ビジネスパーソンとして押さえておくべき正しい面接マナー

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面接 マナー 採用面接の場では、どのような職種であれ、正しいマナーが要求されます。「クリエイター職は営業や接客に直接関与するわけではないのだから、作品さえ優れていれば、特にマナーなどにこだわる必要はないのでは?」と考えている方をしばしばお見受けしますが、これは大きな間違いです。

クリエイターといえども、会社に所属すれば組織人の一人。場面によっては会社を代表する役目を果たさなくてはならないこともありますから、ビジネスマナーの習得は必須です。また、面接の場は、「ビジネス上、初対面の人と接する場」でもあります。このような場面で社会人としてふさわしいマナーが発揮できないようでは、いくら才能にあふれていても「ビジネスパーソンとして失格」という判断を下されても仕方ありません。

ここでは、クリエイター職の面接対策の一環として、望ましい面接マナーについてお話ししたいと思います。

面接に対する考え方編

面接当日を迎えるまえに、面接についての考え方やスタンスについて、理解していただきたいことがあります。
まずは、クリエイターが面接で勘違いしがちな「クリエイターあるある」をいくつかご紹介しましょう。

NG クリエイターは作品さえ良ければマナーは不問。
OK クリエイターも組織人としてのマナーが不可欠。

会社組織の中で、クリエイターは特別な存在ではありません。あくまでも組織の一員で、会社側から見れば、クリエイター職というポジションに就いている社員の一人に過ぎません。ですから、面接でも「クリエイターだからマナー違反は多少大目に見よう」などということはありません。面接担当者は社会人としての節度を持った人材か、組織人としてきちんと振る舞える人材かを見極めようとします。作品の良し悪し、才能やセンスを評価されるのはその次の段階です。

マナー 作品 評価
NG クリエイターは組織内でも気難しいアーティスト気質が許される。
OK アーティスト気質でもビジネスマナーは必須!

「クリエイターはアーティスティックな職業なので、気難しい振る舞いや非常識さもある程度は許される」という誤解を持った方をたまに見かけます。それどころか「むしろエキセントリックで傍若無人なくらいのほうがクリエイターらしい」と考えている人さえいます。

確かに、世間的にはそうした見方をする人もいるでしょう。また、前職の職場はそういう振る舞いが許される社風だったのかもしれません。しかし、転職市場で企業が社員として欲しているのは、決してそのような人材ではありません。そのような価値観は通用しないものと強く認識してください。マナーは必須です。

クリエイター 企業 マナー 少なくとも、企業に所属するビジネスパーソンとしてのクリエイターは、クリエイティビティとビジネスマナーを両立してもらわなくてはならないのです。

NG 面接はあなたが作品や能力をアピールする場。
OK 面接は自分がその会社にふさわしいと証明する場・会社があなたを評価する場。

これもクリエイターにありがちな誤解です。立派なポートフォリオを作り、面接では作品を説明することに全力を注ぎたいという人もいますが、それだけでは面接はうまくいきません。面接とは、自分の作品や能力をアピールする場ではなく、その会社の一員として自分がふさわしいかどうか、魅力的かどうかを面接担当者が見定める場所です。作品も自分を紹介するツールのひとつでしかありません。

NG 面接では創作への情熱を前面に出すべき。
OK 面接では節度と相手への心遣いも大切。

応募者が自分の仕事領域について熱意を語り、話を盛り上げることはクリエイターとして必要なひとつの資質ではありますが、熱が入りすぎて面接の場にふさわしい振る舞いから逸脱しない節度も必要です。面接担当者の求めるものを感じながら、チームワークを発揮して面接の場をすばらしいものに作り上げ、お互いに最良の成果を得ようという考え方で臨むことをおすすめします。

面接の場を提供していただくということは、その会社から「チャンスをいただいている」ということであり、面接担当者の「貴重な時間をいただいている」という意識を持つべきでしょう。時間を割いているのはこちらも同様ではありますが、「お互い様だからいいだろう」ではなく、「お互いに敬意を払い合う、そのためにはまず自分が敬意を払う」という意識を持つことは、マナー以前のコミュニケーションの基本といえるでしょう。

面接当日のマナー編

面接の考え方についてご理解いただけたら、次は面接当日のマナーについて説明していきたいと思います。面接当日のマナーは、原則として「新卒の就活と同様」と考えていただいて間違いありません。クリエイターとしてどれだけの経験があろうと、また、前職でどんなポジションについていようと、社会人一年生と同じように、基本マナーに忠実に、謙虚に振る舞うことが求められます。「こうすべき」という行動を丸暗記するよりも、その奥にある考え方を汲み取って、ご自分の行動に応用してみてください。

