【転職】IT業界向け逆質問一覧!一次面接~最終面接まで使える29例を厳選公開
逆質問は、転職面接の中で応募者が主体的に企業へ質問できるチャンスです。
IT業界への転職を希望するのであれば、業界経験者・未経験者を問わず、応募する企業の事業内容や特徴をしっかり理解して、質問を用意しておきましょう。
この記事では、Web・ゲーム・IT業界を専門として転職支援を行うマイナビクリエイターが、エンジニアをはじめとするIT業界への転職希望者向けに、面接で使える逆質問の例を厳選してご紹介します。
目次
IT業界での逆質問の意図
質問例について見ていく前に、なぜ採用面接で逆質問の時間が設けられるのか、企業側の意図について解説します。企業が応募者に逆質問を求める主な理由は以下の4つです。
応募者の入社意欲・志望度・熱意を知るため
採用担当者は、逆質問の内容から応募者の入社意欲を読み取っています。逆質問の内容には、応募者がどれだけ事前に企業研究をしているか、業務に関してどのような関心事があるのか、入社後のキャリアプランをどれだけ考えているかなどが反映されやすいからです。
熱心な企業研究や企業への関心の高さによる中身の濃い逆質問ができれば、入社意欲も伝わり、企業からのポジティブな評価に繫がることが期待できます。
コミュニケーション能力を確認するため
自分が知りたいことを主体的に質問する、相手の話を理解して的確な受け答えをするなどの基本的なコミュニケーションスキルは、IT業界で働くエンジニアにも、それ以外の職種にも欠かせないものです。応募者が業務に必要なコミュニケーション能力を備えているかどうかを確認することも、逆質問の目的の1つです。
社風とのマッチングを確認するため
企業が逆質問の時間を設ける背景には、応募者の人となりや仕事への考え方が自社の社風に合っているかどうかを見極める意図もあります。
同じような事業を行っている会社であっても、開発のスタイル、組織内のコミュニケーション、働き方や人材育成、活躍できる社員のタイプなどがそれぞれ異なるためです。
応募者に対し、自社の魅力付けをするため
逆質問には、企業が応募者の疑問や不安を解消し、自社に対する安心感や信頼感を高めるという意図もあります。また、質問への回答を通して応募者へ自社の魅力をアピールすることも狙っています。
逆質問は応募者・企業双方にとって関係性作りのチャンスです。企業が答えにくいようなネガティブな質問は避け、気になることや不安なことはしっかり確認できるよう、あらかじめ質問を用意しておきましょう。
技術環境・開発体制に関する質問10選
まずは、IT企業にエンジニアやプログラマーとしての転職を目指す人向けの質問例からご紹介します。これらは、主に二次面接など、現場で開発に携わっている人が面接官を務めている場合に適した質問です。
技術環境や開発体制を知っておくことで、入社後のミスマッチを避けることができます。また、実務に関する具体的な質問をすることで、業務や技術への理解度もアピールできるでしょう。
御社で主に使用している開発言語やフレームワークは何ですか?
具体的な開発環境について踏み込むことで、業務理解度や意欲の高さをアピールできる質問です。面接官からの回答に、自分がこれまでに馴染みのない言語やフレームワークが挙がった場合は、入社前に勉強しておくなどの対策も可能になります。
アジャイル開発とウォーターフォール型、どちらの開発手法を採用されていますか?
開発のスタイルを確認しておくと、入社後のミスマッチを避けることができます。
応募先の企業が前職とは異なる開発手法を採用していた場合は、さらに気になることを質問するなどで疑問点を解決しておきましょう。
技術的負債への対応はどのように行っていますか?
技術的負債への対応には、システムやソフトウェアの開発に対するその企業の姿勢が表れます。組織としての方針を持って対応しているか、場当たり的な対応をしているか、面接官の回答から企業の文化や風土を知ることができるでしょう。
また、この質問をすることで、目の前のコードだけでなく長期的な視点で開発ができるエンジニアだというアピールにも繋がります。
リモートワークやフレックス勤務など、パフォーマンスを高めるための制度があれば詳細を教えてください。
勤務制度について確認する際は、あくまで「仕事で高いパフォーマンスを発揮したい。そのために、制度の有無や活用状況などに興味がある」という姿勢で質問しましょう。
制度の有無だけをストレートに質問すると、「業務内容よりも勤務条件を重要視しているのではないか」と誤解されてしまう恐れがあるため注意が必要です。
新しい技術の導入判断はどのようなプロセスで行われますか?
