Webデザイナーが採用面接で実力を発揮するための具体的対策

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Webデザイナー 面接 めまぐるしく変化し続けるWeb業界の中でも、Webデザイナーほど多くの変化にさらされている職種は少ないのではないでしょうか。

技術の進歩はもちろんですが、PCベースからモバイルベースへといった利用環境の広がり、インターネットが世界の主要な情報インフラとなったことにより要求されるデザインの方向性が大きく多様化したこと、サーバーやWebサービスなど、Webデザインと連携するテクノロジーが多様化・複雑化し続けていることなどから、Webデザイナーに求められるスキルや働き方も大きく変わりました。

そこで今回は、Webデザイナーが転職する際、企業は採用面接でどのような点に特に関心を持っているのか、また、Webデザイナーは面接でどのような受け答えをするべきなのかといった点についてご紹介したいと思います。

[ポートフォリオ編]
面接担当者はデザインの「論理性」を見ている!

Webデザイナーが実績をアピールする材料としては、ポートフォリオが代表的なツールです。面接の場においても、ポートフォリオを見ながら受け答えをするシーンが多いでしょう。そういうときの注意事項と、受け答えのNG例をご紹介します。

NGトーク例

面接官 このサイトはなぜ赤ベースだったのでしょうか?
応募者 はい、女性向けなので、赤が好きだと思いまして…。
面接官 (…アウト)

なぜアウト?

「女性だから赤が好きだろう」というのはやや誇張した例ですが、デザイナーの好みやセンス、価値観などの属人性が高い(デザイナーのクリエイティブを発揮した)デザイン全般に対する企業側の評価は、ここ数年で大きく変わりました。「どうしてこのデザインにしたのか」を論理的に説明できるデザイナーをほしがる企業が大半になっています。

Webは美術品ではなくツールであり、社会の情報インフラなので、Webデザイナーには実用性のあるデザインを求められます。そのためには、どうすれば見てもらえるのか、どうすればボタンを押してもらえるのか、どうすれば迷わずに最後まで読んでもらえるのかを論理的に考え、論理的に説明できることが理想です。

また、制作会社の場合はクライアントが「デザインの必然性」に関する説明を求めるケースが増えてきており、そうしたニーズもWebデザイナーの転職に大きく影響しています。

Webデザイナーならどう答えればいい?

面接官 このサイトはなぜ赤ベースだったのでしょうか?
応募者 はい、このサイトは元々○○という会社のブランディングを確立するために作りました。その際、色調は○○のコーポレートカラーである赤を採用しました。正確にはR〇〇G〇〇B〇〇の『〇〇レッド』という色です。逆にこの赤以外には文字や敷き面に赤系の色を使わず、〇〇レッドだけがくっきりと目立つように色彩設計をしています

このように、そのデザインにした必然性を論理的にしっかり説明できれば、面接担当者はその論理自体が正しいかどうかを問題にする以前に、その論理的な姿勢を評価してくれる可能性が多々あります。

作品の奥の論理性はこんな風に問われる!

Webデザイン 論理性 上記の質問は、面接の現場で実際にされた質問例です(サイトは説明用に用意したもので、応募者の作品ではありません)。上記の例でマイナビクリエイターが考える「望ましい回答例」は下記のようなものです。

Q ボタンをこの位置にしたのはなぜですか?
A このページのコンバージョンはこのボタンに設定されています。ですから、最初は一番上や真ん中に置く案もデザインしていました。ただ、位置的に一番先に目が行く案は、滞在時間が短く、直帰率が高くなることがわかりました。ミーティングで、ある程度ページを読んで理解してもらってからのコンバージョンが望ましいというコンセンサスが取れたため、目線が2番目に行く今の場所で、色を目立たせました。その結果、滞在時間は上がり、コンバージョン率も上がりました。
Q 写真のローテーションを3画像にしたのはなぜですか?
A この画像ローテーションは、フラッシュを使わずにHTMLとCSSだけで表現できることがわかったときに試してみたかったというのが出発点です。そして、トップページの平均滞在時間が〇分、告知を読むのに〇秒かかると想定して、3画像が適切ではないかという仮説にたどり着きました。
Q セミナー情報のほうが、ブログより写真が大きいのはなぜですか?
A 情報としては、セミナーのほうがブログより重要度が高く、注目度を上げたいというクライアントの意向がありました。ただし、セミナーだけが目立ってしまうと、広告ページだと勘違いされやすいことがテストページで判明しました。そのため、ブログという読み物要素の強いページを並べ、写真だけはセミナーのほうを大きくすることで、詳細ページへの誘導を強めています。
Q 求人情報がかなり下にあるのはなぜですか?
A この事業を考えたときに、求人情報は重要度の高いものです。ただ、現在はPCのファーストビューで、求人情報が表示されないデザインにしています。それは、とにかく広告ページではないこと、そして無料申込みに誘導することを優先させた結果です。

