不採用の理由が知りたい!書類・面接を改善し、次の選考に繋げよう

転職活動をする中で、残念ながら不採用となるケースはよくあります。入りたかった企業に不採用となってしまうのは、誰にとっても受け止めがたいこと。しかし、なぜ自分が不採用になったのか、その理由に触れないまま次の応募に臨んでも、また同じような結果になりかねません。不採用の理由について目を向けることは、転職活動において大事なプロセスなのです。

そこで今回は、転職エージェントを介した転職だからこそ得られる企業からのフィードバックをもとに、実際どのような不採用の理由があり、それをいかにして次の応募へ活かしていくべきなのか解説します。不採用の理由の中には、まったく転職者側の問題ではない場合や、ほんの小さな改善で採用に結びつく場合もあるのです。結果に一喜一憂することなく、不採用の理由をしっかりと受け止めて次に繋げていきましょう。

目次

不採用の理由は聞いてもいい?不快に思われない問い合わせ方法

そもそも、なぜ自分は不採用になってしまったのか、その理由を教えてもらえるのでしょうか。結論から言えば、不採用の理由について企業の担当者に問い合わせること自体は問題ありません。ただし、企業側には不採用の理由を開示する義務はないため、問い合わせたからといって、必ず回答が得られるとは限らないでしょう。そのことを念頭に置きつつ、問い合わせの際には企業に対して失礼な印象を与えないようにすることが重要です。

ここでは、不採用の理由について確認したいとき、企業の採用担当者にはどんなふうに問い合わせたらいいのかを解説します。

企業の担当者にメールで問い合わせる【例文あり】

不採用の理由を採用担当者に問い合わせる場合は、電話よりメールの方がいいでしょう。突然の電話に企業の採用担当者は手を煩わせますし、口頭で不採用の理由を聞かれても、答えにくいものです。繰り返しになりますが、企業には不採用の理由を開示する義務はありません。あくまでも、求職者は「ご厚意で教えていただく」という立場であることを忘れずに、ていねいな対応を心がけましょう。

以下に、メールで不採用の理由を問い合わせる際の例文をご紹介します。

件名:選考結果に関する問い合わせ

○○株式会社
人事部 採用担当 ○○様

お世話になっております。
先日、貴社の選考を受けさせていただきました○○と申します。

このたびは、選考結果についてご連絡いただき、ありがとうございました。
もし差し支えなければ、今回の選考結果において、不採用となった理由を教えていただけないでしょうか。
貴社への入社を強く希望していたので、何が至らなかったのか、ぜひその理由をお聞かせいただきたいと思いご連絡いたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご返答いただけると幸いです。

改めまして、このたびは、選考のために貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。

なお、不採用の理由を問い合わせるのは、選考結果の連絡を受けてから、なるべく早い方がいいでしょう。採用活動を行っている企業は、常に多くの求職者情報を抱えているため、残念ながら一人ひとりのことをしっかり覚えてはいられません。また求職者の個人情報や選考データは、選考が終了し一定期間が過ぎれば削除されている場合もあります。

選考結果がメールで来た場合、それに返信する形で問い合わせてもよいでしょう。

転職エージェントのキャリアアドバイザーを通して問い合わせる

転職エージェントを介して企業に応募し、残念ながら不採用になった場合、その理由は担当のキャリアアドバイザーを通して教えてもらえることがあります。なぜなら企業は選考のフィードバックとして、不採用の理由を転職エージェントに伝えていることが多いからです。また、企業からのフィードバックがなかったとしても、転職エージェントなら採用支援の一環として「なぜ不採用だったのか」「どんな人材だったらよかったのか」その理由を企業に確認しやすいという面もあります。

企業が応募者本人に直接伝えづらい不採用の理由も、転職エージェントを経由することで、伝えやすくなるでしょう。選考後に不採用の理由を知りたい場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに問い合わせてみるのもおすすめです。

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よくある不採用の理由とは?

マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーが転職者の書類選考・面接結果を受け、不採用の理由として最もよく耳にするのが「能力・スキル面のミスマッチ」と「企業と応募者との志向性のミスマッチ」です。注目していただきたいのは、「ミスマッチ」という考え方。採用現場で起こるミスマッチとは、企業と転職者の間でお互いに希望する条件にギャップが生じることを言います。

では、それぞれのミスマッチがもたらす不採用の理由とはどのようなものでしょうか。企業からあったフィードバックを具体的に見ていきましょう。

能力・スキル面でのミスマッチが不採用の理由となった場合

  • 実際に会ってみると、書類上の経歴よりスキル不足に感じた
  • 経歴3年以上という求人に対して条件はクリアしていたものの、経験不足と判断した
  • オーバースペックだった

