慣れている人ほど忘れやすい職務経歴書作成の基本中の基本

転職活動の応募書類の中でも、内容に個人差が出やすい職務経歴書。これは履歴書よりもその差が顕著です。様式にも定まった決まりがなく、あなたが何を伝えたいかによって大きく構成を変更させることが可能なものです。

職種ごとにも異なることは当然で、Web職やゲーム業界の転職であれば、クリエイターらしいアピールの内容を盛り込むこともできます。しかし、しっかりと職務経歴書の「基本」を理解して書かないと、せっかく時間をかけて職務経歴書を作成したのに、採用担当者(企業人事部)に、あなたの意図や気持ちが伝わらず、独りよがりでわかりにくい書類になってしまうことも。

しかし、しっかりと職務経歴書のルールやマナーを理解して書かないと、せっかく時間をかけて職務経歴書を作成したのに、担当者に意図や気持ちが伝わらず、独りよがりでわかりにくい書類になってしまう危険性もあります。そこで今回は、「意図が伝わる」職務経歴書を書くためのコツや注意すべき点についてまとめてみました。

そこで今回は、あなたの意図を正確に伝えるために、決して忘れてはいけない職務経歴書作成の基本中の基本についてまとめてみました。詳しい職務経歴書の書き方については以下のページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

編年体形式とキャリア形式
あなたのキャリアに合った職務経歴書の「形式」を選択しよう

職務経歴書の形式は、基本的に自由ですが、一般的には以下の2つがあります。

編年体形式

所属していた企業を時系列で表記し、その中にプロジェクトの内容や詳しい業務内容を記していく形式

キャリア形式

職務分野・職種ごとに「経験年数」「業務内容」「担当業務」などをまとめていく形式

クリエイティブ職の職務経歴書は、キャリア形式の方がわかりやすいとも言われることがありますが、転職回数や経験年数が少ない人には編年体式の方が書きやすい場合もあります。

私たちマイナビクリエイターは、採用担当者の目線を考慮し、標準的な「編年体形式」の中に、プロジェクトごとに詳細を記述できる形式を推奨しています。詳しい職務経歴書の書き方については以下のページでもご紹介しています。ぜひご覧ください。

編年体形式、キャリア形式、どちらが正解という明確な線引きはありません。クリエイターの皆さまは、業務内容が複雑なことが多いため、自分の経歴の量や内容によって、自分の意図が伝わりやすい方を選択し、そこに自己PRや注釈を添えて第三者にわかりやすい形にまとめていくのが望ましいでしょう。

採用担当者が知りたいことは何か?を常に意識しながら「具体的な表現」に落とし込んでいこう

職務経歴書が必要な理由は、採用担当者が「この人材はどんな能力を持ち、どんな仕事を経験してきたのか」を把握し、「その結果、当社ではどんな仕事を任せることができるのか」を判断するために他なりません。

だからこそ「○○の業務全般に携わり、多彩な貢献をする」などの抽象的な表現で書くと、採用担当者に知ってもらいたい情報が全く伝わらなくなります。

もちろん内容は、事実に基づくものでなくてはいけませんが、実際には「あれもこれも手伝い、多彩な貢献としかいいようのない働き方」であったとしても、第三者に理解しやすいよう「進捗管理」「プログラミング」「UI設計・デザイン」など、具体的な業務の名称に落とし込んで書くことが大切です。

職務経歴書に込める自己PRは、常に「企業が求める人物像」にピントを合わせよう

職務経歴書は、単なる経歴の羅列ではありません。採用担当者が「どんな仕事を任せることができるのか?」を判断するための材料です。そのため「自分がどのようなスキルや経験を持ち、応募企業にどのように役立つ人材なのかをアピールする」という明確な意図を常に頭に入れながら編集にあたるべきです。

職歴の浅い人は「自分にできること」をできるだけ多く列挙したほうが有利ですし、職歴の長い人や多彩な業務内容を経験してきた人は「この会社で求められている人材像」にピントをあわせ、内容をシンプルに絞り込んでいくことが重要です。

例えば、ステップアップを目指すWebデザイナーが、新規Webサイト構築のプロジェクトリーダー的ポジションの求人案件に応募するのであれば、その求人にふさわしい職務経歴書として、Webデザイナーとしての個人的技量ばかりをアピールするようなものではなく、WebディレクターやWebプロデューサー寄りのリーダーシップ、コミュニケーション能力を発揮して、チームを高い次元で機能させた実績などを中心に構成するべきです。

そうすれば「自分こそが御社に必要な人材である」という強いメッセージが採用担当者に届きやすくなるでしょう。

最終チェック - 本当に伝えたいあなたの意図が伝わるように余計な情報をそぎ落とそう

採用担当者は、数多くの応募者の書類に目を通さなくてはなりません。一人の応募者の職務経歴書に費やせる時間は、せいぜい数分から10分程度と言われています。したがって、自分の職務経歴書がそのような状況で読まれることを想定し、以下の点を意識しながら、自分の書類を最終チェックしましょう。

  • 一つ一つの項目が端的にまとまっているか?
  • 抽象的な表現がなく、具体的でイメージしやすい記述がされているか?
  • 分量はA4用紙2〜4枚程度に収まっているか?
  • 文字でびっしり覆い尽くされておらず、読みやすいようにレイアウトが工夫されているか?

このような観点で職務経歴書を見直すと、「自分が盛り込みたい情報より、職務経歴書で記述できる情報は想像以上に少ない」ということがよくわかると思います。

余分な情報、冗長な表現をそぎ落とし、企業の目線を汲み取りながら事実を列挙していく。その事実を確認していくことで、自然にあなたの「意図」が伝わる。それが基本であり、理想的な職務経歴書と言えるでしょう。

さらに、経歴をたどることで、あなたのキャリアや人となりが理解できるような「ストーリー性」を意識して経歴を構成することができれば、なお素晴らしいものになるでしょう。そのためには編年体形式やキャリア形式などの体裁にこだわらず、オリジナル形式の職務経歴書の書き方を工夫してもよいかもしれません。

まとめ - キャリアアドバイザーから一言コメント

Webデザイナーやゲームデザイナーなど、クリエイターの職種によっては、採用担当者は職務経歴書よりも、ポートフォリオを見た方が能力を把握しやすい場合もあります。ただ、基本的にポートフォリオは面接時に持参するもので、応募書類に添付するものではありません。

また、ポートフォリオ重視のクリエイターの場合は、面接時に職務経歴書とポートフォリオを突き合わせて能力を評価される可能性があります。職務経歴書とポートフォリオの整合性を、もう一度確認し、照合しやすいように順序よく作品を並べるなどの工夫もしておくことが、採用担当者の心を動かすことでしょう。

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