングやコーディングスキル

プログラミングやコーディングスキル

Webサイト制作に欠かせない、プログラミングやコーディングに関する知識を習得しておいて損はありません。Webサイト全体がどのように作られているのかを知ることで、実装を念頭に置いたWebデザインができるからです。

さらに、プログラミングやコーディングに関する知識があれば、デザイナーとエンジニアの間での出し戻しが減るなど、工数削減にも繋がります。結果的にスムーズな進行ができるようになることで対応できる案件も増え、自身のスキルの幅を広げる機会も増えていくでしょう。

ディレクション能力

ディレクション能力

Webデザイナーからのキャリアアップを目指すなら、ディレクション能力は欠かせません。クライアントとの打ち合わせや制作チームのディスカッションなどに参加する際には、プロジェクトがどのように進行していくのか、スケジュールはどのように管理すればよいのかなど、案件を俯瞰し、全体を把握することを意識しながら取り組みましょう

たとえば、Webデザインを進める中で、言われたことだけをやるのではなく、自身の解釈を入れて提案することや提案する際には進行がスムーズになるような方法を検討すること。また、プログラミングを別の人が対応するのであれば、そういったメンバーへの情報伝達を円滑にできるよう配慮することが大切です。

Webマーケティングの知見

Webマーケティングの知見

Webマーケティングの知見や考えがあると、数字を使った客観的な判断ができるようになります。たとえばサイトへの流入数やA/Bテストなどを通じ、ユーザーが求めるものを数値的に検証し、それに合わせた調整ができます。仮説、検証を繰り返すことが、結果的に顧客の課題解決に繋がるWebデザインを提供することに繋がるのです。

自分のデザインの成果を確認し、別のデザインやWebサイトの改善に活かせるよう、Google Analyticsのような解析ツールなどにもふれておくとよいでしょう

マネジメントスキル

マネジメントスキル

1人のプレイヤーとして、現場のデザイン業務のみに携わっているだけでは、年収アップには限界があります。そこでWebデザインのスキルに加えて、マネジメントスキルを身につけることもおすすめです。マネジメントスキルがあれば、チームをリードする存在として、デザイン領域以外でもさらに活躍の場を広げることができるでしょう。そうすれば、結果的に年収アップも期待できます。

マネジメントスキルを伸ばすには、組織を管理する上での問題解決ができるように、積極的にロジカルシンキングや制作チームをまとめるためのモチベーションコントロールなどを学ぶとよいでしょう

年収アップに繋がる?Webデザイナーからキャリアアップできる職種

これまでご紹介したようなスキルや知識を習得して、Webデザイナーとしての武器を増やすと共に、デザインの経験を活かした関連業務領域へとキャリアアップするのも、年収アップに繋がる手段として有効です。

続いては、Webデザイナーからキャリアップできる職種について見ていきましょう。

Webディレクター

Webデザイナーにとって代表的なキャリアアップは、Webディレクターです。Webディレクターは、クライアントへの企画提案や折衝から、制作ディレクション、アクセス解析・改善提案までを担います。

Webサイト制作において、携わる範囲が広いWebディレクターのほうが、主に制作領域を担うWebデザイナーよりも年収アップが見込めると言えるでしょう。

ちなみに、Web制作への関わり方については、役割ごとに、制作する人(デザイナー)、制作する人を管理する人(マネージャー)、何を作るか企画する人(ディレクター)、今何をするべきかという戦略を立てる人(プロデューサー)のように分けることができます。レイヤーが上がるということは、関わる人が増え、動くお金も大きくなり責任範囲が増えるので、それに伴い年収も上がっていくのです。

UI・UXデザイナー

Webサイトなどのビジュアルデザインだけでなく、ユーザー行動を分析しながらデジタルプロダクトを作るUI・UXデザイナーを目指すのも、最近増えてきたキャリアパスだと言えます。多くの企業が急速にデジタル化を進める中、ビジネスに直結するWebデザインを重視する企業が増え、UI・UXデザイナーの需要も高まったこともあり、今後も年収アップが期待できます。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、Webデザインをもとに、HTMLやCSS、JavaScriptといった言語でWebサイトなどを構築していく、エンジニア領域の専門的な知識を持つ職種です。UI・UXデザインを考慮したWebデザインを設計するため、Webデザイナーなどとのコミュニケーションが重要になってきます。

Webデザイナーとしての経験があれば、Webデザイナーとエンジニア視点をかけ合わせた開発に取り組むことができるため、大いに役立つはずです。またデザイン修正が減るなど制作における工数カットにも繋がるため、希少性の高い人材になることで年収アップが狙えるでしょう。

Webデザイナーの年収アップは、スキルアップやキャリアアップがポイント

年収を上げるために、実績が出せるWebデザイナーを目指すなら、現状に甘んじず、常に新しい知識やスキルを学び続ける努力が大切です。同時に、Webサイト制作に関連するほかの職種や、管理職へのキャリアップも視野に入れておきましょう。

自分の現時点での市場価値を踏まえ、年収アップが見込めるキャリアプランについて、今一度検討してみたいという方は、マイナビクリエイターにお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。

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