能力・スキル面での不採用の理由には、スペック不足とオーバースペックの両方があります。

まずスペック不足と判断されるケースについては、同じ職種であっても企業によって重要視するスキルの違いが影響している場合が多いです。これについては応募書類や面接でのアピール不足が原因の可能性もあるので対策が必要です。自身のスキルを改めて棚卸しするなどして、次の選考に活かしましょう。

一方で、オーバースペックが不採用の理由になることもあります。たとえば、「優秀な方と判断したが、今年のチーム編成のニーズには合わなかった」、「社内の現職社員とのバランスから受け入れが難しい」など、企業のニーズとマッチしなければ、いくら専門性の高いスキルや豊富な経験がある優秀な方でも、不採用になることがあるのです。「実力が及ばなかったから」ではありません。ミスマッチだったのです。ですから、不採用という結果に「自分には能力がない」という勝手な思い込みで自信を失い、転職へのモチベーションを下げてしまうのはとても残念。単に企業のニーズとマッチしていなかったんだと納得し、次に向けて動き出しましょう。

企業と応募者の志向性のミスマッチが不採用の理由となった場合

  • ゲーム運用をメイン事業としているが、応募者は新規開発のスキルを身に付けたいと希望していた
  • 転職のたびにキャリアチェンジを繰り返している応募者に対して、キャリアプランが伝わってこなかった
  • 配属先のチームとの相性が懸念された

たとえば、運用中心の企業の面接で「新規開発のスキルを学びたい」とコメントする。転職を複数回経験しているのに、志向に関する自分の考えを明確にできない。どちらも企業にとっては採用に二の足を踏む理由となってしまいます。こういったフィードバックがあった場合は、まだまだ情報収集不足が否めません。次の選考に向けて、もう一度、企業研究や自己分析に取り組んでみるといいでしょう。

もう1つ、転職者を悩ませるのが「社風に合わない、相性が悪い」といったミスマッチの問題です。「そんなこと言われても......」と転職者にとっては納得しにくいものかもしれません。ただ、能力や経験が達しているからといって採用されても、それ以外の部分でミスマッチがある場合、入社後に苦しむのは転職者本人です。

応募した企業と志向性や相性が合わないことで不採用になるのは、むしろ企業側の良心と言えるかもしれません。不採用の理由をネガティブに受け取ることなく、頭を切り替え、もっと自分にマッチした企業を見つけることに注力しましょう。

ほかにも、「採用予定の部署の人事異動によりポジションが充足した」、「育成コストが確保できなくなった」など、社内状況の変化や急な人事異動により、すでに採用活動を開始していたにも関わらず方針転換、その結果、不採用にせざるを得ない状況に......なんてこともあります。いずれにせよ応募者に落ち度はありませんのでこういった理由での不採用についてはまったく気にする必要はありません。不採用の理由の中には、対策のしようがないケースもある、ということを理解しておきましょう。

一方で応募書類や面接対応など、もう少し自身のアピールができていれば不採用にならなかったかも?と思われる場合もあります。詳しく見ていきましょう。

書類選考で不採用にならないための3つのポイント

不採用の理由でもっとも多い「能力・スキルのミスマッチ」ですが、そもそも応募書類に自分の能力・スキルがしっかりと書き込めていないことが見受けられます。ちなみに、自分を語るうえでアピールポイントとなる大事なスキルを「コアスキル」といいますが、応募書類にはこのコアスキルを明確にわかりやすく書き込むことが重要です。ほかにも、書類選考を通過するためには、どんなことに気を付けて応募書類を作成したらよいのでしょうか。基本となる項目のほか、転職者の年齢によって違う書き方のポイント、前提として守るべきポイントをまとめます。

Point1

スキルと実績をわかりやすく書く

履歴書、職務経歴書、ポートフォリオを通して採用担当者が本当に知りたいこと、それは、スキルと実績です。多くの方は「〜ができます」「〜が作れます」と自分のできること(スキル)は書くことができるのですが、それだけでは足りません。重要なのは、その結果どんな効果があったのか、どんな成果が出たのか数値も併せて「実績」までわかりやすく書くことです。企業は「あなたを採用することでどんな利益が得られるのか」、実績を見て判断したいのです。ですから、応募書類にはスキルはもちろんのこと、特にそのスキルでどういった結果をもたらすことができたのかという「実績」を意識して書き込むようにしましょう。

その際、事細かにすべてを詳しく書くのではなく、面接に繋げるためにも「もう少し詳しく聞きたい」「直接会って話したい」と思わせる適度なボリュームで書くことも大切です。