その企業がどの程度積極的に新しい技術を導入しているかを知ることができる質問です。あなた自身が「新しい技術に触れたい」と望んでいることもアピールでき、「入社したらレガシーな言語しか扱う機会がなかった」といったミスマッチも回避できるでしょう。
デプロイの頻度はどのくらいですか?CI/CDの環境は整っていますか?
この質問への回答から、開発からリリースの進め方や、全体的な業務量を想像することができます。また、CI/CDの環境の有無によって、作業の自動化やリスクテイクに関するその企業の考え方も伺い知ることができるでしょう。
コードレビューのプロセスや文化はどのようになっていますか?
コードレビューのプロセスが組織として整備されているのか、あるいは現場任せなのか、AIなどを活用した自動化は進んでいるのかなど、品質に関する企業の姿勢を知ることができる質問です。
自分の書いたコードに対してどのようなフィードバックがあるのか、自分自身もレビューを担うのかなど、具体的な業務に対する心の準備にも役立つでしょう。
障害発生時の対応フローはどのように整備されていますか?
障害発生時の対応フローが組織としてどれだけ整備されているか、という点についての質問は、企業の文化や、顧客に対する姿勢、品質に対する考え方などを知るのに役立ちます。
障害発生時の対応だけでなく、障害の予防にどれだけ取り組んでいるか、個々のエンジニアがどのように関わっているかを知ることで、入社後の業務がイメージしやすくなるでしょう。
また、あなたが目の前の業務だけでなく、リリース後のことも視野に入れて仕事ができる人材だということも相手に伝わります。
エンジニアとデザイナー、プロダクトマネージャーの連携はどのように行われていますか?
チームの連携体制に関する質問は、企業の文化やコミュニケーションのスタイルについて知るのに役立ちます。それぞれの職種の役割や責任範囲、関わり方について知っておくことで、働き方を具体的にイメージすることもできます。
あなたが自分の業務だけでなく、チーム全体のパフォーマンスを意識しているということもアピールできるでしょう。
技術選定の際に重視している基準は何ですか?
開発をリードするポジションへの転職を目指している方におすすめの質問です。
技術選定の重要度はその企業が手がける仕事の規模などにもよって異なりますが、どのような軸で判断しているのかを知ることは、その企業の開発スタイルや文化の理解にも繋がります。
この質問をすることで、システムやアプリケーションの将来的な価値や技術負債を左右するものとして、あなた自身が技術選定の重要度を意識していることも伝わるでしょう。
キャリア・成長に関する質問6選
次に、将来的なキャリアや成長機会に関する質問をご紹介します。これらの質問は、一次面接やオファー面談など、人事担当者が面接官を務める面接に適しています。
ただし、これらの質問をするときには、転職先の企業をキャリアアップの道具として考えていると誤解されないよう注意する必要があります。「成長して御社に貢献したい」という意欲をしっかり伝えましょう。
入社後も、業務に生かせる新しい技術の習得など自己研鑽に取り組みたいと考えています。社内で個人のスキルアップができるような機会や仕組はありますか?
自己研鑽やスキルアップに関する質問をすることで、あなたの成長意欲を企業に伝えることができます。
ただし、会社の研修制度などの環境に依存しているように誤解されないよう、聞き方には注意しましょう。
社内での勉強会や技術共有の文化はありますか?
新たな技術習得に対する意欲や、習得した知識やノウハウをチームとして共有したいという貢献意欲が伝わる質問です。
技術共有に対する企業の姿勢をあらかじめ知っておくことで、ミスマッチの回避にも繋がります。
技術書籍の購入補助や外部研修への参加支援制度はありますか?
