ポートフォリオはIT業界への転職に必須？重要性と作成ポイントを職種別に解説
近年、デザイナーだけでなくディレクターやエンジニアなど、IT業界やWeb業界のさまざまな職種でポートフォリオの作成が一般的になってきています。
ポートフォリオはIT/Web業界への転職活動のどんな点において重要で、どのように作ればよいのでしょうか。職種別に詳しく解説していきます。
目次
そもそもポートフォリオとは
ポートフォリオという言葉は、「紙ばさみ」や「書類を入れる折りカバン」を意味します。そこから転じて、アーティストが自分の仕事の成果をまとめた「作品集」、資産や投資対象の一覧、学習成果の一覧などの意味でも用いられています。
転職活動の際に作成するポートフォリオは、これまで手がけた仕事の成果をまとめた「作品集」であり、企業に自分という人材をアピールするための重要な役割を持ちます。履歴書は「学歴や職歴などの基本情報」、職務経歴書は「それぞれの職歴で経験した職務」をまとめた書類であるのに対して、ポートフォリオは「職務において手がけた仕事の成果物（作品）」をまとめたものだと考えると、それぞれの違いがわかります。
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IT業界の転職活動においてポートフォリオは必須？
IT／Web業界への転職活動をする際に、選考過程においてポートフォリオの提出を求められることが増えています。デザイナーはもちろんのこと、ディレクターやエンジニア、ライターやマーケターなど、制作物にかかわる職種であればポートフォリオはほぼ必須と言ってもよいでしょう。
転職活動におけるポートフォリオは、あなたが持っている技術力や、生み出すアウトプットの品質、仕事への姿勢などを企業へプレゼンテーションするものです。ポートフォリオをまとめる過程でキャリアの棚卸しをする必要があるため、結果的に自分の強みや個性の把握にも繋がり、転職活動にプラスの効果を及ぼします。
たとえ募集要項に書かれた提出書類の中にポートフォリオが含まれていなかったとしても、面接の際にポートフォリオを持参すればプラスアルファの評価に繋がる可能性があります。転職活動を始めるときには、あらかじめポートフォリオを用意しておきましょう。
デザイナーにとってのポートフォリオ
デザイナーにとってポートフォリオは、言うまでもなく必須のアイテムです。掲載する作品だけでなく、ポートフォリオ自体の美しさや見やすさ、内容のわかりやすさなども評価の対象となります。
デザイナーにとってのポートフォリオの重要性
デザイナーが転職活動をするうえで、もっとも重要な書類はポートフォリオと言っても過言ではないでしょう。
ポートフォリオに掲載されているデザインの質がほかの応募者よりも高く、内容に説得力があり、企業の求めるデザイン品質を満たしているのなら、それ以外の要素によっぽどの不安がない限りは不採用にならないはずです。
ただし、掲載されている作品の質がある程度高くても、ポートフォリオの編集のしかたによっては、それほど魅力的に見えない場合もあります。作品のポテンシャルを最大限に引き出すためにも、ポートフォリオ作成にはしっかり手をかける必要があります。
デザイナーのポートフォリオ作りのポイント
デザイナーがポートフォリオを作る際のポイントとなるのは、作品そのものだけではなく、制作の意図や狙い、クライアントやユーザーなどの背景情報をしっかりと説明することです。
どれだけ作品を美しく見せたとしても、説明がなければ、「目的に対してそのクリエイティブが適切なのか」「デザインによってどのようなユーザー体験を提供したのか」「クライアントの課題解決に寄与することができたのか」といったことがわかりません。つまり、企業側はあなたのデザイナーとしてのスキルを適切に評価することができないのです。
ポートフォリオ自体が見やすく美しいことは最低限の条件です。それに加えて、制作の目的やデザインのねらい、発想とデザインのプロセスなどをロジカルに示すようにしましょう。
ディレクターにとってのポートフォリオ
ディレクターにとってポートフォリオは、自分のかかわったプロジェクトを具体的に示すものです。職務経歴書の説明だけでは伝わりにくいプロジェクトの詳細や、その中で自分が果たした役割を、ビジュアルを交えてよりわかりやすくプレゼンテーションすることができます。
ディレクターにとってのポートフォリオの重要性
ディレクターがポートフォリオを作成する意義は、「作品」や「プロジェクト」を中心に自分のスキルや経験をアピールできることです。どんなアウトプットをもたらしたどれくらいの規模のプロジェクトなのか、その中で自分がどのように貢献したかを、実績として具体的に伝えることができます。
ディレクターのポートフォリオ作りのポイント
ディレクターがポートフォリオを作る際に大切なのは、ビジュアルで示すことができるアウトプットのみを強調しすぎないことです。チーム体制や制作のプロセス、その中で自分が何をして、成果にどのような影響を与えたのかなど、ビジュアルには表れない部分も、図や文字情報で補足しましょう。
たとえば、企画書や要件定義書、関係者への指示書など、業務において作成したドキュメントを入れると、役割をより明確に伝えることができます。守秘義務に抵触しないよう注意しながら、中間生成物も効果的に取り入れてみてください。
