自己PRでコミュニケーション能力を伝えるには?【職種別の例文あり】

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コミュニケーション能力は、あらゆる仕事で必要とされるスキルです。個人プレーが多そうに見えるクリエイターの世界でも、人材を採用する際にコミュニケーション能力は重要なポイントになります。

この記事では、クリエイター職への転職を考えている方に向けて、企業がコミュニケーション能力を重視する理由や、履歴書や面接の自己PRでコミュニケーション能力をアピールする方法やポイントについて、職種別の例文を交えて解説します。

コミュニケーション能力とは?

コミュニケーション能力とは一般に、人との意思疎通を円滑にはかるための能力を指します。具体的には、相手の話をしっかり聞いて理解したり、質問されたことに対して的確な受け答えをしたり、相手や場面に合わせたトーンやマナーで、自分の考えなどを伝えることができる能力です。

世の中で「コミュ力」と言われているような、初対面の相手とすぐに打ち解けたり、場の雰囲気を盛り上げたりする力もコミュニケーション能力の一部ではありますが、仕事で重視されるのはそこがメインではありません。たとえば、

  • 相手の指示や要望をきちんと理解し、不明点があれば質問などのやりとりをして解決できる
  • 周囲の状況に配慮し、必要に応じて報告・連絡・相談をしながら仕事を進めることができる
  • 相手が理解しやすい論理的な話し方や文章、図などでプレゼンテーションができる

など、社会人として基本的なマナーやスキルがまず求められていると考えてください。

コミュニケーション能力はどの職種にとっても重要な能力

コミュニケーション能力というと、営業や接客などで求められるスキルというイメージがあるかもしれません。しかし、仕事でコミュニケーションする相手は社外だけではなく、世の中の大半の仕事はチームで行われるため、どの職種でも円滑な意思疎通や、そのための信頼関係構築などに必要なコミュニケーション能力が求められます。

また、コミュニケーション能力は対面の会話で発揮されるものというイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。ビデオ会議で安心感のある対話ができるかどうか、わかりやすく無駄のない文面でメール連絡ができるかどうか、ビジネスチャットで簡潔かつ的確なやりとりができるかどうか、理解しやすい資料を作成して印象的なプレゼンテーションができるかどうか、などもコミュニケーション能力に含まれます。

クリエイターの仕事はほとんどの場合はチームで行い、前後の工程のチームとのやりとり、マネジャーや顧客とのやりとりなど、多くのコミュニケーションが発生します。こういった理由から、コミュニケーション能力はWeb/IT業界やゲーム業界などにおいても、すべての職種で重要とされる能力なのです。

企業がコミュニケーション能力を重視する3つの理由

転職活動の自己PRでコミュニケーション能力を効果的にアピールするには、企業側がどのような理由でコミュニケーション能力を重視しているのかを知ることが近道です。

企業がコミュニケーション能力の高い人材を求めるのは、高いコミュニケーション能力を持つ人材が組織に大きなメリットもたらすためです。逆に、コミュニケーション能力の低い人材は、組織にとってのリスクにも繋がります。以下、企業がコミュニケーション能力を重視する3つの理由を詳しく見ていきましょう。

Reason1

社外の人間関係に影響するため

企業が社員のコミュニケーション能力を重視する大きな理由は、社員のコミュニケーション能力が、社外の組織や個人との関係性に影響するためです。

企業が採用した一人ひとりの人材は、たとえ新人であっても社外の人との関係性においては「その会社の顔」とみられます。場面や相手に合わせた的確なコミュニケーションができる社員が、顧客や取引先とのやりとりで相手によい印象を与えれば、社員個人の信頼獲得や会社全体の評判アップに繋がるでしょう。逆に、コミュニケーション能力の低い社員が顧客や取引先とのやりとりで相手に不快な思いをさせたり迷惑をかけたりすれば、会社全体の信頼にもかかわるのです。

Reason2

社内の雰囲気にも影響を与えるため

社員個人のコミュニケーション能力は、社内の雰囲気にも影響を与えます。一人ひとりが相手や周囲の状況に配慮したコミュニケーションを行えば職場の風通しがよくなります。しかし逆の場合には、挨拶がない、上司・部下や同僚間の会話が少ない、必要な連絡や相談、情報共有が行われない、といったコミュニケーション不全に陥ります。コミュニケーション不全の職場は、個人が困り事を抱え込んで業務上のトラブルや顧客からのクレームに繋がる、社員のモチベーションが低下する、不正やハラスメントが横行するなどの状況になりかねません。

社員のコミュニケーション能力は、健全な職場環境を保つためにも欠かせないのです。

Reason3

業務を円滑に進行するため

わかりやすい情報共有や、問い合わせに対する的確な受け答えができると、個人だけでなくチーム全体の業務効率アップに繋がります。逆に、あいまいな指示や応答は、相互の認識のずれによる仕事の手戻りや、確認の手間を増やし、仕事のスピードを落とします。また、何かミスやトラブルが起こった際に責任の所在や原因の究明が困難になるリスクもあります。