ぜひあなたのポートフォリオでもシミュレーションして受け答えの研究をしてみてください。

[成果編]
採用担当者は「PDCAを回せるか」を見ている!

PDCA

NGトーク例

面接官 このボタンの効果が低かった場合、どうしますか?
応募者 はい、もっと大きく目立つようにしてみます。色も変えるかも…。
面接官 (…アウト)

なぜアウト?

Webサイトのデザインは、制作した時点で完成ではなく、ほかの人からの修正や公開後の結果によって改善していく「PDCA(Plan Do Check Action)」を回すことが最初から想定されています。

また、Webサイトのデザインにおいて、求められるのは見た目ではなく成果です。「効果が低かった場合」という質問に対して、ビジュアルベースの返事をしてしまった時点で「このWebデザイナーは、グラフィックデザインの域を出ていない」と判断されても仕方ないでしょう。

Webデザイナーならどう答えればいい?

面接官 このボタンの効果が低かった場合、どうしますか?
応募者 はい、まずこのページ自体のアクセス数や滞在時間を見て、他のページや競合サイトと比べ、原因がボタンなのか、ページなのか、別の何かなのかを探ります。おそらくボタンを変えるというより、ユーザーの目の流れをシミュレーションして、ページ全体のレイアウトを見直すことになると思います。

[経歴編]
面接担当者は「アンテナの感度の高さ」を見ている!

アンテナ 情報 感度 面接の話題があなたの経歴に移った場合のやり取りについて考えてみましょう。

NGトーク例

面接官 紙媒体のデザインが長いようですが、WebのUXについてはどのようにお考えですか?
応募者 ええと、UXという名前を知っている程度ですね…。
面接官 (…アウト)

なぜアウト?

Webデザイナーとして活躍するためには、新しい技術やツール、政策や法律などの最新情報を常にキャッチアップしておく必要があります。そのための情報収集はWebデザイナーが自発的に行い、業務上の必要性とは別にいち早く試してみるぐらいの人が求められています。情報収集のアンテナの感度が高いかどうかは、面接担当者が非常に意識する部分です。

Webデザイナーならどう答えればいい?

面接官 WebのUXについてはどのようにお考えですか?
応募者 はい、数年前にいつもチェックしているアメリカのWeb最新技術サイトで知り、書籍を取り寄せて原書で読みました。Webならではの発達した概念で、非常に興味深く感じたことを覚えています。私は紙媒体との対比でUXについて学びましたが、逆に、Webばかりで仕事をしている人の場合、日本ではいまだにUXとUIの意味の違いを混同しているデザイナーが多いようですね。…(以降、自説を語る)

[実績編]
採用担当者は「数字」を見ている!

採用 数字 ポートフォリオや職務経歴書を見ていくうちに、面接担当者はあなたの「実績(ビジネス的な意味での成果)」に目を向けてくるものと思われます。ここでの受け答えについて考えてみましょう。

NGトーク例

面接官 このLP(ランディングページ)の効果はいかがでしたか?
応募者 はい、営業担当者から、けっこう好評だったと聞いています。
面接官 (…アウト)

なぜアウト?

Webでは、デザインを数字で語るのが常識です。どれだけアクセスを集めたか、何分間ページを見てもらったか、何人がボタンを押したか…。その対前年比やページごとの比較を出して、次のPDCAに活かすのです。効果の話をするときに、KPIになる数字の話をしない時点で見識を疑われます。

Webデザイナーならどう答えればいい?