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エンジニアにとってのポートフォリオ
エンジニアにとってもポートフォリオは、自分の実績や保有スキルを示すのに有効な手段となります。GitHubなどの外部サービスも活用しながら、転職活動に取り入れるとよいでしょう。
エンジニアにとってのポートフォリオの重要性
エンジニアにとってポートフォリオは、職務経歴書に記載した内容により具体性を持たせ、採用後の職務とのミスマッチを防ぐ重要なアイテムです。
成果物がWebサイトやWebアプリなどであればポートフォリオから直接リンクを貼って見てもらうこともできますし、GitHubなどへのリンクを貼ることでソースコードそのものを見せることもできます。また、中間成果物となる仕様書や要件定義書、設計書など、業務において作成したドキュメントを掲載することで、あなたがプロジェクト全体のどこを担当したのか、何ができるのかをより明確にすることもできます。
また、フロントエンドにかかわる仕事であれば、ポートフォリオ自体の動作やコードから、あなたができることをわかりやすく示すことができます。
エンジニアのポートフォリオ作りのポイント
エンジニアのポートフォリオはWebポートフォリオとして作成するのが一般的です。ポートフォリオ自体を作品の１つとして見せることもできます。
その際に注意が必要なのは、複雑なアニメーションを使用するなど、ポートフォリオ本来の目的とは異なる部分に凝りすぎないようにすることです。ポートフォリオに必要なのは「見やすさ」「わかりやすさ」です。
作品を見せるだけでなく、制作の狙いやプロセス、制作チームの体制とあなたのポジション、使用言語、作成期間など、背景情報をしっかり入れるようにしましょう。使用できる言語やツール、それぞれのスキルレベルの記載も欠かせません。スキルレベルは、「○○ができる」と文字情報で示すだけでなく、レベルを星の数で示すなど視覚的に伝える工夫もあると親切です。
それ以外の職種ではポートフォリオは必要でない？
いずれの職種であっても、ポートフォリオを作成するに越したことはありません。提出を求められていなくても、面接などの際に持参してスキルや実績を一覧化して見せることで、より説得力をもってあなたの人材としての魅力を伝えることができます。
また、たとえ見せる場面がなかったとしても、事前にポートフォリオをまとめていれば、自分のスキルや実績の棚卸しができます。ポートフォリオ作りを通じて自分の強みに気付き、より自分に合った転職先選びや、転職活動の中での自己PRに生かせるでしょう。
どのような職種でも、ポートフォリオを作ることはあなたのキャリア構築に役立ちます。作成して手元に置き、随時アップデートしていくことをおすすめします。
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よくある質問
最後に、Web/IT関連職種のポートフォリオについて、転職希望者からよくある質問と、マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーからの回答をご紹介します。
Q.1紙のポートフォリオも用意しておいたほうがいいですか？
近年はWebポートフォリオが主流ですが、できるだけ紙のポートフォリオも用意しておいたほうがいいでしょう。面接の場などでポートフォリオを提示したいとき、すぐにPCを出してネットワークに繋げられる状況とは限りません。
時間の限られた面接の場で相手を待たせながらオンラインポートフォリオを見せるよりも、事前に紙のポートフォリオを用意しておいて面接官に渡したほうが、スマートな印象を与えるでしょう。
Q.2ポートフォリオを作るうえで、どの職種にも共通して大切なことは？
ポートフォリオを作る際にどの職種でも大切にしたいのは、見る人の立場になって作ることです。
転職活動において、ポートフォリオを見るのは応募先企業の採用担当者です。採用担当者は多数の応募者のポートフォリオを見比べて採用すべき人材を見極めようとしています。相手があなたについてどんなことを知りたいのか想像し、必要な項目をわかりやすくまとめましょう。
たとえば、採用担当者が知りたいのは以下のようなことです。
- あなたがどのような案件に、どのような立場で関わってきたのか
- どのようなスキルを持ち、どんなレベルで活用できるのか
- クリエイティブにおいてどのような個性やこだわりを持っているのか
- 人材としての強みや人柄、自社組織へのマッチ度はどうか
- これからどのような成長が期待できそうか
ポートフォリオには、あなたのスキルや経験、仕事への姿勢が具体的にわかる情報をしっかり盛り込むようにしましょう。それらの情報が説得力のあるものになっているかどうか、第三者にチェックしてもらうのもおすすめです。
IT/Web業界へ転職するなら、ポートフォリオでライバルに差をつけよう！
IT/Web業界へ転職する際には、事前にポートフォリオをまとめておくと、さまざまな場面で役に立ちます。提出書類にポートフォリオが含まれていなくても作っておくことをおすすめします。
ポートフォリオそのものだけでなく、ポートフォリオを作成するプロセスも重要です。キャリアやスキルの棚卸しをしっかりと行い、自分の強みの深堀りに時間をかけるために、便利なオンラインポートフォリオサービスも賢く利用しましょう。