面接に繋げる職務経歴書で自己PRをする方法については、こちらもご覧ください。

採用確率をぐっと高める職務経歴書と面接の二層式自己プレゼンの仕方

Point2

20代ならやる気や志望動機、30代ならより正確な実績を書く

少し厳しい言い方になるかもしれませんが、履歴書の項目にある「志望動機」でやる気を書き、コアスキルについても広い範囲で複数取り上げることが評価に繋がるのは若年層までです。年齢が若ければ、志望動機に書かれた熱い思いや、いくつも書かれたコアスキルはポテンシャルとして評価されることがあります。

しかし、30代を迎え、いわゆる「中堅」ともなると、志望動機で熱い思いを語ってもあまり評価に結びつかないのが現状です。コアスキルについても絞れていないことが逆に評価を下げてしまう可能性もあります。20代での転職なら今できることやこれから身に付けたいことを伝えるため、現時点でのスキルと実績をしっかり記載したうえで、志望動機を。30代以上での転職なら、これまで積み上げてきた経験とスキルで応募先に対してどのような貢献ができるかをより正確に伝えるため、志望動機よりも特に実績を意識して記載するようにしてください。

Point3

応募先の企業が求める人材像をイメージして、ていねいに書く

応募書類を企業ごとに吟味せず、簡単な修正だけして応募する人がいますが、本当に入りたい企業に対して流用の自己PRは通用しません。たとえば、コアスキルについてもその企業にとって響くものは何か、しっかり絞り込んで重点的に書く方があなたの人材的価値が伝わります。

応募先の企業で働く自分をイメージして、どうしてその企業で働きたいのか、その企業に入ることで自分に何ができるのか、自身の考えが採用担当者にもしっかりと伝わる応募書類を作りましょう。そのためには、あらかじめ応募する企業の絞り込みをしておくことも忘れないでください。数多く応募したからといって書類選考の通過率が上がるわけではないのです。

それから、とても初歩的なことではありますが、手書きでもPCを使ってでも、どちらでも構わないので、とにかく応募書類はていねいに!そんなの当たり前でしょ?と思うかもしれませんが、実際、提出された書類に誤字脱字が多く「資料制作をお任せするポジションとしては不安が残る」という理由で採用が見送られたケースもありました。どんなに魅力的な人であろうと、書類の書き方に不備があって不採用というのはあまりにも惜しい。さまざまな書類を準備するのは大変だとは思いますが、おざなりにならないようていねいに取り組んでください。

書類選考で不採用になった理由(フィードバック)を確実に受け止め、そのフィードバックを蓄積して改めて応募書類を作れば、書類選考の通過率も上がっていくでしょう。

面接で不採用にならないための3つのポイント

面接における不採用の理由についても、やはり「能力・スキルのミスマッチ」によるものが多いのですが、応募書類同様「うまく伝わっていない」「伝えられない」ことが要因の1つと考えられます。ここでは、面接のフェーズごとに何が重視されているのか改めて整理し、そして、それを踏まえどんなことを意識して面接に臨むべきなのかまとめます。

Point1

一次面接ではスキル・実績をわかりやすく伝える

面接で一番よく聞かれる質問として「志望動機」があります。ですから、誰もが最重要事項として「絶対に聞かれる質問」と思い、十分な対策をして臨むでしょう。しかし、一番重視されるのは実は志望動機ではないのです。もちろんだからと言って適当に答えればいいということではありません。志望動機の質問では最低限のカルチャーマッチや人柄を見ているので、誤解のないようにていねいな受け答えをするようにしましょう。

では、一番重視されているのは何なのでしょうか。一次面接を担当する面接官は、現場のマネージャークラス(課長・部長)やチームリーダーなど、共に現場で働くメンバーが多いということからも想像がつく通り、やはり、スキルと実績です。書類選考の時点でもスキルと実績については一度確認していますが、改めて現場が求めているレベルに達しているかどうかを面接では見極めています。ですから一次面接では、書類には書ききれなかった自分のスキルと実績を、具体的にわかりやすく伝えることが重要です。

もしスキルと実績に自信がないのであれば、現時点でのスキルだけでなく、今後どのように成長していきたいと思っているのかなど、あなたのポテンシャルや意欲を伝えましょう。勘違いされやすいのですが、一次面接で重点的に見ているのは人柄だけではありません。決してないがしろにしているわけではありませんが、それはスキルと実績が伴っている前提の話です。人柄や雰囲気のよさは、あくまでも判断材料の1つであり、それだけで採用を決定づけるものではないのです。

ですから、一次面接では人柄を伝えるよりも、まずはスキルと実績、そして企業に対する具体的な意欲をアピールできるよう意識して臨みましょう。企業はあなたを採用したとき、どんな活躍をしてくれる人材なのか面接の場で見極めています。