円滑なやりとりで業務の効率と品質を維持・向上するためにも、企業は社員のコミュニケーション能力を重視しているのです。

自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際の3つの注意点

ここまでの内容で、転職活動においてコミュニケーション能力が重要であることと、その理由が理解できたでしょうか。ここからは、応募書類や採用面接での自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際に注意すべきことについて解説します。

注意点1情緒的に話す人のコミュニケーション能力が高いとは限らない

人と話すことが好き=コミュニケーション能力が高い、と思っている人もいるかもしれませんが、必ずしもその通りとは限りません。どれだけ情緒豊かに話ができても、相手の話を聞かずに自分ばかり話している、話が長くて要点がわかりにくい、などの場合は、コミュニケーション能力が高いとは言えないでしょう。

コミュニケーションはあくまで双方向のものです。仕事においては、自分が話すことよりもむしろ、相手の話を聞く力や、相手から話を引き出す力が求められます。そして自分が伝える側のときは、端的に要点をまとめ、相手が理解しやすいよう論理的に伝えることが重要です。

コミュニケーション能力について自己PRする際は自分視点だけにならないように注意し、「相手との関係性の中で自分の能力がどう発揮されているのか」という点からアピールするようにしましょう。

相手の話を聞く力 相手から話を引き出す力 端的に要点をまとめ、相手が理解しやすく論理的に伝える力

注意点2口頭の会話力だけがコミュニケーション能力ではない

どのようなコミュニケーション能力が重視されるかは、職種や役職などによって異なってきます。そして、コミュニケーション能力は話す・聞くといった対面の会話のみで発揮されるものではありません。

多くの仕事で、eメールやビジネスチャットを通したコミュニケーションの占める割合が増えています。テキストによるコミュニケーションでは、「返信が早い」「こまめに連絡する」というのは1つの強みですし、反対に「要点を押さえた連絡をすることで、やりとりを最小限に抑える」という能力も強みになります。

口頭の会話力に自信のない人は、「コミュニケーション」の概念を広げて、自分がアピールできることがないか考えてみてください。

eメール ビジネスチャット 返信が早い こまめに連絡する 要点を押さえた連絡をすることで、やりとりを最小限に

注意点3仕事にどのように繋げるかを明確にする

キャリアアドバイザーが転職希望者の自己PRを添削する際によく出会うのが、「自己PRに書いてあるコミュニケーション能力が、仕事の成果にどう繋がるかが明確でない」ケースです。

コミュニケーション能力を自己PRに盛り込む際は、単に「コミュニケーション能力」というと非常に範囲が広くあいまいなため、「相手の話を引き出す力」「わかりやすくプレゼンテーションする力」など、アピールしたい能力を業務に結び付けて書きましょう。さらに、その能力をどのように発揮して成果を得てきたのか、具体的なエピソードを書きます。

これまでの実績と経験と働き方を振り返り、どのように成果を出してきたのかを詳しくひも解いていくと、「実はコミュニケーション能力以外の強みが影響していた」ということもあります。その場合は、無理にコミュニケーション能力を自己PRに盛り込むのではなく、成果に直接繋がった能力を優先してアピールするとよいでしょう。

コミュニケーション能力 アピールしたい能力を業務に結び付けて書く その能力をどのように発揮して成果を得てきたのか、具体的なエピソードを書く

【職種別】自己PRでコミュニケーション能力をアピールする例文

次に、自己PRでコミュニケーション能力をアピールする例文を、職種別にご紹介します。

コミュニケーション能力は自己PRにおいて重要な要素ですが、あくまで、求人票に書かれている応募条件や求める人材像に見合うスキルや経験をあなたが持っていることが大前提です。そのうえで、あなたの人柄や仕事への姿勢などをあらわす、プラスアルファの要素がコミュニケーション能力であると考えてください。

決して1人よがりの自己PRにならないよう、コミュニケーション能力についてアピールする際は、かならず他の人からの評価や仕事の実績など、客観的な情報に紐づけて語るようにしましょう。

【例文】Webデザイナー

私はカウンセリング型Webデザイナーです。

クライアントの本当のニーズは言語されていないことが多いため、依頼内容を忠実に再現しても心から満足いただけることはないと考えています。そこで、必ず依頼や指示の意図をクライアントに確認し、本当のニーズをくみ取ってデザイン提案に反映しています。

たとえば、ある企業から「ポップで柔らかい感じの求人サイトを作ってほしい」という依頼を受けたことがあります。その背景を探っていくと「若い人の就職先として選んでもらえるようアピールしたい」ということでした。しかし、依頼通りの方向性では会社の歴史や事業内容のイメージに合わず、競合他社との差別化もできないと考え、「伝統と革新」を前面に打ち出して色数を押さえたクールな雰囲気のデザインを提案。結果として採用され、関連会社のサイトリニューアルなどのリピート指名に繋がりました。

もし御社に採用いただけたら、このような「聞き出す力」や「察する力」を生かして、顧客価値向上にも貢献していきたいです。

【例文】Webディレクター

私の強みは「クライアントの言葉」と「制作チームの言葉」を変換する翻訳スキルがあることです。

私は前職でWebディレクターになる前はデザイナーとして制作部門で働いていました。また、その前の会社では広報の仕事をしており、制作会社にWeb制作を発注する側でした。そのため、クライアントと制作側、両方の仕事内容や思考のパターンがだいたい想像できます。