最新の技術動向をキャッチしたいという、成長意欲が伝わる質問です。
また、組織としてエンジニアの技術習得を後押ししているのか、技術習得が個人任せになっているのか、会社の姿勢を把握するのにも役立ちます。
私は将来的にプロジェクトマネージャーを経てITアーキテクトを目指したいと考えているのですが、御社でWebプログラマーのキャリアパスはどのように描かれていますか?
あなたのキャリアビジョンを伝えることで成長意欲をアピールし、キャリアパスに関して企業側の認識とのすりあわせもできる質問です。
入社後に期待されるキャリアについてのミスマッチ回避に役立ちます。
過去に同じポジションで成功した人の特徴は何でしたか?
成長意欲や、事業への貢献意欲が伝わる質問です。
どのようなタイプの人が活躍しているのかを知ることは、企業文化や組織風土の把握にも役立ちます。
技術的なチャレンジを行う際のサポート体制はどうなっていますか?
技術的なチャレンジに対する意欲が伝わる質問です。
この質問への回答によって、技術的チャレンジを推奨する組織なのか、リスク回避を重視する組織なのか、文化や風土を推測することもできるでしょう。
企業文化・働き方に関する質問9選
企業文化や働き方に関する質問は、その企業に対する強い関心や入社意欲のアピール、入社後のミスマッチ回避に役立ちます。また、組織の健全性や、将来的な成長性を推測する材料にもなるでしょう。
働き方の実態に関する質問は、現場の社員が面接官を務める二次面接に向いており、企業文化に関する質問は役員クラスが面接官を務める最終面接に適しています。
繁忙期はどのようなタイミングで訪れますか?繁忙期の働き方について、1日の流れを具体的に教えてください。
残業の実態を知りたいとき、「残業はどの程度ありますか」とストレートに聞くと「残業をしたくないのか」とネガティブな印象を与えてしまう場合があります。
この例のように、繁忙期についての質問などで遠回しに確認するのが賢明です。
社内コミュニケーションで主に使用しているツールは何ですか?
社内コミュニケーションに関する質問は、「コミュニケーションを大事にしている」という姿勢のアピールに繋がります。
また、応募先企業が使用しているツールを把握することで、あらかじめそのツールの機能を調べておくなど、入社後に備えた対策も可能になります。
意思決定のプロセスはトップダウンですか、ボトムアップですか?
業務の中で積極的な提案をしていきたいという、意欲が伝わる質問です。
意思決定のプロセスは、企業文化や組織風土が如実に反映される要素です。意思決定がトップダウンか、ボトムアップかを知ることで、どのような雰囲気の組織かを推測することができるでしょう。
御社が最も大切にしている企業文化や価値観は何ですか?
企業に対する健全な関心が伝わる質問です。
勤務条件や待遇、成長機会など、自分自身のメリットになることだけでなく「企業文化や価値観に共感できるかどうか」で転職先を選ぼうとしている、真摯な姿勢が感じられ、好印象に繋がることが期待できます。
チーム内でのフィードバック文化はどのようになっていますか?
自分の仕事に対するフィードバックを積極的に受けたいという、成長意欲が感じられる質問です。
フィードバック文化について質問することで、業務品質に対する会社の姿勢やチームの連携体制、エンジニアの育成環境などについても情報を得ることができます。
今後3〜5年で会社として目指している方向性は何ですか?
会社の将来性や、会社の成長の方向性と自分のキャリアビジョンのマッチ度を知るのに役立つ質問です。経営に関心があるという視座の高さもアピールすることができます。
ただし、会社の中・長期ビジョンがWebサイトなどで公開されている場合、それを読まずに質問してしまうと、かえってマイナスの評価に繋がる恐れがあります。公開されている情報には目を通したうえで、より具体的な質問をするようにしましょう。
社内でのダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みはありますか?
応募先企業の中で自分自身がマイノリティーにあたる場合、ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みがあるかどうかは気になるところです。質問する際には、その背景や意図をきちんと伝え、企業側に自分自身を理解してもらうきっかけに繋げるとよいでしょう。
この件についても、Webサイトなどで公開されている情報にはあらかじめしっかり目を通し、わからない点を具体的に聞くことをおすすめします。
失敗したときの組織としての対応や文化はどのようなものですか?
