年収アップを目指すWebデザイナーの2つの道 - 組織人か独立か、あなたはどっちに進む?
あなたがWebデザイナーとしてのキャリアをスタートさせた理由には、「Webデザインに興味があるため」「純粋にデザインが好きだから」という年収とは関係のないモチベーションがあったと思います。そして、現在でもそのWebデザインの魅力のもと、仕事に励んでいることと思います。
しかしそれとは裏腹に、Web制作という過酷な仕事を続ける中で、「自分はWebデザイナーとして、正当に評価されているのだろうか?」という疑問を感じる瞬間も、しばしばあるのではないでしょうか。
Webデザインに魅かれ、Webデザイナーは今後も社会から求められていくだろうと思い、今日まで業務に勤しんできたわけですが、実際のところ、Webデザイナーという職種は、他職種と比べてどのような評価を受けているのでしょうか?
- 日本で働くWebデザイナーの平均年収は?
- 他の職種と比較すると高いのか?低いのか?
- もしWebデザイナーとして年収アップを目指すなら、どのような選択肢があるのか?
- どんなスキルを持っていれば年収アップに役立つのか?
など、今回は「Webデザイナーと年収」というキーワードについて、少し考えてみたいと思います。
現状を知ろう - 日本のWebデザイナーの平均年収は他職種よりも低い?
転職サービスDODAの統計調査によると、2014年時点で、Webデザイナー全体の平均年収は330万円となっています。世代別では、20代が300万円、30代が349万円、40代が387万円となり、数ある職種の中でも、残念ながら低い年収に位置する(100職種中90位)ことがわかります。
また、Webクリエイターボックスさんのブログで、他国に比べて日本のWebデザイナーの年収が低いことがわかる記事が、以前話題になりました。
参考:世界のWebデザイナーのお給料はいかほど? - Webクリエイターボックス
もちろん、これらのデータだけで、「日本の全てのWebデザイナーの年収が低い」「Webデザイナーは正当に評価されていない」と決め付けることはできません。しかし、現状を知ろうとした時には、一つの物差しになるのではないでしょうか。
キャリアアドバイザーから一言コメント
Webデザイナーという職業は、技術職的な要素も強いことから、特定のスキルを求められる派遣社員という就業形態が多いのも特徴です。正社員で就業するよりも、派遣社員として就業した方が給料がいい、なんて話もよく耳にすることでしょう。社会保障面と照らし合わせた時に、派遣社員と正社員、どちらが良いか簡単には判断できませんが、Webデザイナーは、他の職種よりも、より広い視野で「自分にとってのベターな働き方」を考えなくてはならない職種なのかもしれません。
組織人か独立か - 年収アップを目指すWebデザイナーの2つの選択肢
Webデザイナーとして、年収をアップさせるためには、大きく2つの道があると思います。
組織人として年収アップを目指す
Webデザイナーからキャリアをスタートさせ、企業の属する組織人として年収アップを目指す場合は、就業している会社にて、まずはWebディレクター、その後はWebプロデューサー、さらには管理職や経営陣にキャリアアップしていくことが一般的です。また、企業に所属して年収のアップを図るという意味では、転職をして年収アップを実現するという方法もあります。「Webディレクターとして年収をアップさせるための3つの能力と3つのキャリアパス」のページでもご紹介しましたが、同一業界同一職種の会社への転職(転社)は、企業も即戦力として好条件を提示することが多いため、年収アップする可能性が十分に考えられるでしょう。
独立して年収アップを目指す
Webデザイナーとして仕事をしていく過程で、自分の適性を客観的に見て、組織からの独立、つまり、フリーランスとして自分の能力に合った仕事を続けていくことも、選択肢の1つです。しかし、独立し年収アップを実現するためには、Webデザイナーとしての実力以外にも人脈が必要になってきます。より専門的にデザインワークを追求したくて独立したけれども、実際は人脈作りや営業活動に、日々の業務を追われているWebデザイナーも正直少なくありません。
企業の組織人として上を目指すのか、それとも独立しフリーランスになり、スペシャリストとしての生き方を選ぶのか。Webデザイナーの年収アップにはこの2つの道があると言えるでしょう。
今の状況を変えようと、挑戦に踏み切る時には、年収が下がってしまう危険性も常にはらんでいますが、転職を支援する私たちの立場から申し上げるとすれば、意欲の高いWebデザイナーは、挑戦する価値があると思っています。実際に意欲の高いWebデザイナーを求める求人や案件は、未だ増え続けている事実があるからです。
では、組織人だとしても、フリーランスだとしても、年収アップを実現できるWebデザイナー達の共通点はどのようなものなのでしょうか?
Webデザイナーとして年収アップするためには、スキルの「深さ」よりも「幅」を広げることが重要
Webデザインの経験やスキルには、いくつかのパターンがありますが、転職や独立で、今よりも年収を高めるためには、「ディレクションとデザインワーク」「プログラミングとデザインワーク」「マーケティングとデザインワーク」「営業とデザインワーク」など、デザインだけでなく、複数のスキルをこなすことがポイントです。Webデザイナーを求める求人や案件が増え続けていると上述したのは、そのような複数のスキルを持つWebデザイナーへのニーズのことを指しています。
キャリアアドバイザーから一言コメント
仮に、コーディングだけを担当した場合の年収が240万円だったとすると、デザインも担当することで年収は300万円にアップするくらいの違いが生まれます。また、経験を積み、ディレクションもできる、あるいはサーバーサイドまで明るく、プログラミングもできる、などとなると年収は400万円以上にアップする場合が多々あります。
責任が伴う実務、その責任が大きくなる実務を担当することが年収アップにつながりますが、それは経験に支えられたものであり、日々の積み重ねが大切です。ディレクション業務、プログラミング業務まで携わることは一つの例ですが、根本はWebデザイナーであり、日々その専門性を追及することには変わりはありません。
Webデザイナーとして培ってきたスキルや経験を存分に活かしながら、少しずつスキルの「幅」を広げることができれば、企業から求められる人材へと成長でき、おのずと年収はアップしていくことでしょう。
この記事を書いた人
マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。