Point2

二次面接(最終面接)では人材的な魅力・価値をアピールする

書類選考を通過し、一次面接も突破した時点で、スキルと実績、最低限のカルチャーマッチについてはおおむねクリアしたことになります。では、続く二次面接(最終面接)で重視されるのは一体どんなことなのでしょうか。

二次面接(最終面接)では役員クラスの方が面接官を担当することが多いです。ここで重視されるのは現場で必要なスキル周りのことではなく、もっと俯瞰から見た人材的な魅力や価値。たとえば長期的に活躍してくれるか、社風とマッチしているか、定着性・志向性はどうかといったところです。また、Web・IT・ゲーム業界はまだまだ若い業界なので、いちからゆっくりと指導している時間も体制も整っていないことが多いです。ですから、企業によっては自走できる人間性も大いに問われるでしょう。

ここでの質疑応答では、面接官が納得するような答えをわかりやすく伝えてほしいのですが、企業からのフィードバックによると、それがうまくできない人が多い印象です。

なぜ、面接官が納得するような答えをわかりやすく伝えられないのでしょうか。その要因は、圧倒的に企業研究の足りなさにあると感じます。たとえば、応募企業の競合がどこかわかりますか。また、競合との事業の違いが説明できますか。応募企業について熟知していなければ、これらの質問には回答できないはずです。この企業ならではの事業は何か、そこで自分ならどんな形で貢献することができるのか。今後のキャリアプランや自分がその業界でやっていきたいこと、志向性などもうまく盛り込むことができれば、評価に繋がる内容の濃い受け答えができるでしょう。

問答集にあるような模範解答ではなく、自分の考えを自分の言葉で語るには、まずは企業研究をしっかり行い、情報収集をする必要があります。今は企業のWebサイト(採用ページ)のほかにブログやSNSなどもあるので、比較的容易に企業が発信する情報を集めることができるでしょう。少なくともこれらはすべてチェックし、企業を知り尽くしたうえで最終面接に臨むようにしてください。

Point3

面接の練習をしておく

前述の通り、一次面接、二次面接(最終面接)では、それぞれ重視されるポイントが違うので、それを踏まえたうえで面接官に正しく自分のスキルと実績、そして人材的価値を伝えられるかが面接を成功に導く鍵です。現職と並行しての転職活動は多忙を極めると思いますが、自分のスキルと実績の確認(自己分析)、企業研究は決して怠らないでください。

そしてもう1つ、ベテランになるほどおろそかになりがちなのが、面接の練習です。仕事でのプレゼンテーションと違い、多くの人が予想以上に緊張してしまう面接ですが、実は練習によって確実にうまくなります。企業からのフィードバックによると、面接における不採用の理由として、たとえば下記のものがあります。

面接における不採用の理由

  • これからのキャリアプランが伝わってこなかった
  • 質問に対して回答がまとまっていない
  • 質問内容と回答がずれている

これらはすべて、あらかじめ話す内容の軸を整えてシミュレーションしておけば必ず答えられるはずです。応募企業に向けての自己PRを「意欲」、「スキルと実績」、「人間性」の面で明確にしておくだけでもかなり効果的な対策となるでしょう。ぜひ何度も繰り返し、声に出して練習してみてください。面接は練習すれば必ず上達します。企業があなたを採用するメリットを考え、それを具体的に話せるように、自分は何が得意なのか、強みは何なのか、今までの自分を棚卸しして自信をもって答えられるようにしておきましょう。

面接対策について、詳しくはこちらもご覧ください。

転職の面接対策に必要となるノウハウを一挙公開

まとめ

不採用の理由は単に能力・スキルの問題だけではありません。応募者にとって動かしようのない企業側の理由もそこにはあり、また、応募書類や面接での対応によって採否が大きく変わる可能性もあるのです。

そんな中、日々、転職活動を支援しているキャリアアドバイザーたちが転職を希望する皆さんに思うのは、「応募する企業が求める人物像ともっと向き合ってほしい」ということです。複数応募となる場合、それぞれの企業の求める人物像に向き合うのは決して簡単なことではありません。しかし、自己PRを一部修正するだけだったり、企業研究をおろそかにするといった姿勢で企業に臨んでも、やはり採用担当には響かないのです。

人材の流動化が進む現在では、年度を通して採用は活発で応募者も非常に多いです。応募を繰り返しながら採用に至らない理由は、汎用的な応募書類と面接対応になってしまっているからかもしれません。複数応募するとはいえ「一社入魂」の気持ちを忘れずに。そして不採用という結果に落ち込むことなく、企業からのフィードバックを糧に、高いモチベーションを保ちながら転職活動に臨んでみてください。

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