面接担当者の視点に立とう - Web職・ゲーム業界ならではの面接対策とは?
普段は、作品力で勝負しているクリエイター。ただ、その中には自分のクリエイティブや作品について客観的に語ることが苦手な人が意外に多くいます。特にWebデザイナーやイラストレイターのように、ビジュアルに訴えかけるタイプの人は、自分のコンセプトやポリシーを言葉で表す経験が少ないかもしれません。しかし、転職の面接においては自分を「言葉で語れる」ことが非常に重要です。ここではクリエイターが心がけておきたい面接対策について説明しましょう。
面接は、クリエイターとしてのアイデンティティーを問われる場所
職種によって質問の表現はさまざまですが、クリエイターに対する採用面接では「なぜクリエイターになろうと思ったのですか?」「あなたはなぜクリエイターを続けたいのですか?」「あなたはどういうタイプのクリエイターですか?」といった、あなたのアイデンティティーに関わるような本質的な質問がよく投げかけられます。
これは「将来昇進によって管理職になってもいいか?」といった実務的な意味を含んでいる場合もありますが、クリエイターとして、どれだけ自分を深くみつめているかを知りたい場合にも質問されることがあります。これは、あなたがクリエイターという職業やクリエイティブに対してどれだけ強いこだわり・覚悟を持っているかによって、将来の伸びしろが違ってくることが多いからです。
向上心と前向きな姿勢をアピールしよう
同様の質問として「ふだん、どのようにスキルを磨いていますか?」「新しい知識や技術はどうやって身につけていますか?」といった向上心や心構えを問う質問もよくあります。これは、自分の成長に対してどれだけ前向きな人材であるかを確かめるためです。
いくら才能に恵まれたクリエイターでも、自分の感性だけに頼っていると大成は難しいでしょう。特に、Web職やゲーム業界のように技術の進歩や表現のはやりすたりが早い分野では、人脈やネットワークを通じた幅広い情報源を持つことも大切です。
だからといって、雄弁・饒舌である必要はありませんが、こうした本質的な質問に対して「自分なりの、自分ならではの回答」を準備しておくことは大切でしょう。
個性と社会性の両立を求められていることを知ろう
転職の際にクリエイターが見落としがちなのは「企業が募集しているのは、天才的なクリエイターではなく、企業人として成果を出せる人材である」という点です。
Web職やゲーム業界で働くクリエイターにとって、確かに個性は大切です。しかし、個性的すぎてほかの社員やスタッフと協力して働けないのでは企業としても困ってしまいます。つまり、企業におけるクリエイターには強い個性と社会的協調性の両立が求められるでしょう。
そういう意味では、社会一般的な採用面接の「型」というものを知り、その型に添えるようなトレーニングをしておくことも必要です。「社会人マナー研修」で学ぶような事柄も決して軽視するべきではありません。言葉使い、身だしなみ、相手に対する配慮など「自分はクリエイターだから」という理由で免除されるものは何一つとしてないからです。
採用担当者は、会社に貢献してくれる人材を採用する義務を背負っている
「将来、どのようなクリエイターになりたいですか?」という質問には注意が必要です。ここで採用担当者が知りたいのは、あくまでも企業人・職業クリエイターとしての将来の夢です。もちろん、ある程度は自分が個人的に目指している夢を語ってもかまいません。しかし「その夢を実現することによって、会社にどのような利益があるのか」について必ず答えるようにしましょう。
採用担当者は「企業のために貢献してくれる人材」を採用しなくてはならないという義務を背負っています。たとえあなたがどんなに才能あふれる優秀なクリエイターだったとしても、その能力が会社に貢献されないのなら、あなたを採用するわけにはいかないでしょう。
あなたが輝くことで、会社にも大きな利益をもたらす。採用担当者があなたに期待しているのは、そういう相互関係の上に成り立つ大きな夢なのです。
まとめ
面接は、クリエイターにとって「自分」という作品をプレゼンテーションする場だと考えることができます。決して押しつけがましくならず、けれど謙遜する必要もなく、等身大の自分を見てもらうことが一番に重要です。一方で、せっかくお互いに貴重な時間を割いてプレゼンテーションを行うのですから、あなたの真価を適正に評価してもらいたいものです。そのための誠意や努力を見せる方向性を決めるのに、これまで話してきた知識が役立つと思います。