面接官 このLPの効果はいかがでしたか?
応募者 はい、以前のLPよりCVR(コンバージョン率)が〇%もアップしました。それによってCPA(コンバージョン単価)が半分近くまで落ちたので、クライアントにたいへん喜ばれました。分析の結果、要因としては〇〇と〇〇が功を奏したという仮説が得られたので、次の改善では〇〇をもっと攻めてみようという結論になりました。

Webサイトのおもな評価指標

PV(ページビュー) 一定期間内に、サイトのページが見られた総数。
セッション 一定期間内に、サイトに訪問してから離脱するまでをカウントした数。例えば1日のあいだに同じユーザーが2回サイトを訪れた場合は、2セッションとカウントされます。
UU(ユニークユーザー) 一定期間内に、サイトを訪問した人数。同じ期間内に同じユーザーが何度もサイトを訪れた場合は、1UUとカウントされます。
CVR(コンバージョンレート) サイトのゴール(コンバージョン=問い合わせや資料請求など)に達したUUの割合。
直帰率 1ページだけ見て去ってしまったセッションの割合のこと。直帰率の高いページは、有益な情報を提供できていない可能性があります。
カゴ落ち率 EC(ネット通販)サイトで、商品が一度ショッピングカートに入れられながら、購入されなかった率。世界平均は75%あるといわれています。

[技能編]
面接担当者は「センス」を見ない!

NGトーク例

面接官 では、自分で自信のある点について教えてください。
応募者 はい、私は美術系の大学を卒業し、仕事もデザイナーを選びましたので、美しい物への感度や、センスといった部分には自信があります。
面接官 (評価ができない…。アウト)

なぜアウト?

デザイナーに必要不可欠だと考えられる美的センス・感覚といった資質は、会社が教育しようとしても限界があり、個人的な資質や努力に大きく依存する部分があります。そのため面接担当者、特に人事担当者は、「センスに関してはわからないので評価しません」と、はっきり言われる方も多く存在します。

ただ、「センスがいらないと言っているわけではなく、センスをアピールされても判断できない」というのが本音のようです。人事担当者が知りたいのは、センスなどという評価がまちまちで直接経済価値に換算できないものではなく、組織の一員として会社にどれくらい貢献してくれるか、ほかのメンバーと協働しシナジー効果を発揮してくれるかといった点です。

今回の面接担当者がどの部署の人かを考えて受け答えをするセンスも、面接では非常に重要だということを覚えておきましょう。

Webデザイナーならどう答えればいい?

面接官 では、自分で自信のある点について教えてください。
応募者 はい、私は美術系の大学を卒業し、色彩心理について深く学びました。サイト設計の段階での色彩設計には自信があります。また、サイトに求められる目的ごとにどのような色彩計画が適切であるか、それがユーザーにどういう心理的影響を与え、どのような成果が期待できるのか、論理的にクライアントを説得する自信があります。もちろん、これまでにそれで成果を出し、クライアントとの信頼を築いてきました。今後は色彩をさらに戦略的に活用し、目的を達成するよう心掛けていきたいと思います。

このように、「結果的に会社の利益に役立つ」ことをその根拠を添えて話せば、デザインについて素養も関心もない人事担当者だったとしても、あなたの言葉が胸に響くはずです。

まとめ

面接で実力をアピールできるよう、十分な対策を!

今回は、Webデザイナーの面接対策として、受け答えのポイントを「ポートフォリオ編」「成果編」「経歴編」「実績編」「技能編」に分けてご紹介してきました。「何だこれは!自分がデザイナーとしてアピールしたい事柄がひとつも含まれていないじゃないか!」と、戸惑いや怒りを感じた方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、これがクリエイターの転職の現実です。

私達マイナビクリエイターは、こうした現状に対する理解を深めないまま、「実力に自信があるから大丈夫」と転職活動に臨んだ結果、面接につまずいて望むような転職ができなかったWebデザイナーの方に数多く接してきました。Webデザイナーが、採用面接で実力を発揮するためには、計画的で戦略的な面接対策が必要不可欠です。あなたの人材力をいかんなくアピールできるよう、ぜひ本記事をお役立てください。

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