<会社へ着くまでのマナー> 早めの連絡や下調べでトラブル防止

会社の場所がわかりにくい場合や、会社の場所を探しているうちに面接までの時間が切迫してしまった場合などは、迷わず先方に電話で問い合わせましょう。

もっとも、こうした事態は事前に地図アプリやGoogleマップなどで現地を下見しておけば、ほとんどの場合避けられます。面接の通知を受けた段階でこうした下調べをしておかないことが、すでに「面接対策が不十分」であり、「マナー不足」といえます。

<遅刻してしまった際のマナー> 必ず時間前に一報を!

遅刻は厳禁ではありますが、電車が遅れたり、さまざまなアクシデントに巻き込まれたりといったやむをえない事情による遅刻もあります。その際、遅刻しそうだとわかったら、真っ先に先方に連絡を入れるのがマナーです。必ず指定時間よりまえに「遅刻する」という報告と到着予定時間と併せてお伝えしましょう。「5分ぐらいの遅刻なら連絡しなくても大目に見てもらえるだろう」などという考えは、社会人として絶対にあってはなりません。

連絡は手短に済ませましょう。遅刻の理由や謝罪を長々と述べられても先方は迷惑ですし、説明に要する時間を省いて到着時間を少しでも早めたほうが誠実です。

<会社へ入る際のマナー> 指定時間の5分前には受付へ

面接指定時間の何分前に会社に入るべきかは諸説あるのですが、私達マイナビクリエイターは、遅くとも10分前には会社に到着し、5分前までに受付を済ませるようにするのが基本マナーと考えています。定刻ジャストに受付けを始めたのでは、面接担当者を待たせてしまうことになります。

<待っているあいだのマナー> 飲み物が出たらきちんとお礼

面接会場に通され、面接担当者を待っているあいだに飲み物を出していただける場合があります。その際はきちんとお礼を忘れずに。時折、飲み物をお持ちしてくださった方にぞんざいな対応をする応募者がいますが、当然、飲み物を出してくださる方も社員の一人です。そういった非常識な振る舞いが面接担当者に報告され、致命的なマイナス評価につながる可能性は十分に考えられます。

また、報告されなかったとしても、このような振る舞いは社会人として大きな問題があることを自覚するべきでしょう。

<挨拶時のマナー> 立ち上がって挨拶し、名刺は両手で受け取る

面接担当者が入室したら、必ず立ち上がって挨拶をし、名刺は両手で、相手の目を見て受け取ります。このマナーを徹底するだけで随分と印象が違うものです。また、着席をうながされるまでは、勝手に椅子に座らないようにしてください。

<面接時のマナー> 面接中は相手の意向を読んで受け答え

前述の「面接の考え方編」をしっかり頭に入れて、採用担当者の反応を見ながら話を進めていきます。体を相手の正面に向ける、相手が発言しているあいだは相手の目を見る、背筋を伸ばして座り、不要な動作(貧乏ゆすりなどの癖)をしないといった常識的なことができていない人が案外多いようです。新卒のころの初心に戻ったつもりで姿勢を正してください。

<面接終了後のマナー> 最寄り駅までが面接

面接が終わったら、「ありがとうございました」と一礼し、退室します。

面接室から玄関までオフィスを通る場合は、社員の皆さんに挨拶をして通りましょう。時々、エレベーターのドアが閉まってすぐに、あるいはオフィスの玄関を出てすぐに気を抜いてしまう方がいますが、最寄り駅までは面接が続いていると思って、姿勢を正したまま帰ってください。面接前後の行動は、案外いろいろな人にチェックされているものです。

職種別面接マナーNG事例

面接マナー NG例 キャリアアドバイザーがクリエイターの方の面接に同行した際、「経歴や作品集は申し分ないのに、このマナーでは採用に至らないだろうな…」と感じる残念な事例が数多くあります。職種ごとに、ありがちなマナーNG事例をご紹介しましょう。