以前、予算とスケジュールについてクライアントの要望と社内の意見がなかなか折り合わず停滞していたプロジェクトを、途中から引き継いだことがあります。双方にヒアリングを行い、相手が理解しやすい言葉にかみ砕いて説明しながら妥協点を探ったところ、1回の打ち合わせのみで合意にすることができました。このスキルは御社のWebディレクションでも大いに生かせるのではないかと考えています。

【例文】Webマーケター

私は、複雑なことをわかりやすく説明する能力に自信があります。

クライアントに施策を提案する際、施策の仕組みや期待される効果などについての説明が、どうしても専門的なものになり「担当者が社内で上申する際にうまく説明できない」「よく理解しないままOKを出し、思ったほどの効果が出ないとクレームになる」といったことがよく起こります。そこで私は、Web広告の仕組みを街中の看板、SNSの仕組みを対面での口コミなど身近なものに置き換え、具体的な数字やグラフを駆使しながら、相手が納得しやすい説明をしています。

社内の営業担当者とクライアント側担当者の双方から「説明がわかりやすくて助かった」という言葉をいただくことも多く、Webマーケティングに初めて取り組む顧客のプロジェクトに欠かせない人員と言われたこともあります。今後本格的なWebマーケティングチームを立ち上げる御社においても、私の能力がきっと役に立つのではないかと考えています。

【例文】フロントエンドエンジニア

私は、問題解決のためのチーム連携を大切にしています。

サイトの動きの問題は、フロントエンドのコードだけで解決できるとは限りません。クライアントの要望どおりに動かすには技術的な困難があったり、バックエンドに負荷がかかったりする場合に、デザインの変更で解決できる場合もあります。そのため、フロントエンド開発で困ったことは、前後工程の担当者にも共有・相談するようにしています。

こまめな情報共有や相談が、プロジェクト内の信頼関係構築に繋がり、「チームの業務効率と品質が上がった」「人間関係のストレスが減った」など、マネジャーとメンバーから感謝の言葉をもらったこともあります。整理されたスマートなコードを書くことや、顧客の要望に高いレベルで応えるのはもちろんのことですが、円滑なコミュニケーションで御社のチームにも貢献できればと思います。

自己PRでコミュニケーション能力を伝えることができない場合どうするか?

企業が中途採用の選考を行う際に、応募者のコミュニケーション能力は重要な要素です。しかし、どうしてもコミュニケーション能力について自己PRに書けるようなエピソードが思いつかない、という場合もあるでしょう。そのような場合にやるべきことを、以下に解説します。

方法1自己分析をしなおす

まずは、コミュニケーションに着目して自己分析をし直してみましょう。ここまでお伝えしてきたとおり、コミュニケーション能力は自分が話すだけでなく、相手の話を引き出す、相手のニーズをくみ取る、要点をまとめてわかりやすく伝えるなど、非常に幅の広い概念です。

あらためてこれまでの経験や実績をふりかえったときに、チームで何かを成し遂げたことや、顧客との良好な関係性が成果に繋がったエピソードなどはないでしょうか。なぜ、どのようにして成果を挙げたのか、詳しくひも解いてみると、コミュニケーションに関連してアピールできる強みが見えてくるかもしれません。

方法2第三者の意見を参考にする

自分のコミュニケーション能力が高いのかどうかわからないときは、身近な第三者の意見も参考にしてみましょう。自分で自分の強みに気付くのは難しいものです。自分では当たり前にやっていることでも、実はほかの人にはなかなかできないということもあります。

意見を聞く相手は必ずしも仕事の関係者ではなく、家族や友人でも構いません。もし身近な人があなたのコミュニケーション能力を評価する点があるのなら、同じ能力が仕事で発揮されたことがないか思い返してみましょう。

方法3別の長所をアピールする

コミュニケーション能力は仕事をするうえで重要な能力ですが、あくまで応募職種に求められるスキルや経験があるという前提でのプラスアルファのアピール要素です。自己PRでコミュニケーション能力について触れることが必須というわけではありません。

自分の強みや長所と言えるほど自分のコミュニケーション能力に自信がない場合は、応募職種で重視されているコミュニケーション以外の能力を中心に、具体的なエピソードや成果と結びつけて説得力のあるアピールをしましょう。

自己PR作成に迷ったら、転職エージェントに相談しよう

コミュニケーション能力は、Web/IT業界やゲーム業界など、クリエイターと呼ばれる職種においても企業が重要視する能力です。その中でもWebディレクターなど、プロジェクトに関わるさまざまな関係者の調整役となる職種ではとくに、チーム全体の仕事を円滑に進めるために高いコミュニケーション能力が求められます。

応募書類や面接でアピールすべきポイントは、応募する職種やポジションによって少しずつ異なります。自己PRをどうやって考えたらいいか迷ったときには、転職エージェントを活用するのも1つの方法です。ご希望の業界や職種に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたの力になってくれるはずです。

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