実際に業務にあたる際の状況を深く考えていることが伝わる質問です。
失敗に対する企業の姿勢や、対応の体制について知ることで、業務にあたる際の責任範囲や組織内の指揮系統に基づいた報告経路を想定でき、入社後に対する心の準備にも繋がるでしょう。
プロダクト開発における優先順位の決定方法はどのようになっていますか?
開発をリードするポジションを志望する方におすすめの質問です。
組織としてどのような基準やフレームワークを持っているか、または各マネージャーに任されているか、という実態を知ることで、その企業が何を大切にしているかを読み取ることができます。
前職の企業とはまったく異なる決定方法だった場合は、入社後にギャップに苦しむことがないよう、あらかじめ対策できるでしょう。
業界特有の質問4選
最後に、IT業界ならではの質問を4つご紹介します。企業の将来性を見極める参考になり、IT業界に対するあなたの関心度や、仕事に対する視座の高さもアピールできる質問です。
これらはいずれも経営にかかわる内容なので、役員が面接官を務める最終面接に向いています。
ただし注意が必要なのは、以下の4つの質問への答えは、会社案内や企業Webサイトに書かれていることも多いという点です。それを知らずに面接で質問してしまうと、企業研究における情報収集が不十分だと見なされ、逆にマイナスの評価に繋がってしまう場合があります。公開されている情報はしっかり読み込んだうえで、それを踏まえてより踏み込んだ質問をするようにしましょう。
御社のサービスにおける競合との差別化ポイントは何ですか?
経営陣が認識している自社の強みを確認するための質問です。あなた自身が、給与や福利厚生といった目先の条件だけでなく、会社の将来性や成長性を重視していることが伝わるでしょう。
この質問をする前提として、競合にどのような企業があり、応募先企業がその中でどのようなポジションにあるのかを理解しておく必要があります。
セキュリティ対策やプライバシー保護についてどのような取り組みをされていますか?
セキュリティ対策やプライバシー保護に対する意識の高さが伝わる質問です。
この質問をする際には、なぜそれを知りたいのか、自分自身はセキュリティ対策やプライバシー保護についてどのような問題意識を持っているのかを、説明できるようにしておきましょう。
最新のテクノロジートレンド(AI、ブロックチェーンなど)に対する御社の姿勢や取り組みを教えてください。
最新のテクノロジーに対する関心度を企業に対してアピールできる質問です。この質問への回答は、企業の将来性を知るための材料としても役立ちます。
ただし、技術トレンド自体への理解が中途半端なまま質問すると、話がかみ合わなくなる恐れがあります。あらかじめ情報収集しておき、自分なりの考えを持ったうえで質問しましょう。
今後のWeb/IT業界の変化に対して、御社はどのように対応していく予定ですか?
業界の将来を見据えて転職活動をしていることが伝わる質問です。この質問も、応募先企業の将来性を探るのに役立ちます。
この質問をする前には、現状のWeb/IT業界の変化や、将来予想される変化について理解を深め、自分なりの考えを持ったうえで質問するようにしましょう。
一次面接や役員面接で役立つ逆質問
ここまで、IT業界への転職活動で使える逆質問の例をご紹介してきました。マイナビクリエイターでは、一次面接、二次面接、最終面接(役員面接)といったフェーズごとに、業界を問わず使える逆質問も多数公開しています。以下の記事もあわせて活用してください。
逆質問は事前準備がカギ!企業側の意図を理解してチャンスを最大限に生かそう
IT業界の採用担当者は、その業界・企業を目指す理由が明確で、今後の成長が期待できる人材を求めています。なぜ自分はIT業界で働きたいのか、将来どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、自己分析や業界分析、企業分析をしっかり行ったうえで、逆質問を用意しましょう。
マイナビクリエイターでは、IT業界への転職を目指す方向けに、キャリアアドバイザーによる面接対策支援なども行っています。ぜひご相談ください。