Webディレクター Aさんの場合

  • 【プロフィール】
    Webディレクター歴10年/Web制作会社から事業会社へ転職希望
  • 【面接中】
    今まで大きな仕事をされてきた自負か、関わった仕事でどれだけ自分が活躍したかを、オーバーな身振り手振りで長時間話してしまう。
  • 【採用担当者の反応】
    面接というより、独演会のような印象が…。
  • <キャリアアドバイザーよりアドバイス>
    Webディレクターは、クリエイターの中でもビジネス寄りの職種です。業務として、クライアント・協力会社との打ち合わせや交渉が発生しますし、キャリアが長くなれば部下やプロジェクト全体のマネジメントも必要となります。まずは、チームワークが期待できる、全体を見通せる、ということをわかっていただいた上で、情熱をアピールしたほうが良かったと思います。また、身振り手振りが大きすぎるのは気になります。基本マナーとまではいきませんが、手は机の上に置いておいたほうが無難でしょう。

Webデザイナー Bさんの場合

  • 【プロフィール】
    Webデザイナー歴3年/Web制作会社から同業他社へ転職希望
  • 【面接中】
    前職では、学生時代にアルバイトをしていた制作会社へそのまま就職したBさん。新人研修もなかったそうで、挨拶は座ったまま、名刺は片手で受け取り、採用担当者と目を合わせずに話すことが多い面接になった。
  • 【採用担当者の反応】
    作品は良かったが、あのマナーでお客様のところに行かれると、少し心配…。
  • <キャリアアドバイザーよりアドバイス>
    人が来たときに立ち上がって挨拶をする、名刺は両手で受け取る、といった基本的なマナーができずに損をする方がいます。これは転職希望のクリエイターの皆様に強く言いたいことですが、基本的なマナーを身に付けることは、デザインのクオリティを高めるよりずっと簡単です。少なくとも転職面接においては、「基本的なマナーを身に付ける」というわずかな労力で、効率良く自分の人材的価値を高めることができますので、ぜひマナーを大切にお考えください。

ゲームプランナー Cさんの場合

  • 【プロフィール】
    ゲームプランナー歴5年/ゲームの開発会社からゲームの運営会社へ転職希望
  • 【面接中】
    面接に行った会社のゲームが好きだったので思わず熱が入ってしまい、ゲームの解説をするなど、転職希望者というより、ゲームのファンとして熱く語ってしまった。
  • 【採用担当者の反応】
    当社のゲームが好きなのは大変うれしいが、我々は作る側だという意識が希薄に感じられた…。
  • <キャリアアドバイザーよりアドバイス>
    盛り上がるのはいいのですが、節度は必要です。採用担当者は、最初はゲーム解説を笑顔でうれしそうに聞いておられましたが、話が長引くにつれだんだんと顔が曇ってきました。その曇りを察知して、「だからこういうゲームを作りたい」という方向に持って行ければ、面接を通過できたのではないかと思います。情熱をコントロールするのは難しいのですが、節度やマナーを持って面接に臨んでいただければと思います。

面接におけるマナーを習得するには

では、ここで説明したような基本的な面接マナーをどう習得すればいいのでしょうか?最も理想的なのは、1〜2日の期間で受講できるビジネスマナーの講座などに参加していただくことです。こうした研修は、企業向けに新入社員研修の一環として提供されているものが多いのですが、一般向けに開講されているものも数多くあります。もちろん参加者の年齢は問いません。

しかし、そこまでしなくても、ビジネスマナー系の本を一冊熟読していただければ、面接に必要なほとんどのマナーは習得可能です。例えば、マイナビの就活用マナーの本もそのような目的で制作しています。就職でも転職でも面接マナーの基本は同じですので、ぜひ面接前に読んでいただくことをおすすめいたします。

「マイナビ2018オフィシャル就活BOOK 要点マスター! 就活マナー」 美土路雅子・著/マイナビ出版・刊

まとめ

クリエイター職に限ったことではありませんが、社会経験が長くなり、ポジションが高まるにしたがって、どうしても基礎的なマナーをおろそかにしてしまいがちになります。また、大切なクライアントと接するときなどは、十分マナーに沿った対応ができるスキルをお持ちの方でも、「面接」という非日常的な場に置かれることで、どのような振る舞いが適切なのか判断に困ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

採用面接の原則としては「社外の初対面の方に、ビジネス上の用件でお会いする場合」のマナーを守っていただければいいのですが、「今回の記事を読んだだけでは、自分のマナーが適切かどうか自信を持てない」という方は、マイナビクリエイターのキャリアアドバイザーにご相談ください。基本的なマナーのチェックや指導のほか、キャリア相談、応募書類へのアドバイスなど、すべて無料でご利用できます。きっとあなたに役立つ、実践的なアドバイスができるはずです。

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